🌄18〉─1─「財政調整基金」枯渇危惧 台風19号被災14市町取り崩し 「国が支援を」 長野~No.89No.90No.91 

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 Microsoft News 毎日新聞「「財政調整基金」枯渇危惧 台風19号被災14市町取り崩し 「国が支援を」 長野
 © 毎日新聞 提供 2019年の台風19号で決壊した千曲川の堤防付近。修復された箇所以外には土のうが積み上げられている。堤防のそばで再びリンゴを育てている農家も多い=長野市津野地区で、滝川大貴撮影
 台風19号が「地方財政」も直撃――。毎日新聞千曲川沿いの長野県内15市町村に実施したアンケートで、各自治体が災害や税収減に備えて積み立てておく貯金「財政調整基金」を、昨年の台風19号の復旧費用や新型コロナウイルス対策に充てるため14市町(川上村は無回答)が取り崩し、台風被害が大きかった市は3割から5割近くまで取り崩す見通しであることが分かった。全国各地で自然災害が頻発する時代。「貯金残高」に不安を抱える自治体からは、国からの財政支援を求める声が多数上がった。【坂根真理】
 アンケートは2019年度末の財政調整基金の残高を調べた。
 堤防の決壊などで甚大な被害が出た長野市の残高は約135億3694万円。公費解体などの災害復旧費に加えて、新型コロナの経済対策などで歳出が増大し、財源不足を補おうと9月補正予算までに計63億1378万円を取り崩す予定だ。ここまで巨額の基金を取り崩す予算案は異例で、市は「過去10年で最大規模」という。
 佐久市も多くの家屋が浸水被害に遭い、災害復旧費として約8億円を取り崩して農業施設の復旧などに充当する予算を組んだ。市財政課は「基金の取り崩しですぐに財政悪化につながることはないと思うが、台風の影響は大きい」とこぼす。
 19年度末と比べた財政調整基金の減少率(9月時点)を尋ねたところ、長野市が46・6%でトップ。佐久市34・5%▽中野市29・7%▽東御市26・47%▽飯山市25・72%――と続き、台風被害が大きかった市の減少率が高い傾向が浮かんだ。
 自然災害は全国各地で頻発しており、台風19号のような大規模災害がいつ起きてもおかしくない。加えて新型コロナに伴う景気低迷などで、今年度は大幅な税収減が見込まれ、アンケートでは国からの財政支援を求める声も多く上がった。
 中野市は「今後も災害などでこのペースで減少すると、数年後に財政調整基金が枯渇してしまう恐れがある」と警戒。基金の取り崩しに頼らない財政を目指しているが「限界がある」として「市からの持ち出しがないように、地方交付税が増額されるとありがたい」と訴えた。坂城町飯山市も、国からの手厚い財政支援を望む。
 小布施町は、11年度には財政調整基金を9億4000万円以上積み立てていたが年々残高を減らし、一時は2億円台まで落ち込んだ。台風被害でさらなる取り崩しを余儀なくされ危機感を強める。
 町の担当者は「栄村で11年に発生した地震では約5億円の財政調整基金を取り崩したと聞いた。同規模の災害に備えるため、最低5億円の残高を確保することを目標として積み立てしている」と説明する。優先度の低いハード事業を先送りするなどして、20年度末の残高は7億4195万円になる見込みだ。
 地方財政に詳しい小西砂千夫・関西学院大教授(財政学)は「財政基盤が脆弱(ぜいじゃく)な地方自治体は将来が不安なので、少しでも財政調整基金を積んでおきたいと考えがちだが、住民から徴収している税金は住民サービスとして還元することが筋なので(基金を)多く積み増せばいいというわけではない。適正額は過去の災害から被害額を想定して決めるべきで、全国平均で見ると一般財源の2割程度」と指摘。一方で、災害に備えるために「財政調整基金が頼みの綱なので、普段から財政収支を均衡させることが重要だ」と指摘した。
 2019年度末の財政調整基金残高
 長野市  135億3694万円
 飯山市  14億4342万円
 中野市  23億5756万円
 須坂市  26億1200万円
 小布施町 3億9510万円
 千曲市  38億3724万円
 坂城町  24億887万円
 上田市  39億920万円
 東御市  9億3087万円
 小諸市  22億9467万円
 佐久市  74億5269万円
 佐久穂町 19億2300万円
 小海町  21億4726万円
 南牧村  6億5553万円
 川上村  16億8089万円」
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