🥓29〉─1・A─日本の褒めて煽てて励ます教育法によって日本の競争力は衰退していく。~No.136 @ 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2017年11月9日号 週刊文春「それでも社長になりたいあなたへ 宋文洲
 そろそろ日本人は根拠なき精神論と決別すべきだ
 中国で日本の経営者といえば、いまだに松下電器松下幸之助の名前を挙げる人が多い。私は一度も会ったことはありませんが、松下さんの著書や元部下の話によると、彼はとても病弱だったようです。身体が弱かったからこそ、部下を上手く使うなど松下流の独特な経営ができたと、本人も周囲も口を揃えます。
 マイクロソフトビル・ゲイツの講演を数年前に聞いたことがあります。とても物静かだったのが印象的でした。彼は他人とよく質問しましたが、反対意見を浴びても滅多に反論しなかった。ゲイツは自分の判断が正しいかどうかに興味があり、他人がどう考えているかを知っても無意味だと考えているようです。
 ソフトバンク孫正義さんとは何度も会食をしたことがあります。世間話をしている間、彼はとても無気力のように見えました。ほとんど会話に参加しないのです。ただビジネスの話になると、一転、元気を取り戻していました。
 最近、私が嫌いな日本語に『元気がもらえる』、『元気をください』という言葉があります。日本人は本当に精神論が好きですが、多くのビジネス書に『元気を出せば、仕事を頑張れる。仕事を頑張れば成果が上がる。だから上司や経営者は部下のモチベーションを上げる努力をしろ』と書かれてあります。しかし元気の有無と、仕事ができるかどうかは何の関係もありません。また『社員は褒めて育てろ』というのも大嫌いなフレーズです。
 仕事ができない人間に限って、空元気を出し、精神論を振りかざす傾向があります。残業問題もそうです。用もないのにダラダラ会社に残っている人の大半が仕事のできない人。残業は、上司に対するポーズでしょう。
 成果は、人のやる気に関係なく、仕事の積み重ねによってもたらされるもの。それは花の育て方と同じです。『愛情を持って育てれば、綺麗に花が咲く』という人がいますが、有り得ない。いくら愛情があっても水分、肥料、日光など適切な条件がそろわないと花は咲きません。人間の気持ちなどとは無関係です。
 一方で上司から『褒めてほしい』というビジネスマンも増えています。『褒められないと仕事ができない』なんて子供じゃないんだから勘弁して欲しい。馬鹿にされたり、失敗したり、自分の仕事を否定されたときに、やるべきことをできるのができるのが大人であり、真のリーダーです。
 約10年前から、日本社会のある変化に私は気付きました。講演を依頼してきた人々に『どんな話がいいですか』と聞くと、『元気になる話を』と言われるようになりました。当時は、どんな話がいいのか分かりませんでしたが、今流行りの『日本スゴイ話』をすれば良かったんだと最近理解しました。
 つまり『褒めてもらわないと元気が出ない』弱い日本人が増えたのです。同時に評価されないと元気を出さない経営者も増えた。これは10年前から蔓延してきた大企業病でしょう。彼らの精神構造は、敗戦後の焼け野原で地味に仕事を積み上げた松下さんなどとは真逆なのです。
 老子の兵法にも『哀兵必勝』という言葉があります。敗戦の悲哀を知る兵士の方が無謀な戦術をとらないため強いという意味です。褒めてもらうばかりで、都合の悪いことを誤魔化す人は本物の仕事なんかできっこありません」
   ・   ・   ・  
 日本民族日本人は、混血の雑種民族であるだけに多様性に富み、一色に染まる事なく、色々な性格の人間が雑多に混在している。
   ・   ・   ・   
 褒め煽て慰め励まされないと前に進めない精神的にひ弱で軟弱な日本人から、逆境に強くむしろ奮い立ち嬉嬉として自力で乗り越えようとする精神的に強靭な日本人、叱られ貶され虐められ不虞に追い遣られてもめげずに立ち向かう精神的に堅固な日本人と、日本民族日本人は精神的気質が様々出る。
   ・   ・   ・  
 日本民族日本人の人間性を説明する事は難しい。
   ・   ・   ・  
 戦後の平和教育や1980年代の歴史教育によって、日本民族日本人の多様性は奪われ単一性に押し込まれていった。
   ・   ・   ・   
 戦後教育は、個性重視と言いながら主体性を潰し、自分で考え判断して行動するの独立・自立した野性的人材ではなく、指示待ちの無気力な金太郎飴的人材、使い捨てにできる便利な機械的人材を量産してきた。
   ・   ・   ・   
 現代教育は、特攻や玉砕など命軽視の精神主義を生み出した戦前教育への猛省から、正反対の命を最高価値とした弱者量産あるいは負け犬量産の精神論教育となっている。
   ・   ・   ・   
 仕事をして獲物を獲ってきて褒められ餌を貰って喜ぶのは、忠犬である。
 日本人は、逆らわない犬が好きである。
 褒めて育てる教育法は、犬に躾を教え込む調教法である。
   ・   ・   ・   
 高品質規格品量産の知的エリート教育は、人口爆発期で通用しても人口激減期では通用しない。
   ・   ・   ・   
 日本が世界に求められ、日本の時代がやって来る、そんな事は天地が引っ繰り返るか太陽が西から昇るような異常事態が起きない限り絶対にあり得ない。
 昔の日本人ならいざ知らず現代の日本人では無理な話である。
   ・   ・   ・   
 武士は、家が栄て末代まで存続できるように、自分の子供といえども無能で役に立たなければ廃嫡して追放し、有能な他人の子供は養子に迎え跡継ぎとして家督を譲った。
 それが、百姓や町人の子供でも構わなかった。
 資産がある商家や農家も同様に、碌でもない子供は問答無用で勘当し無一文で追い出して、他人の子供を養子に迎えた。
 時には、武士の子供を養子とした。
 勘当された子供は、親に背いた失格人間として村八分にされ、一般社会から追放され、ヤクザ・無宿者などの仲間に入り裏社会で生きるか、非人・エタ・乞食などに落ちぶれ貧民街に住み着いた。
 日本社会において残すべきは、家であって血ではなかった。
 彼らが最も恐れた言葉は「褒め言葉」で、嫉妬心から繰り出される「褒め殺し」を警戒した。

   ・   ・   ・