🧣29〉─10─新型コロナウイルスと急増する児童虐待。~No.116 

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 2021年8月27日 産経新聞児童虐待、初の20万件超 最多更新 コロナ影響か
 厚生労働省=東京都千代田区
 全国の児童相談所が令和2年度に児童虐待として対応した件数が20万5029件(速報値)に上ったことが27日、厚生労働省のまとめで分かった。平成2年度の統計開始以来30年連続で最多を更新し初めて20万件を超えた。前年度からの増加は1万1249件(5・8%増)。増加幅は近年2割増程度だったが縮小した。新型コロナウイルス禍の影響も懸念されるが、厚労省は「現時点で感染拡大との間に明確な関連性は見られない」とした上で、引き続き注視する方針。
 近年の児童虐待対応件数の増加は、連携を強めた警察からの通告が増えたのが要因とみられ、今年もその傾向が続いた。専門家からはコロナ禍で家庭環境が変化し虐待のリスクが上がる一方で、支援も届きにくくなり「虐待の潜在化」が起きているとの指摘も出ている。」
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⛲13〉─3・A─無理ゲー社会を生き抜くために、シニア女性が働くべき理由。〜No.47 

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 2021年8月23日 MicrosoftNews NEWSポストセブン「「無理ゲー社会」を生き抜くために…「シニア女性が働くべき」理由
 © NEWSポストセブン 提供 60才以上の女性が積極的に働くべき理由とは(Getty Images)
 「無理ゲー」とは、攻略することが極端に難しいゲームを指す言葉だ。終戦から76年、戦火の記憶は遠く、日本ではテロの恐怖に身を震わせることもない。そんな恵まれた時代なのに、なぜこんなにも生きていくことが「攻略不能」に思えてしまうのか。多くの人が生きづらさと不安を感じざるを得ない──そんな社会を作家の橘玲さんは最新刊『無理ゲー社会』で攻略困難なゲームにたとえた。
 夢や目標に押しつぶされ、先行きは不安のまま。かといって、がんばろうにも集中力も続かないしやる気も起きない──現代社会が生きづらいことは確かだが、それは決してあなたの努力が足りないからではない。いま参加させられているゲームの難易度が極端に高いだけなのだ。それに気がついただけで肩の荷が下りた人も多いだろう。
 そのうえで、この理不尽なゲームに巻き込まれ、無残につぶされないための方法を考えたい。まず必要なのは、生き抜くための“武器”を持つことだ。シニア世代にとっては、老後資金について不安を抱える人も多いが、先立つものがあれば解消できることは多いはずだ。橘さんは、特に専業主婦の場合は貧困に陥る可能性が高いことを懸念する。
 「これまで日本の会社は勤務時間の長さで昇進を決めてきました。つまり、滅私奉公できる社員しか出世できない。これでは子育て中の女性はものすごく不利です。実際、日本企業では高卒の男性でも40代のうちに6割以上が課長になる一方、大卒の女性が管理職になる割合は40代半ばで2割超。しかもそれ以降はほとんど上昇しません。この『男女差別』に絶望して専業主婦になるケースも少なくないでしょうが、ここにも罠がある。
 フルタイムで定年まで働いた場合と比べて、専業主婦は生涯収入が2億円以上少ない。これが『貧困専業主婦』問題ですが、この状態で夫と離婚・死別すると母子家庭や高齢の単身女性の深刻な貧困問題につながります」(橘さん)
 こうした苦境において、重要なのは、やはりできるだけ長く働いて収入を得ることだろう。プレ定年専門ファイナンシャルプランナーでエミタメ代表の三原由紀さんもこんな指摘をする。
 「シニア女性からは投資でお金を増やしたいとの相談が最も多く寄せられますが、お金を貯める王道は働くことです。特に推奨したいのは、厚生年金に加入しながら働く方法です。専業主婦歴が長いなどで厚生年金の加入期間が60才時で30年未満の人なら、60才以降に厚生年金に加入して働くと年金の経過的加算部分が年間2万円ほど増えます。
 基本的に週20時間以上の労働時間で勤務先の社員が501人以上であることなどの条件を満たせば加入できる。たとえばイオンなど大きなスーパーで週3日、7時間のパートをするなどの条件でも加入することが可能です」
 ちなみに、雇用期間が1年以上であることも加入条件の1つ。長く働けそうな職場を選びたい。橘さんも、女性は人間関係の構築能力に長けているため、年を重ねてから新しい職場で働くハードルは低いはずだと背中を押す。
 「ヒトは進化の過程で、男が同じ共同体で生まれ育ち、徒党を組んで敵を殲滅するよう『設計』されたのに対し、女は近親相姦を避けるため群れを出て、違う集団のなかで人間関係を築く能力を養ったと考えられています。私の周りを見ても、定年後の男性がかつての会社の人間関係に固執する一方で、女性は新しい集いに積極的に参加して友人をつくっている。
 今後、日本的な終身雇用制度が崩れていくのは避けられませんが、流動的な人間関係に適応するよう進化してきた女性にとって有利な時代がやってくるのではないでしょうか」(橘さん・以下同)
 実際に橘さんの知り合いには定年退職後に有志で行政のパンフレットづくりなどを始めた女性がいる。
 「元編集者やライター、イラストレーターなど、一芸のある女性が集まって行政の会報を制作しているのですが、和気あいあいとしてとても楽しそうです。他人同士集まってフラットな関係性を築けるのは女性の強みで、これが男性の編集者やライターばかりなら、ヒエラルキーをつくろうとしてうまくいかないと思います」
 長い老後に備えて、働いて収入を得ることと並行して取り組みたいのは資産形成だ。
 「60代になってからでも資産形成は可能です。『どの株を買えばいいですか』と聞かれることが多いですが、初心者に株式投資はおすすめできません。やはり、つみたてNISAなど、長期積立分散投資をコツコツ行って資産を増やすのが効果的です。金融庁の統計によれば、60才から80才までの20年間、毎月数万円でも長期積立分散投資を続ければ、概ね年利2~3%で回せるはずです」(三原さん)」
 ※女性セブン2021年9月2日号
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🌁58〉─1─国際法違反。名古屋入管におけるスリランカ人女性拷問虐待死事件。~No.290No.391No.292 ㊵ 

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 2021年8月22日 MicrosoftNews プレジデントオンライン「「手や足を引っ張り、まるで動物のように…」30代女性に名古屋入管職員が行っていた"許されざる行為"
 © PRESIDENT Online 5月17日、遺族は名古屋入管を訪れ、ビデオ開示と真相解明を改めて訴えた
 今年3月にスリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が名古屋入国管理局の施設で死亡した問題で、国は最終報告書を公表した。フォトジャーナリストの安田菜津紀さんは「施設内でのウィシュマさんの様子を写した約2週間分の映像はごく一部が遺族のみに開示されたのみで、真相の解明とは言えない内容だった。2007年以降、入管施設では17人が死亡し、そのうち5人は自殺だ。このままでいいはずがない」という――。
 1人の留学生が収容され、亡くなるまで
 「人間を人間として扱ってほしい」――この言葉を何度、ウィシュマさんのご遺族から耳にしただろう。そう誰かに言わせてしまう社会は、果たして望ましい社会だろうか。
 3月6日、スリランカ出身のウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が、名古屋出入国在留管理局(以下、名古屋入管)の収容施設で亡くなった。
 ウィシュマさんは「日本の子どもたちに英語を教えたい」と夢見て来日後、学校に通えなくなり、在留資格を失って昨年8月から施設に収容されていた。
 今年1月頃から体調を崩し、やがて自力で歩けないほど衰弱していく。嘔吐してしまうため、面会中もバケツを持っていたと面会を重ねていた支援団体などが指摘してきた。こうした状態に追い込まれても、点滴などの措置は最後まで受けられなかった。
 国連から「国際法違反」の指摘を受ける日本の「入管」
 そもそもこの「収容」とはどういった措置なのかということをまず振り返りたい。
 例えば、仕事を失ってしまう、困難を抱えて学校に行けなくなってしまう、パートナーと離婚するなど、様々な生活の変化によって、日本国籍以外の人々は、日本に暮らすための在留資格を失ってしまうことがある。空港で難民申請をした人の中には、最初から在留資格がない人もいる。
 「収容」とは本来、在留資格を失うなどの理由で、退去強制令書を受けた外国人が、国籍国に送還されるまでの「準備」としての措置という「建前」のはずだ。
 ところが、収容や解放の判断に司法の介在がなく、期間も無期限で、何年もの間、施設に閉じ込められたまま、いつ出られるのかも定かではない人たちもいる。
 昨年、国連人権理事会の「恣意的拘禁作業部会」が、こうした実態を「国際法違反」と指摘した。それ以前から、国連の「拷問禁止委員会」などの条約機関からも度々勧告を受けてきている。
 入管が「拷問していることを認めている」
 ウィシュマさんは、同居していたパートナーからのDVと、その男性から収容施設に送られてきた手紙に、「帰国したら罰を与える」など身の危険を感じるような脅しがあり、帰国ができないことを訴えていた。
 2018年1月、入管局長名で全国の入管施設に出された「DV事案に関わる措置要領」の改訂版には、DV被害者にどのように対応すべきかが細かく記載されていたが、職員にその存在さえ周知されていなかったことが「最終報告書」でうかがえる。
 ウィシュマさんはDV被害者として対応されることもなく、仮放免(一時的に収容を解かれること)を申請するも不許可となり、二度目の仮放免申請の判断が出る前に亡くなった。
 「最終報告書」では、ウィシュマさんの仮放免を不許可にし、収容を続けた理由として、「一度、仮放免を不許可にして立場を理解させ、強く帰国を説得する必要あり」などという記載している。
 これは本来掲げられている「建前」とはかけ離れたものではないだろうか。8月10日の記者会見で遺族代理人の指宿昭一弁護士は、「長期収容による身体的、精神的苦痛を与えて、意思を変えさせることを“何が悪いのか”と開き直っていますが、拷問していることを入管は認めている」と強く指摘した。
 全体としても、施設内の医療体制の「制約」など、表面的な改善点を挙げるのみに留まり、収容体制の根本には切り込んでいない。遺族の求める「真相解明」とは程遠いものだ。
 遺族だけに見せられた監視カメラの映像
 さらに8月12日、入管庁はウィシュマさんが亡くなるまでいたとされる居室の監視カメラのビデオ2週間分を、わずか約2時間分に切り縮め、遺族のみに見せた。
 姉が苦しみ亡くなる映像を見ること自体、あまりに精神的負荷が大きいことだろう。ところが代理人弁護士の同席は、「特別の人道上の対応としてご遺族にご覧いただく」「現段階においても保安上の問題などがあることから、ご遺族外への開示は相当ではない」という理屈にもならない理由を掲げられ、認められなかった。
 その状況でビデオを見せたこと自体もまた暴力だろう。指宿弁護士は、「代理人の制度を、法務省自ら否定している」、と憤る。
 結局、ご遺族は1時間10分ほどの映像を見進めた時点で中断し、ビデオを見たウィシュマさんの妹で次女のワヨミさんは、涙が止まらず、嘔吐してしまう場面もあったという。
 「人権なんてここに全くありません。姉を助けることはできたはずなのに、犬のように扱っていました」と震える声で語った。日ごろは穏やかに話すワヨミさんの、心からの叫びだった。「すべての外国人の皆さんに伝えたいです。明日はあなたの番かもしれません」。
 職員が馬鹿にしたように笑う場面も
 「最終報告書」には、2月26日午前5時15分頃、ベッドから落下したウィシュマさんが、「数回に渡り」インターフォンで職員の呼び出しを試みたことが記されている。2名の職員がベッドに戻そうとするも、持ち上げられず、勤務者が増える8時頃まで床の上に寝かせていたことが、さも「やむをえなかった」ことのように書かれていた。
 映像を見たご遺族によると、ウィシュマさんは泣きながらインターフォンで「23度」にわたり職員に助けを求めていたのに対し、職員は「そこには行けない、自力でやりなさい」と答えていたという。
 その後、職員が部屋に来たものの、手や服の一部などを引っ張り、ウィシュマさんに対し「肩を上げなさい」など自力で動くよう指示した上、「大声出さないで」などと対応したという。体を持ち上げてベッドに戻そうとする様子にはとても見えなかったという。
 「最終報告書」には、亡くなる5日前の3月1日、ウィシュマさんがカフェオレを飲もうとしたところ、うまく飲み込めずに鼻から噴出してしまう様子に、「鼻から牛乳や」と職員が発言していたり、亡くなった当日でさえ、反応を殆ど示さないウィシュマさんに対して「ねえ、薬きまってる?」などと発言していたと記されていた。
 だがビデオを見たご遺族は、他にもウィシュマさんの尊厳を傷つけるような発言があったと指摘する。ベッドの上で、自力で体を動かせないウィシュマさんを介助しようとした職員が、「重いですね」「食べて寝てを繰り返しているから太っている」と馬鹿にしたように笑う場面もあったというのだ。
 記者会見に臨んだウィシュマさんの妹、ポールニマさんは、痛がっているウィシュマさんに対し「手や足を引っ張ったり、まるで動物のように扱っていました。姉にこのような扱いをしたのであれば、他の外国人にも同じことをするのでは」と憤る。「ここで働く人間には心がないのでしょうか?」。
 暴言を吐いた職員について、この日の午前中に遺族と面会した入管庁の佐々木長官は、「注意と指導はしています」と述べるにとどめ、具体的な処分について踏み込んだ発言はなかったという。
 国は監視カメラの映像を隠し続ける
 あくまでも「保安上の理由」を国側は掲げ続けているが、過去に国賠訴訟の過程などで内部の映像は開示されている。
 2014年、茨城県牛久市の「東日本入国管理センター」の入管施設でカメルーン人男性が亡くなった後、原告である遺族側が裁判の中で国に映像の提出を求めた。
 遺族側の代理人を務める児玉晃一弁護士によると、国側は裁判所に、職員がさも適切に対応していたかのように見える部分だけを恣意的に切り取り、編集した45分のビデオを“証拠”として提出してきたという。
 開示された監視カメラの映像を見ると、床をのたうち回るほどの苦痛を訴え続け、「I'm dying」「みずー」と叫ぶ、あまりに凄惨な状況がそこに映し出されているが、カメラはそんな男性に、対応にあたった職員がぞんざいな対応をし、体の上をまたいでいく様子も捉えていた。さらに、職員たちは監視カメラで男性の様子を観察しても、動静日誌に「異常なし」と書き込んでいたという。
 そもそもこれは、国の管理下の施設で起きた事件であり、ウィシュマさんが映るビデオは、佐々木長官や上川法務大臣の私物ではない。
 「収容という苦痛を与え、追い詰める」
 8月13日、真相解明とビデオ開示を求めオンライン署名を続けていた「ウィシュマさん死亡事件の真相究明を求める学生・市民の会」が、5万筆をこえる署名を、丸山秀治出入国管理部長に手渡した。
 この日の署名提出会見には、小説家の中島京子さんも駆けつけ、「収容という苦痛を与えて、それから逃れるためには帰国しかない、というふうに追い詰める。収容施設はそのための“手段”と化しているのだと思います。そのことに反省がなければ、何度でも同じことを繰り返すでしょう」と訴えた。
 難民に門戸を閉ざし続ける日本
 こうした中、アフガニスタンではタリバンが首都カブールを制圧した。カナダのトルドー首相は早々に、他国への退避を求めるアフガニスタンの市民2万人の移住を支援する考えを示した。カナダは米国と共に2001年、アフガニスタンに侵攻した国でもあり、その意味での責任も問われてくるだろう。
 ただ、それ以外の国が何も応答する必要がないわけではないだろう。難民条約に加入している、日本はどうか。そもそも日本の難民認定率は1%にも満たず、難民条約に加入しながら、難民にほぼ門戸を閉ざしてきた。そして、入管での冷酷な処遇は、難民申請者に対しても変わらない。
 児玉弁護士によると、2001年、突然収容されたアフガニスタンの難民申請者が、解放後に顔を出して会見に臨んだ後、本人たちの銀行口座の残高など、本来の難民該当性とは何ら関係のない個人情報を公開されるなど、法務省からの嫌がらせがあったという。
 今後アフガニスタンからの難民申請者への適切な対応が必要である一方、入管行政の根本が変わらなければ、また人権侵害や無期限収容に苦しむ人々を生み出してしまうかもしれない。
 ウィシュマさんを最後の犠牲者するために
今回の事件はウィシュマさんの問題だけにとどまらない。2007年以降、17人もの人々が、入管の収容施設で亡くなっている。うち5人は自殺だ。このままの「幕引き」では、ウィシュマさんを最後の犠牲者にすることはできないだろう。上川陽子法務大臣は8月20日、再発防止に向け、省内に「出入国在留管理庁改革推進プロジェクトチーム」を発足させたことを公表したが、まっとうな検証なくしてどんな「改革」が成り立つだろうか。その前に、独立した第三者調査の実施とビデオの開示をすることが、真相解明のため、そして繰り返さないために、国として最低限果たす責務ではないだろうか。

                    • 安田 菜津紀(やすだ・なつき) フォトジャーナリスト 1987年神奈川県生まれ。NPO法人Dialogue for People(ダイアローグフォーピープル/D4P)所属フォトジャーナリスト。同団体の副代表。16歳のとき、「国境なき子どもたち」友情のレポーターとしてカンボジアで貧困にさらされる子どもたちを取材。現在、東南アジア、中東、アフリカ、日本国内で難民や貧困、災害の取材を進める。東日本大震災以降は陸前高田市を中心に、被災地を記録し続けている。著書に『写真で伝える仕事―世界の子どもたちと向き合って―』(日本写真企画)、『故郷の味は海をこえて「難民」として日本に生きる』(ポプラ社)、『君とまた、あの場所へ シリア難民の明日』(新潮社)他。上智大学卒。TBSテレビ「サンデーモーニング」にコメンテーターとして出演中。 ----------」

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🥓3〉─1─小田急線無差別刺傷事件。「幸せそうな女性を殺したかった」~No.4No.5No.6No.7No.8 ① 

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 2021年8月17日 MicrosoftNews All About「「幸せそうな女性を殺したかった」小田急線無差別刺傷事件の背景を臨床心理士が読み解く
福田 由紀子(臨床心理士/メンタルケア・子育てガイド)
 © All About, Inc. 東京五輪が終盤を迎えた2021年8月6日夜、小田急線の車内で女子大学生を切りつけて殺害しようとしたとして36歳の男が殺人未遂容疑で逮捕されました。「幸せそうな女性を殺したかった」などの供述をもとに、凶行の背景を考えます。
 © All About, Inc. 1960年代後半、見合い結婚と恋愛結婚の比率が逆転しました。※国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」2021年版をもとに筆者が作成 
 「幸せそうな女性を殺したかった」
 走行中の電車内で20歳の女子大学生の胸や背中を包丁で刺し、乗客10人が重軽傷を負った小田急線無差別刺傷事件。殺人未遂容疑で逮捕された36歳の男が「幸せそうな女性を殺したかった」と供述したことが報道され、身勝手な動機に激震が走っています。
停車駅の少ない快速急行内で犯行に及んだのは「逃げ場がなくて大量に人を殺せるから」とのこと。車内にサラダ油を撒いて火をつけようとしましたが(当然のことながら)火はつきませんでした。
 これほどの大きな事件を起こしてまで、男が手に入れたかったものは何だったのか。凶行の背景にあったものは何なのか。これまでに報道されている供述をもとに「暴力」と「ジェンダー」をキーワードに読み解きます。
 不遇感と強いミソジニー(女性に対する嫌悪や蔑視)
 被害者の女子大学生は、服装などから「勝ち組っぽいと思った」ため、ターゲットに選んだそうです。
 この供述から読み取れるのは、彼が自分自身のことを「不幸な負け組男性」だと思っているということです。「女性」への憎悪を語っているようで、実際は彼の自己紹介です。
 男は、万引きを女性店員に通報されたことを逆恨みし、「女性店員を殺したいと思って再び店に戻ろうとしたが、閉店していたので、電車で事件を起こした」「女性なら誰でもよかった」と供述したとのことです。
 おそらく、通報した店員が屈強な男性店員なら、殺そうとは思わなかったはずです。そこには、男性である自分の優位性を脅かされた怒りが垣間見えます。また、逆恨みが「女性全体」への敵意に変わるところに女性蔑視を感じます。
 男性優位な我が国の社会構造の中で、男性は男性であるだけで優遇されてきました。それは、数年前の医学部不正入試問題でも明らかです。徐々に改善されてはいますが、未だに我が国の男女の賃金格差は世界ワースト3位(※1)です。
 男女平等な社会になることにより、男性の特権や既得権益が脅かされるのは事実です。女性の社会進出を歓迎しない男性たちは「自分の仕事を女性に奪われるのではないか」といった恐れを持っているようです。男性であることしか女性に対し優位性を感じられない人ほど「女なんかに奪われるなんて」と屈辱感は強くなるでしょう。
 これまで通りの男性優遇社会であれば、自分はこんなみじめな思いをしなくて済んだのにと被害感を持ち、「女性」に恨みを抱く男性もいるでしょう。
 容疑者は中央大学を中退後は職を転々とし、事件の数カ月前からは生活保護を受給していたといいます。彼自身が思い描いていた未来と現実がかい離する中で、もがいた日々もあったのでしょう。自分の不甲斐なさと直面するより、「女性のせいだ」と思っていた方が気が楽だったかもしれません。
 彼にとって「勝ち組」が何を意味するのかわかりませんが、人生を勝ち負けで考えるところも「男性ジェンダー的」です。「女の子でしょ」「女のくせに」といった女性に向けられるジェンダー規範が「禁止のメッセージ」であるのに対し、男性に向けられるそれらは「激励のメッセージ」です。「男なんだからもっと頑張りなさい」「男のくせに泣くなんて情けない」といったものです。
 「男だから負けられない」と追いつめられる男性は少なくありません。しかし、人生で何を大切にするのか、それは人それぞれ違っていて当然です。また、その多様性こそが社会の豊かさです。無意味な競争から降りて、自分なりの幸せを目指す勇気が彼にもあればよかったのですが。
 「モテない」という被害感
 写真を見ると、容疑者の男はなかなかのイケメンです。過去には「ナンパ師」を名乗っていたようですが、女性に対して敵意が生じたきっかけを匂わせる供述として「サークル活動で知り合った女性に見下された」「出会い系サイトで知り合った女性とデートしたが、途中で断られた」「デート代を多く払わされた」といったものがあります。
被害的に受け取りすぎているのではないかという印象もありますし、一貫して「女性が悪い」という論調なのが気にかかります。
 自分のことは棚に上げて「相手が悪い」と責め、自分の暴力を正当化する。これは男性のDV加害者に共通する特徴です。背景には「男は女より偉い」といった男尊女卑の価値観や、「女は男を立てるべき」といった性別役割意識があります。このような考えが強いと「俺は男なのに、女なんかに軽く扱われた」と怒りは膨らんでいきます。
 若者の貧困化により「デート代を男性が出す」という風習は廃れてきました。また、直近の2015年の国勢調査では、男性の生涯未婚率は23.4%(※2)。4人に1人が未婚のまま人生を終える時代となっており、この割合は増えていくのではないかと予想されています。
 1970年の男性の生涯未婚率は1.7%と、ほとんどの男性は生涯に一度は結婚していました。多くの女性が経済力を持っておらず、「永久就職」として結婚する女性も多い、「女の幸せは結婚」だといわれていた時代でした。未婚率の上昇は、恋愛結婚が見合い結婚を上回った頃からです。
「恋愛と結婚と出産」が三位一体となった「ロマンティック・ラブ・イデオロギー」を背景に「標準的家族モデル」が成立しました。
 結婚生活が幸せかどうかは、夫婦双方の努力によります。しかし、恋愛できないことには、結婚もできず子どもも持てないという世の中では、恋愛の重要度が高まります。近年の「モテ重視」にはこのような社会背景が関係していますが、「男らしさ」はもはや時代遅れでモテません。
 男が女性に恨みを募らせた背景には、自分がこうありたいと望む「男性像」と、女性の求める「男性像」との乖離に気づけなかったことも関係しているように思えてなりません。サラダ油が引火しないことは揚げ物をすれば体感できます。料理もできない男性はお断りだと考える女性も増えました。
 強いコントロール欲求
 容疑者の男は、「殺せなくて悔しかった」と話す一方で、「(乗客が)逃げ惑う光景を見て満足した」と供述しているとのことです。
 ここから見えるのは、彼の強い「支配・コントロール欲求」です。逃げ場のない車内で刃物を持った彼は圧倒的な「強者」となり、乗客の生死をもコントロールできる存在になりました。皆がおびえる、生殺与奪の絶対的な権力を持つ自分。
 DVも虐待もいじめもそうですが、暴力は相手を支配しコントロールするために使われます。相手の命をも手中に収める殺人は、他者をコントロールするための究極の手段であり、「自分には他者に苦しみを与える権利がある、命を奪う権利もある」と考えることで実行に移されます。
 自分に特権意識を与えるのは、多くは「自我肥大」と「被害感」です。他者を取るに足りない存在だと見下し、「自分はこんなに苦しんできたのだから」相手を傷つけてもよい、他者の大切な物を奪ってもよいと考えます。
 密室の中で、凶器を手に「絶対強者」となった時、おそらく彼は気持ちよかったことでしょう。「他者を意のままに支配し、コントロールしている自分」というのは、彼が自分の人生と引き換えにしてでも得たかったものなのでしょうから。
 足りなかった「自己効力感」
 他者をコントロールしたいという欲求とは似て非なるものに「自己効力感」があります。
「自己効力感」とは、何らかの課題に取り組むときに、たとえ困難な状況であっても「自分は対処できる」と自分を信頼できることをいいます。男が「クソみたいな人生」と自己評価するようになるまでには、多くの挫折があったのでしょう。
 しかし、そんな時こそ周りに助けを求めてほしかった。自分の弱さを認めることも人に頼ることも、強さがなければできません。「自分には生きる価値がある」「つらいときは支えてもらっていい」と思えればよかったのに。
 たまたまその場に居合わせたために理不尽な悪意を向けられ、切りつけられた女子大学生は、心身に負った大きな傷を癒しながら生きていかなければなりません。男の身勝手な犯行と動機の供述は、重軽傷を負った被害者や周囲にいた乗客のみならず、多くの女性たちに恐怖を抱かせるに十分でした。
 彼はこれからの人生の多くの時間を刑務所で過ごすことになるでしょう。いつの日か、自分の弱さと向き合い、自分の犯した罪の重さと真摯に向き合える日が来ることを願います。「クソみたいな人生」を、自らの手でクソまみれにしたことに、打ちひしがれてほしいと思います。
 私たちは何ができるか
 翻って、私たちは、このような犯罪が二度と起きない社会にしていくために何ができるでしょうか。
 凶悪犯罪が起きると、私たちは「異常な犯人の異常な行動」として、問題を犯人の個人的な問題としてとらえがちです。しかし、あらゆる犯罪は社会の問題と地続きです。
 今回の凄惨な事件が起きたのは、東京五輪の最中でした。新型コロナの感染拡大により病床はひっ迫し、失業者があふれ、自粛を強く求められるなか、テレビの中では世界各国から集まった選りすぐりの「勝ち組」のアスリートたちがメダルを争っていました。
 開催の是非によらず、それが日本の厳然たる風景であったことは事実です。
 オリンピック東京大会の基本理念のひとつは「多様性と調和」でした。組織委員会の中に「ジェンダー平等推進チーム」も発足しました。性別にとらわれず、ひとりひとりが互いを認め合う社会、自分や他人を苦しめる「男らしさ」や「女らしさ」を手放し、多様な生き方を尊重する社会は、今回のような犯罪を生み出しにくくなるのではないでしょうか。
 病気や怪我や加齢によって、誰もが弱者になる可能性を抱えています。弱者が弱いままで尊重され、「健康で文化的な最低限度の生活」と、みなが再出発のチャンスが保障された社会にしていきましょう。
 【参考情報】・男女間賃金格差(OECD)・50歳時の未婚割合,有配偶割合,死別割合および離別割合(国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」)」
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🚷16〉─1─リベラル化無理ゲー社会。若者は「自殺する権利」と「安楽死の自由」を求めている。~No.78No.79No.80 ④ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2021年8月20日号 週刊ポスト「〔この国に迫る静かな危機〕を強いる『リベラル化』とは一体何か──
 橘玲が読み説く『無理ゲー社会』
 『若者は〝自殺する権利〟を求めている』
 自由になればなるほど 息苦しい世の中になっていく
 作家・橘玲氏はベストセラーの最新刊『無理ゲー社会』(小学館新書)で、現代社会では人生が極めて攻略困難なゲーム(無理ゲー)となり、『生まれてくるんじゃなかった』と絶望する若者が増えているという実態を明らかにした。なぜ、そんなことが起きたのか。一体どうすればいいのか。橘氏に聞いた。
 一握りの強者と大多数の弱者
 『将来に対する不安が大きすぎて、早く死にたい』(埼玉県・20代)
 『未来に絶望しかなく、どうせ年金受給が延ばされるのなら、60歳くらいで両親ともども命を絶ちたい』(兵庫県・30代)
 『早く安楽死の合法化と自由に自殺できる制度がほしい』(埼玉県・30代)
 これらは、参議院議員山田太郎氏が『不安に寄り添う政治のあり方勉強会』(参議院自民党)のため、SNSを通じて募集した若者たちの声だ。投稿が寄せられたのはコロナ前(2020年1月)だったが、日本の若者たちは将来に大きな不安を抱え、『苦しまずに自殺する権利』を求めていた。
 ゲームマニアの間では、攻略が極めて困難なゲームを『無理ゲー』と呼ぶ。いま多くの人たちが『無理ゲーと化した社会』に放り込まれている。若者たちの声からは、そうした現実が浮かび上がる。
 そんな事態を招いた一因として、世界的な『リベラル化』の潮流がある。
 ここで言う『リベラル』とは、『自分の人生は自分で決める』『すべての人が自分らしく生きられる社会を目指す』といった価値観のことで、1960年代のアメリカ西海岸で生まれ、またたくまに世界中に広まった。この理想はもちろん素晴らしいが、光があれば闇もある。現実には、『自分らしく生きられない』と、生きづらさを訴える人が急激に増えている。
 数百年の人類の歴史のほとんどにおいて、人間は生まれ育った共同体に拘束されていた。それがいきなり途方もない『自由』を手にした結果、経済格差だけでなく性愛格差も広がっている。
 1950年代までのアメリカでは、地元の教会の集まりなどで若い男女が出会い、結婚するのがふつうだった。だが都市化が進むにつれて中間共同体は機能しなくなり、自分で恋人を見つけなくてはならなくなる。
 その後、恋愛の自由市場化がさらに進み、一握りの恋愛強者と大多数の弱者に分断されるようになった。これが『モテ/非モテ』問題で、日本だけでなく世界的な現象だ。
 アメリカのマッチングサイトでは、女性が求める年収(1,000万円以上)や身長(180センチ以上)などの条件を満たす男性は、34人の女性に対して1人しかいないという。残る33人(97%)の男はパートナーの候補にすら入れてもらえない。
 日本でもお見合い制度が廃れ、会社の上司が仲介するようなこともなくなって、婚姻率が大きく下がっている。
 生まれた時に武士や農民といった身分が決まる前近代の社会では、人生は非常に抑圧的だが、そのぶん単純だった。それに対して、価値観の異なるすべての人が自由に生きられるようになれば、利害関係は複雑になり、社会の分断が進む。世界で最も自由で多様性に富むはずのアメリカで、白人至上主義が台頭しているのはその象徴だろう。
 どうせ年金はもらえない
 『無理ゲー社会』化は世界規模で広がりを見せているが、さらに日本では『超高齢化社会』の現実がある。
 高齢者の年金や医療・介護を支える現役世代の数がどんどん減り、社会保障の財源が逼迫している。
 非正規の仕事で収入も少なく、定年になっても微々たる年金しかもらえない。なんとか親の介護はできても、自分には介護してくれる子どもはおらず、どうやって生きていけばいいのか──。こうした不安や不満は、ただの印象論ではない。
 名目での給与が増えても手取りが減っているのは、年金をはじめ社会保険料がどんどん上がっているからだ。
 『ねんきん定期便』には、自分がこれまで納めた年金保険料の総額と将来の受給見込額が記されている。それを見ると、払った分以上の年金を受け取れるように思えるが、これは『国家の欺瞞』の最たるものだ。
 会社員など厚生年金の加入者は、給与明細から天引きされた保険料(本人負担分)とは別に、同額の会社負担分の保険料を納めている。これまでずっと、『サラリーマンは保険料の半分を会社が払ってくれるから得だ』と言われてきたが、なぜか会社負担分は定期便に記されていない。本来の納付金額は(本人負担と会社負担を合わせて)倍になるのだが、これをそのまま記載すると、『収めた保険料の半分しか年金が受け取れない』という実態がバレてしまうので、このような〝イカサマ〟を堂々とやっているのだ。
 政府は今後、非正規やパートなども厚生年金に加入させようとしている。『非正規でも将来の年金が増える』という謳い文句だが、本音は、自分で保険料を払う国民年金では未納率が高くなるので、厚生年金に加入させて給与から天引きさせ、会社に保険料を徴収させようということだろう。
 日本の人口構成を見ればわかるように、高齢世代を支えるためには現役世代から搾取する以外にない。その結果、『祖父母の世代に仕送りをする』という共同体意識はどんどんなくなっていき、若者世代は自分たちを『犠牲者』だと考えるようになった。25年には団塊の世代約800万人が全員75歳以上の後期高齢者となって、負担増にさらに拍車がかかり、この矛盾があちこちで噴き出すだろう。
 世界的な『リベラル化』で生きづらさを強いられているところに、『超高齢化』による負担が重なって、日本の若者は人生が『無理ゲーの2乗』になっている。こうして、チート(イカサマ)でなんとか無理ゲーを攻略しよと考える若者が増えている。リスクは高いが、一発当てれば大儲けできたビットコイン投資が、若者の間で流行するのはある種の必然だろう。もはや裏道を使ってでも、この無理ゲーをクリアしなくてはならないのだ。利己的な考えが蔓延して社会がバラバラになるのは、『リベラル化の必然的な帰結』と言える。
 困難は若者にだけ降りかかっているわけではない。『人生100年時代』を迎え、老後がどんどん長くなって、60代や70代でも、いったん困難な状況に陥ると挽回するのは難しい。
 熟年離婚が増えたことなどから、シルバー婚活市場が活況だというが、高齢男性の婚活は年金などの収入で『ランク分け』されている。実際に婚活経験者の話では、月収50万円以上がAランク、20万円以下がCランク、その中間がBランクで、Cランクはまったく相手にされずAランクの男には一人暮らしに不安を感じる40代、50代の女性が殺到するのだという。これが、高齢者の恋愛までが自由化された結果だ。
 悪者を探しても意味はない
 社会保障の逼迫は経済問題なので、それを解決しようとすると、収入を増やすか支出を減らすしかない。前者は消費税増税や富裕層への課税強化、後者は高齢者の医療費の削減などが検討されている。『命は無条件に大切』という〝正論〟に阻まれてこれまでほとんど議論されてこなかったが、人生の最末期の延命治療には巨額の医療費が投入されており、その是非を考える時期は早晩やってくるだろう。国民年金の満額支給より生活保護の額が多いことに納得するのは難しいが、だからといって年金を上乗せすることもできないから、世の中はどんどんギスギスするばかりだ。
 社会的に解決できない問題は、個人的に解決するしかない。
 そもそも『無理ゲー社会』は構造的な問題で、『誰が悪い』とは言えない。『若者が高齢者に押しつぶされる』というのもあくまでも人口動態の話で、高齢者が『加害者』として罪の意識を持つ必要もない。社会の理不尽な構造も前提として、『自分と家族の幸福のためになにをすべきか』を考えればいいのではないか。
 定年後も働き続けることに、『若者の働く機会を奪っている』と冷たい目線を向けるのではなく、税金を納めて社会に貢献していると前向きにとらえるべきだ。とりわけ男性は、仕事を離れると人間関係が一気になくなって、生きがいを失いがちだ。経済的にも、精神的な建康のためにも、これからは『生涯現役』が人生設計の基本になっていくだろう。
 一人ひとりが自分らしく生きられる社会が素晴らしいのは間違いないが、それは同時に『残酷な世界』でもある。私たちはなんとかして、そんな世界を生きていかなくてはならない。」
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無理ゲー社会(小学館新書)
その恋愛、無理ゲーかもよ?:非モテ男子専用『正しい』モテ術3ステップ
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 日本を救うのは、イノベーションを起こし、古きを無価値として潰し廃棄して新しく斬新な価値観でさらなる経済発展を続けるしかない。
 古い高度経済発展は人口爆発で起きたが、新しい低度経済発展は人口激減の中で起こすしかない。
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 リベラル化した無理ゲー社会で生き残る為には、自利自愛で、利用できる物は全て利己的に使って金を稼ぐ力を身に付けるしかない。
 日本に訪れる社会とは、利他他愛では生きられない社会である。
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 地獄のような戦国時代で。日本人は敵領を攻撃し逃げ惑う日本人を「乱取り」で捕らえ、中世キリスト教会と白人キリスト教商人に奴隷として売った金を稼いでいた。
 現代の日本人は、乱取りをした日本人の子孫である。
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 大人達は「歴史は繰り返す」と知った風な事を言うが、弥生時代古墳時代以来の日本国と石器時代縄文時代以来の日本民族の歴史で、現代日本の体たらくの状況や何れ訪れるであろう悲惨な未来は一度も存在しない。
 所詮、現代の日本人は、民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力はない。
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 衰退した日本では、国家・政府、社会・世間、地域・隣近所は助けてくれないし、親に頼れないし、子供はあてにできないし、妻や夫という婚姻上の伴侶には期待できない。
 日本人は自分一人で、孤独に、孤立し、無縁で、自助努力・自力救済・自己責任で生きていくしかない。
 そこには、民族的なお互い様や相身互いなどの助け合うといった相互扶助は存在しない。
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 日本民族は、寿命が尽きて滅び行く民族である。
 が、日本国は日本国民が存在する限り滅びない。
 日本民族が滅びゆく民族である証拠は、少子高齢化による人口激減と2020東京五輪における文化度の衰退と武漢肺炎(新型コロナウイルス)感染拡大に対応できない政治家・官僚の劣化である。
 そして、人口が減る若者は現代を食い潰して恥じない政治・経済に対して絶望している。
 事実、政治家、官僚、経営者・企業家、学者・教育者、メディア関係者ら大人達は、若者を犠牲にし、負債を押し付ける事しか考えていない。
 貧困化する若者達にとって、日本は生きづらく、その救いのない苦しさは増し、未来には絶望しかない。
 現代の日本は、昔の先進国・一流国ではなく途上国並み・三流国並みに後退している実態を曝け出している。
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 日本国が生き残る道は、寿命が尽きかけている日本民族を切り捨て、若くて元気よく精力があり繁殖能力が強い外国人を大量に入植させる事である。
 そもそも、日本民族は雑多な人々が乱婚して生まれた混血の雑種民族である。
 つまり、日本人とは日本列島・日本国に住む人間の事である。
 昔の日本人は、海を渡って来た異国人を「まれびと・客人・黄泉の神々」として崇め受け入れていた。
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 胎児は、安全安心な母体から無理やり外に引き出される為に、大声で泣きながら抵抗する。
 人は、喜んで生まれるのではなく、嫌々ながら生まれるのである。
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 現代の日本は、政治家・官僚は将来を生きる若者に明るい未来を示す事ができず、メディア関係者や学者・教育者は将来を生きる若者に勇気ではなく絶望しか教えられない。
 そこには、八方塞がりの現実が横たわっている。
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 武漢肺炎(新型コロナウイルス)感染拡大と経済の崩壊が、貧困化する若者達の未来に絶望という救い難い影を投げかけている。
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 ネズミの大群は海に飛び込んで集団自殺をする。
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 現代日本では、ハーメルンの笛・滅びの笛・死の笛が誰かによって吹かれ、それを自分は負け組と悲観する若者達が聴いている。
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🌅2〉─5─平成・令和の廃仏毀釈。原因は無宗教無信仰そして人口激減である。〜No.12 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・    
  科学を重視する現代日本では、見えない所で、知らない所で、神話殺し、神殺し、仏殺しが静かに進行している。
 心の隙間を埋めるかのように、占い、スピリチュアル、パワースポットが流行っている。
   ・   ・   ・   
 2021年8月5日 MicrosoftNews 日刊SPA!「廃墟化が進む「迷惑大仏」の末路。全国に点在、まるで時限爆弾
 © 日刊SPA! 沖縄県沖縄市 琉球金宮観音菩薩 25m 2018年移設移設からわずか5か月で台風によって倒壊した悲劇の観音像。手を付けず顔面から階段に突っ込んだ姿が痛々しい
 © 日刊SPA! 石川県・加賀市 加賀大観音 73m 1982年建立不動産業の社長がレジャー施設と共に造立。施設は閉鎖し、所有者は転々とした
 © 日刊SPA! 北海道・芦別市 北海道大観音 88m 1989年建立閉山した炭鉱町を活性化すべく、’89年にレジャーランド内に造立。現在は宗教法人が所有しているが、廃墟化が進んでいる
 所有者不在で長年放置されてきた淡路島の大観音。崩落の恐れから多額の税金を投入して撤去されることとなった。だが、「迷惑大仏」はこれにとどまらない……。全国に点在する負の遺産の行く末を模索する。
◆「ヨソの人がやったことだから……」
 静岡県伊東市 うさみ大観音 50m? 1982年建立地元の人からまったく愛されていない悲しい大観音。廃墟化が進んでおり、誰が壊すのかと住民はやきもきしている© 日刊SPA! 静岡県伊東市 うさみ大観音 50m? 1982年建立地元の人からまったく愛されていない悲しい大観音。廃墟化が進んでおり、誰が壊すのかと住民はやきもきしている
 「土地の人は、ああいうのは相手にしません。ヨソの人がやったことだから……」
 静岡県伊東市宇佐美は、熱海と伊東の間にある海沿いの温暖な観光地。駅前の喫茶店で店を切り盛りする初老の女性に観光名所の一つ、うさみ大観音の話を聞くと、眉をひそめてそう吐き捨てた。
 観音は、うさみ観音寺が建てられた’82年に造立された。峠道を上った山腹に位置する観音像は、町のどこからでも視界に入ってくる。寺のHPには「高さが50mの座像で、日本一の大観音様」とあるが、店の常連らしき2人組の60代の婦人が話に入ってきて否定する。
 「50m? あるわけないでしょ。牛久大仏みたいに立派なら行こうかなっていう人もいるけど、あれじゃあオモチャだもん」
 「あそこは水子供養の地蔵を一体30万円だかで売って儲けてた。前は花火を上げたり派手な法要もやってたけど、十数年前に住職が亡くなってね。息子がやるって言ってたけど、あまり姿を見かけない」
◆否定的な地元民
 近くの土産物屋や定食屋でも聞いたが「知らないうちにできちゃった」「愛着も敬う気持ちもない」と、地元の人たちは一様に否定的だ。
 寺に向かうと駐車場には船の形をしたレストランの廃屋があり、山門は閉まっていた。外から様子をうかがうと、3万体ともいわれる無数の水子供養の地蔵と観音を従えた大観音像が鎮座している。高さはせいぜい15mといったところ。訪れる人もおらず、地蔵には線香も供花もなく、境内は世の無常に支配されていた……。
◆解体工事と再建のメド
 全国にはランドマークとして人々から愛される巨大仏もあるが、うさみ大観音のように廃墟化が進む「迷惑大仏」も少なくない。その多くはバブル期前後に客寄せとして造られたものだ。
 不動産業で財をなした男性が、淡路島に観光施設として80mの世界平和大観音像を建てたのは’82年のこと。当初は物珍しさから観光客を集めたが、徐々に人気は薄れていく。
 所有者の男性が’88年に死亡し、営業を引き継いだ妻も亡くなると、遺族は相続を放棄。この間に老朽化が進み、近隣に破片が落ちてくるなど崩落の危険が高まったため、所有権を得た財務省近畿財務局によって、8億8000万円もの税金を投入した解体工事が今年6月に始まっている。
 ’18年4月に福岡県の飯塚市の山腹から沖縄市東南植物楽園へ移設された琉球金宮観音菩薩像は、同年9月の台風24号で根元から倒壊。翌年の再建を目指すと報道されたが、問い合わせた園の担当者は「再建のメドは立っていませんので、現時点でお答えできることはありません……」と、あまり触れてほしくない様子だった。
◆耐用年数を迎えつつあるバブル期建立の「迷惑大仏」
 観音を含む大仏は全国に500体を数え、40mを超える巨大仏が15体含まれる。巨大仏は鉄筋コンクリート造の高層ビルのような構造で、定期的な点検・補修が必須だが、当然コストはバカにならない。久留米大観音は30年ぶりの色直し中で、費用は2億円。新たな試みとして、クラウドファンディングで支援金が集められた。
 建築エコノミストの森山高至氏はバブル期に建てられた巨大仏が耐用年数に達していると話す。
 「表面仕上げの劣化が一番の問題。ビルも10年ごとに補修を繰り返さなければ、ヒビや剥がれが生じます。淡路の大観音はモルタル仕上げで、木造モルタルアパートの壁面と同等の表面保護力しかない。放っておくと劣化は内部まで進行して、30年ともちません」
 奈良の大仏のように銅板で覆った牛久大仏は例外で、ビル以上の耐久性が期待できるという。
 「牛久大仏を施工した川田工業は耐久性が求められる橋梁建築で有名で、ロボットまで作るハイテク企業ですから、よく考えられています。銅は腐食に強く、『鋼の錬金術師』のアルフォンスみたいに中身が空洞のため軽量です。しかし、全国には長期の耐久性を考慮せず、勢いで作ったとしか思えないものも多い。奈良時代の人たちのほうがよほど先を見据えていたのでは」
 空き家問題と同様、大仏問題は全国各地で時限爆弾のように破裂する可能性を孕んでいる。
◆「積極的放置」も必要な時代になった
 そもそも、「迷惑大仏」は将来のリスクを考慮せずに建てられたのか。内閣府地域活性化伝道師も務める地方創生のスペシャリスト・木下斉氏が解説する。
 「バブル期に公共施設やインフラを造るとき、先々までの維持管理を考えることは一切ありませんでした。公共施設ですら『一生もつものじゃなく、維持費、更新費が必要』と認識されたのは’00年頃ぐらいからで、ごく最近のこと。『迷惑大仏』は民間人が造ったとしても自治体が開発許可を出したから建っています。建設需要などで短期的には潤う人たちもいて、地域の話題作りにいいことだと。『メンテナンス? そんなもの後々考えりゃいい』という考えです」
 そのツケが今、全国各地で噴出しており、今回、税金を投入して取り壊すことになった淡路島の「迷惑観音」のケースは、その最たるものだろう。
 「全国の空き家だけでもすでに846万戸に上り、学校は年によっては年間約500校が廃校になります。これらの取り壊しをきめ細やかに税金でやろうとすれば、未来に向けて使える予算が減っていく。このトレードオフ(二律背反)は考えなければいけません。利活用の道を考えつつ、当面の危険性がない『迷惑大仏』などは、周囲を立ち入り禁止にして『積極的放置』も必要になってきます」
◆廃墟を増やさないために
 ただ、皮肉なことに地方自治体は、自ら廃墟を増やし続けているのが現状のようだ。
 「日本人は明治以降人口拡大の社会で生きてきたので、何でもどんどん作るのが正義だと思い込んでいます。その証拠に、大仏処理に悩むような町ですら、空き家が毎年大量に生まれているのに、自治体は脈略なく新たな土地に新築住宅開発や施設開発の許可を出しており、将来の廃墟を今も作り続けている。過去の施設の廃墟化への対策だけでなく、少なくともこれから廃墟を増やさないように、町の総容積での開発調整など工夫すべきでしょう」
 廃墟対策は待ったなしだ。
 © 日刊SPA! 森山高至氏
 【建築エコノミスト・森山高至】 
 一級建築士。建築設計事務所を運営し、建築と経済に関するコンサルタントのかたわら、サブカルチャーにも造詣が深い
 © 日刊SPA! 木下 斉氏
 【まちビジネス事業家・木下 斉】
 町づくりの政策立案をするエリア・イノベーション・アライアンス代表。内閣官房地域活性化伝道師。近著に『まちづくり幻想』など
 取材・文/池田 潮 写真/時事通信社 PIXTA
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 ANA ニッポン大仏巡り 仏像大きさランキング
 ニッポン大仏巡り 仏像大きさランキング
 日本各地にある巨大な仏像、いわゆる大仏。寺院だけでなく、駅前や公園、アミューズメントパークなどにも大仏があるのが日本の面白いところ。皆さんも、思わぬ場所に大仏のご尊顔が現れて驚いた…なんてことがあるのではないでしょうか。
 そんな天高くそびえる大仏、身丈が何mくらいあるかご存じですか?例えば1位の牛久大仏はなんと100m!台座を入れると120mという、ブロンズ像では世界一の高さを誇ります。大阪のランドマーク、通天閣が108mということからも、巨大さが分かります。ほかにも巨大仏が多い日本。今回は日本各地の大仏をランキングしました。
 ちなみに世界に目を向けると、最も大きい仏像は中国にある魯山大仏で128m(台座を入れると208m)。2位はミャンマーのレイチュンセッチャー大仏で116m(台座を入れると129.5m)。日本の牛久大仏は世界3位です。
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 ウィキペディア
 巨大仏は、大きな仏像を指す「大仏」のなかでも特に大きなものを指す日本語の表現である。もともとは、バーミヤンの石仏などに言及する場合などに用いることがあったが、特に、20世紀に日本各地で建造された屋外の巨大建築物としての仏像類について、この表現で言及することがある。本項目では、この限定された意味での用例について述べる。
 どのくらいの大きさの仏像を「巨大仏」とするかという明確な基準は特にない。宮田珠己は『晴れた日には巨大仏を見に』において「厳密な理由はないが、ウルトラマンよりデカいというのが一応の目安だ」とし、40m以上のものを対象とする旨を述べている。この基準によって宮田が取り上げた巨大仏は、(厳密には仏像ではない親鸞聖人大立像を含め)16件であった。そのうち恵山釈迦涅槃像は後に札幌に移設されて佛願寺大涅槃像となっている。
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 明治の廃仏毀釈も平成・令和の廃仏毀釈も、本質的には日本人に宗教心・仏教への信仰心が薄い、もしくはない、という事である。
 つまり、日本民族は命を賭けるほどに宗教を信仰する、という事に懐疑心を抱いてきた民族である。
 明治時代に国家の近代化を大義として、仏教破壊の廃仏毀釈神道破壊の神社合祀令、そして自然破壊の殖産興業を行った。
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 共産主義の科学万能主義は、石器時代縄文時代から受け継いできた自然崇拝神話や弥生時代に生み出された神の血筋正統男系父系天皇神話(古事記日本書紀)を非科学的非人間的非論理的として否定し抹殺している。
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 現代の日本人は、無宗教で神や仏など信じてはいない。
 現代の日本人がハマっているパワースポットは、気分的な流行りであって信仰ではなく、奇跡や恩寵を求めた「如何しても欠かせない」という心の巡礼行為ではない。
 早い話が、自己満足の飾りに過ぎない。
 が、日本人は浮かれた気分での「人が行くから自分も行く」というパワースポット巡りが好きな民族である。
 昔の日本人の巡礼と現代の日本人の巡礼は、同じ弘法大師を巡る行為ではあるが意味が全然違う。
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 日本文化とは、明るく穏やかな光に包まれた命の讃歌と暗い沈黙の闇に覆われた死の鎮魂であった。
 キリシタンが肌感覚で感じ怖れた「日本の湿気濃厚な底なし沼感覚」とは、そういう事である。
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 日本の文化として生まれたのが、想い・観察・詩作を極める和歌・短歌、俳句・川柳、狂歌・戯歌、今様歌などである。
 日本民族の伝統文化の特性は、換骨奪胎(かんこつだったい)ではなく接木変異(つぎきへんい)である。
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 御立尚資「ある禅僧の方のところに伺(うかが)ったとき、座って心を無にするなどという難しいことではなく、まず周囲の音と匂いに意識を向け、自分もその一部だと感じたうえで、裸足で苔のうえを歩けばいいといわれました。私も黙って前後左右上下に意識を向けながら、しばらく足を動かしてみたんです。これがびっくりするほど心地よい。身体にも心にも、そして情報が溢(あふ)れている頭にも、です」
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 日本の建て前。日本列島には、花鳥風月プラス虫の音、苔と良い菌、水辺の藻による1/f揺らぎとマイナス・イオンが満ち満ちて、虫の音、獣の鳴き声、風の音、海や川などの水の音、草木の音などの微細な音が絶える事がなかった。
 そこには、生もあれば死もあり、古い世代の死は新たな世代への生として甦る。
 自然における死は、再生であり、新生であり、蘇り、生き変わりで、永遠の命の源であった。
 日本列島の自然には、花が咲き、葉が茂り、実を結び、枯れて散る、そして新たな芽を付ける、という永遠に続く四季があった。
 幸いをもたらす、和魂、御霊、善き神、福の神などが至る所に満ちあふれていた。
 日本民族の日本文明・日本文化、日本国語、日本宗教(崇拝宗教)は、この中から生まれた。
 日本は、極楽・天国であり、神の国であり、仏の国であった。
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 日本の自然、山河・平野を覆う四季折々の美の移ろいは、言葉以上に心を癒や力がある。
 日本民族の心に染み込むのは、悪い言霊に毒された百万言の美辞麗句・長編系詩よりもよき言霊の短詩系一句と花弁一枚である。
 日本民族とは、花弁に涙を流す人の事である。
 日本民族の「情緒的情感的な文系的現実思考」はここで洗練された。
 死への恐怖。
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 日本の本音。日本列島の裏の顔は、雑多な自然災害、疫病蔓延、飢餓・餓死、大火などが同時多発的に頻発する複合災害多発地帯であった。
 日本民族は、弥生の大乱から現代に至るまで、数多の原因による、いさかい、小競り合い、合戦、戦争から争乱、内乱、内戦、暴動、騒乱、殺人事件まで数え切れないほどの殺し合いを繰り返してきた。
 日本は、煉獄もしくは地獄で、不幸に死んだ日本人は数百万人あるいは千数百万人にのぼる。
 災いをもたらす、荒魂、怨霊、悪い神、疫病神、死神が日本を支配していた。
 地獄の様な日本の災害において、哲学、思想、主義主張そして信仰宗教(普遍宗教)は無力であった。
 日本民族の「理論的合理的な理系論理思考」はここで鍛えられた。
 生への渇望。
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 日本の自然は、人智を越えた不条理が支配し、それは冒してはならない神々の領域であり、冒せば神罰があたる怖ろしい神聖な神域った。
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 現代の日本人は、歴史力・伝統力・文化力・宗教力がなく、古い歴史を教訓として学ぶ事がない。
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 日本を襲う高さ15メートル以上の巨大津波に、哲学、思想、主義主張(イデオロギー)そして信仰宗教は無力で役に立たない。
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 助かった日本人は、家族や知人が死んだのに自分だけ助かった事に罪悪感を抱き生きる事に自責の念で悶え苦しむ、そして、他人を助ける為に一緒に死んだ家族を思う時、生き残る為に他人を捨てても逃げてくれていればと想う。
 自分は自分、他人は他人、自分は他人の為ではなく自分の為の生きるべき、と日本人は考えている。
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 日本で中国や朝鮮など世界の様に災害後に暴動や強奪が起きないのか、移民などによって敵意を持った多様性が濃い多民族国家ではなく、日本民族としての同一性・単一性が強いからである。
 日本人は災害が起きれば、敵味方関係なく、貧富に関係なく、身分・家柄、階級・階層に関係なく、助け合い、水や食べ物などを争って奪い合わず平等・公平に分け合った。
 日本の災害は、異質・異種ではなく同質・同種でしか乗り越えられず、必然として異化ではなく同化に向かう。
 日本において、朝鮮と中国は同化しづらい異質・異種であった。
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 日本民族の感情は、韓国人・朝鮮人の情緒や中国人の感情とは違い、大災厄を共に生きる仲間意識による相手への思いやりと「持ちつ持たれつのお互いさま・相身互(あいみたが)い」に根差している。
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🚷3〉─1─経済は人口の波で動き、デフレは解消されない。人口減日本の未来図 藻谷浩介。~No.4No.5No.6 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
  2021年7月30日 朝日新聞「人口減日本の未来図  藻谷浩介
 貯金フェチの社会
 的外れの生産重視
 高齢者の消費増を
 日本経済の停滞の真因は、それまで指摘されていたような円高不況や産業競争力の衰退ではなく、まして財政出動や金融緩和が足りないのでもなく。最大の要因は生産年齢人口の減少である。あれから10年余。その診断は生かされたか。人口減少国家の現在と未来は。
 世界に先駆けて高齢人口減る頃
 子ども増を予測
 ──経済を動かすのは景気の波でなく人口の波だという藻谷さんの発見は今では賛同者も多いですが、2010年の著書発表時には多くの批判があったそうですね。
 (藻谷)『商業統計を調べていて生産年齢人口の減少と消費停滞の連動に気づきました。でも経済学者らは「人口とデフレは無関係」「人口減で供給力が落ちるならむしろインフレ要因」などと反論してきました。真の病因が特定できないと誤った治療法に迷い込む。そう考えて提言したのに、古いセオリーを丸暗記していると眼前の現実が見えなくなるのでしょうか』
 ──同年、日本は中国に国内総生産(GDP)で抜かれ、半世紀近く続いた世界第2位の経済大国の座を失いました。人口減と経済大国からの転落。二つのショックがその後、日本全体に悲観的な空気を広げていったように見えます。
 『世の中に何となく漂った不安な正体を突き止め、指し示すのが狙いでしたが、結果的にショックを助長することになったのかもしれません。でも私は過度な悲観は無用、打つ手はあるとも訴えてきました。たとえば若者の賃上げ、女性就労、外国人観光客の誘致などの内需底上げ策です』
 ──その後もすぐには人口減少問題は政策の焦点にはならず、安倍政権はむしろ『デフレの原因は金融緩和が足りないからだ』という方に焦点をあて、日本銀行インフレ目標を掲げさせて異次元金融緩和をやらせました。
 『人口原因説に最も異論を唱えてきたのがアベノミクスを支持するリフレ論者たちでした。金融緩和で物価や株価を上げれば消費も増える、という彼らの空論を信じ込んだ前首相は異次元緩和を鳴り物入りで行いました。その結果、株価は急騰しましたが、肝心の消費は私の予言した通り、ほとんど増えませんでした』
 ──人為的にインフレを起こすという処方箋は見当違いだと?
 『バブル後の20年間の金融緩和でお金の量が3倍になっても効果がなかったことでそれは明らかでした。本の発行後、小野善康・大阪大特任教授のいわば「貯金フェチ(偏愛)」説を知って理解が深まりました。現役世代は所得を消費に回しますが、高齢富裕層は欲しいものがなく消費より貯金が快感になってしまっている。こうした貯金フェチの人にため込まれてしまうので、金融緩和や財政刺激をしても需要は伸びないのです』
 ──コロナ下でも供給ショックの方は置きませんでした。
 『経済学の祖アダム・スミスの生きた18世紀なら、感染拡大下で働き手が足りなくなり、供給力が落ちたかもしれません。でも今はこんな事態になっても物不足にはならない。ロボットなどの進化によって生産力は補完されました。太陽光エネルギーのような技術革新もあって資源制約も受けにくくなった。人類は巨大な供給力を手に入れたのです。一方で消費が盛んな生産年齢人口が減っているうえ、お年寄りはお金を使わないから、消費数量は減ってしまう』
 ──問題は生産力ではなく、需要をどう増やすか、ですか。
 『需要なき生産は値崩れを起こすだけ。生産を重きに置く経済学の枠組みは時代遅れです。人口成熟下の成長の条件は現役世代の所得が増え、人口当たり・時間当たりの消費額が増えることです』
 ──消費が増えない背景には、将来の増税を懸念させる政府の財政悪化の影響もありませんか。
 『政府が返済計画の立たない借金を積み重ねる姿には、社会の病理を感じます。財政規模は肥大化してきましたが、内需はほとんど増えていません。さらなる財政拡大を提唱している最近はやりのMMT(現代貨幣理論)論者もその事実を見ていません』
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 ──このまま財政を維持していけるとは思えません。
 『日本の経済収支黒字はコロナ禍の昨年も世界3位。これが続いて財政赤字を国内資金で賄えるうちはいいが、戦争や天災など何らかの理由で金利が高騰したら巨大な借金抱えた政府機能は即刻止まります。そうでなくても南海トラフ地震は近未来の発生が想定されていますし、いざ本当に財源が必要な時のための備えが必要です』
 ──いま備えるべきことは?
 『やることはたくさんあります。たとえば自然エネルギーや国内産の食料・飼料の生産増で自給率を上げ、輸入額を抑える。日本の農業がまだ試していない技術革新の材料はいっぱいあります。降水量、日照量、土地などの条件がそろわない国が多いなかで日本にはすべてがある。現在4割ほどの自給率を6~7割にすることは可能です。生産年齢人口が減ってもAI(人工知能)とロボットによる省力化で』
 ──長寿大国は誇るべきことですが生活資金面で長生きリスクに不安を抱く人が増えています。これも消費を控える要因では?
 『高齢者の多くが金銭面の不安を抱えているのは確かですが、一方で高齢富裕層が膨大な金融資産を抱え込んでいます。持てる高齢者が生涯使わない貯蓄の一部を持たざる高齢者の生活資金に回す。それだけで若者に負担をかけずに事態は改善だきるはずです』
 『年金は現役世代の保険料で今の高齢者の年金原資を賄う「賦課方式」になっています。これを制度通り運用して支給額を減らし、貯金の尽きた高齢者がすぐに生活費を受給できるようにする。そうすれば、受給額が年金より多くなる人も増えます。全体でみれば財政負担は減り、消費は増えるでしょう』
 ──人口減で過疎化がより進めば地方が滅びてしまいませんか。
 『人口減の理由は少子化ですから、むしろ過疎自治体の方が生き残る確率は高いでしょう。2020年までの5年間に0~4歳の乳幼児人口が増えた過疎自治体は100以上ありました。逆に首都圏1都3県は、地方から親世代となる若者を集め続けたにもかかわず5%減です。出生率の低い大都市圏の日本人は生物集団として見れば絶滅に向かう状態です。3人以上産んでも普通に暮らせる職住環境がないと人口は維持できません。東京では無理です。でも数百人規模の過疎集落なら可能かもしれない。コロナ禍の下でも密集度が低い田舎の方が感染リスクが低く、安全・安心な場所でした』
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 ──藻谷さんが提唱していた訪日観光客の誘致はコロナ禍がなければ年間4,000万人が見込まれ順調でした。でもそれは円安のおかげで、日本の安売りだったのでは?
 『16年から為替は円高方向に戻りましたが、訪日観光客はむしろその後急増しました。日本には国際観光地としての絶対的な優位性があります。地図アプリの衛星から見た世界地図で日本と同じ緯度、経度をぐるっと一周してみてください。緑の山と青い海に恵まれた日本がいかに例外的な場所かわかるでしょう。世界から見た日本は四季折々に訪れたい庭園のような場所で、しかもとびっきりおいしい食事までできるのです』
 『問題は客数だけを目標に安売りに走ったことです。コロナが収まれば外国人観光客は黙っていても再び増える。それはデータからも予想できます。19年には豪州人の39人に1人。台湾人の5人に1人が日本を訪問しました。米国(187人に1人)や中国(143人に1人)からも豪州や台湾並みの訪れるようになったら、とても対応できません。東南アジアや欧州からの訪日客だって増えるでしょう。客数目標はもうやめた方がいい。日本経済の付加価値を効率よく高めるため、中長期の滞在客に地場産品をより消費してもらう戦略に転換すべきです』
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 ──中国も7年前、ついに生産年齢人口が減少に転じました。いまは驚異的な成長を見せる中国ですが、近い将来、日本と同様に停滞の道をたどるのでしょうか。
 『中国では高齢者が爆発的に増加しており、少子化も止まりません。20年後遅れで日本を後追いしている感じです。日本や世界が中国の消費に依存して成長するのは早晩難しくなっていくでしょう。日本はかつて労働力不足の穴埋めに日系ブラジル人を呼び集めました。中国も同じように東南アジアに広がっている華僑を呼び集めざるを得なくなると見ています』
 ──そのころの日本派?
 『主要国で最初に65歳以上人口が増えない時代を迎えます。すでに全国約1,700自治体のうち過疎地を中心に300近い自治体で70歳以上人口が減り始めました。こうなれば福祉予算を減らして、子育て支援に予算を振り向けられるようになります。それで子育て環境が整えば子どもが増え始める。私はそう予測しています』
 (聞き手 編集委員・原真人)」
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デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川oneテーマ21)
人口減が地方を強くする (日本経済新聞出版)
移民が導く日本の未来――ポストコロナと人口激減時代の処方箋
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 消費する労働者=人がいないのに、AIとロボットで製品を作っても売れ残ってデフレになるだけである。
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 人類の歴史、歴史の事実として、何らかの原因で人口減少に陥った民族国家は人口回復ができず滅亡し、民族は死滅した。
 その証拠が、古代文明の死んだ遺跡群であり、古代の民族の多くが絶滅し子孫がいると言っても100%血が繋がっているかたわからない。
 つまり、文明、文化はもちろん国家も民族にも抗いきれない寿命が存在し、寿命がつきれば全てが遺跡という残骸を残して消え去る。
 それが、生命体の運命であり、形あるも宿命である。
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 北米大陸を南北に飛んでいた十数億羽の旅行鳩は死滅した。
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 現代日本で外国人移民(主に中国人移民)が増えている。
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 江戸時代は、人生50年時代で乳幼児の死亡が多かったが緩やかな人口増加期にあった。
 江戸時代の人口は、徳川家康江戸幕府を開幕した1603年頃に約1,200万人だったのが、徳川慶喜大政奉還した1867年頃には約3,000万人に増えていた。
 江戸時代は、人生50年時代で若者多く老人が少なく、幕府や諸大名で政治・経済・外交・軍事など全ての分野で活躍していたのは20代から40代前半までで、30代から隠居して第一線から身を引く者が多かった。
 日本の儒教では、50代過ぎても第一線で権力・権威を振るう者は醜悪な老害として嫌われた。
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 江戸時代は、世界トップ規模の安定した経済と爛熟した文化をもたらし維持したのは人口増加(生めよ殖えよ)策・殖産興業(地場産業育成と地産地消奨励)・農地開墾(食糧自給自足促進)・領内資源開発(原材料確保)であった。
 幕府や諸大名の改革者に、世襲上級武士階級ではなく、世襲下級武士と庶民出身の金上武士や養子相続武士が多かった。
 その代表的人物が、現代日本マルクス主義歴史教育で嫌われている、二宮金次郎二宮尊徳)や田沼意次である。
 商売して金を稼ぐ事を、官学=朱子学儒教世襲上級武士階級は穢らわしいと嫌い、私学=論語儒教世襲下級武士と庶民出身の金上武士や養子相続武士は抵抗なく好んで行った。
 世襲上級武士階級は浪費して巨額の借金をつくり、世襲下級武士と庶民出身の金上武士や養子相続武士は質素倹約で借金を作らず貯蓄を増やした。
 改革派は、貧しく苦しい生活を耐えて生きている庶民を知っているだけに、世襲上級武士階級に嫌われようとも「百姓への重税に頼らない」財政健全策を推し進めた。
 つまり、「将来の豊かさの為に今の貧困を耐える」という質素倹約であった。
 そして、西洋の最新技術を蘭学で積極的に取り入れた。
 大事にしたのは、公平と平等ではなく「信用と信頼」であった。
 結果として、公助や共助のない自助だけのブラック社会であった。
 貧しい庶民の生活は、感情豊に喜怒哀楽で、その中でも特に陽気に「よく笑っていた」。
 改革派による成功は主君である将軍や大名の功績となり、歴史には名君主の善政・仁政として記録された。
 改革に失敗すると、主君の名誉を守る為に改革派の世襲下級武士と庶民出身の金上武士や養子相続武士は斬り捨てられ、上意で切腹させられ、家族は家禄や家屋敷を没収され手荷物だけ持って領外に追放された。
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 江戸時代は、御上の公助や世間の共助のないブラック社会であった。
 江戸っ子は、生きてれば「何とかなるさ」の諦めを粋と気風とし、生きて働いてこその楽しみとして「宵越しの金は持たぬ」の自棄(ヤケ)を信条とし、計画的な貯蓄をせず貧しい生活を送り、「喧嘩と火事は江戸の華」とばかりに騒々しく暴れて生きていた。
 江戸っ子にとって、幕府の御上が振りかざす権力や権威など糞みたいなもので、「御上ご尤も」と従順に素直にお達し=命令を聞いて従う気は更々なかった。
 それが、江戸時代の御用学者やお抱え絵師を嫌う反骨の町人文化であった。
 江戸っ子は、反権力・反権威の落首や瓦版を好んだ。
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 テレビなどの家電製品は、貧しい時代は町の金持ちしか買えなかったが、頑張って働いて普通の家が購入し、給料が増えてゆとりができたら数台買って家族が各自の部屋に置いた。
 日本製家電が、一人に一台として各家庭に置かれ、家電を買う時は壊れた時か新製品が出た時だけとなって売れなくなった。
 そして、外国製品の性能が良くなって日本製品との差別化がなくなった時、購入の基準は価格に移っていき、日本製品は価格競争に敗れた。
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 マルクス主義共産主義とは、人口爆発と資本主義経済の拡大で生まれた階級社会で貧富の格差が広がり、富の再配分で階級差別を是正・解消させようという攻撃的積極的イデオロギーである。
 つまり、毎年膨らむ資本家の収入から少しでも多くの給料・利益を人民=労働者階級に還元しようとい事である。
 故に、マルクス主義共産主義は、少子高齢化による人口激減時代では役に立たないどころか破滅的結果をもたらす有害イデオロギーである。
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 日本経済の失敗は、時代遅れのマルクス主義経済学を学んだリベラル派戦後民主主義教育世代とその薫陶を受けた優秀・有能な次世代が実体経済を動かし始めた1990年頃からである。
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 2010年頃から利益優先のブラック企業が増え、若者は社会保障のない低賃金で不安定な非正規雇用臨時雇用で働き、貯蓄もできない、結婚もできない、結婚しても子供を作れないという貧困層が増えている。
 日本経済の衰退で、日本は見えない所で貧富の格差という闇が広がりつつある。
 その原因は、少子高齢化による人口激減で、人生100年時代がさらなる悪化を深化させる。
 有能な策が、外国人移民(主に中国人移民)とされている。
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 リベラル派・革新派そして一部の保守派やメディア関係者は、戦前「生めよ殖えよ」政策のよる人口回復には猛反対し、権利重視から、親は子供の犠牲になってはならない、妻・女性は夫・男性の犠牲になってはならないと訴えている。
 新しい独立・自立したマルクス主義的女性として、家庭を持たない幸せ、子供を持たない幸せ、結婚しない幸せ、という一人の幸せを求めている。
 つまり、「孤独とは束縛のない自由な孤立した幸せである」という事である。
 それは、共産主義、左翼・左派・ネットサハが目指す、石器時代縄文時代からの歴史・伝統・文化・宗教を持った古い自然的日本民族の消滅の道であり、新しい人工的科学的日本国民=日本人民=外国系(主に中国人移民)日本人の誕生の道である。
 つまり、日本国と日本人が死滅・絶滅するわけではない。
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 少子高齢化による人口激減で問題なのは、労働者不足である。
 が、労働者には2種類あって、生産者としての労働者と消費者としての労働者である。
 生産者としての労働者とは、ネガティブ・悲観思考の大人・老人・女性的で、労働で得た賃金を将来の為に計画的に貯蓄と消費に分ける。
 消費者としての労働者とは、ポジティブ・楽観思考の子供・若者・男性的で、労働で稼いだ賃金を欲望のままに見境なしに浪費する。
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 戦後復興・高度経済成長・バブル経済まで、大量生産・大量消費の担い手は消費者としての労働者であった。
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 消費者としての労働者を生み出したのは、若者が多く老人が少ない人口爆発で、人生50年時代であった。
 人口爆発時代は、年間出生率が約200万人であった。
 つまり、総人口8,000万人といっても、人生100年時代と人生50年時代では年齢層比率が違う。
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 日本が向かう人口激減の将来とは、人生100年時代の少子高齢化社会、つまり少生多死社会で、子供・若者・男性的労働者社会ではなく大人・老人・女性的労働者社会である。
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 日本の総人口は、1872年の明治改元時は約3,000万人、1945年の敗戦時は約8,000万人、戦後復興・高度経済成長を経て1980年のバブル経済直前で約1億2,000万人であった。
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 若者多く老人少ない人口爆発では、将来・老後の不安は何もなく、内需は活況を呈し、恐い物知らずで高額で売り出しても飛ぶように売れる為に、大規模投資の大量生産・大量消費であった。
 少子高齢化の人口激減は、将来・老後への不安から低欲・無欲となって内需は衰退し、低額な商品を売り出しても完売できず在庫が増える為に、小規模投資で少量生産・少量消費である。
 つまり、買い手がいなければ作るだけムダなのである。
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 バブル経済まで、アリの如く将来の事を考えて現役を過ごした老人は個人資産を持っているが、キリギリスの如く老後の事か考えず浪費して現役を過ごした老人は個人資産が乏しいかない。
 つまり、青年時代に身の丈に合った・分に応じた・賃金内での生活をしたか、人が軽蔑するような倹約するケチな生活をしたかどうか、借金も財産のうちとしてクレジットカードで多額のローンを組んだかどうかである。
 それは国家でも同じ事で、その証拠が約1,100兆円という返済不能財政赤字・国家の借金で、借金は毎年数十兆円増え続けている。
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