🥓20〉─1・B─女性の半数以上が「非正規」で日本はこんなに貧しくなった。~No.87 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2024年4月5日6:33 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「女性の半数以上が「非正規」…日本はなぜこんなに貧しくなったのか
 平均年収443万円――これでは普通に生活できない国になってしまった。なぜ日本社会はこうなってしまったのか? 
 重版7刷の話題書『年収443万円 安すぎる国の絶望的な生活』では、〈昼食は必ず500円以内、スタバのフラペチーノを我慢、月1万5000円のお小遣いでやりくり、スマホの機種変で月5000円節約、ウーバーイーツの副業収入で成城石井に行ける、ラーメンが贅沢、サイゼリヤは神、子どもの教育費がとにかく心配……〉といった切実な声を紹介している。
 【写真】じつは知らない、「低所得家庭の子ども」3人に1人が「体験ゼロ」の衝撃!
 こうして「格差」は生まれた
 日本は約40年という時をかけて格差を作り、固定化させてきた。
 そもそも働く女性に結婚が許されず、「寿退社」が常識だった時代が長くあった。それだけではない。男性か女性かで出世できるかできないかというコース別の採用方法まであり、女性が働く間口はもちろん、裾野も狭かった時代が長かったのだ。
 1986年に男女雇用機会均等法が施行されたことで、性別によって採用の差別をしてはいけなくなり、結婚、妊娠や出産によって退職させることや降格処分をすることが禁じられた。
 男女雇用機会均等法ができたことは女性たちの悲願でもあったが、それとほぼ同時に労働者派遣法が施行されたことで、「女性の雇用は広がったが、それは派遣や非正規にすぎなかった」と言われ、実際、そうなっていった。
 総務省の「労働力調査」によれば、1986年2月の女性の非正規雇用の率は32.2%だったが、2022年1~3月平均では53.3%まで増えており、女性の半数以上が非正社員になっている。新卒に当たる15~24歳でも29.0%と3人に1人が非正規雇用で、25~34歳で30.7%、35~44歳で48.6%、45~54歳で54.9%まで上昇する。出産や育児で正社員として就業継続しにくい現状を物語っている。
 非正社員を生み出す法制度ができる背後には、常に、景気悪化がある。
 1991年にバブル経済が崩壊したあとの1995年、旧日経連(現在の日本経済団体連合会)が、「新時代の『日本的経営』」というレポートを出し、雇用のポートフォリオを組むことを提唱したことは、労働界にとって衝撃だった。
 この「95年レポート」は、一部の正社員は育てるが、景気の変動によって固定費になる人件費を削減するために非正規雇用を調整弁にするというものだった。
 それ以降、労働者派遣法は改正されて、1999年に派遣の対象業務が原則自由化され、ほとんどの業務で「派遣OK」となった。
 2004年には専門職以外の派遣で働くことができる上限期間が3年になり、同時に労働基準法も改正されて非正規雇用の雇用期間の上限も3年になった。
 本来は、派遣や非正規で3年働けば正社員に転換させるという主旨だった。しかし、正社員に転換して人件費が増えることを嫌がる企業に悪用され、3年経てば雇用が打ち切られる「3年ルール」が定着していった。
 すると、職場に慣れ、ようやく技能を身につけた頃に辞めることになる。職を転々とせざるを得なくなって、継続して技能を身につけられない不安定就労者が増えていった。
 こうした労働関連法の改正(1986年~2021年までの法改正のくわしい歴史については、『年収443万円』を参照)によって不安定な働き方が増加した一方で、経営側は「失業するよりマシ」と主張した。経済界に押される形で、規制緩和は進んでいった。
 寿退社が当たり前だった頃に創業した派遣会社には、子育てが一段落したブランクのある女性の活躍の場を作る理念があった。
 当初の派遣契約は1年前後と長く、時給も今よりずっと高かった。派遣会社でトレーニングを受けた社員が派遣されるという、本人にも派遣先企業にもメリットが享受される仕組みでもあった。
 小林 美希(ジャーナリスト)
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