⛲32〉─2─企業のビジネスケアラー。2025年問題と人口激減・経済低迷。~No.201No.202 

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 2021年9月8日 MicrosoftNews ダイヤモンド・オンライン「迫る「2025年問題」、企業は「ビジネスケアラー」にどう向き合うべきか
 古井一匡
 © ダイヤモンド・オンライン 提供 イラスト:「オリイジン2019」より
 近年、多くの企業が人事戦略として取り組んでいるダイバーシティ(多様性)推進――これは、性別・年齢・国籍・障がいの有無…に関わらず、組織が多様な人材を受け入れてイノベーションを生み出そうとするものだ。多様性のひとつとして、今後、「2025年問題」とともにクローズアップされるのが仕事と介護の両立に取り組む「ビジネスケアラー* 」の存在である。企業向けに、「従業員の両立準備状況の見える化とオンラインラーニング提供」を行うクラウドツールの展開や、シニア市場のマーケティングリサーチなどを手掛ける株式会社リクシス 代表取締役社長 CEOの佐々木裕子氏へのインタビューをもとに、企業がビジネスケアラーとどう向き合うべきかを考える。(フリーライター 古井一匡、ダイヤモンド社 人材開発編集部)
 * 職に就きながら、家族・親族などの介護を行う就労者のこと。「ワーキングケアラー」とも言われるが、本稿では、株式会社リクシスの表記に倣って「ビジネスケアラー」と表記する。
 いま、仕事と介護の両立はどうなっているのか?
 「2025年問題」とは、2025年以降に戦後のベビーブーム世代(1947年から1949年までの3年間に生まれた「団塊世代」)が75歳以上の後期高齢者になることを指す。厚生労働省の試算では、2019年で約618万人だった団塊世代が75歳以上になることによって、直近*1 で約1870万人の後期高齢者が2040年には約2290万人*2 へと約2割増えるという。これに伴い、要支援・要介護認定者も当然増える。要支援・要介護認定者は、直近で約684万人*3 だが、2040年には約956万人を超えるとする推計もある*4 。
 企業にとって悩ましいのは、仕事と介護の両立に取り組む「ビジネスケアラー」が急増しそうなことだ。ビジネスケアラーは2017年で約346万人(男性=約151万人、女性=約195万人)とされる*5 。2017年の5年前(2012年)と比較すると約55万人の増加であり、この間、毎年約10万人ペースで増えている計算だ。2017年以降も同じペースで増加しているとすれば、2021年現在で400万人に達していると思われる。そして、これからも、要支援・要介護認定者が増える割合(4割)と同じペースでビジネスケアラーが増えると仮定すれば、2040年には約560万人となる。
 *1 総務省統計局「人口推計(2021年7月概算値)」より
 *2 国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)中位仮定」より
 *3 厚生労働省介護保険事業状況報告(暫定)令和3年4月分」より
 *4 GD Freak「日本の要介護(要支援)認定者数の将来予測(2020年~2045年)」より
 *5 総務省「就業構造基本調査(2017年)」より
 つまり、「2025年問題」は、2025年から日本の超高齢化が本番をいよいよ迎え、医療や介護といった社会保障制度に大きなインパクトを与えるほか、多くの企業にとっても従来の「多様性推進」とは次元の異なる課題に直面することを意味する。しかも、それが数十年にわたって続いていくのである。
 こうした状況は前々から予想されており、就労者の仕事と介護の両立に向けて、国も対策を講じてきた。現在、「育児・介護休業法」による主な介護支援制度は図表2のようになっている。多くの企業がこうした制度の導入や整備をはじめ、介護に関する情報提供を目的としたパンフレットなどの作成・配布、相談窓口の設置、各種セミナーの実施など、介護両立支援に向けた施策を進めている。
 しかし、従業員の仕事と介護の両立状況は、ほとんどの企業が正確には理解できていないようだ。株式会社リクシス*6 代表取締役社長 CEOの佐々木裕子氏は、次のように指摘する。
 *6 株式会社リクシスは、2016年(平成28年)9月1日創業。本社所在地は東京都港区浜松町。従業員31名(2021年5月6日現在、パート・アルバイト・社外協力含む)。
 佐々木 そもそも、仕事と介護を両立するとはどういうことか、多くの企業はその実態が掴めていません。たとえば、介護を理由に会社を辞める「介護離職」ですが、ここ数年は年間10万人ほどで横ばいが続いており、要支援・要介護認定者やビジネスケアラーの増加と比べれば、かなり抑えられていると言ってよいでしょう。一方、介護休業や介護支援といった制度の利用はほとんど進んでいません。つまり、多くのビジネスケアラーは、介護支援制度を使わず、離職することもなく、仕事を続けている現状なのです。
 佐々木裕子 Hiroko Sasaki
 株式会社リクシス 代表取締役社長 CEO
 東京大学法学部卒。日本銀行を経て、マッキンゼーアンドカンパニーで同社アソシエイトパートナーを務める。マッキンゼー退職後、株式会社チェンジウェーブを立ち上げ、企業の「変革」デザイナーとしての活動を開始。変革実現のサポートや変革リーダー育成、個人や組織、社会変革を担いつつ、複数大手企業のダイバーシティ推進委員会有識者委員にも就任。自身の子育てに加え、愛知県在住の80代両親の介護も始まり、2016年株式会社リクシスを酒井穣氏と共に創業。多様性推進の目的と現実を理解しながら、画期的な両立支援の在り方を定義する。
 仕事と介護をどうにか両立させているケアラーたち
 リクシスの調査結果では、介護中の管理職の8割以上は支援制度の存在を知りながら、利用している人は5%にも満たない。国の調査(総務省「平成29年就業構造基本調査」)においても、介護休業等の利用率は10%未満にとどまっている。
 ひと足先に取り組みが進んだ「育児支援」では、制度を活用しながら育児と仕事を両立する女性従業員の割合は8割前後になっており、2021年6月の育児・介護休業法の改正では、男性従業員の育児休業取得率(2019年度で7.48%)も2025年までに30%にすべく、見直しが行われた。
 それに対し、介護については支援制度の利用そのものが少なく、離職するケースも抑えられている。そうなると、企業側では「当社では仕事と介護の両立問題はそれほど心配することはないだろう」「人事部として取り組む優先順位は低くてもいいだろう」と判断しがちになる。あるいは、人事部が先手を打った施策を講じようとしても、経営層の理解が得られにくかったりする。
 ビジネスケアラー側からみて、介護離職が少ないことや、介護支援制度をあまり利用しない理由は何なのだろうか。
 佐々木 そもそも、自分と家族の生活を維持しつつ、介護にかかる費用も負担するとなると、収入を減らすわけにはいきません。仕事と介護を両立する最大のポイントは「収入を下げないこと」です。そのため、介護離職はもちろん、介護休業などを取得する人も少ないのです。
 会社に知られたくない、周囲に迷惑をかけたくない、自身のキャリアにマイナスの影響が及ぶことを危惧する――といった理由も考えられるが、介護を行っていることを上司や同僚に知られること自体に抵抗感のある人は、実はそれほど多くはない。リクシスの調査では、「介護がはじまった際に上司に相談する」という従業員は5人のうち4人だという。上司に相談しても介護支援制度はあまり利用せず、ビジネスケアラーたちはどうにか仕事と介護の両立に取り組んでいる。そこには当然、精神的・身体的な負荷やストレスもある。
 佐々木 私たちの調査では、現在、介護中の管理職のうち、介護にかかる物理的負担や心理的な負担がつらいという割合は57.9%に達します*7 。介護離職に至るケースはまれだとしても、業務における生産性やサステナビリティにネガティブに影響している可能性は高いのではないでしょうか。
 *7 株式会社リクシス「仕事」と「介護」の両立実態調査~管理職編(管理職2,332名のデータから読み解く)~より 【調査概要】調査期間:2019年5月~2021年7月 分析対象:仕事と介護の両立支援クラウド「LCAT」を利用した従業員規模500名以上の企業に勤める管理職2332名
 なぜ、こうした状況に陥っているのか? そこには、上司や当人たちも気づいていない「落とし穴」があるようだ。
 ビジネスケアラー自身も周囲も気づかない落とし穴
 落とし穴のひとつは、社会全体に残る「介護についての先入観」だ。勤務先で上司に相談しても「大変だね。会社も制度をいろいろ用意しているようだから、それを使って休んだら」などと言われがちである。上司に悪気はない。会社の制度を利用して介護に取り組むように励ますことは、当然のことと考えているのだろう。しかし、相談したビジネスケアラーにとってはどうか。
 佐々木 管理職を対象に、「介護をしながら現在の勤務先で仕事を続けられると思うか?」と聞いたところ、3人に2人は「続けられない」、あるいは「分からない」と答えています。介護というと、多くの人が車いすや寝たきりになった親の世話をしなければならないというイメージがあり、介護保険によるサービスを利用するにしても、仕事と両立するのはとても難しいと思い込んでいるのです。
 介護=家族がみるべきもの、介護=認知症または寝たきり、介護=食事または排泄物の世話――こういった観念にとらわれていると、介護=誰かが我慢するしかない、という道しか見えなくなってしまいます。その結果、とりあえず頑張るしかないということになりがちなのです。
 もうひとつは、親子間(被介護者と介護者)の関係だ。
 佐々木 介護の本質は、あくまで、介護を受ける本人(ビジネスケアラーの親など)がどのように自分の人生を生きたいのか、ということです。その考えや希望を尊重しつつ、親族をはじめとした周囲の関係者がサポートしていくには、前もって本人の考えや希望を聞いておく必要があります。
 ところが、日本では親子間でそうした話をする機会は少ないのではないでしょうか。親と離れて生活していればもちろんのこと、同居しているケースでも、介護が必要になった場合の希望や、さらには終活について、改めて面と向かって話をすることはあまりないでしょう。そのため、いざ介護が必要な状況になって、本人がどのようなことを希望しているのかが分からないまま、世間一般に言われるようなかたちで頑張ろうとしてしまうのです。
 最近の研究*8 では、介護発生前の個人の備えや会社の形式的な情報提供が、介護離職や介護疲労を抑制するのではなく、むしろ、仕事と介護を両立しやすい体制づくりを妨げている可能性もあるという。
 *8 「介護発生前の個人の備えや会社支援が、介護離職・介護疲労に与える影響」 大嶋寧子(リクルートワークス研究所
 ポイントは「介護は身内がするもの」という根強い社会通念の存在だ。会社における集合研修やセミナーの実施、パンフレットなどによる情報提供、上司との会話、個人(介護者)による地域包括支援センターへのコンタクト、被介護者(親)の希望確認などを通じて、「介護は身内がするもの」という根強い社会通念の存在が浮き彫りとなり、介護の初期段階において、プロフェッショナル(専門家)に介護を委ねる体制にマイナス作用をもたらすこともあるのだ。
 企業も個人(従業員)も「介護は身内がするもの」という社会通念によって、負のスパイラルに陥っている。佐々木氏も自身の体験を踏まえてこう述べる。
 佐々木 リクシスを立ち上げたのも、実は、私の両親が80歳を超えて介護の問題が目の前に迫ってきたことがきっかけでした。いろいろ調べたり、介護の経験者に教えてもらったりするなかで、いかに自分が何も知らないか、間違った概念に染まっているかに気づいたのです。
 特に、親の介護が必要になったら、子が仕事を休むのが当たり前という“常識”のおかしさ。現在、介護には国の介護保険制度をはじめ、さまざまな選択肢が用意されています。人材不足などの課題もありますが、日本の介護のレベルは高く、優れたケアが行われています。
 経験値ゼロの家族が面倒を見るより、プロの力を最大限に利用する方が絶対に良いはずです。従来の“常識”を見直すことが、仕事と介護の両立を進める第一歩なのです。
 企業が取り組むべきこと、目指すべきことは何か?
 今後、ビジネスケアラーが増えていく状況において、企業経営者や人事担当者はどのように対応していけばいいのだろうか。
 第一は、介護支援と育児支援は別物であるということを明確に認識することだ。法律(「育児・介護休業法」)自体が育児と介護を似た枠組みでとらえている側面がある。しかし、これまで企業が取り組んできた育児支援をそのままなぞるかたちで介護支援を行っても、ビジネスケアラーのニーズとの乖離は広がる一方になりかねない。
 佐々木 よく言われることですが、育児は先が見えているし、男性従業員を含めて多くの人に経験があり、社内での会話も弾みます。一方、介護は先が見えないし、ほとんどの人は経験がなく、社内で大っぴらに話すことでもない。その違いを踏まえることが不可欠です。
 第二に、「介護は身内がするもの」という根強い社会通念の存在を踏まえ、企業からの情報発信や面談、社内での会話において、その弊害を払拭することに注力すべきだ。すなわち、「介護はケアマネージャーをはじめ、プロの力を積極的に借りるもの」「介護ではプロを中心にしたチームづくりこそがカギ」というメッセージを繰り返し発信していくのが適切だろう。
 佐々木 親の介護は誰もがいずれ直面する“自分ごと”であることを社員全員が自覚するとともに、もしそうなったらどのような選択肢があるのか、特にプロに委ねるための具体的な手続きや選択肢について十分な情報を得ておくことが不可欠です。これを私たちは“エイジングリテラシー”と名付け、企業向けのプログラムとして提供しています。
 第三に、介護にだけ焦点を合わせた支援策ではなく、誰もが柔軟に働ける環境を整えることが重要である。普段から長時間労働や残業が少なく、勤務時間についてもフレキシブルに調整したり、リモートワークを組み合わせられたりすれば、長期の介護休暇や介護休業を取らなくても済むかもしれない。介護を特別な事態とするのではなく、社員一人ひとりが事情に応じて、フレキシブルかつ生産性高く働ける仕組みや環境を整えることが、回り道のようでいて、実は最も効果的なのだ。
 佐々木 ビジネスケアラーの中には、20代、30代の人もいます。彼ら彼女らの多くは、主に祖父・祖母のケアをしている50代の両親とともに介護負担を分担しているのです。こうした、若い“孫ケアラー”の存在も、今後、クローズアップされてくるでしょう。
 これから訪れる「大介護時代」におけるダイバーシティ(多様性)推進においては、特定層に焦点を当てるのではなく、全方位的(全従業員向け)でユニバーサル(普遍的)な取り組みが求められるのだろう。
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 全ての元凶は、少子高齢化による人口激減と日本経済の低迷である。
 少子高齢化による人口激減とは、介護する納税者の若者が減り、介護される年金生活の老人が増えるという事である。
 日本経済は、減った労働者分まで稼ぐ為に、より利益を上げる効率のいい成長を遂げなければならない。
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 日本は多くの面で自給自足ができない為に、食糧・資源・エネルギー(石油・天然ガス・ウラン・その他)を、海外で米ドルを支払って購入し、アメリカ軍が守る国家・地域の陸上、海上、上空を自由に利用して輸入するしかなかった。
 アメリカに依存しなければ存続できない以上、日本はアメリカの軛から逃れられない。
 が、左翼・左派・ネットサハの反米派や反安保派らはその事を十分に知りながら、日本国と日本人の生命線である日米同盟を破壊し消滅させようとしている。
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