🥓26〉─1─非正規のパラサイト・シングルと親の年金。生活保護の増加と年金の破綻。~No.121No.122No.123No.124 @ ㉑ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 マスコミが時代の寵児として囃した「独身貴族」と「パラサイト・シングル」が、家族を持たず、子供をつくらず、一人でペットと楽しく暮らす孤独な老後を迎える。
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 愚かな日本人、それは団塊ジュニア世代である。
 自分で考える能力を失った者の自業自得。
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 貧困は、団塊世代から団塊ジュニア世代へと引き継がれる。
 貧困の深刻さは、世代を重ねる事によってさらに深化し、悲惨度を増していく。
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 自立・独立できない貧困化した子供の老後は悲惨である。
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 親たちによる子育ての失敗。
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 生物の逃れられない宿命として、青年も、少年も、赤ん坊も、年月と共に歳を取って老人となる。
 老人にならない人間は、誰もいない。
 誰もが、歳を取り老人となる。
 ただ、金持ちか貧乏人かの違いだけである。
 悠々自適な老後か、その日暮らしの惨めな老後か。
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 老人を嫌悪し、老人に悪態をつき、老人を虐待する、青少年とて何れは歳を取って老人となる。
 今は、法律と道徳、良心と善意で、まがりなりにも社会秩序が保たれている。
 将来、20年後、30年後、人口が減少した日本が今と同じとは限らない。
 現代の日本人の心が、金銭欲や物欲に支配され、弱者に対する攻撃性を強めていった時、日本はどうなっているのか。
 どういう未来を日本にもたらすかは、今の若者の気持ち一つであり、他人や社会のせいではなく、本人の責任である。
 それこそ自己責任であり、どんな時代が来たとしてもそれは自業自得である。
 明日は、我が身である。
 今のまま行けば、今のお年寄りも、将来のお年寄り、今の若者の老後は悲劇を通り越して悲惨である。
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 2015年9月18日号 週刊ポスト「長寿いとう悪夢
 失業息子、行き遅れ娘と同居すると『老後破産』!
 『子供を成人まで育て上げて仕事をリタイアした後は、可愛い孫に囲まれ穏やかな余生を過ごしたい』
 たっては『慎ましい幸せ』だったそんな老後を実現できる人は、今やほんの一握りしかいない。老後を支えてくれるはずの息子・娘の存在が、親の家計を崩壊させる……
 食事は1日1食
 洗濯物を干しっぱなしの薄暗い部屋で、80歳の父は小さなパックに入った巻き寿司を無言でほおばっていた。彼ら45歳になる息子と2人で暮らしている。息子は職を転々としていたが、昨年12月にリストラされ、市営アパートで父親との同居を決意した。父親は4年前に脳梗塞を患っており、そのことも気がかりだったという。
 父親が受け取る年金は月9万5,000円。これまでは生活保護で家賃や医療費が免除されていたが、勤労世代の息子と同居を始めたことで、生活保護は打ち切られた。息子の分の食費がかさむうえに、家賃2万円と税・医療費1万円の負担が増え、暮らしはますます苦しくなった。家賃は滞納し、医療費も払えないため、この1ヶ月は高血圧の薬さえ飲んでいない。──
 これは8月30日放送のNHKスペシャル『老人漂流社会 親子共倒れを防げ』に登場した、ある父子の生活の実態である。
 『下流老人 一億総老後崩壊の衝撃』(朝日新書)の著者でNPO法人ほっとプラス代表理事の藤田孝典氏によれば、このような世帯はもはや珍しくないという。
 『正社員のリストラ、非正規社員の拡大、派遣切りといった状況のなかで、年金暮らしの親と40〜50代の子供が同居し、共倒れしてしまう。「Nスペ」を見て、ようやくこの問題にスポットが当たり始めたという印象を持ちました。こお7〜8年で顕著になっており、雇用環境の悪い地方ではより深刻になっています』
 低年金・低所得の高齢者は増加の一途をたどり、すでに200万人以上が生活保護水準なのに保護を受けずに暮らす『老後破産』状態にあり、予備群も含めた『下流老人』は600万人に達するという。そんな年老いた親のもとに収入の少ない子供が身を寄せれば、生活がさらに困窮するのは当然だ。
 総務省統計研修所が行った調査によれば、『親と同居の壮年未婚者(35〜44歳の未婚者)』は12年の段階で305万人、同世代に占める割合は16.1%にのぼる。03年は191万人(11.7%)、07年は262万人だったから、実数、割合とも激増している。調査を担当した総務省統計研修所研究官の西文彦氏がいう。
 『親と同居の壮年未婚者の失業率は、同世代平均の約2倍。失業者以外にもニート臨時雇用・日雇いの人など経済的に親に依存している人が70万人いるといわれています。親の高齢化に伴って今後5〜10年で親子共倒れはさらに増加することが予想されます』
 『親と同居の壮年未婚者』は親が団塊世帯、子供が団塊ジュニア世代にあたる。共に人数の多いこの世代で〝親子共倒れ〟が増えることは、極めて深刻な事態だ。
 ……
 親子3人で餓死していた
 親子共倒れの悲惨な事例は全国で相次いでいる。『Nスペ』には、北海道で一人暮らしをする母親の介護のために長男が離職して戻ってきたものの、生活が困窮し、自宅で親子ともに変わり果てた姿で見つかった例が紹介された。同様に、さいたま市でも60代の夫婦と30代の息子と思われる男性が餓死しているのが発見された(12年2月)。
 親の年金しか頼る収入がないため、親の死を隠すケースも後を絶たない。富山県では、母親が亡くなった後も母親の年金を受け取るために死亡届を出さず、1年以上も遺体を放置していた58歳の長男が逮捕された(11年9月)。
 愛媛県では『葬儀代がなかった』という理由で、母親の遺体を放置していた48歳の長男が死体遺棄容疑で逮捕された(13年8月)。同県では今年も、亡くなった母親の年金を受け取るために、母親の遺体を庭に埋めていたとして、41歳の長男が逮捕される事件が起きている(8月28日)。
 こうした『失業息子との共倒れ』による老後破産は、決して一部の人だけに起こる問題ではない。全国住宅ローン救済・任意売却支援協会代表理事の佐々木延彦氏によれば、『一流大学卒で上場企業で出世したような人でも、家が経済的に破綻して返済相談に駆け込んでくる』という。破綻する理由はリストラや退職金の減額、自身や妻の急病などさまざまだ。
 『とくに高齢者は「迷惑をかけたくない」「恥ずかしい」という思いが強く、預貯金を取り崩してまで無理な返済を続けるケースが多い。結果、老後破産を招いてしまう』(佐々木氏)
 ……
 『希望なんてない』
 息子の失業だけでなく、〝行き遅れた娘〟も親にとって大きな負担となる。30〜34歳女性の未婚率は2010年時点で34.5%。しかもこの数字は今後さらに上昇する可能性が高い。
 『Nスペ』にも、老夫婦と37歳の失業中の息子、36歳独身の娘が同居する4人家族が登場した。子供たちはアルバイトしかできないため、父親は69歳になっても働き続けている。本人は70歳を過ぎても働き続けるしかないと思っているが、もし働けなくなったら家族はどうなるのか。父親は『希望なんてない』と暗い表情でつぶやいた。
 娘が離婚し、子連れで実家に戻ってきた場合は、さらに大変だ。社会学者で放送大学副学長の宮本みち子氏がいう。
 『年老いた親が娘だけでなく孫の生活まで見なければならなくなり、3世代が共倒れしてしまうケースもあります。高度経済成長期には、親の役割はある時期で終わるとされていました。ところが今はそれが成り立たない。やがて親が介護が必要な年齢になると、状況はますます困難になってしまいます』
 ……
 『生きていればいい』
 ……
 年金だけでは生活が苦しいところに、失業した息子や未婚の娘が加わったとしたら──。それは、いつあなたの身に起きても不思議ではないのだ」
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 大西連(NPO法人『自立生活サポーターセンター理事長』)「私たちが収入を得る要素は、労働、資産、家族の援助、社会保障の4つ。そして国民年金は、社会保障以外の3つの要素がある前提で成り立っている制度なのです。成人するまでは親に扶養され、学校を出てから働いて貯金する。結婚して子供が生まれたら、家族を養いながらマイホームを買い、資産を作る。そして定年退職を迎えたら、貯金と退職金、子供の援助に支えられて生活する──。実際、昭和にはそうした社会モデルが一般的で、現在の社会保障制度は、こうしたモデルを前提に設計されている。国民年金も、それ一本で生活を成り立たせるための制度ではないのです。
 高度成長期には正社員が当然で、終身雇用が前提で企業福祉も充実し、妻が専業主婦でも家族を養う余裕があった。しかし、現在は非正規雇用者が労働者全体の37%を占め、彼らは給料が低いので資産を形成できず、そんな状態では結婚して家族を養うこともできない。要するに、収入の4要素のうち3つがない人が増え、昭和モデルが通用しなくなっているのです。
 老後破産に陥る人は、一般企業の正社員だった人に多い。それなりに恵まれた家庭環境で育ち、大学も出た人が少なくないのです。
 そういう人は、自分がリストラされたり、熟年離婚せざるをえなくなったりしたとき〝恥〟だと感じて周囲や友人に言い出せません。20代、30代ならともなく、40代や50代で今までの不自由のない生活からグレードを下げなくてはならなくなっても、周囲に同じ様な境遇の人はおらず、話しづらい。いざ転職先を見つけても、20代や30代の若者が上司という事が多く、孤立を深め、精神的に病んでしまったり、相談できないまま、間違った選択肢を選んでしまったりするのです。
 ダウンサイジングする事の難しさ。
 仕事のストレスを解消する為に、高価な買い物に走ってしまう。それに月に300万円ももらった経験があると、浪費に歯止めがきかなくなりがちだし、周囲にも良い暮らしをしている人が多かったでしょうから、それを意識して、なかなか生活レベルを落とせなかったはずです。
 個々の生活として不器用な人、要領の悪い人、昔からの習慣や美徳に縛られている人ほど、自らの首を絞めてしまっている。
 うちに相談にきた60代の男性は、元々は一流企業に勤め、年収500万円ほどでしたが、50歳の頃に母親が認知症を患い、介護に専念する為に退職。しかし再就職しようにも、50代では条件に見合う仕事は見つからず、介護のストレスも溜まって鬱病になり、生活保護を受けています。介護つきマンションや老人ホームを探せば、仕事を止めずに済んだはずですが、それでも自宅介護を選んだのは、〝親の面倒は子が看る〟という、日本独自の価値観があったからです。
 ある50代の男性は、40代でリストラに遭って離婚を切り出され、持ち家と子供を妻に渡し、自分は賃貸アパートに一人暮らし。そのうえ養育費を月々支払い、新しい仕事は見つからない。リストラされたのなら、財産は半々にするなど、もう少し自分の人生設計を考えるべきでした。離婚後に苦しむケースは、男性が財産分与の際に見栄を張り、ほとんどを妻子に渡してしまう場合もあるのです」
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 石寺弘子(全国SLA協会事務局長)「家族のコミュニケーションが上手くされているかどうかも、老後破産を防ぐうえで大事な要素。
 全財産をはたいて二世帯住宅を建て、息子夫婦と同居を始めたものの、何かにつけ嫁と揉めて嫌気がさし、家を出てアパートを借りた方がいます。年金だけではやっていけませんが、財産はもうなく、息子夫婦に家賃の支払いを求めたところが、取り合ってもらえず困っている、という相談でした。また、家族の問題で最近増えてきたのは、自立しない子供を抱えた親からの相談ですね。働かない息子を抱え、生活の面倒は見てあげたいが、自分が病気をして入院中に貯金を下ろされ使われてしまい、退院したら生活費にも困る状態になっていた、という相談もありました」
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 2016年7月3日 読売新聞「日曜の朝に 非正規、独身女性の不安
 電話の向こうから母の願いが伝わってきた。『今のところで落ち着いてくれたらいいけれどねえ』
 那覇市の実家で、老父母と暮らす43歳の妹のことだ。今春、住宅関係の会社に正社員として再就職した。
 短大を出てから非正規で働いてきた妹は、40歳を前にして『ずっと安定して働ける仕事に就きたい』と正社員を目指した。最初の会社が倒産し、次のところは『給料が安くてやっていけない』と辞めた。今回が3度目の挑戦だ。
 非正規だった頃、母と父が大きな手術を受けた時には仕事を休んで付き添い、退院後の検査も車で送迎した。融通の利く職場だが、数年先はどうなるか分からないいうジレンマもあったようだ。
 福岡に住み私は、妹のおかげで普通に仕事を続けることができた。『親の介護も妹がいるので安心』と無意識のうちに思っていた。
 しかし、その献身を当然のこととし、あぐらをかいてきたのではないか。彼女の不安や焦りを受け止めてきただろうか、と最近考え込んでしまった。
 『独身で末っ子だと介護を担わされる』『婚活もしているがなかなかうまくいかず、自分が生きていくことができるのか見通しが立たず』──。横浜市男女共同参画推進協会などが3月にまとめた調査報告書には、非正規で働く35〜54歳の独身女性の切実な声がつづられている。
 これまでパートの主婦が多かった女性の非正規労働者に近年、独身が増えてきた。収入の低さや親の介護、自身の健康や老後に不安を抱える人が多いという。
 調査に参加した福岡女子大教授の野依(のより)智子さん(55)は、『女性の活躍推進で子どものいる正規社員が脚光を浴びる一方、非正規シングル女性の存在は見えにくい』と話す。
 9日、福岡市男女共同参画推進センター(同市南区)で野依さんの報告と意見交換会が開かれる。妹の気持ちに向き合うためにも、一緒に悩み、考えていきたい。(玉城夏子)」
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 人口減少は、20年〜30年先という中期的な視点で見るとバラ色の未来は存在しない。
 65歳が受け取る厚生年金の月額は、15年後で18万5,000円、35年後で13万円、50年後で10万円と、減額される。
 老後は年金で悠々自適な生活は存在せず、死ぬまで働かなければ生活できず、病気や怪我をして働けなくなったり寝たきりに成ったら悲惨な余生を送る事になる。
 問題は、今の老人ではなく、明日の老人である。
 本当の老後危機が訪れるのは、東京オリンピックが終わった後の10年後といわれている。
 その頃。税金や国民年金資金を株価操作に流用している、今の政治家や官僚達は大金を持って引退して優雅な老後生活を送っている。
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 2016年8月22 産経ニュース「「葬儀費用がなく…」同居の父の遺体を自宅に放置 死体遺棄容疑で長男逮捕
 自宅に父親の遺体を放置したとして、警視庁田無署は死体遺棄容疑で、長男で東京都西東京市田無町の無職、都築義昌容疑者(54)を逮捕した。「同居の父が5月下旬に死亡したが、生活費に困り葬儀費用もなかったので放置した」と容疑を認めている。都築容疑者は事件発覚直前から行方不明になっていたが、20日深夜に帰宅したところを捜査員が確保した。
 逮捕容疑は5月〜8月7日ごろ、自宅の1階和室に父、重男さん(84)の遺体を放置したとしている。重男さんは病死とみられる。
 同署によると、重男さんの6月以降の年金が口座から引き出されており、不正受給した詐欺容疑でも調べる。
 7日に、重男さんと連絡が取れないことを不審に思った長女が自宅を訪れ、一部白骨化した遺体を見つけた。都築容疑者は遺体が発見されたことに気付いて家を出た後、近くの公園で野宿をして暮らしていたという。」
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パラサイト社会のゆくえ (ちくま新書)

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