¥3〉─1─1ドル=150円。円大暴落と暗い未来予測。~No.6 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 アメリカが唯一の大国と言われる理由は、他国に頼る事なく輸入せず自国内だけで食糧、物資、エネルギーを自給できるからであり、もし足りないものがあれば北米、中米大陸、カリブ海で他国の妨害を得ずに手に入れる事ができるからである。
 アメリカは、地理的条件での地政学、地経学から唯一侵略されない絶対安全国家である。
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 2022年4月23日号 週刊現代ウクライナ戦争
 長期化のルーブル並みに売られて
 止まらない円大暴落
 1ドル=150円の日本で起きること
 すでに半世紀ぶりの円安水準に落ち込んでいるのだという。このままでは海外旅行にさえ行けず、外国人に買い叩かれるだけの『貧しい国』になってしまう。生活を守るために、できることはまだある。
 富が海外に流出していく
 ロシアによるウクライナ侵攻以来、日本円の暴落が止まらない。4月13日には1ドル=126円を突破。ロシアの通貨ルーブルは侵攻前の水準に値を戻しつつあるが、円は対ドルで約9%も下落したままだ。
 実に約20年ぶりの円安水準だが、事態はさらに深刻だ。経済学者で多摩大学特別招聘教授の真壁昭夫氏が解説する。
 『国際決済銀行が発表する「実質実効為替レート」は円の総合的な実力を示すものですが、これが約50年ぶりの低水準になっています。つまり、日本円は70年代前半と同じくらいの実力しかないということです』
 かつては『有事の円買い』と言われ、市場の危機が高まると円が買われたものだった。リーマンショック東日本大震災のときでさえ、円高に振れた。日本円は『安全資産』として存在感を際立たせていたのである。
 しかし、ウクライナへのロシアの侵攻が長期化しているのにもかかわず、円は売られ続けている。みずほ銀行チーフマーケット・エコノミストの唐鎌大輔氏がこう分析する。
 『現在の円安には2つの理由があります。1つは米FRBが利上げをしているから。日銀が金利上昇を抑え込んでいる日本と米国の金利差が拡大し、円売り・ドル買いの流れが続いています。
 もう一つが日本の貿易赤字が拡大していることです。資源の乏しい日本はその大半を輸入に頼っていますが、ウクライナ侵攻もあり、エネルギー価格が高騰してしまいます。燃料や原材料を高い値段で海外から購入せざるを得ないのです』
 貿易赤字は今年1月に2兆1,911億円、2月に6,682億円となり、日本の富は海外へどんどん流出している。
 『財務長官が円安に対して「急激に変動することは望ましくない」と牽制しましたが、日銀総裁は金融緩和の継続を明言しており、何の意味もありません。1ドル=150円程度の円安は十分にあります』(為替ストラテジストの高野やすのり氏)
 現在の円の実力は70年代前後と同程度であることは前述した。これが1ドル=360円の固定為替相場制だった時代と同じくらいの実力へとさらに低下していくという。
 シグマキャピタル・チーフエコノミスト田代秀敏氏が言う。
 『それはつまり、私たちの生活が、70年代初頭の水準に引き落とされてしまうことを意味します。当時、海外旅行ができたのは、一流のプロ野球選手や芸能人など一握りの人だけでした。いまはコロナ禍で海外に行けないだけと思っているかもしれませんが、コロナ禍が明けても、一般人は物価が高すぎて海外にいけないという事態になっているかもしれません。
 仮に行っても、現地で普通の食事をすることすら高く感じるはずです。たとえば、米国のマクドナルドのビッグマックは5.81ドルですが、1ドル=150円で円換算すれば、871.5円。国内での価格は390円ですから、単純計算で約2.2倍です。海外で気軽にファーストフードを食べることすらできない。そんな惨めな時代になってしまうのです』
 それでも70年代当時の日本は若者が多く、明日はもっと成長していくという希望が社会にあった。インフレと同時に、賃金は上昇していません。
 『米国では、3月の消費者物価指数が8.5%の伸びを見せるなど歴史的なインフレが続いています。それと同時に賃金も上がっている。ところが、今の日本ではまったくと言ってほど、賃金が上がっていません。これ以上、円安が進めば、日本人の購買力は諸外国に比べてどんどん下がっていく』(前出・唐鎌氏)
 電気代も電車賃も上がる
 日本人の財布に追い打ちをかけるのが、資源価格の高止まりだ。
 『ガソリンはいま政府が1リットルあたり25円を上限に補助金を出しているため、1リットル174円程度で済んでいますが、補助金がなければ2,000円近いわけです。さらに円安が進み、1ドル=150円という水準になれば、1リットル240円程度にまで上昇するでしょう。
 しかしこれで終わらない。原油液化天然ガス(LNG)は長期的に上昇傾向にあるからです。いまは1バーレル=100ドル程度の原油も、戦争の長期化で150ドルに近づくことが懸念されています』(経済産業研究所コンサルティングフェローの籐和彦氏)
 ウクライナ戦争前、世界は地球温暖化対策のための『脱炭素』一色だった。将来的に化石燃料の使用が減少するなかで、原油や石炭、LNGをすぐに増産する資源国はほとんどない。化石燃料の供給が増えないのに、ウクライナ戦争の影響で需要は急増しているのだから、エネルギー価格が上がるのは当たり前だ。
 『原油が1バレル=150ドル、為替が1ドル=150円になれば、電気料金のさらなる値上げは確実です。……
 公共交通機関の値上げも始まります。山手線の初乗り運賃は140円ですが、これが200円になり、現在は約1万4,000円の東京から新大阪までの新幹線代が2万円台になったりすることもありえます』(藤氏)
 世界中に買い叩かれる
 日本人にとって物価が高くなっても、外国人にとって円安の日本はただの『物価が安い国』だ。
 『今後は日本の不動産、たとえば住環境のいい都内の一等地の物件や、北海道のニセコなどの有名リゾートのスキー場などは世界中の投資家がバンバン買っていくでしょう。高度な技術を持つ中小企業なども簡単に買収されるようになって、企業防衛もできなくなる。今回の円安は限度を超えており、日本経済の衰退を加速させる』(慶應義塾大学ビジネススクール准教授の小幡績氏)
 円の大暴落と原油価格の高騰は止まらず、物価が急激に上昇していくにもかかわらず、日本人の収入は増えない──。あまりにも暗い未来予測だが、できることはある。円安とインフレに強い銘柄に投資し、少しでも資産を守ることだ。
 ……」
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 米ドルは、断トツの信用を持った世界市場における基軸通貨である。
 アメリカは、軍事力と経済力そして通貨力で、世界の食糧・物資・エネルギーを支配し、金融・経済、情報・サービス、インターネット、運輸、輸送、その他の各種サービスを動かし、海上・上空・陸上の安全をアメリカ軍が保障している。
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 日本が大国になれない理由は、食糧・物資・エネルギーを自給自足できず必要量を海外市場から米ドル建てで購入し、金融・経済、情報・サービス、インターネット、運輸、輸送、その他の各種サービスをアメリカに頼り、海・空・陸各輸送路の安全をアメリカ軍に依存しているからである。
 つまり、経済大国日本とは中身が空洞の張り子の虎である。
 必要なモノは海外で買えばいい、それが如何に無意味で、他国があてにできない・頼りにならない事がコロナ禍とウクライナ戦争が証明した。
 つまり、先進国の一員だと自惚れていた現代日本人が如何に馬鹿で愚かである事が白日のもとに晒された。
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 現代日本で安心する為に何の根拠もない綺麗事の誤魔化しが流されているが、それは江戸時代に磔獄門で処刑される囚人が馬に乗せられ引き回しの上で刑場につれられていく時に口ずさむ虚勢の「引かれ歌」に似ている。
 つまり現代の日本人は、今そこにある深刻な不都合な現実を見ない、不快になる気に食わない事実から目を逸らし、ウソでも虚構でも実現しなくても安心できる言説を信じ込もうとしている。
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 昔の円安は、人生50年時代の人口爆発で若者が多く老人が少なく、日本国内で生産した優秀なメイド・イン・ジャパンの日本製品を安価で大量に外国へ輸出して外貨を稼いでいた。
 将来は明るく、未来には夢も希望も溢れ、強欲となって高額な土地、家、自動車、その他を無理しても購入した。
 今の円安、今後の円安は、人生100年時代の人口激減で老人が多く若者が少なく、外国の工場で現地人労働者を使って生産した日本製品を海外で売るが、それでも中国・韓国・その他の製品に売り負けしている。
 将来は暗く、未来には夢も希望もないか少なく、低欲で無駄な物は買わないし、買っても数を減らして購入している。
 昔の円安では国内で生産して外国に売る日本製品があったが、今の円安、今後の円安では国内で生産して外国に売る日本製品がない。
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 現代日本には、老いさらばえて昔ほどの競争力も生産性もない。
 経済成長を否定するシニア世代や世界で一番・ナンバーワン・オンリーワンを否定する大人は、本気で若者、子供、孫その先の世代の事など考えていない。
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 コロナ禍で、日本の競争力や技術力が途上国並み・三流国並みに落ちている事が明らかとなり、将来、先進国から脱落する危険性が見えてきた。
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 諸物価高騰と円安の日本が生き残るには、新たな経済成長を目指し、一人一人の生産性を上げ、外国で売れる日本製品(メイド・イン・ジャパン)を作って輸出して外貨を稼ぐしかない。
 経済成長否定論者では、三流国並に衰退した日本を救えないし、貧困化を深める日本人を助けられない。
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 現代の日本人は、国際認識力・英語会話力・金融力・経済力があるとしても、農業神話(稲神話・天皇神話)に基づいた民族的な歴史力・文化力・伝統力・宗教力そして技術力がない。
 その証拠に、「コメはわが国で唯一、自給可能な穀物である」という虚構・ウソを信じている。
 歴史的事実として、米が自給できているのは、現代日本人がコメを食わないからであって、もし日本人が戦前の様にコメを食べる様になれば一気に米不足に陥る。
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 戦後の日本は、アメリカに依存し、アメリカ経済に寄生して生きている。
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 アメリカは大国であったが、日本は小国でどうあがきもがこうとも大国にはなれない。
 リベラル派・革新派そして一部の保守派、左翼・左派・ネットサハ、右翼・右派・ネットウハらによる反米は、分別なき低能な乳幼児のままごと遊びに過ぎない。
 それは、米ポチの保守でも同様である。
 その厳然たる事実を肌身で痛感していたのが、明治から昭和初期までの昔の日本人である。
 その意味で、国際感覚は現代の日本人よりも昔の日本人の方が優れていた。
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 国際通貨は米ドル貨・英ポンド貨・仏フラン貨などで、日本円貨は通用しなかった。
 日本の貿易で重要であったのが、アメリカとイギリスに貯めた在外日本資産であった。
 アメリカ・ウォール街、イギリス・シティー、オランダ・アムステルダムの金融を支配していたのは、ユダヤ系国際金融資本であった。
 そして、世界の食糧・物資・石油などを支配していたのは、アメリカとイギリスの国際資本であった。
 世界戦略からいえば、食糧・物資・石油は最有力な武器であった。
 輸入国家日本の命綱は、輸出産業で稼いだ外貨を貯めた在外日本資産であった。
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