⛲17〉─1─過労老人となる下流老人、その老後は。人生100年、死ぬまで働く時代。~No.70No.71No.72 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2016年12月16日 週刊朝日「『下流老人』の行く末 過労老人に転落する人
 住宅ローン返済で、大手企業退職後もレジ打ち(60代男性)
 妻の病気で貯金尽き、新聞配達を始める(70代男性)
 離婚した娘と孫が実家に、教育費のためにバイト(70代男性)
 パラサイト息子の奨学金返済のため求職中(80代女性)
 年金制度改革法案が、衆議院で可決された。支給額引き下げの新ルールが盛り込まれ、野党は〝年金カット法案〟と叫んで猛反発。将来の支給額を心配する高齢者が多い。かさむ出費と、細る年金。生活のために過重な仕事を強いられる〝過労老人〟が、ますます増えそうだ。
 『こんなおばあさんを雇ってくれるかしら』
 職探しのまっただ中の東京都内の80歳の女性はつぶやく。専業主婦として夫を長年支えてきたが、夫は2年前に亡くなった。今は40代の息子と二人で暮らす。
 夫の事業がうまくいかず、年金の大半が借金返済に消えた時期が10年ほどあった。十分な蓄えがなく、今は17万円の年金が家賃と生活費に消える。さらに、息子の奨学金さえ自らお年金から返しており、家計を圧迫する。
 穏やかな老後を迎えるはずだったのに、年をとっても生活のために働かざるを得ない。こうしたお年寄りは今や珍しい存在ではない。
 内閣府『高齢者の経済生活に関する意識調査』によると、60歳以上の人で働く理由(複数回答)は、『生活費をまかなうため』が最多で、2011年度に59%。01年度調査の52%から上がっている。
 『将来に備えた蓄えのため』なども含む、経済的理由をあげる人の割は10年前より増える傾向だ。一方で、『生きがい』『健康』を理由にあげる人の割合は減った……。
 昨年、『下流老人』(朝日新書)で高齢者の貧困に警鐘を鳴らした、社会福祉士の藤田孝典さんは話す。
 『高齢者の貧困問題は、改善するどころか、悪化しています。11月には、〝年金カット法案〟が強行採決された。生きるために働かざるを得ない老人は、これからも増えるはずです』
 下流老人とは、病気や事故、熟年離婚などのやむを得ぬ事情で、貧困に陥った高齢者。生活保護基準担当の収入で暮らす人や、その恐れがある人をさす。
 『収入が少ない、貯蓄がない、頼れる人がいない、の〝3ない〟の状態にあるのが下流老人です。自力ではなかなか、貧困状態から抜け出せない。まずは生活や貯蓄を見直し、助けを求められる人や場所を捜してほしい』(藤田さん)
 今月13日には、『続・下流老人』を」出版する。前著の副題は『一億総老後崩壊の衝撃』だったが、今回は『一億総疲弊社会の到来』。高齢者になっても、過重な労働に追い込まれる人たちの姿を伝えている。
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 新著ではほかにも、お金のために必死に働く高齢者の姿を伝えている。
 病気の親や配偶者の介護、離婚などの問題を抱えて実家に戻ってくる子や孫の世話……。浮かび上がるのは、現在の社会問題と結びついた高齢者の貧困だ。
 ……
 藤田さんは、社会保障など公的な支援が弱い日本社会の問題点を指摘する。そして、生涯働き続けないと暮らせなくなる日本社会のあり方を問うている。
 藤田さんが代表理事を務めるNPO法人『ほっとプラス』の生活相談窓口には、長年地道に働いてきた高齢者からの相談も多い。無計画で怠惰な生活を若いころからしてきたわけではない。そんな人も、いつ貧困の道へ転落するか分からない。
 相談者の高齢男性には、プライドからか、貧しくなっても生活保護受給を拒む人が多いという。ただ、命を引き換えのような過重な仕事をするならば、『受けられる支援を受けるべきだ』と藤田さんは言う。
 生活不安を感じながら、無理をして働き続ける高齢者は多い。
 働くことは本来、喜びであり、生きがいにつながるはず。過労老人と呼ばれない働き方の高齢者が、一人でも増えてほしい。本誌・藤村かおり」
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 人口激減時代に突入する日本では、労働世代の減少に伴う労働力不足を補う為に一億総労働として老人や女性に社会復帰を求め、納税世代の減少に伴う税収不足を補う為に年金支給カットを決めた。
 労働・消費世代である若者は、老後不安から貯蓄の為に消費を手控え、安月給の為に結婚もできず、結婚しても子どもを作る余裕はなかった。
 企業は、消費の低迷で業績が悪化して、正社員を賃金の安い非正規社員契約社員に切替え、社員数も減らし、社員一人の仕事量を増やして過重労働を強いた。
 人口激減は、短期的に見れば労働者不足だが、中期的に見れば消費者不足であり、長期的にみれば民族の消滅である。
 国民国家を再生させる事は至極簡単だが、民族国家を復活させる事は容易ではない。
 国民人口が増えたからと言って、国が豊になるわけではなく、税収が増えるわけではない。
 問題は、数・量より質の問題である。
 人口が国の豊かさとされたのは、昔の話しである。
 人口爆発で勤勉に働く真面目な日本民族日本人が増えて豊かになったが、人口激減で勤勉に働く真面目な日本民族日本人が減っていく。
 日本は、人口爆発で数・量と質に恵まれたが、人口激減で数・量が減りそして質も低下する。
 辛坊強く働く多くの老人がいなくなった時、我慢してブラック仕事を過労死ギリギリで働く数少ない若者が激減した時、その時日本は・・・・・。
 大量の移民を使い勝手の言い低賃金労働者として受け入れて、大成功した国はない。
 移民した低賃金労働者は、老人や女性そして障害者など社会的弱者から仕事を奪う。



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高齢者「働く生きがい」論 (文藝春秋企画出版)

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