⛲45〉─3・K─“ひとり老後”謳歌できる人の共通点は?「明るいおひとりさま本」に大反響。~No.259 

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 2022年12月11日 MicrosoftStartニュース ダイヤモンド・オンライン「“ひとり老後”謳歌できる人の共通点は?「明るいおひとりさま本」に大反響
吉岡 暁 の意見
 子供は巣立ち、伴侶に先立たれ、細々と暮らしながら迎える老後。こうした「ひとり老後」には「孤独死」や「老後破産」といった暗いワードがつきまとう。そんななか、ひそかなロングセラーとなっているのが、ひとり老後を謳歌(おうか)する書籍『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』だ。同書が注目される理由を、すばる舎編集長の水沼三佳子さんに聞いた。(清談社 吉岡 暁)
 写真はイメージです Photo:PIXTA
 © ダイヤモンド・オンライン 提供
 自分の『城』で豊かに暮らす
 単身高齢者たち
 ひとり老後をめぐる書籍が、静かなブームとなっている。
 『新築で入居しましたが、半世紀以上が過ぎ、部屋も古ぼけました。けれどもこの部屋でずっと暮らしてきて、自分の居心地の良いように整え、とても愛着があります。私にとって、どこよりも素敵な「城」なのです。認知症などで判断ができなくなったら、子どもたちに任せるしかありませんが、自分で決められるうちは施設に入らず、ここでひとり暮らしを続けたい。「この部屋で死ぬ」という気概は持って、できることは自分でやり、健康に気を使って』
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 これは『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』(すばる舎)の一節である。老後2000万円問題や単身老人の孤独死が社会問題化するなかで、いま「ひとり老後」を謳歌する一般の人々のエッセーが注目されている。
 たとえば前述の『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』では、著者である多良美智子さんの50年以上住む古い団地での暮らしぶりを、写真を交えて紹介。気取らない日々の食事をお気に入りの器に盛って楽しみ、ウオーキングで摘んだ草花を窓辺に飾る。プロテインやアマニ油を使った手作りスムージーを飲んで、毎朝ラジオ体操に出かける。多良さんの生活は87歳とは思えないほど意欲的だ。
 ほかにも『74歳、ないのはお金だけ。あとは全部そろってる』(ミツコ・すばる舎)、『89歳、ひとり暮らし。お金がなくても幸せな日々の作り方』(大崎博子・宝島社)など、いずれも著者は一般人ながら、「ひとり老後」は続々と重版が決まる人気テーマとなっている。
 「やはり老後に漠然とした不安を抱く方が多いからこそ、少しでも希望を持てるような書籍が求められているのだと感じます。年金破綻に介護問題、特にひとりで迎える老後に関しては『孤独』の一言でくくられがち。決して人ごとではないからこそ、豊かな老後を送る人のライフスタイルを参考にしたい読者が増えている」
 そう話すのはすばる舎編集長で、前述のすばる舎書籍の担当編集もしている水沼三佳子さんだ。副業として訪問介護ヘルパーの仕事もしているという水沼さんは、高齢者の生の声を聞く機会が多いからこそ、その生活がネガティブに切り取られることに違和感を持っていた。
 「子ども世代からしてみれば、認知症孤独死など高齢になった親への心配は尽きません。『古い実家は処分して施設に入ってほしい』『近所に住んでほしい。そのほうが本人も幸せなはずだ』などとつい思ってしまいますが、当事者である高齢者の意見を聞くと、実は自分の家やコミュニティーをすごく大切にしていて、ひとりになっても同じ土地で尊厳を持って暮らし続けたいと願っている人も多いんです。単身高齢者は孤独というばかりでなく、自分の『城』で丁寧に豊かに暮らしているんだ、という見方も伝えたいという思いが本を作る最初のきっかけでした」
 実際、高齢者の暮らしをポジティブな形でまとめたエッセーには希望が持てたと大きな反響があったという。
 「未来をくよくよ悩んで目の前の日々を楽しめないなんてもったいないよね、というのが老後を豊かに暮らす人たちに共通する考え方。何げない日常に幸せを見つけ出すことがすごく上手なんです。一般の方の庶民的でリアルな生活だからこそ、読者もより親近感を持ってくれますし、ライフスタイルをまねしたいと本に掲載されている商品に関する問い合わせが多いことも印象的でした」
 老後を謳歌する人に
 共通していること
 多くの読者をひきつける「老後を謳歌する人」には、ある「共通点」があるという。
 「彼女たちに共通するのは『とにかくやってみる、やってダメならそれも良し』という柔軟さ。新たなことに挑戦したり、新しい人に会ってみたり、そこには何か発見があるはず、というフットワークの軽さを持っているんです。それが人間関係や趣味につながる。たとえば美智子さんは私が何げなくオススメしたものでも『あれ食べたわよ』と必ず実践してくれるんですね。『最近のものなんて』と否定的にならず、常に好奇心を忘れない。それが、いつまでも若々しく人生を楽しめる秘訣(ひけつ)なのかもと思いました」
 逆に言えば、新しい物に対して常に否定形から入ってしまう人の老後は、「孤独」に近づいていってしまうのかもしれない。多良美智子さんは80代に入ってからピアスを開け、なんと一人でイギリス旅行へも出かけている。さらに10代の孫が撮影するYouTube「earthおばあちゃんねる」は登録者数15万人を超えた。ひとり老後を謳歌できる人は知識や経験に対して貪欲さを失っていないのだ。
 2020年の国勢調査によると、65歳以上の人口に対する単独世帯の比率は19%を占めている。つまり高齢者の5人に1人は一人暮らしであり、核家族化や未婚率の上昇により、今後さらに一人暮らし高齢者は増加の傾向をたどるだろう。「ひとり老後」は多くの人に訪れる未来でもある。
 前述の『87歳、古い団地で愉しむひとりの暮らし』の帯には、こう書かれている。
 『自由に使える時間が贅沢にある。長生きのご褒美ですね』
 人生は老後を迎えてからが意外と長い。この時間をどのように捉えるかは、人生100年時代と呼ばれる時に生きる私たちの大きな課題なのかもしれない。
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