¥2〉─1─経済オンチの政治家は国家の借金を増やしても気にはしない。武漢ウイルス感染によるGDP減。~No.2 @ 

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 子や孫に押しつけられる財政赤字約1,100兆円、毎年約40兆円増えていく。
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 2020年8月18日 産経WEST「最悪GDP「反安倍」で際立つ経済オンチ
4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値が、年率換算27・8%減と戦後最悪の落ち込みとなった。一部野党は「アベノミクスの失敗」をはやし立てるが、前例なき新型コロナの影響であり、一層冷静な分析が求められる。「反安倍」ありきで、従来の経済危機と同一視するようでは、かえって経済オンチが際立つだけだ。
 「戦後最悪」GDP減があぶり出す、悪意に満ちた恥知らずな面々
 『田中秀臣』 2020/08/18
 田中秀臣上武大学ビジネス情報学部教授)
 内閣府が発表した2020年第2四半期(4~6月)の実質の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は前期比7・8%減、年率換算では27・8%減となった。4月から6月の間は、緊急事態宣言の発令期間を含むため、当初から大きく経済が落ち込むことが予想されていたが、ほぼその見込み通りとなった。
 ワイドショーや報道番組などマスコミは、この減少幅からリーマン・ショックを超える「戦後最大の落ち込み」と報じている。「補正予算の効果が入ってこれだけの落ち込み、大変だ!」と騒いだり、一部の野党のように「アベノミクスの失敗だ」という見方を示す人たちもいるが、おそらくこの種の人たちは、今回の「新型コロナウイルスの経済危機」をきちんと理解していない。
 まず、そもそもリーマン・ショックといった通常の経済危機と比較すること自体が間違っている。
 その前に、年率換算で経済の落ち込みを評価する「慣習」もばからしいので、そろそろやめた方がいいだろう。なぜなら年率換算とは、今期の経済の落ち込みが同じように1年続くという想定で出した数値である。
 冒頭でも指摘したが、今期は緊急事態宣言という経済のほぼ強制的な停止と、その後の再開を含んでいる期間だ。これと同じことが1年継続すると想定する方がおかしいのは自明である。
 その上で、リーマン・ショックのような通常の経済危機との違いも明瞭である。通常の経済危機の多くは「総需要不足」によって引き起こされる。簡単にいえば、おカネが不足していて、モノやサービスを買いたくてもできない状況によって生じるのである。
 だが、今回の新型コロナ危機は事情がかなり違う。政府が経済を強制的に停止したことによって引き起こされているからだ。
 それによっておカネが不足することもあるが、そもそもの主因は強制停止自体に基づく。そのためこの強制的な経済の停止期間を乗り切れるかどうかが、経済対策のポイントになる。
 もちろん新型コロナ危機の前から、景気後退局面にあった2019年10月に消費税率を10%に引き上げたという「失政」もある。これは忘れてはいけないポイントだが、本稿では当面新型コロナ危機の話だけに絞りたい。
 ここで、新型コロナの経済危機の特徴をおさらいしておこう。
1)新型コロナの感染がいつ終息するか、誰も分からない。これを「根源的不確実性」が高いという。天気でいえば、明日の予想確率が全く分からない状況だ。雨かもしれないし、晴かもしれない。ひょっとしたら大雪か、はたまた酷暑かもしれない。
 つまり、予想が困難な状況を意味する。最近はワクチン開発や感染予防、早期治療のノウハウも蓄積してきているため、「根源的不確実性」のレベルはかなり低下してきているが、いまだに国内外で新型コロナ危機の終わるめどは立っていない。
 2)経済活動と感染症抑制はトレードオフ関係にある。経済活動が進めば、それだけ感染症の抑制が難しくなり、抑制を優先すれば経済活動を自粛しなければならない。この発想に基本的に立脚して、日本は緊急事態宣言を発令し、諸外国はそれよりも厳しい都市封鎖(ロックダウン)政策を採用した。
 ただし、最近の研究では、ロックダウンと感染症抑制は相関しないという検証結果が相次いで出ている。むしろ、ソーシャルディスタンス(社会的距離)やマスク利用の徹底のような日常的な感染症対策や、医療サービスの確保などに留意し、その上で経済活動を進めていく方が望ましい。経済活動を自粛するにせよ、限定的なものが最適になる。
 いずれにせよ、緊急事態宣言の効果は、今回のGDP速報値に含まれているので、経済の落ち込みへの「寄与度」を分析してみたい。この場合、既に指摘したように年率換算や単なる前年同期比で比較するのはセンスがない。
 分かりやすくいえば、経済の落ち込みと再開が短期的にかつ急激に現れているのが、新型コロナ危機の特徴だった。そうであれば、むしろ前期比(季節調整済)を利用した方がいい。
 今期の経済全体の落ち込みは前期比で7・8%減だった。この「マイナス成長」はどのような要因でもたらされたかといえば、4・5%減の消費と3・1%減の輸出である。
 理由は分かりやすいだろう。緊急事態宣言中で消費が委縮し、国際的な感染拡大の影響が輸出に及んでいるからである。
 3)経済対策は、感染が終息しない時期の対策(感染期の経済対策)と、その後の経済の本格的な再開時期に採用される政策(景気刺激期の経済対策)では、かなり内容が異なる。
 感染期は感染抑止が最優先されるため、限定的にせよ全面的にせよ経済活動がほぼ強制的に停止することになる。客が来なくてもどの店も潰れず、仕事がなくても労働者が解雇されない、そういうサバイバルを可能にする政策を採用する必要がある。
 多くの国では、給付金や減税などの「真水」政策と、融資などの政策を組み合わせて、そのサバイバルを目指した。この感染期の経済対策についてGDP比で見ると、日本は国際水準でトップクラスである。
 ただし、景気刺激政策に関して、日本政府はいまだ無策に等しい。「GoToトラベル」が景気刺激期の経済対策の一つだったが、感染終息がまだ見えない段階で始めてしまったために、その効果は大きく削減された。
 さらに、景気刺激期の政策であるため、感染抑制に配慮していないことも問題視されている。だが、繰り返すが、日本の感染期の経済対策は、不十分な点はあるかもしれないが、それでもかなりの成果を上げていることを忘れてはならない。
 国際通貨基金IMF)の今年度の経済成長率予測で、日本は先進国の中で最も落ち込みが少ない。それは先のGDP比で見たように、給付金や融資拡大といった感染期の経済対策が貢献しているのは自明である。
 ここまでは、新型コロナの経済危機について、大きく三つの特徴をおさらいしてみた。それでは、今回の経済の落ち込みの国内の主因である消費について見てみよう。この点では、明治大の飯田泰之准教授による明快な説明がある。
 飯田氏は「『家計調査』をみると、消費の低下は4-5月が大底となり、6月には年初の水準まで回復していることが分かります」と指摘している。その上で「ただし、消費については4-5月の消費手控えの反動(4-5月に買わなかった分6月にまとめて買った)可能性が高いでしょう。今後の回復の強さについては7月分の消費統計に注目する必要があります」とも言及している。
 これは、緊急事態宣言の発令中には、そもそも消費したくてもお店が閉まっていることや、感染拡大を忌避して、積極的な買い物をする動機付けが起きない人々のマインドゆえに消費が急減少したことだ。
 そして総需要不足、つまりおカネ不足がそもそもの主因ではないために、宣言解除後から急激に消費が戻っていることが明瞭である。この消費の急激な回復には、感染症へのマインド改善とともに、定額給付金効果もあったに違いない。ただ、今後については分からないのも確かだ。
 このように政府の経済対策では、評価すべきところは評価しなければならない。政権批判ありきの悪意の人たちは、ともかく「アベノミクス失敗」「無策」と全否定しがちだ。それは政治的な煽動でしかない愚かな行為で、より望ましい経済政策を議論する基礎にはなりえない。
 さらには、安倍晋三首相が検査のために慶応大病院(新宿区)に行ったことを、鬼の首をとったかのように、政権批判や首相の健康批判に結びつける論外な人たちもいる。この点については、タレントのダレノガレ明美の真っ当な意見を本稿で紹介し、悪意の人たちに猛省を促したい。
 経済対策に話を戻す。今後最も懸念される事態は先述の通り、本格的な景気刺激策が採用されていないことだ。この点については、問題意識と具体的な対策に関して、8月17日の「夕刊フジ」で解説したので、ぜひ参照してほしい。
 付言すれば、定額給付金については、もう一度10万円配布でもいいが、それよりも「感染終息まで毎週1万円の給付金を全国民に」という大阪大の安田洋祐准教授の案が望ましい。この政策は長期のコミットメントにもなることで、金融政策とも折り合いがいい。恒久的な消費減税の代替や補完にもなるだろう。
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 8月18日21:30 産経新聞「4~6月期GDP 外食、小売り、観光が悲鳴 感染再拡大で回復遅れは不可避
 コロナ禍で打撃を受ける道頓堀=17日午後、大阪市中央区(鳥越瑞絵撮影)
 令和2年4~6月期GDPの落ち込みが戦後最悪を記録したのは、新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛などで個人消費が冷え込み、海外経済の悪化で輸出も低迷したからだ。とくに関西経済は消費に占めるインバウンド(訪日外国人客)の比率が高く、その蒸発が打撃に。足元では感染が再燃しており、緊急事態宣言が再び出るようなことになれば、経済回復の大きな遅れは避けられない。
 補助が終われば…
 「換気の良いテラスで食事を提供するこの店が、なぜ夜8時までの営業規制の対象になるのか」
 大阪市の繁華街、ミナミを流れる道頓堀川沿いでグリル&バー「ワンダー」を経営する堀感治社長はこう言って唇をかんだ。この地域は感染再拡大を受け、府が7月末、営業時間短縮や休業の要請対象地域に指定した。
 同店は主要な顧客だったインバウンドが消え、国内客も減少。政府の雇用調整助成金などでしのぎ7月には客足が戻りつつあった。堀社長は「今後、国の補助金が終わるなどすれば、たくさんの店がつぶれるのでは」と懸念を漏らした。
 経済への打撃は幅広い分野で深刻になっている。
 外食では、6月中間連結決算が営業赤字と最終赤字になったすかいらーくホールディングス(HD)の谷真会長兼社長は、ファミリーレストランチェーン「ガスト」を引き合いに出し、「7月中旬から地方も含め全体が一気に下降した」とした。
 「Go To」効果まだら模様
 百貨店も苦しく、三越伊勢丹HDは3年3月期の連結最終損益を600億円の赤字とみる。インバウンドよる免税売上高はほぼゼロになる見込みだ。
 阪急阪神百貨店が傘下のエイチ・ツー・オーリテイリングは、4~6月期連結決算で同期として過去最大の61億円の最終赤字に。7月下旬以降も感染再燃で都市部への訪問が減っている影響を強く受けているという。
 観光は、政府の支援策「Go To トラベル」で兵庫県淡路島など地方の宿泊施設が人気を集める一方、大阪市京都市といった都市部のホテルからは「8月の予約がぴたりと止まった」との声も上がる。効果は地域によってまだら模様だ。
 新型コロナによる海外経済の悪化は製造業にも打撃を与え、京セラの4~6月期決算は米子会社の不振などで減収減益となった。
 電子部品大手TDKの山西哲司最高財務責任者は海外市場が急速に悪化していると指摘。同社は3年3月期通期の減益予想を据え置いている。
 中小も、大阪府東大阪市の中小メーカーが加入する異業種交流グループ「ロダン21」の品川隆幸最高顧問は「(回復が進む)中国向けの電子部品などの輸出は比較的堅調」としつつ「中国の需要は不安定だ」とする。米中貿易協議の延期など通商戦争再燃の動きもあり中国経済へ逆風が吹きつつある。
 倒産416件
 東京商工リサーチによると、全国のコロナ関連の倒産は8月17日までに416件に達した。都道府県別では、1位は東京都で108件、2位は大阪府で40件となった。
 同社は、同社は「政府や金融機関の支援に依存した小・零細企業・商店の休廃業や破たんが増加する可能性が高まっている」と指摘し、特に感染者が増加する都心部のサービス業への影響を懸念している。
 今後の見通しについて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング小林真一郎主席研究員は「景気の底は5月に打った。7~9月期はプラス成長に戻るだろうが、問題は10~12月期だ」と指摘。政府が感染抑制と経済活動のバランスを取った「事態のコントロール」を誤れば、景気が“二番底”に陥ると警戒する。
 関西経済については、りそな総合研究所の荒木秀之主席研究員は「インバウンド需要に頼ってきた関西経済の回復は緩慢にならざるを得ない。新型コロナの感染再拡大が想定以上に早く起きたことも、大阪、関西経済には打撃だ」と話している。」
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