🚷5〉─4─少子高齢化と出生率の低下。人口再生のカギは外国人移民しかない。~No.21No.22No.23No.24 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 三島由紀夫「日本は古代以来一民族であり、一文化伝統をまもってきている。従って、守るべきものは日本というものの特質で、それを失えば、日本が日本でなくなるというものを守るということ以外にないと思う」(『栄誉の絆でつなげ菊と刀』)
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 人口減少で問題なのは、労働ではなく消費である。
 内需の減少である。
 労働者を増やし製品を製造して販売しても、特典を付けて値段を下げも買う消費者が足りない。
 日本史上初めて、人口の減少によって消費が減って、内需が衰退する。
 物作りの日本として、幾ら優秀な製品を開発して売り出して、消費者がいなければ売れない。
 ましてや、中年・老後破綻して下流老人となり、誰からも相手にされず、面倒を見て貰えないとなれば、老後の不安から消費する者はいなくなる。
 消費する者が激減すれば、幾ら外国人労働者を増やして増産しても無意味である。
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 日本人的消費活動は、日本人だけが行うが、外国人移民では日本人的消費・購入はしない。
 外国人移民は、自国の消費活動を行い、日本的消費活動はしない。
 外国人移民は、日本人のような買い物はしない。
 外国人移民は、労働者になっても消費者にはならない。
 外国人移民は、内需の回復に役立たない。
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 民族国家日本は、総人口1億人を維持する為に大量の異人種異民族を移民させて国民国家日本に進化する。民族系日本人4,000万人、非民族系日本人6,000万人時代。
 仕事をして得た収入に対して納税する義務と選挙で投票する権利を有するのは、日本国籍を持った日本国民であって日本民族ではない。
 政治家、官僚、財界人は、その現実を知っている。
 政治家は、自分を当選させてくれる選挙民が増える事を希望している。
 官僚は、税金を増やす為の納税者を希望している。
 企業家は、右肩上がりで収益を上げる為に低賃金で働く労働者を希望している。
 最後は、経済を維持するという「カネ」の問題である。
 守るべきは国民であって民族ではない以上、結婚適齢期にある男女の若者を主として大量に受け入れ、平均年齢を下げて総人口を増やす。
 所詮。日本人とは、多民族が集まって乱婚・雑婚し混血して生まれた雑種民族である。
 歴史的事実として、単一民族神話は真っ赤な嘘で、純血など架空である。
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 大量の外国人移民によって、日本人とは異なる少数派が誕生する。
 各国の歴史、世界史や人類史は、多数派と少数派の対立である。
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 現代にいて、人生の目標は結婚して幸せな家庭を持つ事ではなく、人の幸せは相手を見付けて一緒になり子供を持つ事ではない。
 親は預貯金と土地と家を持った金蔓であり、子供や孫などは金をせびり取りいざという時に当てにはできない。
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 結婚は幸せとは限らず、時間を奪われ、金の制約を受け、そして自由を失う。
 赤ん坊は愛の結晶とは限らず、セックスを楽しんでいたら偶然にできた副産物に過ぎず、いらなければ金を払って中絶して捨て去るか、望まないが生んで仕方なく育てる。
 やり甲斐のある仕事をして楽しく充実した生活を送る為にパートナーとしての恋人とは欲しいが、結婚には拘らないし、子供も欲しいとは思わない。
 大事なのは、自立した「個」としての自分である。
 自分の人生は自分のもので、何かの為に犠牲にするものではない。
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 家族とは、親、兄弟・姉妹、夫、子供、そして犬猫などのペットとされている。
 義務教育として税金を払っている子供の給食費は払いたくないが、ペットの餌には惜しげもなく大金を注ぎ込む。
 家族の一員であるペットは、仕事ばかりして家族にサービスしない夫以上に愛おしい存在であり、言う事を聞かず口答えして悪戯する手に負えない問題児的子供より可愛い。
 ペットのみを家族として暮らす独身者が、徐々に増えている。
 ペットは、生活のパートナー、共に生きる仲間・相棒・友である。
 命を持った生き物で、その命を尊重して大事すべきである。
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 現代の新しい家族観において、伝統的日本の家・家庭・家族は崩壊しつつある。
 死んだ後の親の預貯金や家と土地は欲しいが、老後の面倒は見たくない。
 自分の老後において、子供なんかは当てにできない。
 孝行な子供は、年老いた病弱な親を切り捨てる事ができず、看病する為に仕事を辞め、寝食を忘れ、来る日も来る日も休む事なく、親の為に自分を犠牲にして心身共に疲労困憊している。
 自己責任の現代日本は、正直に真面目に生きる事で、不幸を呼び、損を呼び込み、哀れな生活に陥る。
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 幼稚園・保育園や学校で遊ぶ子供の声が五月蠅い、運動会や水泳及ぶ体育などの校舎の外での行事が騒がしく迷惑である。
 運動場の土埃が風にあおられて舞い上がると、洗濯物が汚れ、家の中に土が入り込んで健康を害する。
 子供は、昔の日本では国を発展させ守る宝であり家の家名を上げ繁栄をもたらす誉れであったが、現代日本では教育費や生活費を食うだけの邪魔で迷惑な存在である。
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 日本は、西ローマ帝国の滅亡と同じ様な道を辿っている。
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 2014年6月21日 週刊現代 「『ゼロ・イチ・ニ』の法則をご存じか
 『人口4,300万人』
 ああニッポン
 30年後の現実
 ──客が消えて、仕事が消えて、そして若い女性が消える!
 向こう三軒両隣、近所の家々には子供が何人住んでいるだろうか。空き家が何軒あるだろうか。ひと昔前を思い返せば、驚くほどの違いが、すでに私たちを襲っている。日本の崩壊は、もう始まっている。
 スーパー・百貨店・コンビニが次々倒産
 宅配は届かず、ゴミは収集してもらない
 山手線は15分に1本、新幹線は1時間に3本、地下鉄は廃線
 アホでも東大に入れる、早稲田・慶応は馬鹿ばかり
 葬式は出せない
 吉野家ワタミは消えてなくなる
 年金は消滅、生命保険は破綻、消費税は50%
 ほか
 第1部 警察官もいません
 東京の足立区、杉並区、豊島区は消滅
 京都・大阪も無法地帯に!
 すでにほぼ全業種で人手不足に
 日本列島から人の姿が消えようとしている──。加速度的に人口が減少していく社会がやってきたことを、ついに政府も財界も、認めざるを得ない状況になってきた。それほどまでに激変の波は、眼前まで迫っているのだ。……
 国立社会保障・人口問題研究所が発表した将来推計人口だ。これによると2050年頃に日本の総人口は1億人の大台を割り込む。さらに’82年になると、総人口はピーク時の半分に。2110年に至っては、総人口約4,300万人と、ほぼ現在の1觥6県(東京、神奈川、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木)の人口と同じになってしまう。
 これはつまり、1觥6県に現在と同じだけ人がいれば、日本の他の場所には人っ子一人いない状態になることを意味する。
 だがそんな100年後に思いをいたさずとも、人口減少の影響は、この2014年にしてすでに、私たちの生活を蝕みはじめている。
 ……
 『働く世代』とされる15歳以上65歳未満の、いわゆる生産年齢人口は、1995年のピークから急速に下降し、すべに1,000万人近く減っている。若いアルバイトも完全に『売り手市場』に転じ、旨味のない仕事とみなされれば、人ではすぐに不足する。
 2020年東京オリンピックまでには約1,400万人減と、東京都の人口がまるまる消えると同じだけ働き手の数は減る。外食チェーンやコンビニに限らず、すでにさまざまな業界が人口減少に苦しんでいる。
 たとえば、味の素は自社製品の流通の主体を、’16年度にトラックから鉄道や船による輸送に切り替えると発表。トラック運転手が高齢化・減少して人手が確保できないからだ。看護師や介護ヘルパーなど医療・福祉の分野でも人手不足は常態化している。ありとあらゆる分野で『人がいない』ことが顕在化してきている。
 なぜこんなことになったのか。実はその責任の一端が、国にもあることをご存知だろうか。政府はかって国策で人口減少を誘導したが、それを止める方法を考えなかった。
 子供が減るのは当たり前
 歴史人口学が専門の鬼頭宏・上智大学教授は語る。『1972年に「成長の限界」という有名なレポートが出され、世界的に資源問題と人口爆発が注目されました。その潮流に乗り、2年後の昭和49(1974)年に政府は人口白書で「出生率を4%下げれば昭和85年までに人口は減少に転じる」と発表したのです。
 さらに国会議員や財界人が集まった「日本人口会議」で、「子供は2人まで」とした宣言が採択され、人工中絶や避妊ピルの公認を求めるなど産児制限の取り組みもなされていった。先ほどの昭和85年と言えば、2010年ですから、人口減少は見事に成功したわけですが、その勢いが止まらなかった』
 こうした社会運動の結果、私たちの意識のなかには、『結婚して子供を2人産めば日本は大丈夫』というイメージが定着していた。だが、ここに『ゼロ・イチ・ニの法則』と呼ぶべき落とし穴がある。
 ……
 人口問題の専門家で、人口減少社会の到来に備えよと早くから警告を発してきた政策研究大学院大学の松谷明彦教授は、
 『10年のうちには、さらに多くの人がはっきりと変化を感じるようになるだろう』
 と指摘する。
 『戦後の産児制限は、団塊の世代の直後、いまの62歳以下の人口を急減させました。そのため、これからリタイアする団塊の世代以上の高齢者を支える現役世代の人数が急減してしまい、世界でもまれにみる急速な高齢化を招きました。そのことが、社会保障の財源不足などを引き起こしている。
 これから十数年のうちには、年金積立金も枯渇するでしょう。私は過去に「このままでは’09年までに枯渇するから大胆な改革をすべきだ」と発言した。それもあってか、政府は’07年に年金改革をやりましたが、あの程度の改革では不十分で、近い将来再び危機に陥るのは明らかだった。今後も支給開始年齢を引き下げるなどして延命を図るでしょうが、小手先の改革では早晩、完全にアウトとなる』(松谷)
 ……
 崩壊・消滅の危機に瀕しているのは年金ばかりではない。元岩手県知事・元総務大臣野村総研顧問の増田寛也氏が座長を務める日本創成会議・人口減少問題検討分科会は、2040年までに『消滅の危機』に瀕する市町村が896にものぼるとの衝撃的な発表を行った。増田氏はこう話す。
 『少子化対策は政府もこれまでいろいろとやってきましたが、期待された効果はあらわれていない。そもそも、子供を産める年齢の女性が減っているからです』
 増田氏らが独自に算出したのは、出産する女性の約95%を占めるとされる、20〜39歳の若年女性の市町村ごとの人口減少だ。日本全体で見た場合にも、……若年女性の人口は今後急減していく。
 増田氏らは、若年女性の減少率が’10年比で50%を超え、人口が1万人を切る市町村を、人口が回復する見込みの極めて低い消滅危険市町村と分類。その結果、全国の29.1%が該当した。
 経済は大転換を迫られる
 東京23区でも、なんと豊島区が減少率50.8%と危険水域に、つづいて足立区44.6%、杉並区43.5%と高水準になっている。
 『これまでは出生率に注目した議論が行われてきましたが、実は出生率はここ数年、’05年の1.26を底に、1.43、まで回復してきている。ところが、実際に生まれる子供の数は、出生率を母親の数にかけたものですから、母親となる若年女性が激減している状況では、子供の数は増えることがないのです』(増田氏)
 しかも、ここ数年で出生率があがったのは、1974年前後に生まれた団塊ジュニアの世代の女性が40歳を迎え、いまのうちに子供を産んでおこうという『駆け込み出産』が増えたためともされ、ブームが終われば出生率はさらに急減すると考えられる。
 増田氏らの研究チームに参加した明治大学政治経済学部加藤久和教授は、貴重な若年層が東京に集中していくことが負の連鎖を加速すると指摘する。
 『そもそも、東京の出生率は低いのです。若者は仕事を求めて東京に集まるけれど、そこでは子供が生まれない。住環境が悪く、待機児童が多かったりして育児と仕事が両立しない。子育てを手助けする地域のコミュニティもなく。一方で、若者には結婚するより楽しみがたくさんあって、自分の人生を楽しみたい、となってしまう側面もある。
 学校の統廃合はすでに全国的に進んでいますが、消滅の危機に瀕した自治体では、バスなどの交通機関も金融機関も立ち行かなくなる。病院もどんどん潰れ、道路などのインフラもボロボロになって修繕できない』
 当然、地方公務員である消防士や警察官の給料も払えず、人数は大幅に削減せざるを得ない。
 ’10年度のデータでは、人口1万人あたりの警察官数がもっとも多いのは東京都の35.5人だが、2位の京都府(26.7人)、3位の大阪府(25.9人)も高齢化は急速に進み、今後は劇的に警察官が不足する。
 刑法犯認知件数が第1位の大阪で警察官が激減すれば、いよいよ無法地帯化することは想像に難くない。
 また、京都では観光資源でもある寺社の跡継ぎ不足がすでに深刻だ。日本を代表する寺社が無人となり、警察官の見回りも不可能とあっては、残された文化財が根こそぎ奪われ、海外に売り払われて、不審者が棲みつく恐ろしげな場所になる事態も起こりかねない。
 前出の松谷氏は、さらに今後10年で日本の経済構造も大転換を図らざるを得なくなると指摘する。
 『戦後日本のビジネスモデルというのは、自動車でもコンピューターでもそうですが、欧米で発明された画期的な製品を、安い労働力を使って大量に安く作る、というものでした。かっては農村から工場へと若者を集め、低賃金で単純労働させた。その代わり終身雇用と年功序列を約束し、働きつづければ、いつかは待遇がよくなると納得さえた。
 やがて正社員の賃金水準が上昇すると、単純労働者の中心は非正規雇用の人々、途上国の労働者と移り変わっていったのです』
 しかし、日本が欧米を追い上げたように、いまや新興国が低賃金を背景に日本を追い越してしまった。
 失策を認めない政府と既存の産業構造を変えられない経済界。そのツケとして、日本はもうすぐ悲劇的な変化に襲われる。この国はどうなってしまうのか、……
 第2部 それはアッという間の出来事だった
 これからの30年で『消える仕事』『なくなる職業』
 何もかもなくなる
 『たとえば人口が3分の2に減少すれば、市場は同様に3分の2にスケールダウンする。そうなれば、人口減少に比例して日本の企業が次々に消えていくのは当然のことです』
 富士通総研上席主任研究員の米山秀隆氏は、そう警鐘を鳴らす。
 人口減少社会のなかで、仕事が消えてなくなる──。
 それには大別して2つのパターンがある。ひとつは働く人間がいなくなり、会社や組織が消えてしまうパターン。もうひとつは客がいなくなり、市場そのものが消滅してしまうパターンだ。これからの日本は、その双方の危機と否応なしに直面することになる。
 すでに目先の問題として顕在化しているのは、前者のパターン、つまり人手不足の問題だ。
 大手外食チェーンの……人手不足が原因で休業が相次いでいる。これらの外食産業にとって、人口減少は避けがたい課題として重くのしかかることになるだろう。前出の米山氏はこう語る。
 『これらの業種は、デフレ経済のもと、低賃金で労働力を確保することで成長してきました。そのやり方自体に限界がきている今、ただでさえ少なくなる働き手が、あえてその職を選ぶとは考えにくいですね』
 デフレ経済下で安価な商品を提供することで成長してきた企業は数多い。……
 これまでの低賃金を前提にした薄利多売商法では、早晩、行き詰まるおそれが出てきた。
 また、人手不足が加速すれば、宅配をはじめとした運送サービスも存続の危機を迎えることになる。現在、運送業界でも労働力の不足は深刻な問題だ。……
 人口問題に詳しい明治大学政治経済学部加藤久和教授はこう語る。
 『このまま人口減少が加速すれば、配達などの輸送サービスは問題なくマヒすることになります。宅配を頼んでも運ぶ人がいないので、「そんなところまでは行けません」と言われてしまうケースも出てくるでしょう』
 運送業が機能しなければ、今は成長産業に見えているネット通販も壊滅する。商品を受注しても、それを届ける人がいなくなるからだ。近い将来、日本の物流は回復不能に陥ってしまう。
 危機はさらに、宅配のみならず、あらゆるサービスに波及していく。たとえばゴミ収集車なふぉの稼働率はグンと下がり、家の前にはゴミ袋が山積みにされる。街全体が『ゴミ箱』と化してしまうのだ。緊急事態が起きても救急車や消防車が出動できないということにもなりかねない。そして、いざ病院にたどり着いても肝心の医者や看護師がおらず、治療を受けられずに取り返しのつかないことになるケースが増えていく。
 道路や橋などのインフラを整備する人もいなくなり、街は荒廃の一途を辿ることになるだろう。やがて人生の最期を迎えたとき、近所には寺もなく、僧侶も葬儀業者もいないという状況に陥る。もはや人手不足でまともな葬式すらできない、そんな時代がやがてやってくる。
 つまり、人手不足は社会の基礎を支える人材がいなくなることを意味している。それを補う劇的な進歩、自動化、オートメーション化などの技術革新でもない限り、将来の日本は、日常生活を送ることすらままならない社会となってしまうのだ。
 どこにも逃げられない
 働く人間がいなくなることで既存の職業がなくなってしまう一方、市場ごと消滅するケースも頻発する。たとえば、スーパーや百貨店などの小売業は、人口減少による内需不振で苦境が深まる。……いまや私たちの生活に欠かせない社会インフラになっているコンビニですら淘汰されていくだろう。前出の加藤氏がこう語る。
 『近年、国内の大型百貨店やスーパーは次々と閉鎖されています。一時期、自治体は競いあうように大型ショッピングモールを誘致しましたが、もうそんなことをしてもお客さんは来ません。また、小売業自体が衰退すれば、生活用品を買うために店に足を運んでも、モノ自体がないという事態になってしまう 』
 各自治体の人口が減れば、鉄道やバスなど公共交通機関を利用する人も激減する。そうなれば、各社は採算を合わせるために運行本数を減らさざるを得なくなってしまう。地方の路線は乗る客も、動かす運転手もいなくなり、軒並み廃線とかすだろう。ヘタをすれば、JRですら危ない。JR北海道をはじめ、ただでさえ赤字体質の地方JR各社が未来永劫生き残っている保証は、どこにもなくない。最終的には、誰も使わなくなった路線が放置され、忘れられたように荒廃していく風景が日本中に溢れることになる。
 交通機関の問題は、地方のみに起きるものではない。3〜5分間隔で運転されている東京の山手線ですら、将来的に人口が3分の1になれば15分に1本で十分になる。また、都内の地下鉄も今の数は必要なくなり、多くが廃線に追い込まれる。さらには地方に人がいなくなるWパンチで、ビジネス利用が多くを占める新幹線の本数も会社が激減するにつれて1時間に3本程度にまで減るだろう。
 『人口減少が解消されなければ、日本中のいたる地域で鉄道やバスの本数が減ります。1日に5本だったり、運行停止してしまう。このままでは買い物のために交通機関を利用したくても、移動すらできなくなります』(加藤氏)
 ……
 さらに人口減少は、保険業界にも暗い影を落とす。前出の米山氏は、こう語る。
 『人がいなくなる社会では、保険加入者は当然減る一方です。生命保険も、加入者が減れば業務を縮小せざるを得なくなるでしょう。人口に占める高齢者の割合が増えれば死亡保険金や医療保険の支払いが急激に増える。一部の企業はそれを見越して株式会社化し、市場から集めた資金で海外企業を買収していますが、他の保険会社は目立った手をまだ打っていない。このまま人口減少がすすめば、いずれ生命保険会社も淘汰されるところが出てくるでしょう』
 国によって強固に守られて、安泰と思われている大手金融機関すら存続が怪しいということだ。預けられたおカネを運用し、利ザヤを稼いでる銀行も、預金者がいなくなれば手数料も入らず、途端に経営の危機を迎えることになる。
 結局、経済とは人口の規模によって大きく左右される。人がいなくなれば、どんな産業、業種も壊滅的打撃を受けるほかないのだ。
 『たとえば音楽などのコンテンツビジネスも、売り上げの大半を占めるJポップは若者が対象なので、顧客が減少する一方で、衰退は避けられません。演歌にしても、あまりに「日本的」であるがゆえに、海外展開はほぼ不可能ですし、ビジネスとして生き残ることは難しいでしょう』(米山氏)
 すでに視聴率低迷に苦しんでいるテレビ局も、危機的な状況を迎える。民放各社は人口減少により広告料収入が激減し、番組編成が立ち行かなくなってしまう。行き着く先では、民放はおろかNHKすら消滅する日がやってくる。先月、NHKの’13年度受信料収入が42億円減ったことが発表されたが、これから迎える人口減少社会の中、NHKも、それとは比較にならない深いダメージを受ける。広告費もない、受信料もないでは、まともに番組もつくれない。日本からテレビ局がなくなる日も近い。
 人もモノも、すべて目の前から消え去り、どこにも逃げ場がなくなる。これから日本が迎えるのは、未曾有の『不毛社会』なのだ。
 第3部
 人がいなくなった、その後で
 『昭和30年代』に戻るニッポンそれでいいじゃないかって!?
 こんな日本に移民は来ない
 ……
 5月13日、政府の有識者委員会『選択する未来』(会長・三村明夫日本商工会議所会頭)は、
 『50年後の2060年代に総人口1億人を維持する』
 という目標をぶちあげた。
 だが、そのためには’30年までに女性が一生の間に産む子供の数(合計特殊出生率)を2.07まで回復する必要があるという。
 第一部にも登場した鬼頭氏は、こう指摘する。
 『私は以前から、政府に人口に関する数値目標を出すべきだ、と言ってきたので、1億人維持と打ち出したこと自体は評価していいと思いなす。ただ、このことが女性に対して、「2人以上子供を産め」という圧力になってはいけない。
 戦前の昭和16(1941)年に政府は「人口政策確立要綱」というものを出しました。ここでは、「昭和35年に人口1億人を達成しよう」と言っている。その理由として具体的に、兵隊がいないと困るとか、労働力を確保する、植民地で日本が支配的地位を維持するために人を送り出さねばいけないとした。そのために、「女性は20歳になったら家庭に戻れ、高等女学校では母性教育をしろ。子供は5人産むのが目標としろ」と定めている。再びこんな風に「産まない女性は非国民」扱いされるムードになっては、女性はたまったものではありませんよね』
 実際、女性の目にはこのところの『女性に子供を産ませよう』といった政府・財界の議論は、どう映っているのか。
 ……
 女性の出産と並んで、政府が推進しようとしているのが、海外からの移民だ。
 今年3月には政府が毎年20万人の移民受け入れについて本格的な検討を開始したと報じたが、これは経団連など経済界が以前から強く要望してきた案だ。
 企業、とくに大手製造業には、移民のニーズが高い。国内では安い単純労働力が調達できないので、外国から補充しようとソロバンを弾いた結果だ。
 だが、前出の松谷氏はこの考えに疑問を呈する。
 『毎年何十万人という規模の移民を、日本社会が受け入れるとは思えません。
 また、よしんば受け入れても失敗は目に見えている。
 ドイツは戦後、積極的に移民を受け入れましたが、しばらくすると「移民がドイツ人の職を奪う」という世論に押され、政府は受け入れをストップしました。
 実はこれが高齢化を加速させた。移民を受け入れた時期の人口だけが突出して、直後に急減する人口のひずみが生じたのです。れは団塊の世代の直後に産児制限で人口を減らした日本と同じ構造です。その結果、「特定の時期に高齢者が急増するが、それを支える世代はいない」という結果をもたらしたのです』
 日本がいま、無理に移民を受け入れをはじめても、その政策は長続きせず、将来また急速な高齢化を招く可能性が高い。
 移民に『来てもらう』はずの日本社会の姿勢にも問題はある。日本人は、とかくアジア諸国などからやってくる労働者を差別し、低く見がちだ。農業や漁業の分野では、『研修生』と称してかき集めた外国人労働者最低賃金以下の『奴隷的な』低賃金労働を許しているとして、日本政府はILO(国際労働機関)から実態の報告を求められるなど、国際的には『外国人労働者の人権を侵害してはばからい国』と見られている。
 そんな国に、誰が好き好んで来るというのか。
 さらに、前出の鬼頭氏は日本人が低賃金労働者を受け入れるといっても、来日する人は今後、急減するだろうと指摘する。
 『2025年を過ぎると、中国ですら人口減少がはじまります。すると技能を持つ人の給料が中国国内で上がっていく。中国人労働者は、わざわざ日本その他の外国で働く必要がなくなる。その流れは東南アジアにも波及し、各国とも自国内での労働者の待遇を向上せざるを得ない。アジアの低賃金労働者を受け入れて将来の日本をなんとかしようなんて、虫のいい話が成立するのいまだけです』
 政府・経済界が鼻息荒くぶちあげた人口1億人維持も、絵に描いた餅に終わる可能性が高いのだ。前出の松谷氏は、こう話す。
 『偽善者側としては、年金や社会保障はずっと安心だと示して崩壊の責任を回避したい。経済界も、既存の産業構造を転換すると、いまの有力企業が転落してしまう。政財界とも「人口は維持できるから社会保障も経済も安泰だ」とすれば都合がいい。人口1億人の維持が可能のような発表をしたのも、そのための方便という印象が強いですね』
 実際、健康保険、介護保険などの社会保障の財源も窮地に立たされており、元財務次官の武藤敏郎は昨年、テレビ番組の収録で、『2030年代中ごろまでには消費税を25%まで上げざるを得ない』
 と発言。無策のまま状況に流されズルズルと増税に頼れば、結局は消費税50%にしても国民の生命・健康が守れない国に転落してしまう。
 先の見えない人口減少問題。いったい、私たちはどうすえればよいのか。
 貧しいけれど幸せだった
 実は、人口減少はもう止まらないと認めてみる……何をしても人は減る。だが、日本人が再び心豊かな暮らしを送れるならば、それは必ずしも不幸ではない」
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 2014年7月号 初夏特大号 小川榮太郎 「『今、ここ』が『戦場』であるという自覚
 ……
 少子化をとめるという難事
 今回発表された内閣府の試算では、現状の出生率が続けば、日本人の人口は、100年後に4,400万になる。出生率を2.07に戻すと、100年後の人口は8,500万人から9,000万人、それに年間20万人の移民受け入れを付け加へると、1億2,000万前後、つまり現状維持に近くなるとされる。
 つまり、本当に深刻な問題は、移民を受け入れるかどうか以前に、出生率の方なのです。100年後に日本の人口が4,400万人以下になり、40%以上が老人となっているという絶望的な悪夢に、どう対処すべきか。2.07に戻すどころか、今の出生率よりも下がる可能性の方が高いと私は見ている。出生率大幅低下の真の恐ろしさは、釣瓶落としのように事態が加速する事だ。出産できる女性の数が反比例的に激減するからです。しかも、約半数が老人という社会では出生率は更に下がるでせう。出生率の自然減少による人口激減は適正人口でストップが利かなくなるのです。
 逆に、出生率2.07を回復すれば、9,000万、移民を入れて1億1,000万。要するに移民なしでも2.07ならば人口は持つ直す。つまりここでの真の主題は移民受け入れではありません。日本は既に極端な人口減少社会に突入している、一日放置すれば一日日本衰退が加速する、そちらこそが主題なのです。内閣府が移民政策へと誘導しようとしているのが本当なら、それを報じ、問題点を詳らかにするのは無論重要なジャーナリズムや論壇の仕事です。特に外国人労働者は中国人を中心に野放し状態だ、これをどう管理し、日本人の労働市場と調整するかを鋭く政府に問い糺し、対策を提出する事は緊急の課題でせう。が、今回の内閣府試算に関して言へば、一層重大なのが、人口問題そのものなのは間違ひない。
 勿論、極めてシンプルな問題だ。国民みんなが子供をたくさん産めば解決する。しかし今の日本社会の空気感、メンタリティ、特に大都市圏の生活空間のありやうからは、出生率2を超えるのは、通常の政策レベルの対応では不可能でせう。感覚的には国民のほぼ全員が20代前半で結婚して、3人は子供が欲しいと考へる、そんな社会に戻らないと無理だ。
 ……
 戦後、日本の男性は戦争で戦ひ、死ぬという男の特権を奪われました。家父長の尊厳も積極的に奪はれた。高度成長には、しかしまだ男が成長を支へる存在だった。が、高度成長が終わり、精神的な去勢教育を受けた戦後世代が社会の中心になり、同時に共産圏崩壊と共に、マルキストが大挙してフェミニズムの実現に専念する時代が到来する。階級なき社会の夢の次は、性差なき社会という訳だ。よほど悪夢の好きな連中らしい。が、この悪夢は間違ひなく、現実のものとなりつつある。
 ……
 伝統社会が、従来、男性性や母性をどう守ってきたか、逆に、さういふ価値の源泉だった地縁、家族、庶民の信仰習俗といふ、私的な共同体を、今の日本社会がどう破壊してしまったか──その点に関する丁寧な検討と、それに基ずく社会意識からの転換を図らない限り、人口減少社会からの脱却は難しいのではないか」



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少子高齢化と農村

少子高齢化と農村