🌁66〉─1─移民大国日本が忘れたな「都会で身を守る原理原則=人を見たら泥棒と思え」。~No.315No.316No.317 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 移民大国日本の生き方は、民族的な性善説ではなく世界的な性悪説で、顔見知りであっても人は他人として信用せず、冷たくあしらう事である。
   ・   ・   ・   
 2023年5月25日 MicrosoftStartニュース プレジデントオンライン「街中で声をかけられても徹底的に無視せよ…日本人が忘れがちな「都会で身を守る原理原則」とは
 中川 淳一郎
 秋葉原駅前で街頭演説をする立花孝志氏(写真=Noukei314/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons)
 © PRESIDENT Online
 ガーシー氏の姿からにじむ「諸行無常
 現在、UAEのドバイで「逃亡生活」をしている前国会議員のガーシー(東谷義和)容疑者を見ていると、少しだけ「気の毒だな」と思ってしまうことがある。
 別にガーシー氏を擁護する気などさらさらない。著名人のプライバシーを暴露したり、名誉を毀損(きそん)したり、国会に登院しなかったり、旅券返納命令に対して「なくした」と往生際悪く振る舞ったり……といった所業は、単純に無様で、不誠実である。あげく「自分の母親や家族は関係ない。何もしないでくれ!」などと涙ながらにお願いするダブスタぶりには「どの口が言うか」と感じた人も多いだろう。私もそうだ。
 しかしながら「人間がどれほど利己的で、テキトーな生き物か」という視点で冷静に俯瞰(ふかん)してみると、ガーシー氏を巡る出来事から気づかされることも少なくない。「人間の性」「業」「諸行無常」といったものを一般論として感じる。だから「気の毒」なのだ。
 ガーシー氏が絶好調でメディアの寵児となった頃、同氏には大勢の人が寄ってきた。ところが、逮捕状が出され、国会議員でもなくなり「容疑者」「ただの人」となったことから、現在は擦り寄ってきた人々の大多数がガーシー氏から距離を置いている。ハシゴを外された姿は、実に哀れだ。
 「いきなり声をかけてくる人」について考える
 最大のハシゴ外しは、旧NHK党の立花孝志氏の動きだろう。立花氏は耳目を集めていたガーシー氏に接近して口説き参院選に出馬させた。立花氏は「当選したら政党助成金から3億円をガーシー氏に支払う」とも約束していたらしい。完全に「どっちもどっち」案件ではあるものの、ガーシー氏の立場が急激に危うくなるなか、立花氏は党員を守るような姿勢を見せず、「ガーシーの除名は痛くもかゆくもない」と自身のYouTubeチャンネルで述べていた。
 そりゃそうだ。ガーシー氏が除名処分になっても、斉藤健一郎副党首(当時)を繰り上げで参議院に送り込めたわけだから。この冷淡なやり口にガーシー氏は「あんた、『帰国せんでいい』って俺に言ったやんか。論点をすり替えないでほしい」と恨みタラタラ。
 「仲がよい」という触れ込みだったバンドマン、UVERworldのTAKUYAやONE OK ROCKのTakaもガーシー氏の立場が危うくなった途端、だんまりである。ガーシー氏とのトークでアクセス数を稼ぎたいとYouTubeでコラボした芸能人やYouTuberも、関係を「なかったこと」にしている。また、同氏の発言でコタツ記事を量産したウェブメディアも、「ガーシー砲」などとさんざん持ち上げていたが、いまやただの「お騒がせ男」「倫理観のない男」「往生際の悪い男」として消費しているだけで、いよいよPVが稼げなくなったらあっさりと見捨てることだろう。
 私は本稿で「それまで特に仲がよかったわけでもないのに、唐突に近づいてくる人」「いきなり声をかけてくる人」について考察していこうと思う。そうした人はなぜ、誰かに声をかけ、相手に何らかのアクションを取らせようとするのか。ガーシー氏の件からは、人間のこの行為についてさまざまな示唆を読み解くことができる。ただ、一般人の実生活とかけ離れ過ぎている面もあるので、まずは私が最近体験した「声をかけられた件」について振り返ってみよう。
 バンコクの街中で財布から現金を抜き取られる
 私は2023年2月初旬から5月初旬まで日本を離れ、タイやラオスで生活した。その際、バンコクの街中でカネをスラれてしまったのである。「自分は海外慣れしているから大丈夫」という慢心があったのは間違いない。
 手口としては古典的なものだ。「あなたの国に近々行く予定なので、紙幣を見せてもらえないか」などと紳士風の男あたりが声をかけてくる。そこで1000円札を財布から出すと「もっと高額の紙幣もあるだろ。ほら、私はこのように金持ちだ」と相手は100ドル札の束を見せて、「大丈夫、取るわけではないから安心しろ」という雰囲気を伝えてくる(実際は、束の一番上のみが本物の100ドル札なのだろう)。
 たとえばそこで、財布のなかにあった1万円札を渡したとしよう。その際、仮に3万円あったとしたら、1万円をサッと抜き取っていくのだ。ほとんどの場合、それに気づかぬまま財布に札を戻し、「バーイ」などとにこやかに別れることになる。そうして後になってから、「おかしいな。確か財布のなかに3万円あったはず」「もしかして、あのとき!」とようやく気づく……そんな手口だ。手品師のごとき技で高額紙幣を盗んでいくのだから、たまったものではない。
 巧みな手口にまんまとダマされた
 私の場合、「さっき両替したから日本円は持っていない」と正直に答えたところ、「本当か? 財布を見せてくれ」と促され、ご丁寧にも財布を出してしまった。すると、相手の男はいきなり財布から札を抜き取り、こちらが唖然としているうちに「確かにないな」とカネを戻された。結果的には、このとき財布のなかにあった1000バーツ札(およそ3900円)15枚のうち、7枚を抜かれてしまった。
 この男は“ドバイの金持ち”という設定で、隣には妻だという美しい女性と2人の女の子がいた。女性は私の連れを「目がきれいだ」と大いに褒めそやし、「写真を撮らせてほしい」などと盛り上げる。要するに注意を分散させ、私の注意も男ではなくそちらに向けさせたのだ。「ドバイの富豪」「幸せそうな家族連れ」「親日家」という3つがそろったため、完全にダマされてしまった。もっとも「お前、いまカネを抜き取ってないか?」と指摘しても、巧みな指技でどこかに隠し、「証拠がない」で泣き寝入りせざるを得なかったに違いない。しかも厄介なことに、1000バーツ札と100バーツ札の色が似ているので、受け取った際には札が減ったことに気がつかなかった。
 「声をかけられる側」にメリットはない
 そんなこともあり、私は改めて気を引き締めたわけだが、ここでいま一度、普段の暮らしでも、ビジネスでも、当たり前の鉄則を守らねば、ということを強調しておきたい。それは以下のとおりだ。
 いきなり声をかけてくる側は、自分にメリットがあるからこちらに近づいてくる。
 完全なる善意などあり得ない。
 そして声をかけられる側には、メリットがほぼない
 こんなシンプルな定理が、なぜ今回は頭から抜けていたのか。まぁ、2万8000円程度の損失、致命的ではないし、授業料だと捉えておこう。今後はもう、ホイホイと相手のペースに乗せられないようにする。
 この「声をかける」のもっともわかりやすい例は客引きだ。「ぼったくりバー」の場合、勝手にフルーツ盛り合わせを注文されたりして、会計時に47万円を請求されたりする。これはわかりやすい「ぼったくり」だが、一時期、新宿・歌舞伎町の「ぼったくり居酒屋」も話題になった。
 ぼったくり居酒屋についてはネットに多数の報告があるが、たとえば「飲み放題で一人1500円。5人で7500円ですよ!」などと客引きが声をかけてくる。そして店に案内されると「お一人様につき、必ず料理を一品以上注文してください」と告げられ、さらに会計の段になって「席料」などが追加されることが発覚。結局、5人で2万6000円になった……といったことも個人ブログなどで報告されている。
 この手のぼったくりについては、YouTuberが突撃動画を公開し、アクセスを稼いだりもしている。私もそうした動画を見たことがあるが、「お通し代」「サービス料」に始まり、「週末料」「深夜サービス料」「個室料金」「席料」など、さまざまな料金が加算されていくらしい。果ては「歌舞伎町料金」という謎項目まで登場。なんじゃそりゃ⁉ 「歌舞伎町は家賃が高いので、そこんところ、許してちょんまげ」ってことか? だったら「銀座価格」「六本木価格」「木屋町通り価格」もあっていいだろうが。実にバカげている。
 「ぼったくり店」にダマされるな
 結局、ぼったくりに遭遇する起点となっているのは「街角でいきなり声をかけてきた客引き」である。ぼったくり店であることを承知で突撃しているYouTuberはさておき、一般客の場合、客引きの口車に乗せられて、ついていったらシャレにならない状況に陥る可能性がある。店の人間に話してもラチがあかないし、警察を呼んでも「民事不介入の原則」があるため頼りにならない。相手にダメージを与えたくても、せいぜいネットのレビュー欄に「ぼったくり店」とクチコミ情報を書き込んだり、最低評価をつけたりなど、ささやかな復讐(ふくしゅう)をする程度が関の山だろう。
 しかし、対策を講じたり、心構えしたりすることはできる。そもそも東京という街には無数に飲食店があり、ファンがたくさん付いた良店も数多く存在している。つまり「わざわざ声をかけないと客が入らない」ような店は最初から疑ってかかるべきなのである。少なくとも、警戒心だけは持っておくほうがいい。どうせ彼らの大半は、その場限りの客をダマし、また次のカモを見つけては、ダマす……という刹那的なビジネスモデルを実践しているだけなのだ。「声をかける側」にのみメリットがあるから、しつこく客引き行為をするのである。いい店であれば営業電話をかけたり、店の前で「席、空いてますよー!」などと喧伝したりせずとも、客は勝手にリピートするものだ。
 業者が営業電話をかけてくる理由
 会社員時代、職場にマンション投資の営業電話がやたらと来ていた。あれは間違いなく、社員名簿を手に入れた業者がいたのだ。そこそこ給料が高く、見栄っ張りも多い広告代理店の社員名簿は、マンション投資関連業者からすれば宝の山だったことだろう。会社名も年収も大体把握されているだけに「お客さまほどの収入がある、ステータスの高い方はぜひ、このマンションを!」「放置しておくだけで家賃収入ガッポガッポですよ!」などと、甘言をチラつかせていた。
 私のような若手(27歳で会社は辞めた)には営業電話は来なかったが、ある程度の年次を重ねた先輩にはこの手の電話が頻繁にかかってきていた。実際に買った人がいたのかどうかは知らないが、業者が性懲りもなく電話営業をかけまくる理由は、基本的には「【1】とにかく電話件数の最低ノルマがある」「【2】成約数に応じたインセンティブがある」ということだ。
 通販も同様だ。広告を見て一度でも発注してしまうと、後日「先だっては鰻の詰め合わせをご購入いただき、ありがとうございます! 今日は別のお得な商品をご案内させてください!」なんて調子で、シャトーブリアン(最上級の牛ヒレ肉)だの、カニだの、次々に売り込みをかけてくる。こちらが「いらない」と返せば、「あの鰻もまだキャンペーン中です!」と前回買ったものを再び売り込む。すべては自分自身の成績のためである。
 「声かけ」する側は、こちらの都合なんて考えない
 ぼったくり居酒屋の客引きもそうだし、この手の電話営業マンも然りだが、彼らは日々の生活のため、どうにかしてカモを捕まえたくて仕方がないのだ。そのカモがサービスや商品に満足するかはさておき、刹那的に客を「ATM」扱いして、なんとしても自身にとってメリットがある方向に誘導しようとする。
 もっと言うと、銀行など金融機関も同じである。ある程度まとまった額の貯金があると、やたらと営業電話をかけてくる。「REIT不動産投資信託)を買いませんか?」「外貨建ての投資信託、非常にオススメです」「資産を普通預金に置いておくだけなんて、もったいないですよ!」などとあおり立て、「すぐにでもお宅へうかがいます!」「いつでも構いません。なんなら、今日これからでも」なんて畳みかけてくる。さらに「今日こそ絶対に契約を決めなくては!」といった勝負日となれば、「上司も連れていきます!」と気合いを入れてくる。こちらが首を縦に振らなくても、上司の前で「頑張っているオレ」をアピールできればよいのだ。そのプレイに付き合わされる高額預金者の都合なんて、考えてもいない。
 引っ越しの見積もりサイトに登録してみたら…
 “数打ちゃ当たる”でひとつでも成約できれば、利益の多寡はさておき、「一件、決めた」ということだけで、この行員はホッと一息つける。そうして契約が取れてしまえば、後はその投資商品の価値が上がろうが、下がろうが、どうでもいい。この行員にとっては「成約した事実」と「それに伴う手数料収入の確保」だけが大事なのだ。
 あとは時折、顧客ケアをしているテイの電話をかけ、「いまは円安が進行中ですからね~。ここは、こらえどきですよ」などと、新型コロナウイルス対策における専門家(なんで未知の新型ウイルスなのに専門家がいたのか知らんが)みたいなことをのたまい、その場しのぎをする。決して顧客のことなど考えていない。考えているのは自己保身だけである。
 そういえば以前、引っ越しの見積もりを取った際にもとんでもない目に遭った。昨今、引っ越しをするにあたっては、見積もりサイトを利用するケースも多いだろう。サイトのフォームに条件を入力するだけで、複数の引っ越し業者から同時に見積もりが取れる仕組みは、一見、便利である。「あとは、メールで送られてきた見積もりを比べて、いちばん条件のいい一社を選べばいいか」と、私も高をくくっていた。すべてネットだけで完結すると考えていたが、甘かった。
 鳴りやまない営業電話に嫌気がさす
 見積もりサイトで入力を終えた、わずか数分後。突然、電話がジャンジャン鳴り出した。「ぜひわが社にご用命ください!」という営業電話だ。初日だけでも20件以上の着信があった。
 「まだ依頼先は決めていない」「もう少し検討したい」と言えば、翌日以降も電話がかかり続け、「もう決めた」と伝えても「もっと勉強します!」「上司と相談のうえで、かけ直します!」と粘られる。結局、1週間ほどのあいだに、引っ越し業者からおよそ100件の電話が来た。業者からすれば、私は「ぼったくり店が多数存在する通りに『声をかけてください!』というプラカードを掲げて、ノンキにやって来た素人」に映ったことだろう。
 どいつもこいつも怪しいため、最終的には以前引っ越しを依頼したことがある大手業者に発注した。次に引っ越しすることがあれば、もうこの手のサイトは絶対に利用しない。もしかしたら数万円程度安くあがる場合もあるのかもしれないが、ひとたび登録してしまうと1週間は電話で追い立てられる。その不快さを回避するほうが、自分にとっては重要である。
 ナンパも美人局も「声かけ」から始まる
 ビジネスだけなく、ナンパや美人局も「声をかける」ところから始まる。男がなぜナンパをするかといえば、女性と手っ取り早く仲良くなりたい――端的には、タダで性行為ができる相手を見つけたいだけだ。
 美人局についても、男のスケベ心に付け込んだ「声をかける」行為である。ここでダマされないために重要になるのが、「オレみたいな魅力のない男、女性から声をかけられるわけがない」と冷静に現実を見る姿勢である。「何かおかしい。カネをむしり取ろうとしているのでは?」「裏があるはず」と、猜疑心のカタマリになるほうが安全だ。
 AVやアダルトコミックの世界では、痴女が登場して「あなたは魅力的ね。一目惚れしちゃった。私と性行為してみない?」などと誘ってくるストーリーが描かれたりもするが、あれはあくまでファンタジー。男の妄想を映像化しただけで、現実世界ではあり得ない(まぁ、あなたが著名な俳優やミュージシャン、アスリートならば話は別だが)。
 これまでモテなかった人間が、急にモテるようになるわけがない
スケベ心に付け込む、ということではハニートラップも然りである。過去には日本の外交官やビジネスマンなどがハニートラップにひっかかった事例もあると聞く。これらもスパイがスケベな男から情報を得たり、弱みを握ってスパイ行為に加担させたりするために声をかけているわけだ。相手は自分にメリットがあるから声をかけている、という真理を忘れなければ、「いままでモテことのない俺が、いきなりモテるわけがない。何か目的があるのか?」と警戒レベルを上げることくらいはできるはずだ。
 街角で「自分は手相の勉強をしています。勉強のため、あなたの手相を見せてください」「あなたの健康と幸せを祈らせてください」などと声をかけてくる人もいる。これらは新興宗教の勧誘であることが多いので気をつけたい。ハマってしまうと、今度はハメられた者が「声をかける」側へと転身することなる。
 「声をかけてくる」人間を安易に信じるな
 ここまで「声をかける/かけられる」の例をいろいろ見てきたが、改めて肝に銘じておきたいのは以下の項目だ。
【1】いきなり声をかけてくる人間は、善意で近寄ってくるワケがない。そいつにとってメリットがあるだけ。
【2】「声をかける」という行為はある程度のガッツがあればできる。失うものは極めて少ない。せいぜい無視されたり、煙たがられたりする程度のデメリットしかない。対して「声をかけられる」側はさまざまなリスクや面倒ごとを勘案しなければならないので、デメリットが多い。“ほぼノーリスク”対“ハイリスク”の非対称な関係性なのだから、回避するに限る。
【3】よく知らない相手から声をかけられたら、ダマされるか、むしり取られると疑心暗鬼になるくらいでいい。ある程度親しい相手であっても「あれ? 妙なことを言い出したぞ」「なんか違和感があるな」と思ったときには、警戒レベルを高めて、距離を置こう。
【4】「自分なんて、わざわざ声をかける価値もなく、大して魅力のない“普通の人”である」と謙虚になるべし。
【5】世の中に「おいしい話」は存在しない。
 これらの大原則を守ることが、あなたの身を守ることにつながる。特に、進学や就職で都会に出てきた人は注意してほしい。新生活を満喫しているだろうが、浮かれた気分でいると、あなたをカモにしようとするやからから声をかけられ、とんでもない思いをするかもしれない。「声をかけられても、無視」を徹底すべきである。「荷物を持ってあげましょうか」「撮影してあげましょうか」なども、まずは疑ってかかったほうがいい。
 あなたが誠実に暮らしていれば、次第に周囲にも誠実な人が集まってくる。そうして時間をかけながら関係性を深めていく。相手を信用するのは、それからでも遅くない。また、信頼できる人がまわりにいてくれれば、判断に困ったときに相談もできるだろう。
 いずれにせよ、「声をかけてくる」相手を安易に信じることだけは、絶対に避けなければならない。
【まとめ】今回の「俺がもっとも言いたいこと」
・「よく知らない人からいきなり声をかけられる」ことはあるが、無視して構わない。
・「声をかけてくる人間」は、自分にメリットがあるから声をかけてくる。安易に信用してはならない。こちらにはデメリットやリスクが多分にある。
・「100%の善意」なんてものは存在しない。であれば、よくわからない相手のことは、安易に信用するべきではない。

                    • 中川 淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう) ライター 1973年東京都生まれ。1997年一橋大学商学部卒業後、博報堂入社。博報堂ではCC局(現PR戦略局)に配属され、企業のPR業務に携わる。2001年に退社後、雑誌ライターや『TVブロス』編集者などを経て、2006年よりさまざまなネットニュース媒体で編集業務に従事。並行してPRプランナーとしても活躍。2020年8月31日に「セミリタイア」を宣言し、ネットニュース編集およびPRプランニングの第一線から退く。以来、著述を中心にマイペースで活動中。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットは基本、クソメディア』『電通博報堂は何をしているのか』『恥ずかしい人たち』など多数。 ----------

   ・   ・   ・   

⛲45〉─3・R─「おひとりさま女性の満足度」男性より高めに。その懐事情とは。~No.259 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年4月29日 MicrosoftStartニュース LIMO「「おひとりさま女性の満足度」男性より高めに。その懐事情とは
 LIMO | くらしとお金の経済メディア
 © LIMO | くらしとお金の経済メディア
 おひとりさま女性にとって社会における居心地が時代とともによくなっていると見受けられるでしょう。
 このことは、テレビドラマにもよく表れています。
 約10年前に放送された『結婚しない』(2012)には、「結婚に幸せを求める」田中千春(菅野美穂)と「単身女性としての幸せを掴んでいる」桐島春子(天海祐希)が登場します。
 このドラマでは「結婚しない幸せのかたちもあること」が視聴者への大きなメッセージとなっています。
 しかし、登場人物の多くは「結婚することが当たり前」といった価値観を持っている他、千春を通しておひとりさま女性の社会における生きにくさや肩身の狭さ、疎外感なども伝えられています。
 『結婚しない』の放送から約10年経ち、『ソロ活女子のススメ』が今春にシリーズ3を迎えました。
 第一話(4月5日放送)では、五月女恵(江口のりこ)は誕生日にひとりで東京湾クルーズを楽しんでいます。
 このドラマは恵のソロ活だけでなく、彼女のソロ活に対する周囲のあたたかな眼差しも見どころとなっています。
 本記事では、現代のおひとりさま女性の満足度や子なし女性の幸福度などを確認した上で、おひとりさまの懐事情についても見ていきましょう。
 おひとりさま女性全体の「満足度」は6割以上
ジブラルタ生命保険株式会社は「おひとりさまに関する調査2022」で、全国の20歳〜69歳の未婚男女4700名を対象にした、おひとりさまの満足度についての調査結果を公表しています(2022年12月22日公表)。
 出所:ジブラルタ生命保険株式会社「おひとりさまに関する調査2022」
 © LIMO | くらしとお金の経済メディア
 おひとりさまの現在の生活への満足度は全体で半数を超えています。
 年代別に見ると、特に女性は男性よりも現在の生活への満足度が高いという結果になりました。「非常に満足している」・「どちらかといえば満足している」と回答した人は、女性の全年代で半数を超えています。
 一方、「全く満足していない」と答えた女性は40代、50代でやや高いものの、全体的に見ると低いといえるでしょう。
 そして、興味深いことに、現在の生活に満足しているおひとりさま女性が多い年代は20代(63.4%)についで60代(60.0%)となっています。
 さまざまな要因が考えられますが、40代や50代までは結婚などについて迷いがあっても、60代になると自分らしい生き方を見付けられたという女性も少なくないのかもしれませんね。
 女性の幸福度の高さは子どもの有無に関係しない?
 女性にとって子どもを授かることは幸せの一つであることは今も昔も変わりません。
 しかし、最近の研究では子どもがいることが幸せに直結するとは限らないというデータも出てきています。
 既婚女性を対象にした調査結果となりますが、慶應義塾大学 パネルデータ設計・解析センター ディスカッション・ペーパー 佐藤一磨「子どもの有無による幸福度の差は 2000~2018 年に拡大したのか」の中から、「子どもの有無別の幸福度の推移(有配偶女性)」を見てみましょう。
 出所:慶應義塾大学 パネルデータ設計・解析センター ディスカッション・ペーパー 佐藤一磨「子どもの有無による幸福度の差は 2000~2018 年に拡大したのか」
 © LIMO | くらしとお金の経済メディア
 上記のグラフでは2003年と2017年を除き、「子どもあり」よりも「子どもなし」の幸福度が高くなっています。
 子どもをもつことで我が子の成長を見守ったり、我が子がいるからこそできるレジャーを楽しんだりできます。
 一方で、生活が子ども優先になったり、養育費などがかさんだりと、大変な側面があることも否定できないでしょう。
 おひとりさま女性の懐事情とは
 生活していく上で見落とせない問題の一つとして「お金」が挙げられます。
 おひとりさまの女性に対して「自分のためだけにお金を使えて羨ましい」という見方も一部からありますが、おひとりさまの懐事情の現実はどのようなものでしょうか。
 以下、おひとりさま女性の「貯蓄額」と「年金」について見ていきましょう。
 おひとりさまの貯蓄額
 金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」を元に、おひとりさまの平均貯蓄額を年代別にをまとめてみました。
・20歳代 176万円
・30歳代 494万円
・40歳代 657万円
・50歳代 1048万円
・60歳代 1388万円
・70歳代 1433万円
 出所:金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
 ※上記のデータには女性だけでなく、男性も含まれています。
 50歳代以上においても「老後資金2000万円問題」をクリアできていない点は心もとないものの、年齢に応じて平均貯蓄額も増えています。
 おひとりさまの年金
 厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を元に、女性の年金月額をまとめてみました。
・女性の厚生年金月額の平均 10万4686円
・女性の国民年金月額の平均 5万4346円
 出所:厚生労働省年金局「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」
 厚生年金、国民年金のいずれにおいても、年金だけでは月々の家計のやりくりが厳しい金額となっています。
 毎月10万円の年金を受給できたとしても、月々の家賃が発生する賃貸物件で年金のみで生活するのは大変かもしれません。
 おひとりさま女性の生活のまとめ
 © LIMO | くらしとお金の経済メディア
 女性の社会進出や社会におけるおひとりさまに対する寛容さの高まりによって、現代の女性たちは性格や好みに合った生き方を選択しやすくなりました。
 ジブラルタ生命保険株式会社調べ「おひとりさまに関する調査2022」によると、おひとりさま女性が「普段、楽しんでいること」でもっとも多い回答を集めたのが「テレビ・動画」でした。
 お金をあまりかけずとも自宅でゆったりと楽しまれている女性が多いと見受けられます。
 また、おひとりさまを対象にした「ツアー」を販売する旅行会社も珍しくないように、おひとりさま女性の中で「旅行」も人気です。
 一方で、おひとりさま女性の懐事情については、少し不安が残る部分もあります。
 老後の生活について早くから計画を立てていくといいでしょう。
 参考資料
・TV東京・BSテレ東「【水ドラ25】ソロ活女子のススメ3」
ジブラルタ生命保険株式会社調べ「おひとりさまに関する調査2022」
慶應義塾大学 パネルデータ設計・解析センター ディスカッション・ペーパー 佐藤一磨「子どもの有無による幸福度の差は 2000~2018 年に拡大したのか」
金融広報中央委員会「家計の金融行動に関する世論調査[単身世帯調査] 令和4年調査結果」
厚生労働省「令和3年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(2022年12月)」
   ・   ・   ・   

⛲3〉─3─夫が死んだら離婚する…じつは日本で「死後離婚」が増えていた。~No.15No.16No.17 ② 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年5月20日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「夫が死んだら離婚する…じつは日本で「死後離婚」が増えていた「納得の理由」 いったいなにが起きたのか
 現代新書編集部
 いま日本はどんな国なのか?
 私たちはどんな時代を生きているのか?
 日本という国や日本人の謎や難題に迫る新書『日本の死角』が話題になっている。
 意外と知らなかった論点・視点の数々とは――。
 日本人は「日本のこと」について深く知らないという「意外すぎる現実」 日本はどんな国か、いまはどんな時代か
 © 現代ビジネス
 「死後離婚」という現象
 近年、「死後離婚」という現象が顕著になってきている。
 この15年ほどの「姻族関係終了届」の件数を見てみると、毎年2000〜4000件の「死後離婚」が確認される。
 〈法務省の統計によれば、2006年度の届出件数は1854件で、それが10年後の2016年度には4032件と、約2.2倍にも増えた。
 実は2015年度までが2000件台で、続く2016、2017、2018年度の3年間は、3000件台を飛び越えて4000件台に跳ね上がった。
 しかしその後2019、2020年度は3000件台に、2021年度現在は2934件と、下がる傾向を見せている。〉(『日本の死角』より)
 いったいなにが起きているのだろうか?
 なぜ「死後離婚」が増えたのか
 それは家族をめぐる意識の変化、そしてマスコミの力だった。
 〈核家族化によって、結婚した子どものほとんどが親と同居しない現代、明治民法時代と違って、法的にも結婚すれば親子は別の家族となる。
 したがって配偶者が亡くなってしまえば、その親との関係性は希薄である。現代社会では、このような家族関係意識が定着している。〉(『日本の死角』より)
 〈2014年1月に、NHKの人気番組「あさイチ」が「死後離婚」に触れ、夫婦別墓の話を中心にしながらも「姻族関係終了届」にも触れ、2017年には「姻族関係終了届」をテーマに特集を組んでWEB掲載し、2018年に同番組で再度取り上げている。このようにマスコミによく取り上げられるようになって届出件数が急増した。
 2019年度以降2021年度現在が3000件台に減ったのは、マスコミを通じて広まったときに、それまで届出の存在を知らなかった人たちが、知識を得て一気に申請したためではないかと考えられる。〉(『日本の死角』より)
 話題書『日本の死角』では、死後離婚に限らず「夫婦別墓」などの現象についても深く掘り下げている。
 日本人は「日本のこと」について深く知らないという「意外すぎる現実」 日本はどんな国か、いまはどんな時代か
 © 現代ビジネス
   ・   ・   ・   

🚷32〉─4・C─小金持ちの老人と預貯金なし結婚できない貧困若者。分断と格差広がる60歳。~No.144 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年5月20日 MicrosoftStartニュース J-CASTニュース「今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 今年還暦を迎える人の貯蓄額の平均は3454万円! これって多いだろうか、少ないだろうか。
 PGF生命(プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命保険、東京都千代田区)が2023年5月10日、「2023年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」を発表した。
 貯蓄額の平均が3000万円台なのに対し、300万円未満が4割もいる。また、75歳を過ぎても働く続けたい人が7人に1人と、多様な人生観が垣間見える結果となった。
 貯蓄の「分断と格差」広がる、「300万円未満」4割、「2000万円以上」3割
 PGF生命の調査は、今年還暦を迎える1963年生まれの男女2000人(男女1000人ずつ)が対象だ。
 まず、現段階の貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞くと、貯蓄額の平均は3454万円となった。
 「100万円未満」(25.2%)に最も多くの回答が集まったほか、「100~300万円未満」(13.0%)や「500~1000万円未満」(11.8%)、「1000~1500万円未満」(10.1%)、「3000~5000万円未満」(7.6%)、「5000万円~1億円未満」(7.6%)、「1億円以上」(9.7%)などと回答が分散しているのが特徴だ【図表1】。
 今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 (図表1)現段階の貯蓄金額(PGF生命の調査)
 こういったお金に関する統計は、ふつうは中央が山になるカーブを描くものだが、平均額が3454万円というものの、「300万円未満」が約4割の38.2%。一方で、「2000万円以上」が約3割の33.0%と、貯蓄の「分断と格差」が際立つ結果となった。「300万円未満」の貯蓄で老後をどうするのか、心配になる。
 貯蓄額の平均は、2018年の調査(2725万円)から着実な増加傾向が続き、2023年は(3454万円)は昨年から332万円の大幅増加(前年比10.6%増)となり、過去最高に達した。
 PGF生命では、止まらない物価上昇や不安定な社会情勢を受け、貯蓄性向が高まっていると指摘。また、2019年に話題となった「老後2000万円問題」を1つの契機に、将来への備えを意識する人が増えているのではないか、と推測する。
 「老後2000万円問題」とは、2019年に行なわれた金融庁のワーキング・グループの試算によって、現在の年金だけでは、夫65歳以上・妻60歳以上の標準高齢夫婦では、今後30年間で約2000万円の老後資金が不足すると発表されて話題になった。
 また、「『ゆとりのある生活』を送るために必要だと思う生活費(ひと月あたり)」を聞くと、平均27万8929円だった。こちらは、2019年(29万8764円)から3年連続減少していたが、物価高の影響もあってか増加に転じた。
 59歳時点で就労をしている人を対象に、「60歳以降、何歳まで働きたいか」を聞くと、「65歳以降も働きたい」(81.4%)と思う人が8割以上、「70歳以降も働きたい」(39.0%)と思う人が4割近くに達した。
 なかには、75歳以上になっても働きたいという人が13.6%いる。約7人に1人の割合だ【図表2】。この働き続けたいという意欲の強さは、過去の調査に比べて最高だという。
 今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 (図表2)60歳以降、何歳まで働きたいか(PGF生命の調査)
 2021年4月の改正高年齢者雇用安定法の施行によって、事業者には65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会確保努力義務が課せられるようになった。こうした就業機会の確保がしやすくなっていることも、還暦人の現役志向を高めているようだ。
 「生まれ変わっても一緒になりたい」夫の5割OK、妻の3割ノー
今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 還暦祝い(写真はイメージ)
 ところで、還暦まで一緒に人生を歩んだ夫婦の仲も、本音を探るとビミョーであることがわかった。
 配偶者がいる人に「生まれ変わっても、今のパートナーと一緒になりたいか」を聞くと、「一緒になりたい」と「どちらかといえば一緒になりたい」を合計した割合は、男性では5割以上の50.6%、女性では4割以下の37.8%となった。
 一方で、「一緒になりたくない」と「どちらかといえば一緒になりたくない」を合計した割合は、男性では約1割の14.5%、女性では約3割の30.9%と、大きな開きがみられる結果となった【図表3】。
 今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 (図表3)生まれ変わっても今のパートナーと一緒に暮らしたいか(PGF生命の調査)
 つまり、男性では「この妻ともう一度添い遂げたい」と思っている人のほうが多いのに、女性では「もう、まっぴらご免」と辟易している人のほうが多いわけだ。この夫側の一方的な片思い、内心の違いはどこからくるのか。
 「生まれ変わっても、今のパートナーと一緒になりたい」と答えた人にその理由を聞くと、ここでもビミョーな違いが明らかになった。
 男性では「好きだから」「自分にとって唯一無二の人」「かけがえのない存在」「最高の理解者」「一番わかり合えている仲」「運命だと思っている」という理由が上位に並ぶ。これは、かなりアツアツな表現ばかりで、いまだに恋愛感情を持っている印象を受ける。
 一方、女性では「大好きだから」「一緒にいて気持ちが楽」「一緒にいてストレスがない」「自然体でいられる」「一緒にいて、自分らしくいられる」「居心地が良い」という理由が上位に並ぶ。こちらは、恋愛感情の情熱はとっくに終わり、ストレスのない、居心地の良い夫婦関係を重視している印象を受ける。
 男性のほうは、一歩間違うと思い込みになりかねないが、女性のほうは、クールに夫との距離感の良さを味わっている。その違いが、「生まれ変わっても一緒にいたいかどうか」の大きな差に表れているようだ。
 同世代有名人の若さの象徴、男性「唐沢寿明」、女性「今井美樹
 さて、同年代の1963年生まれの有名人についてどう思っているのか。
 「還暦に見えないくらい容姿が若いと思う有名人」を聞くと、激しいアクションも難なくこなす俳優の「唐沢寿明さん」が1位となり、2位に歌手・女優の「今井美樹さん」、3位に女優の「麻生祐未さん」が続いた【図表4】。
 今年還暦の人、平均貯蓄額「3454万円」って多い?少ない? 一方、300万円未満の人も4割! 分断と格差広がる60歳、同世代の憧れは「今井美樹さん」!
 © J-CASTニュース
 (図表4)還暦に見えないくらい若い同世代の有名人(PGF生命の調査)
 男女別にランキングをみると、男性有名人では1位「唐沢寿明さん」、2位にお笑いタレントの「浜田雅功さん」、3位に日本バレーボール協会会長の「川合俊一さん」、女性有名人では1位「今井美樹さん」、2位「麻生祐未さん」、3位に作曲家、女優の「河合奈保子さん」となった。
 「今井美樹さん」は、「自身が影響を受けたと思う同年代の有名人」と「ライフスタイルなどをお手本にしたいと思う同年代の有名人」の両方でも全体のトップに輝いた。自然体の魅力が溢れるところに、男女とも憧れる人が多いようだ。
 調査は2023年3月13日~3月15日、1963年生まれの男女1000人ずつの合計2000人にインターネットを通じてアンケートを行なった。(福田和郎)
   ・   ・   ・   

🚷33〉─3・B─増える70歳以上のシニア破産、人生の終盤に落とし穴。~No.147 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2023年5月17日 MicrosoftStartニュース 東洋経済オンライン「増える70歳以上のシニア破産、身近な転落の経路 現役時は乗り切っても、人生の終盤に落とし穴
 山田 稔
 高齢単独世帯の増加でシニア破産の増加が懸念されている(写真:Komaer/PIXTA
 © 東洋経済オンライン
 日本の総人口は50年後に8700万人と現在の7割に減少し、65歳以上の人口が4割になるーー。
 【グラフ】単独世帯数の推移の予測
 4月に発表された国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の将来推計人口は、あらためて我々に衝撃を与えた。
 社人研から2018年に発表された「日本の世帯数の将来推計」では、今から7年後の2030年に単独世帯が2025万と全体の約4割を占め、75歳以上の単独世帯は500万を突破するとも予測されていた。その推移は以下のグラフの通りだ。
 (※外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)
 増える70歳以上のシニア破産、身近な転落の経路 現役時は乗り切っても、人生の終盤に落とし穴
 © 東洋経済オンライン
 人口の減少に伴い、総世帯数は減少していくが、65歳以上の単独シニア世帯は増え続けていく。2040年には65歳以上の単独シニア世帯が全体の約18%に、65歳以上世帯に占める割合は4割に達する。
 老人ホームなどの施設に入っていない一人暮らしの「独居率」(対象世代人口に対する割合)は、65歳以上では2030年に男性18.2%、女性23.9%、2040年に男性20.8%、女性24.5%へ。こうして「高齢者ソロ社会」に突入していくことになる。
 高齢者単身世帯の増加で懸念されるのが、シニア破産の急増だ。総務省の家計調査(2022年)によると、65歳以上の高齢者単身世帯の実収入は月額13万4915円。税金、社会保険料が1万2356円なので、可処分所得は12万2559円となっている。一方、消費支出は14万3139円だから、不足額は2万580円。年間では約24万7000円の赤字となる。
 収入では社会保障給付(年金など)が12万円余りで9割を占め、事業・内職収入が1707円、仕送り金769円という状況だ。支出でもっとも多いのは食費の3万7485円で全体の4分の1。次いで多いのが意外なことに交際費で1万7893円で12.5%、光熱・水道、交通・通信、教養娯楽がそれぞれ1万4000円程度となっている。
 1日あたり約1200円の食費でまかない、普段は読書や音楽を楽しみ、月に何度かは友人らとの付き合いに興じる。そんなつつましい暮らしぶりが目に浮かぶようだ。
 もっとも、このデータはあくまで平均値である。たとえば住居費が1万2746円となっているが、都会の賃貸住宅に暮らしている場合はその3~4倍はかかる。それだけ毎月の赤字額が増えている可能性がある。いずれにしても、家計データからは資産を取り崩していかなければ暮らしていけないことが数字からもうかがえる。
 60代以上のシニア破産が全体の4分の1を占める
 当然ながら生活が破綻するケースも増えている。日本弁護士連合会(日弁連)の「2020年破産事件及び個人再生事件記録調査」では、60歳代以上の「シニア破産」は全体の4分の1を占めている。このうち60歳代の破産は16.37%。2002年の14.23%から約2%増えただけだが、深刻なのは70歳代以上だ。2.73%から9.35%へと大幅に増加している。
 破産に至った負債の原因(全世代)は、「生活苦・低所得」が25.68%、「病気・医療費」9.70%、「負債の返済(保証以外)」8.53%、「失業・転職」7.32%、「事業資金」6.71%、「生活用品の購入」6.14%など。このほかに「浪費・遊興費」4.73%、「ギャンブル」2.99%と、破産者自身の行動に起因する例もみられる。これらのうち、事業資金以外は引退した高齢者にとっても切実な問題であることは間違いない。
 サラリーマン生活を過ごしてきたシニアには、定年時に退職金という資産が手に入る。厚労省の調査では大卒のモデル退職金額は2563万9000円(令和2年度・調査対象=資本金5億円以上の大企業92社)となっている。従業員300人未満の中小企業は東京都調査で1091万8000円(令和3年・調査対象276社)だった。
 注意すべきは、定年退職後にスタートする年金生活において、退職金が満額残せるとは限らないことだ。筆者の知人のファイナンシャルプランナーがこう指摘する。
 「退職時までに住宅ローンを完済している人がどれだけいるでしょうか。ある大手建設企業の管理職だった方は、3000万円の退職金のうち1200万円は住宅ローンの繰り上げ返済に充て、実質1800万円で年金生活に入りました。この方は大企業で退職金額も恵まれていたからまだいいのですが、中小企業勤務の方が1000万円を住宅ローンの完済に充てれば、残りはほとんどなくなってしまうこともあります。40代以降になって億ションのような高額物件を35年ローンで購入した人たちは、定年時にもローンがかなり残っている点に留意するべきです」
 現役時の感覚で暮らし続けると…
 また、年金生活に突入したにもかかわらず、生活水準を落とせないパターンもよくあるという。週末のゴルフや友人との会食など、現役時代は会社の経費でまかなえたものもあっただろうが、組織を離れればそうはいかない。すべて自腹である。時間ができたからと毎週のようにゴルフや付き合いをしていれば、毎月の「不足額」はどんどん膨らんでいく。毎月の赤字が10万円とすれば年間120万円、10年間では1200万円にもなる。10年後に退職金はどれだけ残っているだろうか。
 定年を迎える段階で住宅ローン以外の借金を抱え込んでいるケースも少なからずある。
 「子どもの教育費やふだんの贅沢な生活のため銀行カードローンなどに手を出していた人、高齢の親の介護が長期化し、家計の資金繰りが苦しく多重債務に陥っていて退職金はその返済に充てざるを得なかった人などがいます。その結果、退職後に住宅ローンが残ってしまったケースがあります。
 また、退職金対象者にはさまざまな誘惑が待ち構えています。マンション投資や株、投資信託、高級車、海外クルーズツアーなどです。これらに資金を回して、結局は大きく目減りさせてしまう人も少なくありません」(前出のファイナンシャルプランナー
 また、定年を機に熟年離婚した人、年金生活の中で伴侶を亡くした人などは、それまでの暮らしから生活環境や経済状況が激変してしまう。精神的にもダメージを受けやすい。先の家計調査データでは、単身シニアの生活は年間約25万円の赤字だから、20年でも500万円。1000万円以上の退職金があれば十分暮らしていけるだろうと思いがちだが、データはあくまで平均値。平均から外れるケースもある。
 施設にいる老親の介護問題、自身の健康問題、住居の修繕費用、自動車の維持費、長引く物価高など経済的な悩みは尽きない。いつ本人が介護を受ける側になるか分からない。一人暮らしの人が介護を必要とする場合、「主たる介護者」の約半数が事業者というデータもある。医療費に自身の介護費用も加われば生活は一気に暗転するかもしれない。
 孤独な単身シニアを狙ったロマンス詐欺やオレオレ詐欺などの被害者となるケース、あるいは孤独感からギャンブル依存に陥ったり、万引きに手を出したりするケースも報告されている。破産にまで至らなくても落とし穴にはまる危険性が常につきまとうということだ。
 孤独な単身生活を避けるには
 ここまで悲観的なシナリオに言及してきたが、単身生活をエンジョイしているシニアがいることも事実だ。都内に住んでいた70代前半の男性は妻を亡くした後、住んでいたマンションを売却して千葉に移り住み、ゴルフや釣り、趣味で始めた菜園の作業に興じている。
 75歳の女性は夫と死別後、地域のボランティア活動に週1回参加しているほか、着付け技能士の資格を活かして結婚式や成人式などで活躍。それなりの収入も得ている。このほかにも、65歳を過ぎてから人と触れ合う仕事をしたいからとコンビニで働き始めたというケースなど、単身ライフをポジティブに過ごしている人も少なくない。短時間のパートや得意分野を活かしたアルバイトで月に5万円、10万円の収入と他人との触れ合いがあれば、生活環境はずいぶんと変わってくる。
 労働力調査総務省=2022年平均)によると、65歳以上の就業者数は19年連続で増加し、912万人もいる。このうち70歳以上が527万人となっている。この20年間で65歳以上は1.9倍に、70歳以上は2.3倍と激増している。働かざるを得ないと言えばそれまでだが、人手不足の業種を中心にシニアが働くことができる環境があることは紛れもない事実。シニア生活のスタート地点に立つ段階で、大きな負債や健康不安を抱えていない限り、ポジティブな生き方に向けた選択肢は確実に広がっている。
 人口減、高齢化が急速に進んでいくなか、ソロ高齢者は確実に増加していく。その時にどんな生き方をするのか。悲観的になるだけでなく、柔軟な発想でとらえ、備えていきたいテーマである。
   ・   ・   ・   

🌅2〉─8・C─名刹解体…突如の墓移設 不動産業者転売 檀家は憤り。〜No.15 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年5月8日 産経新聞「脱法売買-宗教法人法を問う
 ㊦名刹解体…突如の墓移設 不動産業者転売 檀家は憤り
 薬師寺の参道には、かつての境内から移設された墓石が並ぶ=4月30日、大阪市住吉区
 「何の説明もないまま本堂が取り壊され、墓を勝手に参道に移された。この怒りは表現のしようがない」
 弘法大師空海)に由来する名刹(めいさつ)で、約400年前の江戸時代初期に創建された大阪市住吉区薬師寺摂津国八十八カ所の一つにも数えられるこの寺で、祖父の代から数十年にわたり檀家(だんか)だった男性は、寺側から受けた仕打ちに憤りを隠さない。
 毎月の墓参を長年欠かさなかった男性と寺側との信頼関係に亀裂が生じたのは令和2年10月。突如、寺が売却されて住職が交代し、本堂などの不動産や本尊の薬師如来といった財産、さらには法人格が不動産業者側に売却されたのだ。
 薬師寺は、真言宗系の寺院を名乗るものの、高野山真言宗など大手宗派に属さない「単立宗教法人」。上位組織はなく、不動産の処分や法人トップである代表役員(住職)の交代も独自にできる。
 寺の事情に詳しい関係者によると、売却の手続きは前の住職と業者の間で進められ、売却額は法人格と不動産を合わせて1億数千万円。「前の住職側が金銭のやり繰りに困り、売却を決めた」のだという。
 瓦ぶきの荘厳な本堂は、地域のよりどころでもあったが、「業者の目的は不動産の転売益だけで、文化的な価値には目もくれなかった」(前出の関係者)という。売却に伴い、本堂をはじめ建物の全てが取り壊され、十数基の墓石は境内から参道へと追いやられた。
 更地となった土地は、令和3年夏ごろに2億数千万円で別の業者へ転売され、跡地では住宅建設が進む。転売先を探していた不動産業者のもとには、宗教関係者のほか、中国人投資家や暴力団関係者までもが売買交渉に訪れたという。
 もはや寺が元の姿に戻る見込みはなく、男性は檀家を離れた。「墓は別の場所へ移した。二度と寺とは関わりたくない」と話す。
 参道に墓石並ぶ
 法人登記簿によると、薬師寺の規則では境内の不動産などを処分する際、責任役員会や檀信徒総代会の議決を得なければならないと規定する。複数の檀家は、何も知らされないまま処分が進められたと寺側に苦情を訴えたが、業者側は「不動産の売却や建物の取り壊しなどのたびに、参道の掲示板で公告した。弁護士の指示を仰ぎつつ所定の手続きを踏んでおり、法的な問題もない」とする。
 200軒以上とされる檀家と法人格は3年10月、別の真言宗系の寺院側に引き継がれた。御朱印の発行や檀家の取りまとめは、寺の跡地から200メートルほど離れた文化住宅の一室で続けられている。
 ただ、住宅街に面した参道に墓石が並ぶという異様な光景に、近隣からの苦情は絶えない。
 「いつか仏罰下る」
 薬師寺の墓を巡っては、複数の法令違反も発覚している。あらかじめ遺骨を墓石に収納するのに必要な墓地埋葬法上の許可を取っておらず、移設した墓石が市道上にはみ出ていたのだ。
 取材に応じた薬師寺の担当者は「知らなかったとはいえ、こうした状態で引き受けたことには問題があると認識している」と釈明する。寺側は大阪市側に市道の一部払い下げを求めているが、墓地の経営許可を新たに受けるのは不可能だ。市側は、法令違反を解消するには「今のところ遺骨は許可のある別の寺に移すか、檀家のもとへ戻すしかない」と説明する。
 さらに、売却に伴い本堂などを壊したことで、宗教法人の存続に必要な礼拝施設が現地になく、本尊の薬師如来も別の場所で保管されるという不自然な状態が続いていた。寺側は参道奥の約100平方メートルを購入し、本堂の再建を進めてはいるものの、かつてとは異なり近代的な建物で、旧本堂の解体を知る関係者は「いつか仏罰が下るかもしれない」と恐れるありさまだ。
 有象無象のビジネス介入を許す宗教法人の売買。長年の檀家を悩ませるだけでなく、数々の法令違反にもつながっている。いくら売買を「脱法的」と位置づけようが、法令で禁じない限り食い止めようがない。
 文化庁は、売買によって暴力団が支配するなど宗教目的から外れれば、宗教法人法81条1項5号に基づき解散命令の対象になるとして「法改正は検討していない」と繰り返す。ただこれまで81条1項5号が適用された例は皆無で、都道府県の宗教担当者からは「どう手続きを踏めばいいのか」と戸惑いの声が漏れる。
 時代とともに信仰を守る「盾」として不完全なことが明らかとなった宗教法人法。そのあり方が今、問われている。(「宗教法人法を問う」取材班)
  ◇  
 宗教法人法を巡る諸問題について、読者のみなさまのご意見、情報を募集します。宗教法人や行政機関からのご意見も歓迎します。〒556-8661 大阪市浪速区湊町2の1の57、産経新聞社会部調査報道班まで、連絡先を明記してお寄せください。産経ニュースサイト上の「情報提供のお願い」でも受け付けています。
 宗教法人法を問う
 ㊥法人買収「即席僧」派遣 葬儀会社主導の宗教ビジネス
 ㊤宗教法人、億単位取引も…蠢く「合法」仲介ビジネス
   ・   ・   ・   

🥓9〉─3─毒親の虐待を受けて親となった子供は毒親となる。~No.27 

   ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2023年5月13日 MicrosoftStartニュース プレジデントオンライン「「毒親の親は毒親」両親も同じ"被害者"だと理解しつつ、毒の連鎖を断ち切りわが子誕生を望む娘の固い決意
 旦木 瑞穂
 © PRESIDENT Online
 「きみのお母さんのことをリスクに感じるので、結婚をやめたくなった」。女性は交際中の男性にこう言われ、「親子の縁を断ち切ろう」と決意した。毒親に育てられた自分の中には毒親の因子がある。だから、誕生したわが子に自分も不適切な対応をしてしまうかもしれない。そんな不安を抱きつつ、出産を望む女性の心情とは――。【前編のあらすじ】関東在住の町田朋美さん(仮名・30代・既婚)の両親はそれぞれ夜の飲食店に勤めていた。母親は平気で人格否定するような言葉で町田さんを責め、父親はとことん無関心だった。やがて町田さんは看護師になり、一人暮らしを始めたが、なかなか職場になじめない。29歳でプロポーズを受けた町田さんだが、稼ぎをパチンコと飲み代に使うなど金遣いの荒い父親とは絶縁状態。母親は町田さんを理解しようとはせず、両家顔合わせは中止になった。
 前編全文はこちら
 親子の縁を切る
 関東在住の町田朋美さん(仮名・当時29歳)にプロポーズした1歳上のIT企業勤務の男性は、町田さんと母親(当時49歳)の電話でのやり取りを聴いていた。町田さんはそれを承知していたが、あるとき衝撃的なことを言われた。
 「以前から彼は、私が母と連絡を取ると、私が精神的に不安定になることに気付いていました。だから私が母に電話をする時に側にいてくれたのですが、そのときの母のせりふに驚いて、『きみの親の言動はやくざのようだ』と言ったのです」
 彼の父親は公務員、母親は彼が学生の頃に病気で亡くなっている。この件があり彼は、「きみのお母さんのことをリスクに感じるので、結婚をやめたくなった」と言った。
 もちろん、好きだったからこそ2年ほど付き合ってきて、プロポーズまでした相手だ。そう口にするに至るまでには、かなりの葛藤があったに違いない。
 「彼が私の母を恐れる気持ちは、私自身も物心ついた頃から感じているものです。これまで一度も私の母のような人と関わってこなかった彼にとっては、大きなリスクに感じるであろうことは理解できました。だから私は彼の気持ちを尊重したいと思い、『母のことが嫌なら、私と結婚しなくていいし、別れてもいいよ』と伝えました。そのうえで、彼が安心できるように行動で示そうと決断し、彼が感じる不安に対する対処法を私が以前から受けていた心理カウンセラーに聞き、彼に伝えるようにしました」
 やがて町田さんは、カウンセラーのアドバイスを受けて、両親の戸籍を抜け、自分が筆頭者となる「分籍」をした上で、彼の戸籍に入籍。悩んだ末に彼は、「きみのお母さんのことは嫌いだけど、自分が結婚するのはきみだから、お母さんは関係ない」という結論に至ったのだ。
 義父も、「嫁に来てもらえば、あなたはこちらの身内になるのだから、これまでの家庭のことは気にしなくてもいいんじゃないか。それに結婚は息子が決めたことだから、父親が口を出す必要はない」というスタンスだった。
 また、母親が以前送りつけてきた、町田さんと父親が写っている幼い頃の写真や、町田さんが書いた文集なども、カウンセラーの助言に従い、すべて母親に送り返した。
 その後、母親からも、父親からも、連絡はない。どちらにも、「私のことを尊重するなら、私が連絡をするまではしてこないでほしい」と手紙で伝えたのが最後だ。
 「分籍は、戸籍を分けるだけで、法律上の影響はありません。相続権もありますし、民法の親の扶養義務もあります。でも、精神的に『自分の意志で親から離れる』という行動をとったという証しになるので、親に対してというよりも、“自分のため”にするのであれば、良い手段だと思っています」
 町田さんは、「分籍」「返送」「絶縁宣言」という一連の行動を経て、ようやく両親から、物理的にも精神的にも距離をとることができ、心の荷が軽くなるのを感じた。
 連鎖する毒
 町田さんは、彼に「きみの親の言動はやくざのようだ」と言われたことをきっかけに、「このままではいけない」と思い立ち、親子関係についての書籍を読みあさり、懸命に学んだ。その中で、「毒親の親は毒親」という言葉を何度も目にしてきたという。
 「私にとって両親は“加害者”ですが、昔は両親も私と同じ“被害者”だったのだろうと今は考えています。両親はどちらも、偏った家庭で育ったようなので……」
 父方の祖父は自衛官、祖母は専業主婦だった。自衛官の祖父は、幼かった父をパチンコに連れて行くこともあった。祖母は3人姉妹の末っ子で、とても甘やかされて育ったせいか、金遣いが荒かった。祖母は父親をかわいがっていたが、父自身を見ないような溺愛ぶりが嫌だったようだ。父親は実家に帰ることを避けていた。
 母方の祖父は、母親にとって継父だった。祖母が妊娠中に実父は病気で亡くなり、母親が3歳ごろに祖母は再婚していた。母親いわく、継父は箸の持ち方など、マナーに厳しい人で、祖母は「ジャイアンのお母さんのような人」だったという。なんでも、祖母が怒ると洗濯板で叩かれるため、怒られる兆しがあると、母親は靴を持って窓から逃げた。冬でも朝まで家の中に入れてもらえないこともあり、飼い犬と一緒に犬小屋の中で夜を明かした。部屋を散らかしたままにすると、散らかしてあるものを片っ端から窓から投げ捨てられた。思春期になると、母親はある女性アイドルを好きになったが、祖母はそれを執拗にバカにしたという。
 やがて結婚し、町田さんが生まれ、町田さんが祖母の憧れの高校に合格すると、「鳶が鷹を生んだ!」と言って喜んだ。
 「当時は私もうれしくて気付きませんでしたが。今思えば、母に対してかなりデリカシーのない発言ですよね? 祖母は祖父に対しても当たりがキツくて、孫の私から見ても祖父をバカにしたような発言がよくありました」
 母方の祖母は再婚後、男の子(母親にとっての異父弟)を産んだが、20代後半ごろからひきこもりになり、40代で自死した。祖父(母親の継父)はとても悲しんだが、祖母は「早く忘れたい」と言って、祖父を冷たくあしらっていた。
 「両親も私と同じ“被害者”だったと分かったからといって、両親を助けることは私の役割ではありません。それこそ『共依存』の関係に戻ってしまうので、今は『関わらない』関係がベストだと思っています。両親と離れてみたら、『手のかかる子育て』が終わったような不思議な感覚があります。自分のことだけ集中して生きられることが、『こんなに楽なんだ』と感じています。きっと、ようやく『自立』できたのだと思います」
 町田家のタブー
 筆者は、家庭にタブーが生まれるとき、「短絡的思考」「断絶・孤立」「羞恥心」の3つ要素がそろうと考えている。
 町田さんの両親は“できちゃった婚”だった。母親は町田さんが生まれた後も、夜や土日の仕事を継続し、仕事中は自分の実家などに預け、小学校に上がると夜から翌朝まで一人で留守番をさせた。父親は長く仕事が続かず、稼ぎを飲み代やパチンコにつぎ込み、借金を繰り返す。両親ともに「短絡的」な人だったことは自明の理だ。
 また、2人は夜の仕事で多忙にしていたため、ほとんど仕事以外の人間関係は構築されていなかったと思われる。もしかしたら、仕事の人間関係さえも希薄だったかもしれない。小学生までの町田さんは、ひたすら孤独に留守番する生活を送っており、町田家が社会的に「孤立」した状況だったことは容易に想像がつく。
 「振り返ると、無意識的に、家庭環境が良さそうな人に対しては、自分の家庭の話をしないようにしていました。周りやテレビなどで観る家庭と比べて、『自分の家庭は普通ではないのだろう』と、違いを感じていたからだと思います」
 町田さんが“家庭環境が良さそうな人に、自分の家庭の話をしないようにする”のは、おそらく、驚かれたり、引かれたり、同情されたりすることが予想できたからだろう。その感覚は、「羞恥心」に似ている。
 「それでも、母は母なりに、父は父なりに愛情はあったのだと思っています。ただ私にとっては、父の愛情は『無関心』のように見えていましたし、母が言う『愛情』は重くて、苦しくて、不自由で、『支配』のように感じていました。母の『愛情』を受け入れれば受け入れるほど、私が奪われるような感覚がありました。今、私は『愛情』とは、『相手を相手の形のままで受け入れること』だと思っています」
 町田さんの父親は、町田さんを受け入れるどころか、幼い頃は無関心で、少し成長すると転職相談相手、大人になってからは金を無心する相手として自分の都合良く捉えてきた。母親に至っては、さんざん自分勝手に振る舞っておきながら、町田さんが思うようにならないと不機嫌をまき散らし、自分を棚に上げて容赦なく攻撃してきた。そこに愛情があったかどうかは甚だ疑問だ。
 「親と縁を切れずにいた頃は、自分が大人になることも、恋愛も結婚も、子どもを持つことも、何一つ希望が持てずに生きていましたが、今は結婚して、これから子どもと過ごす日を夢見ています。夢や希望を持って生きることができるようになったこと。それが親との関係を絶って得たものでした」
 結局、両家顔合わせができないまま、入籍だけを済ませた町田さんは、近々夫側の親族と夫婦の友人知人を招いて、結婚式を挙げる予定だ。
 幼い頃から「子どもは家庭のために犠牲になって当たり前」と思わされてきた町田さんだが、今はそんな家庭から抜け出して、自分の価値観を否定されず、自分を搾取されず、尊重し合うことのできる人に囲まれて、「幸せ」だという。
 「看護学生時代、実習でお産に立ち会ったことがあるのですが、同級生たちは口々に『感動したね!』と言っているのに、私は、『こんな世界に生まれてしまって本当に幸せなのかな?』と考えていました。そのときに私は、『自分は人生に失望している。みんなと違うのだな』と寂しく思いました。でも今は、友達からの出産の知らせを聞くたびにとてもうれしく感じています。あの頃と違い、生きていることに幸せを感じることができるようになったのだと思います」
 毒の連鎖を断ち切る
 両親との縁を切り、幸せを得た町田さんだが、その決断をしたとき、皮肉なことに「両親のことが大好きだった」ということに気付いたという。
 カウンセラーのアドバイスに従い、両親に手紙で「今後は自分の意思で会わない」と伝えた後、しばらくは心の葛藤があった。
 「幼い頃の私が、今の私を責める声がするのです。『どうしてこんなことしてくれたの? 今までどんなにつらくても、大好きなママを傷つけないように、愛されるために、認められるために頑張ってきたのに! 全て壊しちゃったじゃない!』と。だからこそ私は、もしも自分の元に子どもが来てくれるならば、自分がされたような扱い方は絶対にしたくないと思っています。そのために一番大切なのは、私自身が自分で自分を大切にすること。自分の機嫌は自分で取り、子どもやパートナーに機嫌を取ってもらおうとか、幸せにしてもらおうと求めないことだと思っています」
 改めて、「(両親のことを大好きだった)私と両親は共依存でした」と振り返る。
 「実家で暮らしていた頃は、『家族だから』『親子だから』『娘だから』と言われて、家のため、親のために生きることを望まれ、親の望みをかなえるのは、子どもである自分の役目であると思っていました。また、『親だから私が正しい。子どもだからあなたが間違っている』という母の世界で生きていたので、私は、『常に間違えている存在』という認識で生きているほうが楽でした」
 母親は常に、「正しいことを言っていれば、間違っている相手には何を言っても良い」「間違ったことを指摘されて傷つくのは、傷つくほうが悪い」という態度で町田さんに接した。
 しかし町田さんが社会に出てみると、母親のような人には出会わなかった。町田さんは、「私は常に間違えている存在」という思い込みのせいで職場になじめず、転職を繰り返し、思い込みを払拭するのに8年も費やした。
 「その期間、私は仕事でたくさんの『家族』を看ることと並行し、専門家に頼ったり、心の安定した人に支えられたりして、少しずつ歪んでいた価値観を“普通”に合わせることができるようになりました。そして、ようやくマイナスからゼロになって、穏やかな日々を過ごすことができています。そのせいでしょうか、今では正論を言う人が苦手です。『正しいこと』を言う人が『正しい人』とは限りませんから……」
 「自分の子供に不適切な対応をする可能性が高い」
 町田さんは現在、「子どもがほしい」とは思っているが、自分が「子どもにとって不適切な対応をする可能性が高い」ことも承知している。
 「私は、『安心できる家庭』で育つことができなかったからこそ常に学び続け、柔軟性を失わず、信頼できる相談先を持っておくことの大切さを知っていますし、すでに“洗脳”されている私が、“毒親の連鎖”を絶つのは、自分1人の力では難しいと思っています。だからこそ、両親は何かあるとすぐに子どもである私を頼る人でしたが、私は夫とチームを組んで子育てに挑みたいと思っています」
 町田さんの両親は、町田さんが家を出た途端に別居し、その後、離婚した。子どもなしでは家庭を維持できなかったからだ。子どもを“かすがい”にしないこと。子どもがいてもいなくても夫婦として機能することが重要だ。
 現在、町田さんは、
・自分の感情を自分で受け入れること
・自分の感情を相手のせいにしないこと
・自分が嫌なら離れる、好きなら一緒にいる
・「愛情」「あなたのために」といって自分を傷つけてくる人からは距離を取ること
・自分の選択や意思を大切にすると同時に、相手の選択や意思も尊重すること
・家族であっても子どもであっても別の人間。違いを楽しむ心を持つこと
 を肝に銘じながら生きている。
 「『自分で自分のことを大切にする』そう決めて、『親しき仲にも礼儀あり』『相手と自分は別の個体』と理解して言動すること。それが、自分が“毒親”にならないための方法かなと思います」
 筆者は最後に、「両親に介護が必要になったらどうするか?」と町田さんに質問してみた。
 「私は一人っ子なので、親の介護はとても大きな悩みの種でした。『介護は子育ての通信簿』と言われますが、もし私が両親を介護したら、自分が子どもの頃にされていた通りにしてしまうと思います。職場のケアマネさんにも相談しましたが、事情があれば、直接介護をしない方法もあるそうです。介護や生活に関わることを一通り請け負ってくれる民間のサービスがあることも分かりました。私は社会保障セーフティーネットを利用して、自分は介入しないつもりです」
 「私は子どもができても、『親』ではなく、一緒にいて心が温かくなるような『人』になりたい」と話す町田さん。それは、子どもと自分が“対等でありたい”という気持ちの現われだろう。人は、子どもができて初めて親になる。子どもとともに成長していくものなのだ。
 毒親と連絡を絶っている子どもは少なくないが、分籍までしている人は多くはない。だが、さほど費用もかからず、手続きも難しくないため、親との共依存関係に悩まされているなら、自分の人生を生きるための選択肢になるかもしれない。

                    • 旦木 瑞穂(たんぎ・みずほ) ライター・グラフィックデザイナー 愛知県出身。印刷会社や広告代理店でグラフィックデザイナー、アートディレクターなどを務め、2015年に独立。グルメ・イベント記事や、葬儀・お墓・介護など終活に関する連載の執筆のほか、パンフレットやガイドブックなどの企画編集、グラフィックデザイン、イラスト制作などを行う。主な執筆媒体は、東洋経済オンライン「子育てと介護 ダブルケアの現実」、毎日新聞出版サンデー毎日「完璧な終活」』、産経新聞出版『終活読本ソナエ』、日経BP 日経ARIA「今から始める『親』のこと」、朝日新聞出版『AERA.』、鎌倉新書『月刊「仏事」』、高齢者住宅新聞社『エルダリープレス』、インプレス「シニアガイド」など。 ----------

   ・   ・   ・