¥13〉─3・A─日本のカイシャは、もうダメだ! 世界ランキング劣後の情けない理由。~No.51 

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 2022年10月16日 YAHOO!JAPANニュース KODANSHA「日本のカイシャは、もうダメだ! 世界ランキング劣後の情けない理由
 世界の動向知らず、意志決定もベタ後れ
 野口 悠紀雄一橋大学名誉教授
 プロフィール
 世界競争力ランキングで、日本企業の地位が惨憺たる状態だ。全体では世界の中間あたりなのだが、項目によっては、なんと世界最低になっている。時価総額でみても、上位100社にはトヨタ1社しか入らない。どうしたらこの状態から脱却できるか?
 「デジタル競争力」で日本は「世界最低」!
スイスのIMD(国際経営開発研究所)が作成する「デジタル競争力のランキング2022年版が9月28日に公表された。
 日本は、63カ国・地域中29位と、昨年より順位が下がった。
 評価項目ごとに日本の順位を見ると、「国際経験」と「企業の俊敏性」とでは、63位。つまり、「世界最下位」だ。
 これを普通の言葉で言えば、「日本企業は世界で何が起きているかをしらず、動きがのろい」ということになる。
 また、「ビッグデータ、アナリティクスの活用」で63位、「デジタル・テクノロジースキル」でも62位だ。これを普通の言葉で言えば、「世界のどの国の人も使えるデジタル技術を、日本人は使えない」ということになる。
 すべての項目で「最低」となっているわけではないが、重要度の高い項目で最低だ。少なくとも、先進国の中で最低であることに間違いない。惨憺たる状態としか言いようがない。
 改めて言うまでもなく、これは、「とんでもないこと」だ。尋常なことではない。非常事態だ。
 日本企業はアフリカやモンゴルの企業と同列
 IMDが公表しているもう一つのランキングである「世界競争力のランキング」の2022年版(6月14日に公表)では、日本の順位は、63カ国・地域のうちで34位だった。
 アジア・太平洋地域で見ると、14カ国・地域中10位で、マレーシアやタイより順位が低い。
 このランキングは、「経済状況」、「政府の効率性」、「ビジネス効率性」、「インフラ」という4つの項目について評価を行なっている。そのうちの「ビジネス効率性」において、日本は、世界第51位まで落ち込んでしまった(図表1参照:なお、スペースの制約で、図表1には一部の国しか示していない)。
■図表1 IMDによるランキング(ビジネス効率性)
 資料:IMD
 日本企業は、アフリカの企業やモンゴルの企業とほぼ同列の存在になってしまったのだ!
 「ビジネス効率性」の細分類を見ると、「労働生産性評価」では59位、「企業の効率性に対する評価」では、大企業が62位、中小企業が61位だ。そして、「デジタル化を活用した業績改善」では60位だ。
 「経営プラクティス」の項目では、「企業の意思決定の迅速性」、「変化する市場への認識」、「機会と脅威への素早い対応」、「ビッグデータ分析の意思決定への活用」、「起業家精神」の5項目の全てで、最下位(63位)だ(三菱総合研究所のホームページによる。なお、同研究所は、日本のデータをIMDに提供している)。
 時価総額100位内に、米は62社、日本は1社
 付加価値を生み出す経済活動を行なうのは企業だ。だから、企業がどれだけの競争力を持っているかは、その国の現在と未来の世界における地位を決める。
 上述のようなデータを見ていると、日本企業はもうダメなのではないか、と思えてくる。
 そこで、株式市場がどう評価しているかを見るために、時価総額のランキングを見ることにしよう(以下の数字は、Largest Companies by Market Capによる。なお、時価総額は、2022年10月初めの値。株価の変動に伴い、日々変動する)。
 株価は企業の将来の成長度を反映していると考えられるので、時価総額は、企業の未来を表していると考えてよい。
■図表2 時価総額でトップ100位までに入る企業数
 資料:Largest Companies by Market Cap
 時価総額で上位100社に入る企業数を国別に見ると、図表2のとおりだ。
 アメリカが62社と圧倒的に多い。つぎに中国の12社がくる。イギリス、フランス、オランダなどでは、それぞれ2、3社だ。人口では小国であるアイルランドに2社もあることが注目される(同国の人口は、約500万人。東京都の人口約1400万人の3分の1強)。
 日本企業で世界の上位100社に入るのは、トヨタ自動車だけだ(42位、1883.8億ドル)。
 ドイツには、1社もない。ドイツの時価総額トップは、ソフトウエアサービスのSAPで、世界115位だ。
 これに比べれば日本はマシだが、人口あたりでみれば、日本の上位100社企業数は、韓国や台湾に比べてずっと少ない。それに、時価総額の金額も少ない(韓国トップのサムスン電子は27位・2678.4億ドル、台湾のTSCMは、13位・3641.8 億ドル)。
 日本企業はEVやファブレスへの移行に対応できるか?
 ドイツで時価総額100位以内がなくなったのは、自動車会社が順位を落としたからだ。 これまで フォルクスワーゲンが世界の100位内に入っていたが、いまでは158位だ(768.6億ドル)。メルセデスベンツBMWも順位を落としている。
 こうした変化が起きるのは、今後、EVへの転換が生じることが確実だからだ。
 実際、テスラ(第6位・7491.5億ドル)や中国のBYD(125位・936.3 億ドル)などのEVメーカーの順位が上昇している。テスラの時価総額フォルクスワーゲンの約10倍になっているし、新興の自動車メーカーであるBYDの時価総額が、いまやフォルクスワーゲンを抜いてしまった。
 その反面で、一般に自動車メーカーの順位が下がっている。アメリGM(277位・507.9億ドル)、フォード(279位・502.9億ドル)といった具合だ。伝統的な自動車会社の中で時価総額トップ100に入っているのは、いまやトヨタ自動車だけになってしまった。
 日本の最重要産業は自動車だ。それが、上記のような条件下で、順位を落としている。ホンダ(402位・382.3 億ドル)や日産(1145位・126.8 億ドル)は、今後どうなっていくのだろうか?
 EVへの転換は、事業内容の大幅な転換を伴うので、経営上の決定が難しいと言われる。日本の自動車メーカーがこうした大きな変化に対応しているかどうかが、今後試されることになる。
 「世界で何が起きているかを知らず、動きがのろい」と評価された日本企業にそれができるのかどうか、心配だ。自動車は例外と祈りたいが、そうなるかどうか?
 製造業のファブレス化に対応できない日本
 電機メーカーの時価総額も大きく変動している。ソニー時価総額が大きいが、これは、モノヅクリから脱皮しているからだ。従来タイプの製造業である日立、東芝、などの時価総額は低迷している。
 世界の製造業は、ファブレス(工場なし)に向かっている。時価総額世界1のアップルがその代表だ。
 アメリカには、この他に、NVIDA、QualcommBroadcomMediaTekAMDなど、時価総額が大きいファブレス半導体企業が登場している。
 日本では、キーエンスなどを除くと、ファブレス企業ほとんどない。ここでも、日本企業は変化に対応できていないのだ。
 「世界最低」と評価された経営の決定の遅さから、何とか脱却してほしい。」
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