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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
現代の日本は昔の日本とは違い、たぶん平成の中頃に昔からの「水と安全はタダ」という時代は終わったのかもしれない。
そして、その傾向はさらに深刻度を増しながら日本全土に蔓延し、日本人の生活を悪い方に激変させていく。
そうした社会を作り上げてきたのが、伝統文化に基ずく古き良き家像を破壊する事を目的として個人の完全な自由こそ正しいとした戦後民主主義教育であったともいえる。
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2021年11月15日12:31 MicrosoftNews BBCニュース「京王線「ジョーカー」事件が映した日本社会の姿
© BBCニュース 提供
ルーパート・ウィングフィールド=ヘイズ、BBCニュース東京特派員
東京の私鉄・京王線の電車内で乗客が襲われ、17人が負傷した事件は、日本の人々に衝撃を与えた。容疑者(24)が米コミックの登場人物ジョーカーの仮装をしていたとみられることに注目が集まったが、日本社会についてもっと大きな何かをうかがわせる事件なのだろうか?
日本は非常に安全な国だ。
やや言い古された感があるのはわかっている。だが、東京が他のどんな大都市とも違うことは、ここで暮らすようになって初めて本当に実感する。
ロンドンやニューヨークで日常茶飯事のちょっとした犯罪は、ここには存在しない。暴力犯罪を心配することは、少なくとも男性の私は、ほとんどない。
それだけに先日、混雑した電車内で襲撃事件が発生した時ことを、多くの人が警鐘として受け止めた。
多くの通勤客は、ハロウィーンの夜に起きた「ジョーカー」事件を受け、鉄道や地下鉄の利用は安全なのか考えるようになった。一方で当局は、安全確保のため対策を尽くしていると都民に強調している。
ただの模倣ではない
今回の事件では、容疑者の人物像や、彼のような人が他にもいる可能性をめぐって、メディアに憶測があふれた。
電車内という設定や「ジョーカー」の衣装に、大きな関心が寄せられた。
映画「ジョーカー」を実際に見た人なら、今回のは模倣犯罪だと思うだろう。劇中で起きる、ニューヨークの地下鉄内の場面をまねたはずだと。
実際、容疑者は警察などの調べに対し、「ジョーカーに憧れていた」、「できるだけ多くの人を殺したかった」と述べたと報じられている。
しかし複数の犯罪心理学者は、彼の仮装と犯行のタイミングの真の意図は物まねではなく、自分の凶行に世間の注目を集めることだっただろうと話す。
東京未来大学の犯罪心理学者、出口保行教授は、容疑者は注目を集めたかったのだろうと話す。
ゆがんだ自己顕示欲の持ち主が、ハロウィーンの夜にジョーカーの仮装をすれば、さらに目立てると考えた。ジョーカーのように振る舞い、ジョーカーに憧れていたと発言することで、もっと注目を集めることができると思った――。出口教授は容疑者についてそう分析する。映画を見たから、あのまねをしようと決めたわけではないだろうと話した。
社会的なリスク要因
私は事件後、複数の犯罪心理学者に取材した。すると全員が同じことを言った。これはサイコパス(精神病質者)による犯罪ではないと。
事実、識別可能な精神疾患のある人が無差別襲撃事件を起こすのはまれだ。無差別暴力事件の犯人があてはまる類型と、精神疾患の人のそれは異なる。無差別暴力事件は、社会から疎外されていると感じている人が実行する場合が圧倒的に多いのだ。
大量殺人など凶悪犯罪を引き起こす、最大リスク要因の1つは、社会的孤立や社会的なつながりの欠如だ――。筑波大学の犯罪心理学者、原田隆之教授はこう説明する。
凶悪犯罪を犯す人たちには、次の特徴があると原田教授は言う。
親族、愛する人、仕事、社会的つながりがない
社会に絶望していて、社会に対して強い敵意を抱いている
自殺願望もある
他人のせいにしたがる
「ジョーカー」事件の容疑者について、多くのことがわかっているわけではない。
ただ専門家の中には、若者が東京・秋葉原で人込みにトラックを暴走させ、さらに人々を刺傷させた2008年の事件になぞらえる人もいた。
この事件の実行犯は、エリート一家でプレッシャーを感じながら育った。大学入試に失敗し、単純労働に就いていた。
事件実行前に自殺を図っていた。他人を殺害する計画について、概要をインターネットに投稿もしていた。
匿名を希望した犯罪学者は、「テロのようだが、テロではない」と言い、次のように語った。
「秋葉原(事件)は多くの人々を狙った殺人だった」
「普通の人、弱い人、いじめられてきた人による犯行だった。そうした人はストレスをため込みがちだ」
「また、自殺願望があり、『どうぜ自殺するなら他の人も道連れにしよう』と考える。自らの境遇を他人のせいにしたがる特徴がある」
アメリカで発生する集団殺害事件との類似点もみられるが、大きく異なる点もある。
まず、日本にはきわめて厳格な銃規制の法律がある。さらに、日本では攻撃性を示すことは、かなりの社会的タブー行為となっている(これも、今回のような犯罪が日本で少ない理由の一つかもしれない)。
筑波大学の原田教授は、日本では攻撃性は内側に向けられ、多くの場合それは自殺という形をとると話す。
原田教授によると、攻撃性は外に向かえば殺人などの攻撃的行動となることから、いわばコインの裏表といえる。日本は自殺率が高い一方、他人を襲うなどの犯罪発生率は非常に低い。日本人は攻撃性を自らに向けやすく、それが日本における襲撃事件の少なさにつながっているという。
だが、今回のような他人を襲う事件は増えているとの受け止めが日本にはある。東京の鉄道では8月以降、3件の事件が起きている。
心理学者たちは、新型コロナウイルスのパンデミックが経済的困難と社会的孤立を深刻にしたと指摘する。ともに事件の引き金となり得るものだ。学者たちはまた、「ジョーカー」事件がメディアの大きな注目を集めたことを懸念している。
原田教授は、こうした事件が起こると必ずといっていいほど模倣犯が出てくると指摘。事件の細部や犯行の方法などをメディアが詳しく伝えるのは、大きな問題だと述べた。
実際、すでに模倣の未遂襲撃事件が1件起きている。警察が発生を防いだとみられる事案もあった。
多くの人が不安を覚えるのはもっともだが、私が話を聞いた専門家たちは「数字」に注目すべきだと話した。統計によると、日本では過去50年間、男性による暴力事件が急激に減少している。そして東京は今も、世界で最も安全な場所であり続けているのだ。」
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