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2024年4月8日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「「おひとりさま」の男性はなぜ早死にしやすいのか?科学が明らかにする「孤独」「孤立」の死亡リスク
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生涯独身の男性の平均寿命は、67歳……。こんなショッキングなデータが存在するのをご存じだろうか? 近刊『老後ひとり暮らしの壁』の著者で、遺品整理・生前整理などの事業を手がける山村秀炯氏が、「おひとりさま」の男性が早死にしやすい科学的理由と、「結婚する」以外の解決策を提示する。
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【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ”
科学的に解明されてきた孤独の死亡リスク
「孤独・孤立が寿命を縮める」といわれています。
NHK健康チャンネルによれば、死亡リスクを増加させる要因として、肥満、過度の飲酒、喫煙などと並べて「孤立(社会とのつながりが少ない)」を挙げています。なんと、この4つの中で、「孤立」が最も死亡リスクを上げてしまうというのです。
NHK健康チャンネルの元ネタになっているのは、アメリカのブリガムヤング大学のジュリアン・ホルト・ランスタッド教授による2015年の論文です。
同教授は、148の研究、30万人以上のデータをメタ分析して、死亡リスクの上昇率は、「社会的孤立」で29%、「孤独感」で26%、「一人暮らし」で32%と結論付けました。
社会的なつながりが少なくて、孤独感を感じていて、ひとり暮らしであると、そうでない人に比べて死亡リスクは約1.9倍になってしまうのです。
同教授の以前の論文では、孤独であることの死亡リスクは、「1日たばこを15本吸うことと同等」であり、「アルコール依存症であると同等」であり、「運動をしないことよりも高く」、「肥満の2倍高い」とされています。
喫煙や飲酒は定量的なデータですが、孤立かそうでないかのボーダーラインはどこにあるのでしょうか。
同研究によれば、「社会的孤立」は客観的な他人との接触率で、「孤独感」は主観的な感覚でした。つまり主観的には「ひとりでいて幸せ」と感じていたとしても、実際に他人との接触やコミュニケーションが少ない場合は死亡率が高まっていたのです。
孤独感が身体に「炎症」を発生させる?
なぜそのようなことが起きるのか、都内でメンタルクリニックを経営する精神科医・江越正敏先生は次のように考えています。
「孤独が寿命を縮めるという論文は珍しくありません。2012年のカリフォルニア大学の研究でも、60代以上の高齢者において孤独が死亡率を1.7倍高めることが報告されています。また、2014年のシカゴ大学のカシオッポ博士の研究でも、孤独感が交感神経の緊張の増加、炎症制御の低下、睡眠の減少を引き起こすと報告されています」
「孤独感というのは純粋に身体に影響するのです。別の研究では、孤独により、全身の炎症が強まるとの報告があります。炎症とは、風邪のときに喉が赤くなって、痛みを感じる状態のことです。風邪を引いて喉が痛くなっても数日すれば痛みや赤みは引きますよね。これを炎症が引いたと表現します。
風邪による炎症は一時的ですが、孤独による炎症はずっと続いてしまいます。孤独が続くと体がずっと風邪を引いているような状態になってしまうので、うつや認知症、心臓病など様々な病気を引き起こしてしまうんですね。他の研究においても、孤独によって心臓病やうつ病が引き起こされるといわれています」
孤独が健康に害を及ぼすというのは、生理学的にも事実らしいということ。
孤独研究の第一人者であるカシオッポ博士は、孤独感は睡眠不足や血圧上昇を招き、ストレスホルモンであるコルチゾールの上昇や、免疫細胞の遺伝子レベルでの変化などを引き起こすとしています。
「原因不明の痛み」は孤独感からきている?
江越先生によれば、独身または離婚した人は、結婚している人に比べて孤独スコアが高く、それはうつ病の発生確率と正の相関関係があるそうです。
孤独スコアは性別、年齢、社会経済的地位とは無関係とされているのですが、一方では、女性より男性のほうが孤独感を感じやすいとする研究もあります。
これは精神科医として様々な患者さんとお話しする中での実感でもあるそうです。
一般に、男性のほうが孤独について周囲に伝えることが苦手であり、男性が孤独であると周囲に助けを求めると、女性の場合よりも話を聞いてもらえなかったり、非難されやすかったりするからです。
みずほリサーチ&テクノロジーズが2022年に行った調査では、ひとり暮らし高齢男性の15%が「2週間内の会話が1回以下」だったとされています。これは女性の場合の3倍の割合です。
ですから、独身でひとり暮らしの中高年男性は最も孤独を感じやすく、身体的にも精神的にも病みやすいと自覚しておいたほうがよいのです。
女性に比べると、男性のおひとりさまはメンタルを病んでクリニックを受診する確率が圧倒的に多いそうです。
江越先生のクリニックで最もよく見るのは、未婚の独身男性。彼らは頭痛、腹痛、腰痛、あるいは胸が痛いとか、目が痛いなどの症状を訴えるのですが、原因は心にあります。心の奥では「結婚したいけどできない」ことに無自覚に悩んでいて、それを表立って口にできないために身体症状として表れてしまうのです。
痛みがともなうので最初は内科を受診するものの、これといった原因が見つからず、不定愁訴として精神科を紹介されるパターンが多くあります。
人間は不快なことを我慢し続けていると、コルチゾールが増えて、最終的に痛みや炎症が発生するようにできています。それが前頭葉の神経細胞を不活化させて、うつ病になるのではないかと考えられています。
ですから、いま原因不明の痛みがあるという方は、それはもしかすると「孤独感」からくるものかもしれません。もちろん女性であっても同じです。
「結婚すること」だけが解決策ではない
江越先生はその解決策として、最も手っ取り早いのは「結婚すること」だといいますが、手段はそれだけではありません。
そもそも、おひとりさまにはそれぞれの事情があります。結婚したくない人もいれば、すでに離婚したり配偶者に先立たれたりして、再婚する気がない人もいます。
ここで注目したいのが「孤独」と「孤立」という言葉の使い分けです。
「孤独」というのは「寂しい」という心理状態です。一方、「孤立」というのは他者との接触やコミュニケーションが少ないという物理状態です。
この「孤独」や「孤立」を解消できるのであれば、結婚にだけこだわる必要はありません。
たしかに結婚して家族を持てば日常生活における「孤独」や「孤立」は解消されるかもしれません。子どもが生まれれば、単純につながる人数も増えますし、社会的なつながりが嫌でも増えていくこともあるでしょう。しかしひとり暮らしであっても人間関係や社会的なつながりは作れます。
ちなみに、フランスでは1999年以来、結婚数は減少を続けています。これは同年にパックス(PACS)という事実婚を認める契約制度が作られて、結婚せずに事実婚のまま子どもを作っても、不利益がほとんどなくなったからです。
また、2004年に離婚の手続きが改正されて簡単になってから、フランスでは離婚数も増えています。恋愛の国フランスでは、いずれお互いに新しい相手が見つかって離婚するのであれば、最初から正式な結婚ではなく事実婚でよいと考える人が増えているのでしょう。
結婚するということは、相手から「死ぬまであなたと一緒に暮らしたい」と承認されることですし、自分の家庭という所属先ができて、愛情を受け取ることができます。
しかし、人によっては配偶者からいつも文句を言われるなど、想定していたような承認を受け取ることができず、家に帰りたくないからと夜遅くまでバーやスナックでお酒を飲んでいる人も少なからず存在します。家庭が安らぎの場所ではなく、所属感よりも責任やプレッシャーを感じてしまう人もいるのです。
山村 秀炯(株式会社GoodService代表)
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2024年3月25日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「「孤独死」の4割は「60歳未満」の現役世代だった…発見までに時間がかかる「おひとりさま」の悲しい現実
山村 秀炯株式会社GoodService代表
近年、社会問題となっている「孤独死」。死後何日も発見されないケースでは、目を覆うばかりの凄惨な状況に……。近刊『老後ひとり暮らしの壁』の著者で、遺品整理・生前整理などの事業を手がける山村秀炯氏が、自身が経験した現場のリアルな様子と、「おひとりさま」がこのような最期を迎えないための方策を教える。
死後数日で現場は凄惨な状況に……
とある「おひとりさま」の話をさせてください。
その方は30代の男性で、独身で賃貸アパートの2階でひとり暮らしをしていました。
まだ若いのですが肥満体質で、糖尿病と高血圧をわずらっていました。
その病気が原因で自宅で亡くなったのですが、救急車を呼ぶこともなくひっそりと亡くなったので、誰にも気づかれないままに何週間も経過してしまいました。
仕事はしていたのですが、どうやら毎日オフィスに出勤するような働き方ではなかったようで、連絡が取れなくなっても自宅まで訪ねる人がいなかったようなのです。
普段からきちんと連絡するようなタイプでないと、特に若い男性の場合は、衝動的に旅に出るなんてこともあるだろうと、それほど心配もされません。
人間は生物なので、亡くなってから数日でご遺体が腐り始めます。
それが夏場だったりすると、何週間も経つうちに体が溶けて体液が床を汚します。
虫が湧いて、ひどい悪臭を発します。
最終的に下の階の天井に染みと臭いが出てきて、大家さんにクレームが入り、ご遺体が発見されました。
こうして、大家さんから部屋を借りるときの保証人になっていた親族に連絡が入り、その親族から私のところに「遺品整理」のご依頼がありました。
「おひとりさま」は発見まで時間がかかる
自宅での変死となると警察が来て捜査をするのでご遺体そのものを見ることはなかったのですが、体液による汚れと臭いと虫の群れは、私が訪問したときにも残っていました。
再び人に貸せるように徹底的に臭いをなくしてほしいという大家さんの希望で、遺品整理と特殊清掃を行いました。体液が下の階にも浸食していたので、下の階の人には一時的に引っ越していただきました。
床を広げると亡くなった場所から3メートルくらいの範囲まで体液が広がっており、広範囲に悪臭の元があって、すべて洗浄した後にコーティングをしていく作業を行いました。
下の階も同様に天井を一部解体して、コンクリートの隙間から垂れていた目地のコーティングなどを行い、遺品整理と特殊清掃を合わせて費用は何十万円にものぼりました。
いかがでしょうか。このように、おひとりさまの場合は、亡くなってから発見されるまでに時間がかかってしまうこともあります。常に連絡を取り合う家族や友人がいないと、なかなか気づいてもらえないのです。
故人が仕事をしていれば職場の人が異変を察知したりします。それもなければ近隣住人が異臭に気づいたり、あるいは郵便受けにチラシや新聞が溢れかえっているのをきっかけに、管理人に発見されたりします。
孤独死した方が発見されるまでの平均日数は、18日だそうです(一般社団法人日本少額短期保険協会孤独死対策委員会「第7回孤独死現状レポート」2022年)。
「孤独死」の4割は60歳未満の現役世代
遺体は夏場なら1~2日、冬場でも数日で腐敗が始まります。もし自分の遺体が腐敗してしまうとしたら、いい気分はしません。
孤独死が「死の瞬間にひとりである」こととするなら、ある程度は仕方のないことだと思います。
本当に問題となる「孤独死」は、死後に何週間も発見されず、ご遺体が腐敗してしまうなど、故人の尊厳がおかされるケースです。この場合、ご遺体のあった場所なども汚損されてしまうため、その部屋の所有者などにも迷惑がかかることになります。
そのため、賃貸住宅を提供している都市再生機構(UR)は、死後1週間以内に遺体が発見されたケースは孤独死の統計に含めないとしています。実際、「孤独死」の4割以上は、死後3日以内に発見されています。
また、厚生労働省や自治体は、本当に問題なのは自宅で看取られずに亡くなる孤独死ではなく、社会的に孤立している単身者が自宅での死後に長期間発見されないことだとの考えから「孤独死」ではなく「孤立死」という言葉を積極的に使用しています。
また日本少額短期保険協会の孤独死現状レポートによると「孤独死」の平均年齢は61~62歳で、平均寿命よりも大幅に短いことも問題視されています。「孤独死」の4割は、60歳未満の現役世代なのです。
この理由として、「孤独」であることが寿命を縮めているのではないかと考えられています。
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