🌁53〉─1─外国人語学留学生・技能実習生とブラック企業。 外国人に介護される日。使い捨てにされる哀れなベトナム人。~No.257No.258No.259 @ 

日本で暮らす移住者の貧困 (移住連ブックレット4)

日本で暮らす移住者の貧困 (移住連ブックレット4)

  • 発売日: 2011/06/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 在日外国人は、日本人の差別や虐待で反日感情を募らせていく。
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 2014年12月 週刊新潮 2015年1月1・8日新年特大号「『留学生30万人』計画で日本の治安が悪くなる! 出井康博
 『産めよ増やせよ』の時代が過ぎ去り、人口減に悩む日本は『外国人』で穴埋めをしようとしている。だが、移民予備軍たる留学生は犯罪へと走り、治安を悪化させつつある。ジャーナリストの井出康博氏が、近年、急激に増えているベトナム人留学生の実態を追った。
 『トレンド』は中国からベトナム
 『2020年を目標に、外国人留学生の受け入れ数を2倍以上の30万人へと拡大してまいります』
 2014年1月24日、安倍晋三総理は施政方針演説で高らかにこう謳い上げた、『バラ色』の未来を提示した。
 それから約10ヵ月後、『30万分の1』のベトナム人女性留学生・オックさん(20)は、泣き出しそうになりながら拙い日本語で声を絞り出した。
 『もう(所持金が)2000円しかない・・・』
 目下、政府は〈世界をまたいだし烈な人材獲得競争が展開〉(文科省検討会報告書より)されているなか、〈諸外国の成長を我が国に取り込み、我が国の発展につなげる〉(同)べく、海外から留学生受け入れに躍起になっている。いわゆる『成長戦略』の施策の一つだ。外国人留学生が大量に来日することによって、日本経済が活性化すると考えているようだ。
 しかし、現実は真逆とも言える惨状を呈している。『移民予備軍』の留学生、その象徴的存在であるベトナム人実態を見ると、『留学生30万人計画』が成長につながるどころか『張りぼて』であることが浮かび上がってくるのだ。
 昨今、ベトナム人が『ユニクロ』の商品を盗む事件が相次いでいる。14年9月には、東海地方のユニクロ店舗で100回以上も万引きを繰り返していたベトナム人グループが逮捕された。同年3月には、ベトナム人が盗んだユニクロ商品を、ベトナム航空の客室乗務員が運び屋となって本国へ持ち帰っていた事件も発覚した。ユニクロベトナムに進出しておらず、現地では『レア商品』として人気が高いのだという。12月には、岐阜県内の研究施設で除草用に飼われていたヤギをベトナム人が盗み、食べてしまう事件も発覚した。
 14年上半期、留学や実習などで来日した外国人の犯罪は前年同期比で10%以上増え、検挙者数は5,000人を超えた。9年振りに増加した13年に続く伸びである。その大きな要因がベトナム人による犯罪の増加だ。
 同期、ベトナム人の検挙者は691人を数え、前年を2割以上も上回るペースで増えている。外国人の起こす窃盗事件の2割以上、万引きでは半分近くがベトナム人の犯行だ。とりわけ目立つのがベトナム人『留学生』による犯罪で、検挙者は前年同期の152人から355人へと一気に増えた。留学生の数で4倍近い中国人が516人であるのに対し、比率の高さが際立つ。本来、真面目で勤勉とされるベトナム人、しかも勉強目的でやってきた留学生が、一体なぜ犯罪へと走るのだろうか。
 『騙されたんです!』
 東京都と埼玉県の境に位置する住宅街──。駅から20分ほど歩くと、空き地や廃墟が目立ってくる。そんあ寂しい一角に、30人近いベトナム人が暮らす3階建ての留学生寮がある。近隣の日本語学校が民間アパートを借り上げたもので、築30年は経っているであろう年代物だ。ベトナム北部・ハイフォン出身のオックさんは、2階の一室で2人のルームメイトと一緒に生活している。
 広さ6畳ほどの部屋には粗末な備え付けの二段ベットが2つ、壁に沿ってL字型に置かれている。バス・トイレ、台所は共同で、机を置くスペースもなく、仕方なく1つだけ空いているベッドスペースに、ティッシュやペットボトルといった日用品が並べられていた。日本人であれば、貧乏学生でも借りそうにない『たこつぼ』の如き部屋だが、オックさんらは1人月3万円3人で計9万円の家賃を払っている。
 ……
 オックさんは14年7月、日本語学校の留学生として来日した。実家は農家で、月収は日本円で2万円程度。にもかかわず、彼女を日本に留学させるため、父親は田畑を担保に140万円もの借金をした。内訳は日本語学校に支払う初年度の学費約70万円、半年分の寮費に18万円、留学の斡旋業者に30万円などである。
 斡旋業者からは『日本に留学すれば、アルバイトで月20万円は簡単に稼げる』と聞かされていた。『月20万円』の収入があれば、140万円の借金は直ぐに返せる。しばらくすれば、仕送りも望めるだろう。そう考えて、父親は娘を日本へと送り出した。だが、憧れの『トーキョー』での生活は想像とは全く違った。
 アルバイトは日本語学校が紹介してくれるはずだった。しかし、学校が斡旋する仕事は深夜の工事現場ばかりだ。一晩働いても稼げるのは7,000円程度で、『月20万円』を実現するには休みなく働き続けるしかない。しかも紹介料として日本語学校が2万円を徴収するという。理不尽な支払いを拒んでいるうちにも日々の生活費は嵩(かさ)み、所持金は底をつく寸前となった。
 学校の授業は形ばかりでしかない。学生たちは夜勤のアルバイトで疲れ果て、ほとんどが居眠りをしている。それを学校側も黙認する。『トーキョーで仕事ができるから日本に来ました。他のベトナム人(留学生)も同じ。中国人もそうです』
 日本語学校の留学生の全てが出稼ぎ目的だとは言わない。しかし取材すればするほど、留学を隠れ蓑に来日した『偽装留学生』の多さを実感する。
 『騙されたんです! 月20万円は稼げると言っていたのに』
 オックさんが突然、ベトナム語で声を荒げた。そして、ポツリとこう続けた。
 『早くベトナムに帰りたい・・・』
 しかし、彼女が帰国すれば家族は破産に追い込まれる。日本に残るためには、来年分の学費を用意しなければならない。彼女には日本で稼ぐしか道はない──。
 ベトナムでは今、日本への留学ブームが起きている。日本で学ぶベトナム人留学生数は、12年の約9,000人が13年には約1万5,000人、14年には約2万8,000人と毎年ほぼ倍増中だ。その背景にあるのが30万人計画だ。
 同計画は03年に達成された『外国人留学生10万人計画』をバージョンアップさせて、08年に自民党・福田(康夫)政権のもとで作られ、今の安倍政権へと引き継がれた。だが、留学生の数は10年の約18万5,000人をピークに翌11年から減少に転じ始めた。かつては留学生全体の7割に上った中国人が、自国の経済発展や日本との関係悪化によって減った影響だ。
 中国人留学生の減少によって、大きな打撃を受けたのが日本語学校である。10年度には約4万4,000人に上った日本語学校の留学生数は、12年度には約2万9,000人まで落ち込んだ。
 そこで日本語学校は、ベトナムでの留学生リクルートに力を入れ始めた。すると翌年度には3万8,000人に回復。増加分の約7割をベトナム人留学生が占めた。14年度の数字は発表されていないが、5万人を突破した可能性もある。30万人計画実現のため、途上国出身者であろうと、留学ビザ取得は簡単だ。しかも日本と同様、中国との『領土問題』を抱えるベトナム人には、日本側の『対中国策』もあってかとりわけ甘い。
 ベトナムの賃金水準は東南アジアでも低い方で、海外での出稼ぎを希望する者も多い。就労先として人気が高いのは台湾、韓国、日本だが、『日本に留学すれば、アルバイトで月20万円』と聞けば、希望者が殺到するのも当然だ。
 しかし、現実は異なる。いくら日本が『アベノミクス』のプラス面の効果で人不足だという、日本語もできない外国人がいきなり『月20万円』を稼ぐのは難しい。来日した彼等を待ち受けるのは、日本人が嫌がる低賃金・重労働の3K仕事である。
 ベトナム人窃盗団
 ……
 窃盗団は新たに来日した留学生に声をかけ、『実働部隊』として利用する。借金を抱え、3K仕事に明け暮れている留学生には魅力に負けてしまう者も少なくない。
 負の連鎖
 留学生を甘い言葉でそそのかし、日本へ留学させている斡旋業者。そんな業者と結託し、日本語学校や専門学校が留学生を食い物にする。そして3Kの職場が留学生を奴隷のように扱き使う。挙げ句の果て、同胞の窃盗団が彼らを犯罪者へと仕立て上げる。その『エンジン』となっているのが、政府が必死に進めている30万人計画だ。止まらない、皮肉な負の連鎖──
 外国人留学生事情に詳しい坂内正・ミンダナオ国際大学客員教授が言う。
 『大学などと比べ日本語学校は比較的簡単に設立でき、規則も緩い。だから30万人計画のものとで、だから30万人計画のもとで、金儲けの学校がどんどんつくられる。斡旋業者と組み、留学生1人につき、学費と寮費、アルバイト紹介などで年100万円程度の収入を得ている学校も、なかにはある』
 政府がやるべきなのは、その理念が上滑りし、単に数字を追い求めることだけが目的とかしている30万人計画の旗を降ろし、留学ビザの審査を厳しくすることではないか。そうすれば悪質な斡旋業者は潰れ、ベトナム人留学生で食いつないでいる日本語学校も淘汰されていく。
 ベトナム人では最近、日本での留学生の困窮生活がテレビのニュースで報じられ、論議を呼んだ。自国の若者が日本で食い物にされているという認識が広まれば、アジアきっての『親日国』の態度も一変しかねない。
 一方、日本にとって留学生は移民予備軍だ。斡旋業者や日本語学校の現状を放置していれば、日本人の気づかないうちに治安も悪化していく。被害もユニクロやヤギだけではすまされなくなるだろう。ベトナムと日本に双方にとって不幸な状況である。
 〈諸外国の成長を我が国に取り込み、我が国の発展につなげる〉。文科省の目論見とは裏腹に、日本は留学生受け入れによって『富』ではなく『悪』を呼び込んでいるのではないか。先の総選挙で自民党が大勝し、ますますアベノミクスの推進、すなわち『経済』の成長が追い求められていくなかで、30万人計画は『犯罪者』を成長させようとしている──」
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 約1億2,000万人の日本人全員が善人ではなく、その中に悪人が多く存在する。
 女性や弱い人を食い者にして金儲けをしている日本人が、社会の中に善人ずらして紛れ込んで非人道的犯罪を行っている。
 日本産業界は、少子高齢化で人口の減少に伴い労働力が減少した為に外国人労働者を求め、日本製品に国際競争力を付けるべく価格を抑える為に給料を上げるどころか下げた。
 日本が求めているのは、何時でも使い捨てのように解雇できる、安い月給で働く労働者であった。
 ブラック企業は、安価でどんな仕事でも働く外国人労働者を求めている。
 悪徳の人材派遣業者や職業斡旋業者は、ブラック企業の要望に応えるべく外国人労働者を斡旋する為に、偽宣伝をして日本への留学生を集めている。
 社会は、見えない所でゆっくりと変化し、見えるようになったときには修復不可能な状態に陥っている。
 富の格差が広がり、少数の富める者と多数の貧しい者の二極化していく。
 現場では人種階級が生まれ、日本人労働者の下に外国人労働者と二極化して色分けされる。
 だが。国際社会とはそういうもので、これまでの日本が普通ではなかっただけである。
 グローバル化とは、そうした社会矛盾を当然の事で異常ではないと受け入れる事から始まる。
 外国人移民や外国人労働者と現地国住民との間に、血を流す暴力・強姦事件どころか、殺人事件にまで発展するすような対立が存在する。
 暴動。放火。掠奪。強奪。
 アメリカでも。ヨーロッパでも。
 ようやく、日本も世界常識が通用するような国にななりつっある。
 人種・民族・部族などの差別は、人類の永遠の問題ではああるが、解決不能な問題である。
 人種差別の実態を知らないのに、解決できると真顔で言う人間がいたら信用しない方が良い。
 日本は「おもてなし」と、柔やかに外国人留学生や移民を受け入れようとしている。
 例外なく。日本に来て辛酸を舐めさせられた留学生や労働者は、反日となって帰国して本国で日本批判を始める。
 国際社会、特にアジア地域での日本の評判は年々悪くなっている。
 その厳しい「日本人像」を知ろうとしない日本人は、日本人は外国人から好かれ愛され期待されているとの有りもしない幻想に馬鹿のように酔い痴れている。
 日本人は、反日的な中国人や韓国人らには神経を使って友好を保とうとしているが、親日的なベトナム人インドネシア人やバングラデシュ人らには冷淡で無神経に差別的態度を取っている。
 金儲けしか眼中にない日本人には、利益追求が忙しい為に、警戒すべき相手と助け合うべき相手が分からなくなっている。
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 人口減少と労働不足解消にと、2100年後までに1,000万人の外国人を移民させる計画を推進している。
 日本人より安い給料で働かせる為に。
 日本人がやりたがらない仕事をさせる為に。
 日本人と違って簡単に解雇できる為に。
 人口統計上の数字を合わせる為に。
 見ているのは、人ではなく数字である。
 一部の移民推進派が考えているのは、人格を持った人間としての外国人移民ではなく、金儲けの為の人間であり、書類上の数字合わせとしての人間に過ぎない。
 心配しているのは、将来の日本の利益ではなく、現在の日本の利益である。
 突き詰めれば、子供や孫の事ではなく、自分の事だけである。
 自分が金を稼ぎ、貯金や資産を増やし、それなりの満足いく家に住み、自由に好きな事をして幸せな生活を送り、幸福のうちに老後を迎えて死に、自分が望んだ墓に収まる事。
 人を見ず数字しか見ない者には、未来は存在しない。
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 世間とは、自惚れて慢心している分別なき者を「褒め殺し」にして、金モノを奪う非常なものである。
 金のある所に人々は群がり、金がなくなれば誰も寄りつかない。
 金のない所に集まるのはハイエナかハゲタカのような人間で、抵抗できない相手あるいは抵抗しない相手から奪えるモノは全て奪い尽くしていく。
 世間とは、本来、そうした冷たいものである。
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 2015年2月1日 産経ニュース「【アジアの目】
 「日本は身勝手な国といわれる」移民受け入れ、早急な議論が必要
 アジア各国が建設労働者の確保に力を入れるなか、日本の取り組みは遅れている=ベトナムハノイの建設現場(ロイター)
 2020年の東京五輪を前に顕在化している建設労働者不足を解消するため、政府は技能実習制度の見直しなどを進めている。ただ、オリンピック後には需要が減るのは確実で、場当たり的な対応という批判もある。一方で人口減少、少子高齢化に対応するためには、外国人材の本格的な受け入れが避けられないという意見もある。大和総研経済調査部で移民問題に詳しい児玉卓アジアリサーチ・ヘッドは、移民受け入れをめぐる議論を日本も早急に始めるよう提言している。
 評判悪い技能実習
 −−政府は、技能実習生制度の見直しを行っているが、同制度は批判も多い。そもそも実習生の待遇を良くすれば、日本人の求職者が増え、外国人労働者を受け入れる必要はないのでは
 「確かに待遇が改善され、求職者が増えれば、外国人労働者を受け入れる必要はなくなるだろう。ただ、現実問題として建設に関わる力仕事を(国内の)高齢者ができるのか。また女性の場合、保育所などの整備も必要だ。20年の五輪に間に合わせるには、外国人に頼るのはやむを得ない」
 −−20年になって需要がなくなれば、帰ってもらうことになる。それでいいのだろうか
 「技能実習制度はそもそも開発途上国への技術移転が名目だから、実習期間が終われば自国に帰ってもらうことになっている。しかし、それでは日本は身勝手な国と言われる。今はいいが、将来、外国の人材が本当に必要になったときに来てくれないだろう」
 −−日本では、移民受け入れに対する警戒感が強い。移民を受け入れると言えば、選挙に落ちるという政治家もいる。外国人労働者の受け入れをどう考えるか
 「日本は少子高齢化で介護問題も深刻化している。また、誰が年金を負担していくのかという課題もある。外国人労働者が納税者として貢献するのかは不明だが、外国人労働者を受け入れることで解決できることは多い。外国人労働者は本当に要らないということを検証しないまま、受け入れないのは問題だ」
 −−外国人労働者を受け入れるためには、どういう方法が考えられるのか
 「移民法を作るのは難しい。現実には、技能実習生として来る建設労働者や介護分野の労働者に、まともな労働力としてのステータスを与えることから始める。日本が必要とするセクターで受け入れることで日本国民の理解を得ていく。そのうえで、家族や子弟の受け入れ、日本語教育を行うなど個別の受け入れ策につなげていくべきだろう」
 有期雇用ビザの検討
 −−具体的な方法は
 「当初は雇用期間を定めて受け入れるのがよい。技能実習制度より待遇は良いし、移民という言葉を使うこともない。労働者としてのステータスを与え、合法的にビザを与える。高度人材の受け入れについて、日本はハードルが低い」
 −−まさにシンガポールが行っている方法だ。単純労働者と高度人材とを分けてビザを与えて管理している。外国人労働者の受け入れの上限人数はどのくらいと考えるか
 「上限は決めるのは難しい。ただ、現在、日本には(在日韓国・朝鮮人など)特別定住者を含めると200万人の在留外国人がいる。これは全人口の約2%にあたる。日本が成長を維持していくには、30年の時点で5%程度にする必要がある」
 −−ドイツなどでは移民排斥運動が起きた。移民が増えると、治安の悪化などを懸念する声もある
 「今後も介護分野や建設現場を中心に外国人の労働者や技能実習生は増える。さらに留学生も政府は受け入れを増やす方針で、増え続けるだろう。しかし、このまま何もしなければ、ドイツのように事実上の移民がなし崩し的に増え、問題が噴出してから移民政策をとらざるを得なくなる」
 −−政府は、高度人材の受け入れにも力を入れるとしている
 「ほとんどの先進国で高度人材の獲得競争が繰り広げられる。日本は海外の高度人材にとって魅力的な国とは思われていない。さらにアジア以外の人材を呼ぶのも難しい。日本はアジア諸国との良好な関係の構築と維持を含め、外国の人材獲得のための競争力を強化していくことが重要だ」(編集委員 宮野弘之)」
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 2015年2月27日 週刊朝日 「使い捨てにされる外国人に介護される日
 このままでは近い将来、介護職員が不足してしまう日本。働き手の確保が急務だ。安倍政権は、『外国人技能実習制度』に介護分野を加える方針を決めた。だが、制度の内容は長期間安心して働ける仕組みではなく、外国人を『使い捨て』にするという批判がある。… …
 人で不足穴埋め対応一時しのぎ
 ……
 これではまるで、現代版の女工哀史だ。
 ……
 将来的には世界中で介護職員の奪い合いが起きると言われている。日本は、外国人を『使い捨て』にせずに、定着してもらえる制度を考えるべきではないか。」
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 4月10日号 週刊朝日「外国人技能実習生の叫び 搾取、セクハラ、過酷な労働
 安倍政権は、途上国へ日本の技能を広めるための『外国人技能実習制度』を2015年度中に見直す。だが、『実習生なのに労働力』の矛盾は解消されない。労働力人口の減少が続くわが国で、制度が命綱の業界もある。
 ……
 失踪して実習生年間4,581人
 外国人技能実習生をめぐるトラブルは、急増している。失踪する実習生数も右肩上がりだ。
 ……
 月給は5万円
 年に休みは3日
 ……
 仲介業者が暗躍
 規制役がいない
 ……
 きちんと支払い
 人権守るのが鍵
 ……
 社会の片隅で懸命に働く彼らが、日本を支えている」
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 2015年7月号 新潮45「出井康博
 ブラック企業『ニッポン』 
 留学生30万人計画の愚
 食いものにされるベトナム人たち
 ブローカーに騙され借金漬けで来日すれば待っているのは〝奴隷労働〟。
 朝な夕な彼らが配るの『朝日新聞』はだった──
 ……
 政府は、『留学生30万人計画』を2020年に達成しようと留学生の増加に努めている。同計画は安倍政権の『成長戦略』の1つでもある。その達成が、視野に入ってきた感じだ。 留学生の増加に異を唱える人はほとんどいない。移民や外国人労働者の受け入れに
反対の人々も、『留学生』と聞くと納得する。〝爆買い〟で有名になった中国人観光客のごとく歓迎されているわけだ。
 留学を通じて外国人の若者が日本語を習得し、日本の文化にも親しむ。大学を卒業後
、日本企業の戦力となって貢献してくれる──。そのイメージで受け止められているようだ。
 しかし、留学生の目的が『勉強』ではなく、『出稼ぎ』だとしたらどうだろうか。『留学』すれば日本に長期滞在して働けると考え、発展途上国の若者が留学費用を借金して来日する。だが、日本語も全くできずに来日する彼らができる仕事は限られる。人手不足だとはいえ、日本人が敬遠する最底辺の仕事ばかりだ。賃金は最低レベルで、想像していたほどには稼げない。嫌になって日本から逃げ出したくても、借金お背負ったままでは国には戻れない。かといって、日本に居続けるためには毎年の学費が重くのしかかる。結果、〝奴隷労働〟から抜け出せない。『留学』を出稼ぎに利用するつもりが、逆に日本で都合良く使われてしまうのだ。まるで現代の〝蟹工船〟である。
 ……
 日本語学校、さらには大学までもベトナム人を食い物にしていことしている。
 これが今、『30万人計画』で起きている」それでも安倍政権は、同計画が『日本のグローバル化』に貢献すると言い張るのだろうか。現在増えている留学生の大半は出稼ぎが目的の〝偽装留学生〟なのだ。いくら日本に滞在しようが、日本語能力は向上しない。言葉など要らないアルバイトを徹夜でやって、日本語学校では寝ているのだから無理もない。単純労働者として重宝しても、日本企業の海外進出で戦力となる人材など育成できるはずがない。
 安倍政権になって以降、とりわけベトナム人へのビザ発給が緩んでいる背景には、『中国』への意識もあるかもしれない。ベトナムは歴史的に反中感情が強い国で、日本と同様に中国との間で領土問題も抱えている。そんなベトナムに『留学ビザ』の大盤振る舞いで恩を売り、さらに日本へと引き寄せようとしているように映る。
 しかし、それが政策判断なのだとすれば、むしろ逆効果を生んでいる。留学生たちは〝奴隷労働〟を続けるうち、実は自分たちが食い物にされている現実に気づく。そして日本に憧れをもって来日した若者たちが、次第に『反日』へと変わっていく。その結果が、ベトナム人犯罪の増加にもつながっている。
 人手不足で単純労働者が必要だというのなら、真正面かっら受け入れの是非を議論すればよいうこよだ。それもせず、『留学』と称して途上国の若者を受け入れ、『奴隷労働』にこき使う。一方では、日本語学校や専門学校、そして大学までもが、ビザと引き換えに学費を搾取する。いつから日本はこんな『ブラック企業』ような国になったのか。安倍首相のモットーは世界に誇れる『美しい国』づくりだったはずだ。だとすれば、将来の国益のためにも、『留学生30万人計画』の旗など一刻も早く降ろすべきである」
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 2015年7月19日 朝日新聞「外国人実習生 労災1,000人超
 13年度 過労死認定の動きも
 政府が受け入れ拡大を図る外国人技能実習生の労災事故が増え続けており、2013年度に初めて1,000人を超えた。過労死認定の動きも出ている。
 受け入れ企業側を指導する国際研修協力機構(JITCO)のまとめでわかった。実習生の労災事故は1993年度の制度導入から受け入れ拡大とともに増え、99年度の58人から06年度の657人に増加。当時は研修生1年、実習生として2年の最長計3年の滞在が認められたが、10年の改定入管法施行で、労働関係法令が適用されない研修生の枠組みをなくした。実習生として最長3年まで滞在が認められ労災事故の把握範囲が広がったこともあり、11年度896人、12年度994人と増加。13年度に1,109人に達した。
 13年度に労災事故にあった実習生の国籍は中国705、ベトナム156、インドネシア118、フィリピン86。都道府県別では製造業が盛んな地域が目立ち、①愛知129②三重71③広島64④岐阜60⑤大阪58⑥群馬、静岡51⑧埼玉42⑨富山38⑩千葉34と続く。
 長時間労働による実習生の過労死も出ている。茨城見のめっき加工会社に勤めていた中国人男性の過労死を労働基準監督署が10年に認定。厚労省がこうした問題を踏まえ統計を取り始めた11年度以降の認定はないが、朝日新聞の取材では岐阜県の鋳造会社で働き心疾患のため27歳で急死したフィリピン人男性について手続きが進んでいる」
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 日本人を使い捨てにするブラック企業にとって、安価で働く外国人労働者は酷使しても構わない機械の部品で、使いもにならなくなったら新しい部品・外国人労働者に取り替えるだけであった。
 メイド・イン・ジャパンに国際競争力を付けて売るには、低価格で高品質を究める必要があり、日本人であろうと外国人であろうと低賃金で酷使する以外になかった。
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 7月29日 産経ニュース「「日本の印象が悪化」 低賃金労働など背景 ベトナム人技能実習生調査
 技能実習に来て日本の印象が悪化−。外国人技能実習制度に参加するベトナム人を対象にしたアンケートで、こんな結果が出た。劣悪な生活環境や低賃金労働などが背景とみられ、調査した龍谷大(本部・京都市)のベトナム人留学生グエン・ヒュー・クィーさん(27)は「両国関係に深刻な影響を与えている」と指摘している。
 アンケートは平成26年10〜11月、ベトナム人実習生100人以上にメールなどで依頼し、38人から回答を得た。その結果、97%(37人)が来日前の日本の印象を「とても良かった」または「まあまあ良かった」と回答したが、来日後の印象では58%(22人)と、約40ポイント減少。来日前は一人も選ばなかった「印象はあまり良くない」は37%(14人)に上った。
 自由記述では「給料が安い」「単純作業ばかりで帰国後の就職に役立たない」など待遇や労働内容への意見の他、「自由がない」「狭い部屋に大人数で住まわされる」といった生活環境の不満もあった。」
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 2018年1月26日 21:10 産経ニュース「外国人労働者128万に 人手不足、前年比18%増 留学生、ベトナム急伸
 厚生労働省は26日、平成29年10月時点の外国人労働者数が127万8670人だったと発表した。前年より19万4901人、割合では18%の大幅増で過去最多を更新した。人手不足に悩む企業が外国人を積極的に受け入れているため、急伸が続き、3年前と比較すると約50万人増加した。
 特に留学生のアルバイトや技術の海外移転を名目とした技能実習生の伸びが大きく、ともに前年より20%以上増えた。政府は高度な専門知識を持つ外国人の活用を推進しているが、実際は低い賃金で単純労働に従事する人の方が増えている。
 国籍別にみると、最多の中国が37万2263人で前年比8%増にとどまっているのに対し、2番目のベトナムは40%増の24万259人と急伸。外国人労働者全体の増加分の35%を占めた。ベトナムの急増は、外貨獲得のため労働者を積極的に海外に送り出している同国政府の方針が背景にある。
 フィリピンは14万6798人、ブラジル11万7299人、ネパール6万9111人と続いた。」
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 2018年1月26日12:49 産経WEST「外国人実習生の残業代などで岐阜の繊維業者28社に法令違反 時給「400円」の業者も
 岐阜労働局は26日までに、外国人技能実習生の待遇を巡る申し立てなどを受け、2017年4〜11月に同県内の117社を監督指導した結果、繊維業36社のうち約8割に上る28社で、残業代未払いなどの法令違反があり、是正勧告したと明らかにした。
 建設業などを含む117社全体では違反率は約6割で、繊維業での違反の多さが目立った。
 労働局によると、28社の違反内容は、残業代の支払いが不十分(24社)、最低賃金が守られていない(14社)、労働時間が守られていない(12社)などだった。岐阜県最低賃金は1時間当たり776〜800円だが、400円しか払っていない業者もあった。
 岐阜労働局の佐藤健治監督課長は「安価な労働力として違法に扱われる現状がいまだに改善されていない」と話している。」
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