🧣48〉─1─調査結果「日本の若者は最も不幸」。経済的な豊かさと幸福度がリンクしない。〜No.192 

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 日本を動かしているのは戦後民主主義教育を真面目に受けてきた優秀なおじさんとシニアで、唯我独尊の彼らによって若者と女性や子供は未来を潰されている。
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 2023年2月6日 YAHOO!JAPANニュース 文春オンライン「「日本の若者は最も不幸」という調査結果も…経済的な豊かさと幸福度がリンクしない「逆転現象」の正体は
 一見不便で給与水準も低いのに、楽しそうな人が多いマレーシアという東南アジアの国。文筆家・野本響子さんは、家族でクアラルンプールに移住して早10年。ここでは新刊エッセイ『 東南アジア式「まあいっか」で楽に生きる本 』(文藝春秋)を一部抜粋して紹介する。
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 英国の慈善団体が世界20カ国の若者の幸福度調査を行ったところ、1位はインドネシア、日本は最下位という結果に。経済的な豊かさと幸福度が結びつかない「逆転現象」の正体とは?(全2回の1回目/ 後編 を読む )
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 2020年1月5日、マレーシアの英字新聞「ザ・スター」に、モナシュ大学で行われた「幸せの秘訣は何か、愛と意味のある関係性」という調査報告の記事が掲載されました。
 この調査でも、マレーシア人の67%が自分を「幸福だ」と感じ、回答者の90%が「家族が非常に大事だ」と答えています。面白いのは、収入が低い人の方が幸福を感じる割合が高かったことです。人間関係を重視する点でハーバード大学の研究の調査結果と一致しています。
 英国の慈善団体であるバーキー財団(Varkey Foundation)が世界20カ国の15~21歳の若者2万人を対象に行った2017年の幸福度調査では、(この調査対象には発展途上国を入れており、ユニセフなどが行っている調査とはまたひと味違った結果になっています)1位のインドネシアの若者の幸福度は90%。
 日本の若者は、韓国と並んで「最も不幸」
 ©AFLO
 この調査が興味深いのは、「先進国より発展途上国の若者の方が幸福度は高い」ということです。
 ヨーロッパの若者は世界平均と同じような幸福レベル。
 18位のトルコでは、50%が「大体幸せ」と答えています。
 そして日本の若者は、韓国と並んで「最も不幸」でした。韓国はガクッと落ちて29%、日本は最下位で28%とかなり低いです。
 今の生活に「満足している(40%)」または「非常に満足している(5%)」と答えた日本の若者は全体の半数未満。韓国以外のどの国の若者よりも「自分が不幸である」と考える若者が多かったのです。
 しかし、驚くのは日本の若者が「日本は住むのに良い場所だ」と答えていることでした。「日本はいい国だ」と信じているからこそ、絶望感がますます深まってしまうのではないでしょうか。
 経済的に豊かである国が必ずしも幸福とリンクしているわけではありません。GDPや安全度、健康寿命などを考慮に入れないこちらの幸福度調査の方が、海外に住む自分の実感に近い。この結果が、私がマレーシアに住むようになって感じている「謎の逆転現象の正体」です。
 「謎の逆転現象」の正体は?
 なぜ日本の若者は「自分が不幸」だと感じてしまうのでしょうか。

 多少衰えたとはいえ、日本はアジアの中でも先進国であり、世界有数の経済大国です。国民皆保険があり、生活保護制度もある。治安はマレーシアよりずっと良いし、医療体制や公共交通機関も整っていて、物価も比較的安い。なのに日本の若者は、「自分は恵まれていない」「不幸に生まれた」と嘆き、「お金がないから子どもはとても産めません」と言うのです。
 海外駐在員への調査でも、なぜか日本はマレーシアに比べて「住みにくい国」という結果が出ています。
 CNBCが1万2000人の駐在員を対象に57都市を調査した2021年の「住みやすさランキング」。住みやすい都市の第1位は、マレーシアの首都クアラルンプールでした。85%の回答者が「概ね幸せに暮らしている」と答えています。マレーシアには不便なところもたくさんあります。しかし、将来への不安は日本人ほど強くなく、「自分の人生は、自分でコントロールできる」と感じている人の割合が多いです。
 一方、東京は53位。最下位に近いです。
 東京の方がクアラルンプールよりはるかに交通網が発達しており、環境が整っていて経済も発展しています。バブルの頃に比べれば物価も下がりました。それでも「住みにくい都市」だとしたら、「住みやすさの決定打」とはなんなのでしょうか。
 「日本人は外国人に親切にしてくれるが…」
 外国人が「住みにくい」と言う理由は、日本での「人間関係の難しさ」のようです。
 この「住みやすさランキング」の調査でいちばん大きく差がついたのが「Get Settled(住み着きやすさ)」でした。1位のクアラルンプールに対し、東京は57位と最下位です。
 あるアメリカ人は、「日本人は外国人に親切にしてくれるが、自分たちのコミュニティの一員として絶対に受け入れてくれない」と回答しています。これは田舎ではなく、東京の話です。
 外国人は家もなかなか借りられないようです。私がマレーシア人や香港人を家に泊めると言うと、「大丈夫? ちゃんとした人なの?」と心配する人がいました。
 言われてみると、日本人でもコミュニティに溶け込むことはそう簡単ではありません。田舎暮らしで仲間外れになったり、転校生や途中入社組が馴染めなかったり、「公園デビュー」がうまくいかないなどという話を聞きます。「3代住まないと仲間とは認めない」と言われた地域もあったようです。
 このようにグループの外の人を「敵」と見なし警戒する傾向があるのではないでしょうか。
 アジア人を見る際の「色眼鏡」
 シンガポールの故リー・クアンユー元首相は2000年に書いた『目覚めよ日本 リー・クアンユー21の提言』で、日本人の性質を指摘しています。
 〈《私は日本に留学したシンガポールの多くの学生に、日本の印象について調査を依頼したことがあります。「学ぶことがたくさんあった」と答えた学生がほとんどでしたが、「日本が好きになったか」という問いに対してイエスと答えた学生はわずかしかいませんでした。さらに「日本が大好きになった」という学生はほんの一握りでした。とくにアジア人として、まともに歓迎してもらえなかったという意識があるのかもしれません。というのも、日本人はいつも色眼鏡を通してアジア人を見るからです。
 私はイギリスに4年いましたが、人種差別を受けたのは下層階級の人たちからでした。バスの車掌やウエイトレスらにはよく馬鹿にされたものです。でも、大学時代の恩師や学友は私に対してとても親切で対等につきあってくれました。(中略)いまは2000年ですが、ある点において日本人はいまだに50年以上も前のイギリス人よりも排他的に思われます。》〉
 20年経った今もあまり変わっていないと思います。そして、別に外国人に対してだけではなく、日本人同士でも同様です。
 経済的な豊かさと幸福度は結びつかない?
 逆に、マレーシアでは、「初対面の人とすぐ友だちになれるお国柄」と言われます。
 先の駐在員を対象とした「住みやすさランキング」の調査でも、回答者の3分の2が「新しい友だちを作るのは簡単」、7割以上が「社会生活に満足している」と答えています。スイスのある駐在員は、「素敵な人が住んでいる、とてもインターナショナルな街」と表現し、インドのある駐在員は「友だちを作るのは難しくない」と回答しています。
 「経済的な豊かさと幸福度が結びつかない」というこの「謎の逆転現象」。
 日本と東南アジアの人びととの思考の違いはなんなのだろう。このことを、私は初めてマレーシアに来たときからずっと考え続けています。
「日本にいた頃はよく『怒られて』いましたが…」海外移住して初めて気づいた「謝罪の儀式」の“不毛さ”とは へ続く
 野本 響子/ノンフィクション出版
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