🌁15〉─1─21世紀における良い会社とは人口激減期を生き残れる人材を育成できるかどうかである。~No.53No.54No.55 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 社長・経営者は、人口爆発時代では50代〜60代で文系偏重の調整型人材で間に合うが、人口激減時代では30代前後で文系・理系並存の挑戦型人材でなければ役に立たない。
 目まぐるしく移り変わる時代の潮流に乗っていけない者は、第一線の社長・経営者に立つ事は許されない。
 人口爆発の20世紀型人材は、人口激減の21世紀型人材にはなれない。
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 日本人人材を育成できる日本企業は減少している。
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 2017年8月号 SAPIO「世界に雄飛する『人間力』の時代 大前研一
 なぜサイバーエージェントは急成長すたか?
 経営者の時間の使い方を見れば『良い会社』かどうかわかる
 企業に対し、『社会貢献』『社会的責任』が求められて久しい。投資家たちも、就職先を選ぶ学生たちも、『この会社はどんな社会貢献ができるのか』といった視点で企業を見るようになった。
 しかい、大前研一氏は、『人事への力の入れ方』こそ『良い会社』を判別する指標になると指摘する。
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 世間では〝良い会社〟の概念が変化しつつあるようだ。
 その背景にあるのは『ESG投資』の世界的な広がりだ。これは企業のビジネスを、
 ・環境(Environment)
 ・社会(Social)
 ・企業統治(Governance)
 の観点で分析し、その評価が高い会社のほうが将来の成長が見込める〝良い会社〟とみなして積極的に投資するというものだ。日本でも住友商事をはじめ多くの企業が『今後は利益だけでなく社会貢献だ』と言い始めた。
 もちろん企業は『社会の公器』であり、社会的責任(CSR=企業が事業活動を通じて自主的に社会に貢献する責任)があるから、それを重視するのは大切なことだ。しかし、私が考える21世紀の『良い会社』の本質的な条件は違う。
 経営コンサルタントを40年以上にわたって務めてきた経験から言えば、その会社が『良い会社』かどうかは、経営者の時間配分を見れば、だいたいわかる。
 経営者が社内の制度改革やシステム作りに多くの時間を使っている会社は、良い会社になる可能性が高い。一方、経営者がメディアに取り上げられやすい企業戦略やM&Aばかりを考えている、あるいは経済団体活動などの対外的なことに多くの時間を使っている会社は、良い会社である可能性が低い。 とくに、経営者が人事制度を疎(おろそ)かにして時間を使っていない会社は、良い会社にはならないと思う。だが、残念ながら日本企業の大半はそうなっているのが実情だ。
 『新卒社長』制度
 たとえば、私はコンサルティングを依頼されたら最初に人事ファイルを見せてもらうのだが、ほとんどの会社は入社時にどこの部署に配属され、その後どこの部署に異動したかとうことくらいしかわからない。その部署でどんな仕事をして、どのような成果を出したか、同僚や部下との関係はどうかだったのか、何を改善してどんなスキルを身につけたらよいのか、といった具体的な評価が全く書いていないのだ。
 それは経営陣が、人事の重要性を理解していないからだ。このため、上司が部下を評価するために資料を残す際、きちんとやったら数日はかかるはずなのに、1時間ほどで10人分をいい加減にかいているというパターンがほとんどなのだ。
 言い換えれば、その社員が来年1年間はどんな努力をすべきなのか、何が達成されたら上のレベルの仕事ができるようになるのか、というキャリアプランキャリアパスがそもそも存在しないのである。これでは適材適所の人事などできるはずがない。だから日本企業では往々にして、上司に対するおべんちゃらがうまい太鼓持ちタイプや腰巾着タイプが、能力に関係なく高評価されて出世する。
 自社の『人的資源』を最大限に活用するためには、経営トップが人事に相当な時間を費やさなければならない。
 たとえば、今回退任が決まったGE(ゼネラル・エレクトリック)のジェフリー・イメルCEOは毎週金曜日の夜は必ず、将来のリーダー候補250人の中の1人と1対1で夕食を共にしている。250人全員と会食するためには5年かかるわけだが、その結果、イメルト氏の頭の中には、誰がどのような経験をしてきたのか、どういう仕事が得意なのか、人品骨格はどうなのかといった一人ひとりの詳細なプロファイルが出来上がる。それを基に彼は250人を50人に、さらに50人を3人に絞り込み、後継者を育てていく。これはジャック・ウェルチ前会長のやり方を踏襲したものであり、GEが優良企業であり続けている理由がそこにある。
 つまり、会社は『人事がすべて』なのだ。そのために経営陣は、社員の能力や人となりの〝入力〟に時間を使わなければならない。人事部に任せたり、人事部長に評価を聞いて判断したりしているようでは、決して『良い会社』にはなれないのだ。
 基本的に経営陣と管理職は、最低でも自分の時間の20%を人事のために使うべきだと思う。実際、私がいたマッキンゼーでは、まさに『人材がすべて』という考で『成長のGRID』と呼ばれる評価システムを厳密に運営していた。
 だが、そういうことをやっている日本企業は、ほとんどない。リクルートはかつて『実質的な38歳定年制』と呼ばれた極端な制度で独立心や起業家マインドなどを鼓舞していることで知られているが、その他の企業となると、私の知る限り、インターネット広告・メディア・ゲーム事業で知られる『サイバーエージェント』くらいである。
 同社は創業20年足らずで売上高が約3,100億円(2016年9月決算)に達しているが、その成長の大きな原動力は人事と企業戦略を綿密に結び付けていることだ。
 たとえば、同社には『新卒社長』という制度がある。新卒で入社した社員の中から将来有望だと判断した人材を、非常に早く(最短は採用内定時点で)子会社の社長=イントラプレナー(社内起業家)に抜擢しているのだ。
 本稿執筆時点で新卒社長は累計51人に達し、連結子会社97社のうち22社を新卒社長の会社が占めている。
 そして、優秀な人材は20〜30代の若いうちから『CA8(シーエーエイト)』と呼ばれる8人の取締役、『CA18(シーエーエイティーン)』と呼ばれる18人の幹部に抜擢される。
 つまり、これらの制度によってサイバーエージェントは続々と新しい事業を生み出すとともに優秀な人材を見いだすことができているのだ。人事が成長戦略に直結しているわけで、同社は21世紀型の『良い会社』の一つだと思う。
 人材は『発見』と『選択』
 そもそも企業のトップの最も重要な仕事は、5年後、10年後に『こういう会社になっていたい』というビジョンを作り、それを共有して事業を大きくしてくれる人材を『発見』し『選択』してアサインすることだ。
 よく『人材を育てる』と言うが、リーダーになる人材は簡単に育てられるものではない。それは自分の子供を見ればわかるだろう。どれほど時間やカネを使っても、たいがい親が思っているようには育たない。
 人間には持って生まれたものがあるから、経営者はもともと優れていて入社後も能力を磨いている人材を発見し、その能力を最大限に発揮できる仕事を任せなければならないのだ。『人事は発見と選択』と言っても過言ではない。
 逆に言えば、リーダーになる人材を育てようと思ったら、採用する時に『発見』して『選択』し、入社したその日からリーダーになるためのトレーニングをしなければならない。だから、サイバーエージェントの新卒社長制度は評価に値するのだ。
 社長を務めるということは、人事も経理も企画も営業も広報も自分でやらなければならない。自分の給料も他人の給料も決めなければならない。そうした重責を担う社長業を新入社員の頃から4〜5年もやれば、30歳になる前に本当の社長になれるだけの知識と経験とリーダーシップを身につけることができるのだ。
 ところが、大半の日本の会社は『総合職』の社員に『定型業務』(データ入力や伝票整理、記帳、請求書作成など作業内容に一定のパターンがあってマニュアル化、外注化が可能な仕事)と『非定型業務』(経営戦略の構築や事業計画の策定、新製品の企画・開発、対外的な交渉など個人の思考力、判断力、経験が要求されるクリエイティブな仕事)を〝霜降り状態〟で、混ぜこぜにしてやらせている。それが20代前半から35〜40歳ごろまで続く。
 しかし、35歳を過ぎてからクリエイティブな新しい仕事がいきなりできるようになる人は稀である。なぜなら霜降り状態で育った人は、定型業務を先に消化する癖がついてしまうからだ。定型業務を処理した後のくたびれた頭で、金曜日の午後にクリエイティブなことを考えろと言っても無理なのだ。社員に定型業務と非定型業務を混ぜこぜにした霜降り状態の仕事をさせてもよかったのは、右肩上がりで成長できた大量生産・大量消費時代までである。
 私はマッキンゼー時代、『35歳で社長が務まる人材』の育成をモットーにしていた。21世紀型の『良い会社』の条件は、社会貢献ではなく、35歳で社長が務まる人材を量産できる人事制度になっているかどうか、ということなのだ。
 1人の人材が会社を変える
 優秀な人材が1人いれば、会社は変わる。たとえば現在、私が注目しているのは『寺田倉庫』の新事業『minikura(ミニクラ)』だ。これは顧客自身が預けた荷物をWeb上で管理すできるBtoCクラウド収納サービスで、この事業を立ち上げたのは1998年に入社した月森正憲氏(現在は執行役員)である。同氏は入社約5年間は物流現場で重貨物の積み下ろしやフォークリフト操作などの現場系作業に従事していた。その後、営業職を経て企画担当となり、2012年に『minikura』をリリースして、それまで寺田倉庫が主力としていたBtoB事業ではなく、洋服や本、ワイン、趣味のフィギュアといったBtoC事業の新たな市場を開拓したんである。外部から招聘した中野善壽社長の独特の嗅覚が月森氏を『発見』して『選択』したことによって、古くさい業界の老舗(1950年創業)の寺田倉庫が大きく変化したのである。
 さらに同社は、プロのスタイリストが選んだ洋服を月額制で何着でも試すことができるオンライン・ファッションレンタルサービスの『エアークローゼット』に出資・業務提携したり、天王洲や表参道などでレストラン、ビール製造、ベーカリー、ケータリングといった新事業も積極的に展開したりしている。
 21世紀はAIやビッグデータ、IoT(モノのインターネット)の時代だと言われているが、本質的な『良い会社』の条件は、あくまでも優秀な人材を『発見』して『選択』し、その能力を最大限に発揮させる人事制度があるかどうか、なのだ。人事部が有名大学の卒業生を大量に採ってきたと自慢しているようでは、〝尖った個人〟が新しい領地を開拓する21世紀に生き残っていくことはできないだろう」
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 現代日本の、国を運営する政治家や官僚は劣化して三流になったと言われて久しく、今や日本経済を支える企業家・経営者も三流に成り下がり、未来を生きる子供を育てる教育現場を混乱させている専門家・学者・教育関係者は評価不能に陥っている。
 全ての元凶は、人口爆発時代のライフスタイル神話にある。
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 人口爆発期の消費は満ち潮に似ていて、消費人口の増加で、消費心理は満ち潮の進む方向と同じで、経営・生産は水の進行方向つまり物欲の消費心理をみて行動すれば楽に利益・金儲けができた。
 人口爆発期最後のバブル経済とは大洪水で、日本国中に物が行き渡りすぎ、部屋と言わず家の中に物が溢れ、溢れた物が粗大ゴミとして捨てられた状態、つまり大量生産・大量消費の事であった。。
 人口激減期とは、引き潮で、消費人口減少によって物を生産しても売れない状態である。
 人口爆発時代のライフスタイル神話は、人口激減時代では通用しない所か有害なだけである。
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 満ち潮に乗る事はよほどの無能でなければ難しくないが、引き潮に乗るの事はよほどの能力がないと難しい。
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 引き潮で干上がる大地に如何にして水・消費者・購入者を確保するかである。
 生産は自己学習AIと高性能ロボットで確保できるが、消費は人間でなければ不可能である。
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 引き潮で消えていく水を如何にして留める為に、消費者・購入者という池を掘るかである。
 池の水は太陽に照らされて蒸発して減るが如く自然的人口激減で消費者・購入者も減る、その為に水を確保るには、乾いた大地を深く掘り下げて地下水を汲み上げるか、他の池から水を強引に奪うしかない。
 減少する水(消費者・購入者)を奪い合う熾烈な水争いが、人口激減時代である。
 減少した水(消費者・購入者)で生き残れる生物(企業・会社)は限られてる。
 水(消費者・購入者)を獲得できなかった生物(企業・会社)は、新た水(消費者・購入者)を獲得する為に右往左往しなければならず、水(消費者・購入者)が確保できなければ干からびて死ぬ(倒産)しかない。
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 人口爆発時代のよう労働者万歳・サラリーマンはお気楽的な生ぬるい甘ちょろい考では、人口激減時代は生き残れない。
 過酷な人口激減時代を生きる為には、自分一人でも喰っていけるだけ生活能力としてのの才能・技能を獲得する必要がある。
 一廉以上の底力が有るか無いかである。
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 人口爆発時代のライフスタイル神話を後生大事にする政治家、官僚、企業家・経営者、専門家・学者・教育関係者など社会的地位にある旧世代を、全員、丸ごと、問答無用で社会の表舞台から放逐しなければ人口激減時代を生き残れない。
 労働者不足のみを気にして消費者減少を気にしない者は、時代が読めない盲目的な無用の長物である。


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