関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2017年5月6日 産経ニュース「【憲法施行70年】【主張】憲法と地方自治 人口減見据えたあり方を
憲法は「地方自治」を明記している。だが、地方自治法ともども、70年前の施行時には想定できなかった事態に、日本は直面している。
人口減少によって、多くの自治体が将来的な存続を危ぶまれている。理念の担い手を喪失しようとしているのだ。
「国と地方のあり方」をいかに新たな観点から位置付けるか。これもまた、改正の重要な論点となり得る。
現実は既に、全ての地方を維持し続けることが難しくなっている。少子化で自治体の新規採用が滞れば、行政サービスを続けていくことも困難になる。
人口が激減する一方で、東京一極集中は止まらない。国と地方のあり方を考えるとき、この現実を見据えることが不可欠だ。
平成12年施行の地方分権一括法によって、国と地方は「主従」から「対等・協力」の関係へと改められた。地方に関する議論も、財源移譲を含む「地方分権」に力点が置かれてきた。
憲法改正を目指す動きの中で「道州制」の導入論が出ている。4月の衆院憲法審査会の参考人質疑でも、地方の権限強化や道州制を求める声が相次いだ。
押さえておきたいのは、地方分権が遅れたために少子化が進んだわけではない、ということだ。
隣接県と一緒に道州を形成しても、人口減少は解消しない。道州内の大都市に集中し、人口激減地域の拡大を加速させかねない。
かつて、参院選の選挙制度に関し、選挙区を全国10ほどのブロックに再編する構想が有力な案として浮上した。だが、当選者が人口集積地に偏るおそれがあるとの懸念から頓挫した。
参院に限らない。人口偏在は、全国一律のルールで選挙制度を敷くことを困難にしている。
住民に近い存在である自治体により多くのことを委ねる。地方自治の理念そのものは維持を求められるだろう。その担い手をどう維持し、つくっていくか。
政府が推進する「2地域居住」では、地方税や地方参政権をどちらの自治体に帰属させるかという課題が残る。逆に考えれば、隣接自治体ではなく、遠く離れた都会と地方の自治体が、補完し合うやり方もあるということだろう。
国民の新たなライフスタイルを先取りする地方自治と、それに合致する憲法は何かを探りたい。」
・ ・ ・