🚷10〉─1─オスの性本能を失った「草食系男子」が日本に増殖したホントの理由。~No.55No.56 

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 日本民族の人口激減は生物学的に必然。
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 オトコの本能を失った「草食系男子」が日本に増殖したホントの理由
 『小坂実』
 小坂実(日本政策研究センター研究部長)
 保育士の世界に男性が参入するようになって久しいが、男性保育士による女児の着替えやオムツ替えの是非をめぐって、ネット上でホットな論争が起きている。事の発端は、千葉市が今年1月に策定した「千葉市保育所男性保育士活躍推進プラン」。要は、保育所の「ダイバーシティ」(多様性)や「男女共同参画」の推進のために、男性保育士にできない業務をなくそうという話である。
 産経ニュースによれば、この市の方針に対して「女児の着替えを女性保育士に望むことは保護者として当然」などの不安を吐露する声が上がる一方、「男女共同参画社会の実現に向けて必要な施策だ」など、プランの策定を評価する意見も寄せられているという。
 そこで、実際に「プラン」をのぞいてみた。まず、前書きで「男女が互いに人権を尊重しつつ責任も分かち合い、性別に関わりなく、個性と能力を発揮することができる社会の実現が、緊要な課題となっています」と男女共同参画社会の理念に言及している。その上で「性差に関わらない保育の実施」と銘打ち、「保育士としてのキャリア形成のため、男性保育士も女性保育士と同じように、こどもの性別に関わらず、保育全般を行っていきます」と謳っている。
 プラン策定の背景について、熊谷俊人千葉市長は2月19日付の東京新聞紙上で、「男性保育士による女児のおむつ交換や着替えなどをやめてほしいと保護者から要望があり、トラブルを避けるため、男性保育士が外されるケースがあることを知った。特別な理由がないのに男性保育士を外すことはあり得ないと考えた」と語っている。
 要するに、これまで市立保育所の現場は、保育士の性別にこだわる保護者に一定の配慮を示してきたわけだ。そうした配慮を「男女共同参画」や「ダイバーシティ」を大義名分に、一刀両断に断ち切ることが、プランの一つの狙いと言えそうだ。
そもそも、男性保育士による女児の着替えやオムツ替えといった問題は、保護者や場合によっては幼児自身の受け止め方にも個人差があろう。こうしたデリケートな問題は、行政が上から目線で特定の「正義」を振りかざして解決を図るよりも、現場の経験知にもとづく柔軟な対応に委ねるのがベターだと思われるが、ここではこの議論に深入りしない。
 気になるのは、この千葉市の動きが一部で保育におけるジェンダー・フリー(性差否定)の推進と捉えられている節があることだ。実際、プランに明記された「性差に関わらない保育」なる文言は、かつて日本の教育現場を席巻したジェンダー・フリー教育を連想させる響きを持つことは否定できない。
 「ジェンダー」は、生物学的性別(セックス)とは異なる「社会的・文化的性別」などと説明される。ジェンダー・フリー教育とは、「区別は差別」という特異な観点に立って、ジェンダーに基づくとされる「固定的性別役割意識」や「男らしさ・女らしさ」などの性差の解消を図ろうとする教育である。簡単に言えば「男女まぜこぜ教育」のことだ。
 例えば、小学校に入学したばかりの一年生は、「男の子が黒いランドセル、女の子が赤いランドセルというのは親や社会が勝手に決めただけ」と言われ、ランドセルの色を男女で区別するのは間違いだと教えられた。また高学年の子供たちは、「男子がズボンをはき、女子がスカートなのはジェンダー・バイアス(性別による偏り)があるためだ」と教え込まれた。運動会で男女混合騎馬戦をやったり、修学旅行で男女同室宿泊を行うといった極端な事例もしばしば報じられたことは今も記憶に新しい。
 現在、政府は男女共同参画と「ジェンダー・フリー」は異質なものとの立場を明確にしており、また極端な教育現場の事例も報じられなくなった。とはいえ、多くの教育現場では今も男女混合名簿が使われ、児童の「さん付け」統一呼称がつづいている。
 また、家庭科教科書は「男は外で働き、女は家庭を守るべきだ」という性別役割分業を見直すべきだと子供たちに刷り込みつづけている。その意味で、今も事実上のジェンダー・フリー教育は続いているとも言える。
 では、ジェンダー・フリー教育はなぜ問題なのか。ジェンダーフリー教育が真っ盛りの十数年前の話だが、一部の中学校や高校で、男女が同じ教室で日常的に平然と着替えをするという光景が報じられた。その多くは、小学生の頃からジェンダー・フリー教育を受けてきた生徒たちだという。つまり、異性に対する思春期特有の恥じらいの感覚の薄れた子供たちが出現したのである。
 ジェンダー・フリー教育の最大の弊害は、子供たちの人格形成に破壊的な影響を及ぼす危険性である。自我が形成される幼少期から思春期にかけて、男女の区別をしないとアイデンティティが健全に作られず、場合によっては、性同一性障害や同性愛などに陥ってしまうことも、専門家によって指摘されている。例えば、心理学者の林道義氏は「生物として子孫を残すために必要な行動に支障が出るおそれがある」。特に男子の場合、「心理的に去勢されてしまい、男性の本能行動にとって必要な積極性を失ってしまう者が出てくる可能性がある」と警鐘を鳴らしている(『明日への選択』2003・6月号所収「ジェンダー・フリー教育の恐るべき『弊害』参照。日本政策研究センターのHPに掲載)。
 それから十数年が過ぎた現在、恋愛に消極的な「草食系男子」の増加が指摘されている。また最近の複数の意識調査は、若者の結婚願望の急速な低下、つまり非婚化傾向の強まりを示唆している。
 例えば、明治安田生活福祉研究所の昨年の調査によると、20代の独身男女のうち、結婚したい人の割合が3年前と比べて男性で28ポイント、女性で23ポイントと大幅に減少した。「できるだけ早く結婚したい」「いずれ結婚したい」との回答が、男性で67・1%から38・7%に、女性は82・2%から59・0%に減少した。「草食系男子」の増加や非婚化傾向の強まりが、「性別役割意識」や「男らしさ」「女らしさ」の解消をめざすジェンダー・フリー教育と全く無関係とは筆者には到底思えない。
 現在、わが国は人口急減に直面しており、昨年の出生数はついに100万人を割り込んだ。今のままでは、2040年には半数近い自治体が「消滅」する可能性が指摘される一方、50年後の日本の総人口は8千万人台に、100年後には4千万人台になると予測されている。その大きな原因は、若者の未婚化と非婚化だとされる。とすれば、ジェンダー・フリー教育こそは、人口急減=地方消滅危機の「隠れた犯人」と言えるかもしれない。
確かに、千葉市の「性差に関わらない保育」は、 男性保育士にも女性保育士同様、女児と男児を区別せず保育全般に関わらせるという趣旨ではある。それが子供の性差を無視した「ジェンダー・フリー保育」の呼び水にならないか、一抹の不安を抱かざるを得ない。」
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