⛡292〉─1─出生数100万人割れで人口激減が加速する。地方の深刻な人口減少。アリの理論。No.698No.699No.700No.701No.702 @    

人口減が地方を強くする 日経プレミアシリーズ

人口減が地方を強くする 日経プレミアシリーズ

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 プロフィールに、6つのブログを立ち上げる。 ↗ 
   ・   ・   【東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博】・    
 2020年以降の人口激減は、日本史はおろか世界史で初めての現象であり、人類が初めて経験する珍事である。
 寿命によって自然に人口激減を迎える事は、人類史上、初めての事である。
 戦争や疫病・飢餓が原因による急激な人口激減は、悲劇、悲惨ではあるが、急激な復興、迅速な復旧は可能である。
 寿命が尽きて緩やかに訪れる人口激減には、対処法が乏しい。
 過去の人口減少は、後に人口増加をもたらし、総人口を1億2,000万人以上に増えた。
 これから起きる人口激減は、総人口を2億人へと増やす事はあり得ない。
 総人口約1億2,000万人が、日本列島に於ける人口の臨界値である。
 日本列島が安定、安心できる人口は、自ずから明らかである。
 日本の人口は、縄文時代中期に数十万人、弥生時代に約100万人。
 明治元年の1868年に約3,000万人だったのが1941年には約7,000万人に増え、1990年には1億2,000万人を突破した。
 人口増加の要因は、食糧の確保であった。
 大正期までは国内増産で乗り切り、昭和期は不足分を外国からの輸入で補った。
 明治期の近代化、大正期の国際連盟5大国、戦前の日米戦争、戦後の第2位経済大国は、こうして起きた。
 200年〜300年以内に、緩やかな人口増加はあるかも知れないが、人口爆発はあり得ない。
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 2016年6月18日号 週刊東洋経済「人口が停滞する局面は過去に3度あった
 人口から読む 現代は4度目の人口停滞期 静岡県立大学学長・鬼頭宏
 日本の人口は2008年をピークに減少局面に転じた。明治以来、もっぱら膨張する人口への対策に追われてきたので、人口減少に直面し、なすすべもなく立ちすくむのも仕方がないことかもしれない。いかし人口減少は決して未曾有の出来事ではない。過去に何度も起きており、そしてそのような時期は歴史上の転換点として重要な時代だったことを知っておく必要がある。
 日本の人口は縄文時代以来、4回の増加期とそれに続く停滞期を繰り返してきた。1度目の停滞期は縄文時代後半である。2度目は平安時代後半から鎌倉時代にかけて。3度目は18世紀初頭、8代将軍吉宗の時代から1世紀以上に及んだ江戸時代後半である。そして今だ。
 人口問題を考えるうえでまず理解してもらいたいのは、人口が増加の後に減退するのはという『歴史の必然である』ことだ。『人口論』で知られる経済学者ロバート・マルサスが指摘したように、食糧生産量などの条件が一定であるかぎり、人口増加は永遠に続くものではなく、いずれ停滞するという原理が働く。
 過去の人口停滞期に共通するのは、それまでの人口増加を支えた資源、技術、制度が社会に浸透し尽くした時代であり、各時代の文明システムが維持できる上限近くまで人口が達した時代であるということだ。
 縄文時代でいうと人口増加をもたらした主要因は、気候温暖化によって木の実が多く採れる落葉樹林が形成されたことであった。それが縄文後期に気候が再び寒冷化し始め、食糧という資源的制約を受けて人口が停滞した。
 中近世の人口を左右した荘園制と貨幣経済
 弥生時代以降、水稲農耕化によって急増した人口は平安時代後半から鎌倉時代にかけて2度目の停滞的に入る。気候変動(温暖乾燥化)の影響もあるが、ここでは荘園制という社会体制の変質に注目したい。
 荘園など土地の私有化は当初、原野の開墾を促した。しかし多くの荘園領主は、農地経営そのものよりも自分の消費生活を満足させるに足る荘園年貢の確保が重要だった。農民も貢納と自給のための生産が目的だった。そのような状況では生産意欲が刺激されず生産性の向上は起こりにくい。結果として荘園制は、人口を左右する農業生産にマイナスの作用を及ぼしていったと考えられる。
 室町時代から江戸時代前半の人口増加は、市場経済の浸透による生産力の向上が背景にあった。それは鎌倉時代に始まった貨幣の使用と荘園市場に源を発している。
 13世紀ごろからコメなどの現物で貢納する代わりに貨幣で納めせる荘園が出てきた。やがて荘園内で市が開かれるようになり、さらには城下町や寺内町など都市的集落が発展し消費需要が増えた。消費需要に応じれば利潤を得られると生産意欲を刺激された農民は勤勉な労働集約的農法によって生産力を向上させた。
 18世紀に入ると人口は三たび停滞局面となる。生物的資源にあらゆる基礎を置き、鎖国制度によってエネルギーと食糧の自給を原則とした江戸文明の成長の限界は明白だった。
 人口停滞から抜け出したのは幕末である。維新期を経て明治、大正、昭和にかけて石炭、石油、電力へのエネルギー転換が起こり、技術革新、開放的経済体制へと移行した。人口は着実に増え続け、1人当たりの生産額も持続的に成長するという正のスパイラルが実現した時代となった。
 人口停滞期とは文明システムの転換期
 ここまで歴史を概観してきや中で気づかれただろうか。人口停滞という難局を打開した物は、新しい資源、新しい技術、新しい制度の導入だった。新しい文明システムへの転換は人口停滞期に始まっていたということも重要である。
 弥生時代水稲農耕の急速な普及は、縄文時代の初期農耕が前提になったといわれている。室町時代からの人口増加要因となった市場経済の浸透は、先ほど触れたように鎌倉時代に始まっている。明治維新以降の人口増と経済成長も、18世紀に起きたプロト工業化(農村部における工業以前の工業化)が下地となったからこそ、可能になったといえる。
 江戸中期に入ると国内では金、銀、銅の産出量が減少し、絹(白糸)、砂糖、朝鮮人参などの輸入制限に結び付いた。これら輸入商品の代替化が図られ、18世紀中頃には全国の農村で養蚕、麻・綿・絹の糸や布の生産、製紙、製塩、酒・みそ・しょうゆの醸造が盛んに行われるようになった。そこで培われた生産技術や経営管理、規律ある労働が、明治期に始まる本格的な工業化にとっての重要な礎となった。
 歴史を振り返ると、史上4度目の人口停滞に相対した私たちが採るべき対応は明白である。目指すべきは、従来の延長線上にある経済成長の復活ではなく、産業文明の成熟化にふさわしい社会システムとライフスタイルの実現であろう。
 もちろん過去の停滞局面にはなかった留意すべき点は1つに長寿化がある。平均初婚年齢で結婚した夫婦の結婚後のライフスタイルにしても、江戸時代にはそのすべてを出産と子の養育に費やしていたが、現代では子供を扶養した後の時間が非常に長い。夫婦や家族の役割は大きく変わっている。健康寿命が長くなった今、高齢者の概念自体も変える必要があろう。静岡県では新たな人生区分として、18〜45歳を青年、46〜75歳を壮年、77歳以上を老年と呼ぶことが提案されている。
 経済協力開発機構OECD)は、経済成長だけでなく生活や環境など11分野から成る指標を織り込んだ『より良い暮らし指標』を提案している。21世紀はグローバルな産業文明の成熟期である。『持続可能な開発』を実現するための次世代文明への転換が求められており、豊かさについても価値観の転換が問われている。新しい豊かさが実感できるようになるなら、出生率回復も後からついてくると考えるべきなのだ。」
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 6月23日号 週刊文春「福岡ハカセのパンタレイパングロス 福岡伸一
 デモグラフィック
 デモグラフィック思考、というものがある。デモは、デモクラシーのデモ、つまり『人々』という意味で、デモグラフィック思考というのは人々の動き、つまり人口の変動で物事を捉えようという考え方。
 先ごろ、厚生労働省は2015年度の人口動態統計(速報値)を発表した。
 1人の女性が生涯に産む子どもの数を推計した合計特殊出生率は1.46。これは前年を0.04ポイント上回り、2年ぶりの上昇を示し、1994年の1.50以来の高さだった。(ただし政府の希望目標は1.80)。出生率も5年ぶりに増加した。例年は6月に入ってから発表されるデータだが、今年は異例にも5月に前倒しして発表されたため、参議院を前に、景気の好転を印象づけたい政府の意向が働いているのだはと勘ぐるメディアもあったが、ほんとうかな。ただ、数値をよく見ると少子化、人口減少の傾向にかかったわけではない。
 出生率は100万5,656人。ここ数年は100万ちょっとで推移していて、前年の100万3,539人からわずかだけ増えた。とはいえ、団塊世代のピーク1949年には269万、第二次ベビーブームのピーク1973年には209万人も生まれていたのだから半分以下の激減だ。一方、死亡数は129万428人で戦後最多。死亡率から出生率を差し引いた人口の自然減は28万4,772人でこれも過去最大。このままいくと現在1億2,696万人いる日本の総人口は早ければ2043年には1億人を切る(出生数低位・死亡数高位の場合の推計)。
 こんな話を大学のセミでしたら、興味深いデモグラフィック・データを調べてきた学生がいた。『日本人は年間100万件以上もの人工中絶をしていた時期があるんです』1955年から61年まで中絶数は117万から103万件で推移、出生数と比べると、なんと受胎したうち4割近くもの命がその途上で失われているのだ。中絶数はその後、少しずつ減少していくが──
 1970年の時点で73万2,000件、1980年59万8,000件、1990万件45万7,000件、2000年34万1,000件、20万件を切ったのはようやく2012年。最新のデータ(14年)でもなお18万1,905件である。
 むろん中絶の背景には様々な事情がある。母体の生命の危険、犯罪に巻き込まれた、染色体検査の結果など、やむにやまれぬ理由もあるだろう。
 母体保護法が定めている中絶は妊娠22週目未満、『経済的理由』も認められている。これがグレイゾーンになっている。ティーンエイジャーの未婚の妊娠、かたや熟年夫婦の避妊の失敗、望まれない妊娠、不倫による許されない妊娠・・・闇に葬られた生命がある。このうち幾ばくかでも救われていたなら日本の人口はここまで減少していなかった。
 人口が減れば、労働力が減り、税収が減り、地方が衰退する。国としてはなんとかこれを食い止めたい。しかし、デモグラフィック・データを見る限り、日本人はもうこの国で子どもを育てたくは無くなっているのだ。日本人は生物として繁殖の意欲をすっかり失ってしまったように見える。いったいそうしてだろう。社会的理由?文化的理由?経済的理由?
 ひとつの仮説は『さぼるアリの理論』。他のアリが一生懸命働いているのを見ると、かならず一定数さぼるアリが出現するという。
 ヒトの場合もひとたび目を世界に転じてみれば、人口は増加の一途。70億を超えてどんどん拡大している。種としてのヒトの遺伝子プール(集合体)は全く安泰である。空気を読むことにかけては聡い日本人、これを見てさっそくさぼりだしたのではないだろうか!?」
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 10月26日 産経ニュース「初の人口減少が確定 65歳以上は26・6% 平成27年国勢調査
 総務省が26日発表した平成27年国勢調査の確定値で、日本の総人口は10年調査より0・8%少ない1億2709万5千人だった。大正9年の調査開始以来、初の人口減となった。総人口に占める65歳以上人口の割合は26・6%で3・6ポイント上昇した。
 1世帯当たりの人数は、全国で最も少ない東京都で1・99人となり、データのある昭和45年以降で初めて2人を下回った。全国平均は2・33人だった。
 国内に住む外国人は175万2千人。国籍別では中国の51万1千人が最も多く、次いで韓国・朝鮮が37万7千人だった。」
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 10月27日 産経ニュース「深刻な人口減…どうする地方 秘策は「ドチャベン」「孫ターン」
 集落活動センター「だんだんの里」を紹介する西森勇幸さん=23日、高知県仁淀川町の長者地区
 日本の総人口が国勢調査で初めて減少に転じ、65歳以上の高齢者は4人に1人を超えた。特に人口減少と高齢化が深刻な地方では、ゆかりのある高校生や起業家を呼び込んだり、にぎわいを取り戻す拠点をつくったりして、活性化の道を探っている。
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 ◆起業目的で移住
 人口減少率がトップの秋田県は、平成27年度から起業目的の移住を促す「ドチャベン(土着ベンチャー)」事業を始めた。希望者は県を訪れて地域の現状を学びつつ、事業計画を練る。コンテストに入賞すると、自治体や地元企業からサポートを受けられる。
 「亡くなった祖母が送ってくれた秋田のおいしい果物を多くの人に知ってほしかった」と、昨年11月のコンテストで金賞の矢野智美さん(33)。東京から移住しブドウやリンゴ、地酒を通信販売する「秋田ことづくり」を横手市で立ち上げた。
 「1人では飛び込めなかった」。市職員らに農家や酒蔵を紹介してもらい、果樹園で果物の育て方も学んだ。「秋田県産を一大ブランドに」と夢は大きい。
 ◆県外から「留学」
 島根県立江津高校は、江津市内にいる祖父母の元で県外の孫が同居する「孫ターン」の募集を今春の新入生から始めた。角英樹校長(60)は「自分のルーツを知る機会になる」と期待を込める。初年度の孫ターンはゼロだったが、広島県大阪府で開催されたPRイベントでは手応えもあった。
 28年度の入学者は72人で2クラス。10年近く定員割れが続き、他校と統合されかねない。市内に公立普通科高校は1つだけで「進学先を残したい」と角さん。孫ターンで卒業後も「地方で働き、生活することを視野に入れてほしい」と期待する。
 ◆にぎわい拠点に
 険しい山に囲まれ、石垣を組んだ棚田が広がる高知県仁淀川町の長者地区に24年、集落活動センター「だんだんの里」がオープンした。地元野菜を提供するレストランを併設。棚田を生かした活性化にも取り組む。飲食やイベントを目当てに遠方から人が訪れるようになり、責任者の西森勇幸さん(69)は「地域に活気が出てきた」と語る。
 50年前に約2400人いた長者地区の人口は4分の1になった。所有者が去った棚田は荒れ、空き家も増えた。西森さんは「人口減の波には逆らえない。今の状況を維持するのが精いっぱい」と厳しい表情も見せた。」
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 10月31日 産経ニュース「【主張】国勢調査 人口減に耐える国造りを
 昨年実施された国勢調査で、日本の総人口は5年前の前回調査に比べ約96万3千人減少した。
 大正9年の調査開始以来、約100年で初の減少である。
 高齢化も進み、総人口の8人に1人が75歳以上だ。働く世代は急減しており、このままでは社会が立ち行かなくなる。
 とりわけ出産可能な年齢の女性の人口が減るため、流れを断ちきるのは簡単でない。対策として「外国人に頼るべきだ」との意見もあるが、今後25年で約2千万人減ると推計されており、すべてを穴埋めするのは無理がある。
 人口減少を前提に、それに耐え得る社会への転換が急がれる。
 国会議員や自治体関係者の間では、大型公共工事の実施など人口が増えていた時代の発想から抜けきれていない人が少なくない。
 だが、いま求められているのは効率的な国造りである。人口が減っても機能する仕組みを構築するということだ。
 もとより、国としての豊かさを持続するには経済成長が不可欠だ。まず考えたいのは、労働力人口の減少をカバーする方策だ。
 女性や高齢者など働き手の確保策は当然のこと、技術革新や働き方改革で生産性を上げ、労働者一人一人の国内総生産(GDP)を増やすことが重要である。
 安倍晋三政権には、大胆な規制緩和や海外からの投資の呼び込み、産業の重点化など思い切った政策を期待したい。
 地域ごとに拠点を設けるコンパクトな町づくりも避けられない課題である。
 人口減少は地方によってスピードが異なる。すでに人口が大きく減った地域では、コミュニティーの維持が困難となり、公共交通機関の廃止など買い物や行政サービスに支障が出ている。
 郊外へと開発を進める手法はもはや通用しないだろう。コンパクト化のための移住には住民の抵抗感も強かろう。
 だが、人が集まり住むことで「にぎわい」が生まれれば、若者の雇用など新たな仕事の創出にもつながる。東京一極集中の流れを少しでも食い止められる。困難な課題から逃げてはならない。
 人口減少というとマイナスの印象を受けがちだが、日本より人口規模が小さくても豊かな国はある。「戦略的に縮む」という積極性をもって挑みたい。」
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 12月22日07:02 産経ニュース「出生数が初の100万人割れ 平成28年推計98万人 厚労省・人口動態 
 厚生労働省が実施している平成28年の人口動態統計の年間推計で、出生数が過去最少の約98万人となったことが21日、分かった。年間の出生数が100万人を割るのは昭和22年の統計開始以来、初めて。政府をあげた少子化対策の重要性が改めて浮き彫りになった形だ。
 毎年1月1日に公表される人口動態統計の年間推計は、日本在住の日本人について1〜10月の速報値を基に1年分を推計している。
 女性が生涯に産む子供の推定人数を示す合計特殊出生率は、過去最低だった平成17年の1・26を境に上昇傾向にあり、27年は1・45だった。
 ただ、出産世代とされる15〜49歳の女性の人口が年々減少しているため、28年は出生数の減少に歯止めをかけることができなかったとみられる。
 死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は27年まで9年連続で増加しており、今後も人口減は続くことになりそうだ。
 人口動態統計の確定数によると、出生数は26年に過去最少の100万3539人を記録して100万人割れ目前となったが、27年は100万5677人となり、5年ぶりに増加に転じていた。」
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 12月22日21:49 産経ニュース「出生数100万人割れ 企業内保育所開設や中小への支援必要
 平成28年の出生数100万人割れは、少子化対策を「経済再生の最重要課題」と位置付けてきた経済界には大きなショックだ。企業にも一層の取り組み強化が求められる。
 各社は少子化対策として企業内保育所を相次ぎ設置。潜在需要が大きいことから、自社保育所の設置にとどまらず、他社の企業内保育所の運営を請け負うケースも出てきている。資生堂は自社工場の保育所開設にあわせ、保育所運営大手と合弁で保育の運営受託会社を設立。東京建物も大手保育事業者と提携し保育事業に乗り出した。保有ビルのテナント企業向けの事業所内保育所など、今後5年間で30の保育所を手がける計画だ。
 しかし、企業内保育所は資金力に余裕のある大企業に限定される。中小企業では難しく、政府の支援が必要だ。
 また、男性従業員の育児参加が少子化対策に有効と期待される中、日本生命保険は、対象となるすべての男性社員に育児休暇の取得を義務付けた。「中小企業でも経営トップが決断すれば取り組める」(経団連幹部)ことから、導入は広がるとみられている。(平尾孝)」
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 12月22日12:23 産経ニュース「今年の出生数98万1千人 厚労省が推計発表
 厚生労働省は22日、平成28年の人口動態統計の年間推計を発表した。出生数は前年に比べ2万5千人減の98万1千人となり、過去最少となった。年間の出生数が100万人を割るのは初めて。
 死亡数は前年比6千人増の129万6千人で戦後最多。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は過去最多の31万5千人で、10年連続で増加した。
 婚姻件数は62万1千組で、前年に比べ1万4千組減り、戦後最少。離婚件数は前年比9千組減の21万7千組だった。
 人口動態統計の年間推計は、日本在住の日本人について1〜10月の速報値を基に1年分を推計している。来年6月に概数、9月に確定値がそれぞれ公表される予定だ。」
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 12月22日 産経ニュース「【29年度予算案】子育て・若者支援手厚く 負担や恩恵は世代で明暗
 小規模保育所の1歳児クラス。3歳児になると、別の保育所を探す必要がある。待機児童対策として2歳児までの子供を預かる小規模保育所が増えた結果。3歳児以降の預け先探しが問題になっている=10月21日、東京都練馬区
 平成29年度予算案は、安倍晋三政権の「1億総活躍社会」実現に向け、保育の受け皿拡大や返済不要の給付型奨学金の創設など、子育てや若者を支援するメニューが盛り込まれた。一方で、社会保障費の膨張に歯止めをかけるため、一定の所得がある高齢者の医療費負担を引き上げており、消費者への恩恵は明暗が分かれた。(中村智隆)
 「10の保育園に申し込んでいるが、入園できるか不安。厳しくて泣きそうだ」
 現在育児休業中で、1歳の男児を来年4月から保育所に預けた後に復職しようとしている埼玉県所沢市の女性会社員(35)は不安を漏らす。希望しても認可保育所などに入所できない待機児童は、今年4月1日時点で前年比386人増の2万3553人に上る。
 政府は29年度予算で、保育所の受け入れ態勢を整備し、約4万6千人が入所できるようにする。同時に、保育所に入れないなどの場合に、育児休業期間が最長2年に延長されるのに伴い、育休手当の給付も延ばす。
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 経済的な理由から大学へ進学を断念したり、奨学金の返済に苦しんだりする人は少なくない。このため政府は返済不要の給付型奨学金制度を創設。成績などを条件に月額2万〜4万円を給付する。29年度は、住民税非課税世帯で私立大に通う下宿生ら3千人弱が対象で、30年度以降さらに拡大する。高校生の子供を持つ埼玉県久喜市の40代の主婦は「進学を諦める学生への支援の第一歩」と期待する。ただ「大学入学までの教育費がかかりすぎる。むしろ高校までを支援してほしい」(子育て中の30代の主婦)との声もある。
 働く世代にとっては、税だけでなく社会保険料の負担も無視できない。失業率の低下により納められた保険料が積み上がっているため、雇用保険料を下げる。年収400万円の会社員では年4千円の負担減になる見込みだ。
 また、介護保険料の計算方法も変更される。中小企業の社員は下がるが、給与の高い大企業の社員や公務員は上がることになる。
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 「体のどこに不調をきたすか分からない。地震で被害を受けた上に、医療費負担まで増えるのは不安だ」
 4月の熊本地震で被災した熊本市の70代の主婦は肩を落とす。
 医療費の自己負担に上限を設ける高額療養費制度が来年8月から見直される。年収370万円未満で住民税を払っている70歳以上の人は、外来の医療費負担の上限が月1万2千円から1万4千円に上がる。75歳以上の後期高齢者医療制度では来年4月から、所得が比較的低い人らの保険料を軽減する特例が縮小することになる。
 一方、国民年金や厚生年金の受け取りに必要な受給資格期間(加入期間)は、現行の25年から10年に短縮される。来年9月分から、新たに最大約64万人が年金を受け取れるようになる。」
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 12月23日 01:07 産経ニュース人口減前提にした国家の作り直しを 100万人割れは「通過点」 河合雅司論説委員
 年間出生数が100万人の大台を割る見通しとなり、日本の少子化はさらに厳しい局面を迎えた。
 戦後間もない昭和24(1949)年には約270万人を数えており、いかに少なくなったかが分かる。
 だが、これは「通過点」にすぎない。国立社会保障・人口問題研究所は平成72(2060)年には50万人にすら届かなくなると推計している。
 このまま人々が子供を産まなくなるのでは、やがて国家は滅ぶ。まさに「静かなる有事」である。
 少子化や人口減少ですぐに思い浮かぶのは、経済の停滞や年金制度などへの打撃だが、問題を矮小化してはならない。
 若い世代が減少することの影響は広範に及ぶ。例えば、自衛隊や警察といった職種で人材確保が困難となれば、国防や治安維持が揺らぎかねない。「100万人割れ」をもっと強い危機感をもって受け止めたい。
 残念ながら、現状においては少子化の流れを止めることは極めて難しい。
 これまでの少子化の影響で女児の出生数が減っており、出産可能な年齢の女性数が激減していくためだ。成熟国家となった日本が「多産社会」に戻ることも考えづらい。
 高齢化に伴い死亡数は増え続け、人口減少も加速し始めてもいる。まずは少子化スピードを少しでも遅らせるべく、これまで以上に手厚い対策に取り組む必要があるが、それだけでは不十分だ。
 これから求められるのは人口が減っても機能する仕組みの構築である。少子化対策と同時に、出生数や人口の減少が続くことを前提として、それに耐えうる社会への作り替えも急がなければならない。
 人口減少対策として「外国人の積極受け入れ」を求める意見もあるが、今後の日本は千万人単位で減っていく。そのすべてを穴埋めするのは無理があろう。
 人口が減っても機能する仕組みを構築するには、過去の成功体験と決別することだ。人口が増え続けた時代の発想から脱せず、大型プロジェクトを追い求める人はなくならないが、目指すべきは人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国づくりである。
 日本より人口規模が小さくても豊かな国はいくつもある。いかに「戦略的に縮む」のか。発想の転換に積極的に挑みたい。(論説委員・河合雅司)」
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 12月23日10:13 産経ニュース「出生数100万人割れ コンパクトで効率的な国づくり…いかに「戦略的に縮む」か
 厚生労働省は22日、平成28年の人口動態統計の年間推計を発表した。出生数は前年比2万5千人減の98万1千人となり、戦前の旧戸籍法に基づく明治32(1899)年の統計開始以来、過去最少となった。年間の出生数が100万人を割るのは初めてで、厚労省は「主な出産世代とされる20〜30代の女性の人口減が大きな要因」としている。
 死亡数は前年より6千人多い129万6千人で戦後最多。死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は過去最多の31万5千人で、10年連続で増加した。
 平成28年の婚姻件数は62万1千組で、前年に比べ1万4千組減り、戦後最少。離婚件数は前年比9千組減の21万7千組だった。
 人口動態統計の年間推計は、日本在住の日本人について1〜10月の速報値を基に1年分を推計している。毎年6月に概数、9月に確定値が公表される。
1億総活躍追いつかず
 人口減少への対策として政府は「1億総活躍社会の実現」を掲げ、保育や介護の充実に加えて今年夏からは働き方改革にも着手。6月に閣議決定した「ニッポン1億総活躍プラン」で「半世紀後も人口1億人を維持する」と目標も明記した。ただ、政府の対策は即効性が見込めず課題は山積している。
 1億総活躍をめぐっては、「国内総生産(GDP)600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」の目標を達成するため、すでに最低賃金の引き上げや保育と介護の受け皿をそれぞれ50万人分増やすなどの対策を始めた。平成29年度予算案でも保育士の処遇改善に向け、中堅役職の「副主任保育士」を新設して月給に4万円を上乗せするほか、介護と障害福祉の職員の月給も平均1万円上げることを打ち出した。
 さらに、各政策を横断的に進める取り組みとして働き方改革を掲げ、同一労働同一賃金の実現による非正規社員の待遇改善や長時間労働の是正に伴う余暇時間を増やす方策に着手。少子化対策につなげようともくろんでいる。
 ただ、今年4月1日時点の待機児童数は2年連続で増加するなど対策は追いついておらず、働き方改革の成果が出るのも数年先となる見込み。出産の前提となる結婚についても内閣府有識者検討会が企業による結婚支援を促進するための提言案をまとめたが、「価値観の押し付けだ」といった批判を受け修正を迫られるなど、なかなか思うように進んでいないのが現状だ。 (桑原雄尚)
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 発想転換「戦略的に縮む」 論説委員・河合雅司 
 年間出生数が100万人の大台を割る見通しとなり、日本の少子化はさらに厳しい局面を迎えた。
 戦後間もない昭和24(1949)年には約270万人を数えており、いかに少なくなったかが分かる。
 だが、これは「通過点」にすぎない。国立社会保障・人口問題研究所は平成72(2060)年には50万人にすら届かなくなると推計している。
 このまま人々が子供を産まなくなるのでは、やがて国家は滅ぶ。まさに「静かなる有事」である。
 少子化や人口減少ですぐに思い浮かぶのは、経済の停滞や年金制度などへの打撃だが、問題を矮小(わいしょう)化してはならない。
 若い世代が減少することの影響は広範に及ぶ。例えば、自衛隊や警察といった職種で人材確保が困難となれば、国防や治安維持が揺らぎかねない。「100万人割れ」をもっと強い危機感をもって受け止めたい。
 残念ながら、現状においては少子化の流れを止めることは極めて難しい。
 これまでの少子化の影響で女児の出生数が減っており、出産可能な年齢の女性数が激減していくためだ。成熟国家となった日本が「多産社会」に戻ることも考えづらい。
 高齢化に伴い死亡数は増え続け、人口減少も加速し始めてもいる。まずは少子化スピードを少しでも遅らせるべく、これまで以上に手厚い対策に取り組む必要があるが、それだけでは不十分だ。
 これから求められるのは人口が減っても機能する仕組みの構築である。少子化対策と同時に、出生数や人口の減少が続くことを前提として、それに耐えうる社会への作り替えも急がなければならない。
 人口減少対策として「外国人の積極受け入れ」を求める意見もあるが、今後の日本は千万人単位で減っていく。そのすべてを穴埋めするのは無理があろう。
 人口が減っても機能する仕組みを構築するには、過去の成功体験と決別することだ。人口が増え続けた時代の発想から脱せず、大型プロジェクトを追い求める人はなくならないが、目指すべきは人口激減後を見据えたコンパクトで効率的な国づくりである。
 日本より人口規模が小さくても豊かな国はいくつもある。いかに「戦略的に縮む」のか。発想の転換に積極的に挑みたい。」
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 2017年1月18日 産経ニュース「【出生数100万人割れの衝撃】経済問題、子育てストレス…夫婦に立ちはだかる「2人目の壁」 打破への秘策ズバリあるのか
 手をつないで歩く母親と子供。「2人目の壁」を乗り越えるには、父親の家事・育児参加が不可欠=東京都国分寺市(桐原正道撮影)
 平成28年の年間出生数が100万人の大台を割り込む見通しとなった。厚生労働省が昨年末に公表した推計によると、28年の年間出生数は98万1千人にとどまる。若者の未婚や晩婚という根本原因に加え、戦後長く2人以上を維持してきた夫婦間の出生数が減少していることも、大きく作用している。「理想の子供は2人以上」と願う夫婦は多い中、「2人目の壁」を打破する秘策はあるのか。(社会部 篠原那美)
家計や仕事、年齢などで出産にためらい
 「息子に弟か妹がいたほうがいいけれど、仕事との両立に不安を感じて踏み切れない」。4歳の長男がいる東京都中央区の女性会社員(33)は打ち明ける。
 一般財団法人「1more Baby応援団」が既婚の男女約3000人を対象に実施した「夫婦の出産意識調査2016」によると、81・1%の夫婦が「2人以上」を理想とする一方、73・5%が家計や仕事、年齢などを考慮し第2子以後の出産をためらう「2人目の壁」を感じていることが分かった。
 母親が「2人目の壁」を感じる理由として突出しているのは「経済的な理由」で84・4%。
 フルタイムで働く母親の場合、「仕事上の理由」が58・3%だったのに対し、専業主婦では育児ストレスなどの「心理的な理由」が40・2%を占めた。
 こうした傾向は国の統計にも表れている。国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、夫婦間に生まれた子の数が2人台を維持していたのは平成17年までで、22年の調査で初めて1・96となった。
 この調査でも、妻が理想の子供数を持たない理由として、経済的な理由や高齢に加え、「育児の負担に耐えられない」が17・4%を占めている。
進まない夫の家事・育児参加
 実際に夫の家事・育児参加は進んでいないのが現状だ。総務省が23年に実施した社会生活基本調査では、6歳未満の子供がいる家庭で夫が家事・育児をする時間は1日当たり1時間7分(うち育児は39分)にとどまる。妻は7時間41分(同3時間22分)だ。
 米国の2時間58分(同1時間17分)やドイツの3時間(同59分)に比べると3分の1という低水準だ。
 日本人口学会の安蔵伸治元会長は出生数の減少について「第2次ベビーブーム世代の女性が出産適齢期を過ぎたことや若い女性の婚姻率低下、晩婚化による高齢出産が根本的な原因」とした上で「長時間労働で父親が育児に参加できず、母親に負担がかかっていることも要因」と指摘。「子育て期間は夫婦とも定時帰宅し、家族で食卓を囲める『ファミリーファースト』の価値観が定着しないと出生数の回復は見込めないのではないか」と警鐘を鳴らす。
出生率を高めるための方策は
 ただ、少子化の加速を裏付けるネガティブなデータしか存在しないわけではない。夫の家事・育児への貢献が、第2子以降の出生につながっているデータもあるのだ。
 厚労省の26年「第13回21世紀成年者縦断調査」では、子供がいる夫婦の過去12年間の第2子以降の出生状況を分析。夫が休日に家事・育児をまったくしない場合、第2子以降の出生率が9・8%にとどまる一方、家事・育児時間が増えるほど出生率は高まり、6時間以上では84・5%にまで上昇した。
 産経新聞の取材に、2人目の出産をためらっているとした前述の女性会社員は、次のようにも話していた。
 「最近、会社員の夫が第2子を待望している。『保育園の送迎も、発熱時の呼び出しも、看病も全て、自分が受け持つ』とまで言ってくれた。少し心が動きました」」
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 2月27日 産経ニュース「【正論】100万人割った出生数の衝撃 憲法第24条に家族保護規定を導入せよ 拓殖大学学事顧問・渡辺利夫
 ≪次世代再生産が難しくなる≫
 厚生労働省が昨年12月に発表した人口動態統計年間推計によれば、2016年の出生数は98万1千人で、1947年の統計開始以来初の100万人割れとなった。決定的要因は未婚率の上昇であり、出生率低下の8割が未婚化に起因する。同推計によれば2016年の婚姻率(人口総数に対する婚姻件数の比率、千人当たり)は過去最低の5・0となった。
 2010年の国勢調査によれば、同年の生涯未婚率(50歳時の未婚率)は男性20・1%、女性10・6%である。1980年の2・6%、4・5%に比べて劇的な増加である。厚労省の別の統計によれば2015年の同比率は男性22・8%、女性13・9%である。高い生涯未婚率は、日本の社会において、次世代再生産のプロセスが毀損(きそん)されつつあることを意味する。
 日本の人口ピラミッド図には2つの出っ張りがある。1つは1947〜49年生まれの団塊世代であり、もう1つが71〜74年生まれの団塊ジュニア世代である。団塊ジュニアが生む子供の増加により2000年あたりで第3次ベビーブームが到来するはずであり、旧厚生省もそう推計していたのだが、そうはならなかった。未婚率の顕著な上昇のゆえであった。
 ≪仕事と育児支援では解決しない≫
 未婚率はなぜ予測を裏切る速度で上昇したのか。一つには、この間に進められた新自由主義的市場改革により終身雇用・年功序列の慣行が崩れ始め、バブル崩壊も加わって雇用環境が極度に不安定化したことがあげられる。非正規雇用の増加はその象徴である。もう一つには、男女雇用機会均等法などが女性の労働市場参入を促進し、非婚、晩婚、無子化をもたらした。新自由主義的な市場改革は、少子化の定着により日本の人口構造に手ひどい負の遺産を残してしまったのである。
 政府とてこの歴史的失敗に気づいていないわけではない。子育て支援ワークライフバランスの適正化という、つまりは仕事と育児の両立支援策を提唱してすでに久しい。しかしこの間、少子化は深刻の度を増す一方であった。婚姻率の上昇、未婚率の減少により家族の再生をいかに図るか、この的に矢を射ていないのである。
 結婚、出産、育児などは本質的に「個の自由」に関わる問題であり、これへの国家の介入は許されないかのようなセンチメントに呪縛されて、政府も「家族政策」には手が出せなかったということなのであろう。
 両立支援策では少子化は解消できない。少子化の原因が婚姻率の減少、未婚率の上昇だからである。結婚をどう考えているのかを妻に問う厚労省の第5回全国家庭動向調査(2014年)によれば「結婚後は、夫が外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」「子どもが3歳くらいまでは、母親は仕事を持たず育児に専念したほうがよい」のアンケート項目に、それぞれ59・7%、84・6%の専業主婦が同意している。この調査結果は仕事と育児の両立支援よりもっと踏み込んだ「家族政策」の必要性を訴える。
≪「家族の生存権」を保障せよ≫
 この点に関し、明治大学の加藤彰彦教授を座長とする「国土強靱(きょうじん)化×地方創生総合ワーキンググループ」が画期的な提言を試みている。その基礎概念は、社会保障の「世代間格差」ならびに子育てコストの「世代内格差」の2つである。年間200万人出生の分厚い団塊ジュニア世代が高齢者となるのは40年前後である一方、この世代の3割が無子である。未婚率の高い若年現役世代が彼らを養わねばならないコストは耐え難く重い。これが世代間格差である。
 無子の団塊ジュニア高齢者は子育ての費用を一切支払うことなく、有子世代が支払う社会保障費によって支援される「フリーライダー」であり、これが世代内格差である。子供1人を育て上げるのに必要な費用は2千万円から3千万円だといわれる。
 これだけのコストを費やし、なお他人の社会保障費の一部まで負担しなければならないとなれば、結婚に希望をもてず、出産・育児に消極的にならざるをえないのは当然であろう。
 政府は昨年6月の閣議で決定した「ニッポン1億総活躍プラン」において「希望出生率1・8」を標榜(ひょうぼう)した。その実現には第3子以上を希望する夫婦の増加が不可欠である。現状では有配偶者の多くが経済的理由のために第3子以上の希望を果たせないでいるという。彼らに累増的な加算支援を施すことで「多子志向・家族志向」の夫婦を増加させ、同時に低所得者層に対して第1子、第2子への加算給付を行う、というのが提言の骨子である。
 憲法第24条に家族保護規定を導入せよ。さらに憲法第25条の「個人の生存権」を実質的に担保しているものが家族である以上、家族再生産の権利、つまりは「家族の生存権」を保障する旨を書き込むべし、とも提言している。このきわめてまっとうな提言に沿う対応を政府は急がねばなるまい。(拓殖大学学事顧問・渡辺利夫 わたなべとしお)」
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 7月5日 産経ニュース「日本人口減、過去最大30万人 8年連続 今年の人口動態調査 41道府県で減 少子化、東京集中止まらず
 総務省が5日発表した今年1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口動態調査によると、国内の日本人は前年より30万8084人少ない1億2558万3658人だった。8年連続の減少で、減少幅が30万人を超えたのは昭和43年の調査開始以来、初めてとなった。
 年間の出生数は最少の98万1202人で初めて100万人を切った。また、出生数から死亡数を引いた「自然減」は過去最多の32万8313人で10年連続となった。
 人口が増えたのは6都県にとどまり、東京は0・60%増の7万7400人と増加率、数ともにトップで、「東京一極集中」が加速している。ほかの5県は神奈川、埼玉、千葉、愛知、沖縄だった。人口が減ったのは41道府県に上り、減少率は秋田、減少数は北海道が最も大きい。
 東京、名古屋、関西の三大都市圏の合計は6453万258人。全国に占める割合は51・38%に達した。ただ、増えたのは東京圏だけで名古屋圏と関西圏は減少している。
 人口の年齢別割合は14歳以下の12・69%に対し、65歳以上はその2倍を超える27・17%で、少子高齢化に一段と拍車がかかっている。15〜64歳の生産年齢人口は60・14%だった。
 一方、日本に住民登録している外国人は、前年比6・85%増の232万3428人で、全ての都道府県が増えた。日本人と合わせた総人口は1億2790万7086人で、前年を15万9125人下回った。」
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超高齢・人口減少社会のイノベーション:超成熟社会発展の経済学?

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