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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
子供の貧困は、大人の責任。
日本の貧困化は、子供が嫌いな大人や無責任な大人が増えたからである。
「子供が国の宝」と持て囃されたのは戦前の日本であり、「赤ん坊は愛の証」「子は鎹」と言われたのは1980年代までの日本であった。
深刻な問題が表面化する時、隠れた問題の根は日本全国に広がっている。
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2024年6月21日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「そろそろ「日本の貧困」を真剣に考えたほうがいい…意外と知られていない「大きな問題点」
池上 彰(ジャーナ
混迷する世界はどう動くのか。池上彰氏が見通す人気新書シリーズ第15弾『知らないと恥をかく世界の大問題15 21世紀も「戦争の世紀」となるのか?』(角川新書)から一部抜粋して、SDGs17項目をいかに考えればいいか解説する。
「子どもの貧困」をどうなくす?
世界共通の目標といえば、「SDGs(Sustainable Development Goals)」があげられますね。2015年の国連サミットで採択された「持続可能な開発目標」のことです。
2030年までの達成をめざす国際社会の共通目標として、環境や社会など17の目標(ゴール)を掲げています。国際社会が進むべき方向の、道しるべです。
東京・丸の内界隈を歩くと、17色の丸いバッジをつけた方を大勢見かけますが、どれだけの人があのバッジの意味を理解して歩いているのか。なんとなくバッジをつけると、これが免罪符のようになってしまっているのではないか。
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ちなみに、SDGsの目標その1は「貧困をなくそう」です。
日本は豊かな国だと思っていましたが、日本にもいわゆる相対的貧困というかたちで、実際にはかなり貧しい人たちがいるのですね。とりわけ「子どもの貧困」は極めて深刻です。たとえば夏休みに入ると、学校給食がなくなります。すると途端に食事に困ってしまう子どもがいる。だからいま、「子ども食堂」が猛烈な勢いで増えています。これがある種、貧困の“見える化”ということになるのでしょう。
子ども食堂は、子どもたちは無料で食べられるのですが、子どもが貧困だと親も満足に食事ができていないケースが多いのです。「親御さんも無料でいいですよ」としてしまうと、大人に対してプライドを傷つけてしまうことになります。まるで施しを受けているような……。そこで1食100円を徴収するなどの試みもあります。
困っている人に手を差し伸べることは大切ですが、その人のプライドを傷つけないようにするにはどうしたらいいのか。さまざまな人に対するリスペクトが、とても大事なことだろうと思います。「してやっている」という上から目線になってしまっては、解決になりません。
食料は「自国ファースト」が当たり前
SDGsの目標その2は、「飢餓をゼロに」です。もちろん飢えて死ぬような人がいてはいけませんが、日本でいえば食料自給率が低すぎるのは問題です。私たちの食料安全保障をどうすればいいのか。
ロシアによるウクライナ侵攻によって、ロシア、ウクライナからの小麦の輸出が止まってしまいました。北アフリカや中東地域は自国で小麦をつくることができません。ウクライナからの輸入小麦が頼りでしたから困っています。突然、食料が品薄になったり、価格が高騰したりすると、新たな紛争が起きかねません。グローバル経済が止まってしまうと、飢餓や戦争が発生するということです。
日本は大丈夫でしょうか。「食料自給率は低くても、グローバル化の中で貿易を進めていけば問題ない」という議論が、いまから思えばかなり安易にされていたのではないか。
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インドは世界有数の小麦の生産国です。インドがあれだけつくっているのだから、世界で小麦は不足しないと思っていたら、突然、インドが自国からの小麦の輸出を禁止しました。
結局、食料は自国ファーストです。当たり前ですが、自分の国の国民を食べさせるのが一番、となった途端、日本は大丈夫かと慌てることになる。
日本の場合、小麦はアメリカ、カナダ、オーストラリアから輸入しています。いずれも民主主義、資本主義の国なのでいい関係を保っていれば大丈夫だろうと思っていても、世界全体で小麦の流通量が減ると、価格は上がります。現に2021年、アメリカやカナダで天候不順、干ばつが続いた結果、小麦の生育に影響が出ました。
気候変動の問題が、食料安全保障の問題につながる。食料の自給がいかに大事かということを痛感します。
SDGs「17の目標」を串刺しにする視点
イギリスでも食料不足が発生しています。イギリスはEU(欧州連合)から離脱しました。移民や難民が入って来て「高福祉」にただ乗りされたり、ヨーロッパからの出稼ぎ労働者に自分たちの仕事が奪われてしまったりするのはイヤだからEUから離れよう。
その結果、イギリスでは野菜が入ってこないという事態が起きているのです。イギリスは土地が豊かではないので、野菜はフランスなどから輸入していました。EUに入っていたときは問題なかったのですが、離脱した途端フランスは輸出の手続きが必要になります。フランスの農家にしてみたら、そんな面倒な手続きをするくらいなら国内で売ってしまったほうがいいとなり、イギリスが野菜不足に陥ったのです。
それぞれの国とよい関係を維持することが、結局は持続可能な開発ということにつながってきます。しかしその一方で、もしものときに備えて、それぞれの国が食料を確保しておかなければならない。両にらみの取り組みがこれから求められてくるのだと思います。
貧困をなくそうとか、飢餓をゼロにしようとか、一つひとつの目標を個別に見ていくと、どれもごもっともなことばかり。でも17項目を横串に刺すようにしていくと、地球全体をどうすればよいのかが見えてきます。
結局は、私たちの生き方そのものが問われているのです。
そろそろ「日本の貧困」を真剣に考えたほうがいい…意外と知られていない「大きな問題点」
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7月19日 YAHOO!JAPANニュース ニューズウィーク日本版「外国も驚く日本の子どもの貧困...見えていない現実を変えるため必要なこと
<食事の回数を減らすほど貧しい子どもが日本にはたくさんいる。外国人も驚くこの実態は非常に目にされにくく、社会や共同体の支援を妨げているように思える>
もうすぐ子どもたちの夏休みが始まる。読者のみなさんも、楽しい夏休みの思い出があることだろう。
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しかし最近、日本における子どもの貧困が問題になっていることはご存じだろうか。夏休みになると学校で給食が食べられないため、一日の食事が3回から2回以下に減ってしまう家庭がある。食べ盛りのはずなのに、食事を減らすために朝は遅くまで寝て過ごし、それでもおなかをすかせている子どもがたくさんいるというのだ。
■日本も貧しくなったと思う理由
私がそういう日本の現状を外国人観光客に話すと、みな一様に非常に驚く。特にアジア人のインバウンド客は全然信じようとしない。日本は豊かな国、というイメージがいまだにとても強いためだ。
かつて世界2位の経済大国に上り詰めた日本に貧困があるなど、とても信じられない話で、日本人はみな恵まれた生活をしているというイメージを持っているのだ。
私の生まれ育ったイランは就学率も識字率も85%を超え、石油や天然ガスなど天然資源が豊富なため、中東でも豊かな大国だ。
それでも経済格差は大きく、宮殿のような豪邸が立ち並び、欧米の超高級車ばかりが走る地区がある一方で、貧しい家庭の子どもが路上で行き交う車を相手に菓子を売り、車を洗って駄賃をもらう仕事をしている姿が見られる地域もある。
もちろん児童労働は禁止されているのだがあまりに家庭が貧しく、勉強よりも日銭を稼ぐことを優先せざるを得ない家庭があるということだ。こういった子どもたちを支援しようと、無料で子どもに食事を振る舞うレストランやボランティア団体に参加や寄付をする人も多い。
だが長引く欧米の経済制裁の影響もありインフレ率が高く、一般市民の給与や年金の額は上がらないが、物価は容赦なく上がっている。この状況で全人口の半分が貧困線(所得の中央値の半分)以下で暮らしているという調査もある。
私はそういった状況は、日本には無縁なものだとずっと思っていた。
だが、30年くらい前から日本で生活している外国人の知り合いが言うには、彼が日本に来た頃は、道端にまだ使える家電や家具が粗大ゴミとして捨てられていて、なんて豊かな国だと驚いた。だがここ10年くらいは本当のゴミしか捨てられていない、日本も貧しくなった、と思うそうだ。
その上夏休みは日に2食しか食べられずおなかをすかせた子どもがいるとなると、日本も学校に行けずに働いている他国の貧しい子どもたちの状況を、全くの人ごととは考えられない事態になっているようだ。
相対的貧困の問題点
日本では子どもの約7人に1人が相対的貧困(貧困線以下の状態)にあるといわれている。日本はこの相対的貧困状態にある子どもの割合がOECD(経済協力開発機構)諸国の中でも高く、ひとり親世帯では実に44%を超える。
相対的貧困とは、飢餓で亡くなるような状態ではないが、食事を切り詰めている、経済的な理由で進学できない・塾や習い事に通えない、余暇や旅行などを経験できないなど、子どもの心身の成長にとっては不利になる状態のことだ。
少子化対策が叫ばれる日本で、少ない子どもを大切にし、良い教育を与えることが今後の安定した社会の基盤になるはずだ。だが貧しい子どもが街頭にいる諸外国と違って、日本の子どもの貧困は非常に目にされにくく、それが社会や共同体の支援の拡大を妨げているように思える。
せっかく楽しいはずの夏休みなのだから、大人の私たちも自分の子ども時代を思い出して、あらゆる子どもたちが夏休みを楽しめるよう、一日のランチ代や一晩の飲み会代を子どもの貧困解消のために寄付してみてはどうだろうか。
石野シャハラン
1980年イラン・テヘラン生まれ。2002年に留学のため来日。2015年日本国籍取得。異文化コミュニケーションアドバイザー。YouTube:「イラン出身シャハランの『言いたい放題』」
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