🥓11〉─1─団塊世代の定年夫は毒夫となって妻の天敵となる。〜No.36No.37No.38No.39 ⑥ 

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 老人川柳「じいさんよ 来世では 声をかけないで」
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 2019年11月10日号 サンデー毎日「失敗しないセカンドライフ
 『加齢なる日々』小川有里さんに教わる
 定年夫の操作術
 しゃべらない
 動かない
 気が利かない
 『亭主元気で留守がいい』が流行語になったのは昭和時代の1980年代半ばだが、そこから改元を二つ挟んだ今、往年のモーレツサラリーマンの多くがリタイア組か、その控え組だ。〝家にいる亭主〟をどう扱うか。本誌連載『加齢なる日々』でおなじみの小川有里さんが伝授する。
 まずは男性陣に簡単なクイズを出しましょう。
 Q.次の3つのケースのうち、夫の行動として不適切なものを選べ。
 ア.夕食後、台所で食器洗いをしている妻がため息をついた。聞けば、『疲れている』という。夫は『洗い物は明日の朝にすればいいから』と言ってねぎらった。
 イ.妻が風邪で寝込んだ。食欲はないが、『おかゆなら食べられる』と言う。夫は近所のコンビニに行き、レトルトパックのおかゆを一つ買ってきた。
 ウ.テレビを見ていたら、妻と同じ年だという往年のスター女優が出ていた。妻が『私のほうが若いよね』と聞いたから、夫は『一緒かな』と正直に答えた。
 女性なら即答できるに違いない。答えは『3つともNO』だ。小川さんがこう解説する。
 『アは「僕が洗うから休んでいて」と言うべきです。洗い物は妻の仕事と決めつけているからそういう発言になるのです。イのおかゆが欲しいと言われて、それだけ買ってくるのは気が利かない男性の典型です。冷たいゼリーとか、負担なく食べられるものは他にないか、探してみるという頭がありません。ウは言わずもがな。妻はそんなところに正直さを求めていません』
 自分は違うとかぶりを振る男性もいるだろうが、ア~ウは全て小川さんの取材に基づく、よくある中高年夫婦の〝再現ドラマ〟だ。
 『ある60代の妻が病気でふせっていて、夫に「お水が欲しい」と頼むと、枕元にドンと2リットル入りのペットボトルを置いていったといいます。妻は「どうやって飲めというの」と怒っていました』(小川さん)
 どうやら日本中の妻が、家にいる夫の言動にあきれ果て、疲れとうっぷんをため込んでいるようなのだ。
 小川さんは2003年12月から本誌でコラム『定年チーパッパ』を連載した。折しも団塊の世代の大量定年退職を間近にした頃だ。小川さん自身、2000年に夫が定年退職した。小川さんはこう振り返る。
 『年上の友人から定年した夫への愚痴をよく聞かさていましたが、いざ2人で暮らし始めると、本当につらかった。その妻の本音を世の夫たちに知らせたいと思って書き始めたのです』
 小川さんに言わせれば、定年夫とは〝重し〟であり、自由を奪う〝鎖〟だ。
 『取材した限りで、夫が定年になった妻から「うれしい」という言葉を一度も聞いたことがありません。それまで朝に送り出せば後は自由時間。夕方に帰ってきたら、ご飯を食べさせて、風呂に入れて、布団を敷いて・・・と世話だけしていれば支障なく回っていたのです。夫婦で〝向き合う〟ことをしてこなかった。だから、何を話せばいいか分からない。妻は「家のことを手伝ってほしい」と考えているが、夫はこれからは自分の好きなようにしたいと思っているから、「何でそんなことを」となる。向き合ってこなかった2人がいや応なく向き合わねばならない、そのつらさです』
 夫婦のすれ違いが夫の退職をきっかけに可視化されたということだろう。
 小川さんは1年9ヵ月にわたり、同連載で『妻の本音』をリポートしたのだが、世の夫たちが態度を改めた気配はない。それどころか、冒頭に挙げたモデルケースのように〝毒夫〟は常に再生産されている。
 熟年から高齢者の域に入った夫婦の、相変わずからみ合わない日常を描いているが、現在連載中の『加齢なる日々』だ。『どんどん話が集まってきてネタに困ることがないですが、リアルすぎて書けないことも多い』と小川さんは笑う。
 ある妻(70代)が長年連れ添った夫を亡くした。夫は〝怒鳴る人〟で、何を頼んでも『俺に命令するな』と聞く耳を持たなかった。妻は波風を立てることを避け、『とにかく早く逝ってくれればいい』と願っていた。妻は『今がわが世の春よ』と晴れ晴れとした表情で話しているという。
 『伴侶が亡くした場合、男性より女性が長生きする理由はそこにありそうです。夫の死後、早い人は1ヵ月半で〝復活〟します。しばらくは寂しそうにしていても、特に比較的若い60~70代の妻は「これでしたいことができる」と元気になるのです』(小川さん)
 事実、前出『定年チーパッパ』では、夫の暴飲暴食も濃い味好みもわざと注意しない妻の姿が描かれる。ショートショート張りのブラック度だが、夫の死をただ待つのはあまり勧められる行為とはいえない。そこで小川さんは、妻から働きかけて夫を変える方法を提案する。
 『以心伝心』を期待しても無意味 
 『しつけ方というと語弊があるので、私は「育て方」と表現しています』
 というわけで、定年夫を〝再教育〟する方法を5か条にまとめてもらった。
 ①お昼は自給自足
 ……
 ②お留守のススメ
 ……
 ③家事を申し渡す
 ……
 ④仕事に出てもらう 
 ……
 ⑤地域デビューをお勧める
 ……
 夫も『妻操縦術』を体得すべし
 これら5か条を改めて眺めると、夫の定年退職後、夫婦関係が劇的に変わることが分かる。キーワードは『自立』であろう。それまで夫はサラリーを媒介にして依存し合っていた夫婦が、互いに自立し、生きる力を増すことで、共助もまた成り立つ。人生100年時代を生き抜くにはむしろチャンスというるが、もちろん妻も変わる必要がある。夫婦としてわきまえておくべき心得を左に挙げた。
 {小川由里さん流定年後夫婦の掟
 一,プライバシーを厳守
 ……
 二,夫婦愛よりも人間愛
 ……
 三,熟年離婚は損と知れ
 ……}
 ところで、仕事一筋で来ただけに、昼食を作れとか家事の分担といわれても、『とても無理』という男性も少なくないだろう。そういう向きには、小川さんが奥の手を授ける。
 『何もできない夫は妻にすがればいいのです。「君がいないと生きていけない」とか「俺よりも一日でもいいから長生きしてくれ」と言って甘える。愛されていると知ると妻は優しくなれます。とりわけ誕生日。女性には男性より何倍も大事です。ケーキ1個でもいい、おめでとうという言葉とともにあげてみてください。家事なんか喜んでやってくれます。妻なんてチョロイ、いえ、カワイイものですよ』
 夫は夫で、妻の操縦術を身につけるべきだという。割れ鍋にとじ蓋(ぶた)、昔から用いられる例である。(本誌・堀和世)」
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 日本男性は、外国人男性に比べて亭主関白、頑固親父、暴力夫など最低に近い男である。
 妻にとって、仕事もなく家でゴロゴロするするダメ夫は、邪魔で、ストレスが溜まり、病気の原因になる。
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 子供や孫は、笑顔が絶えず食べ物を作り遊んでくれる優しい母親や祖母に懐き、笑いもせず頑固で愛想もなく遊んでくれない父親や祖父には近寄ろうともしない。
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