🚷29〉─1─早期退職で年金額が減り老後が苦しくなる。~No.130 

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 早期退職すると、経済が低迷し、景気が悪い時、他人と差別化をはかれる特殊技能、稼げるスキルを持っていないと再就職口がなく無職として路頭に迷う事になる。
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 2022年4月21日 MicrosoftNews All About「早期退職ちょっと待った!年金額への影響は?
 綱川 揚佐(ファイナンシャルプランナー社会保険労務士、年金アドバイザー)
 業績が厳しくリストラを余儀なくされる会社もあるでしょう。退職金の上乗せと引き換えに早期退職を募るという方法も一般的ですが、早期退職によって将来の年金額が思わぬところで減ってしまうこともあります。そんな落とし穴についてご案内します。© All About, Inc. 業績が厳しくリストラを余儀なくされる会社もあるでしょう。退職金の上乗せと引き換えに早期退職を募るという方法も一般的ですが、早期退職によって将来の年金額が思わぬところで減ってしまうこともあります。そんな落とし穴についてご案内します。
早期退職で年金額が減るって本当?
 残念ながら、早期退職で年金額が減る可能性があるのは本当です。
 将来受け取る年金は、老齢厚生年金と老齢基礎年金とに分かれていますが、それぞれについて見ていきましょう。
 老齢厚生年金の年金額は、年金をもらい始めるまでの平均の給料と加入月数によって決まります。例えば2年早く早期退職をすれば、加入月数が24カ月減ってしまいますので、再就職しないことを前提とすると年金額は当然減額となります。
 老齢基礎年金の年金額は、20歳から60歳になるまでの保険料納付月数で決まります。退職後60歳になるまで国民年金保険料を納付すれば、こちらは変わらずに済むことになります。付加年金というオプションを付ければ、増額させることも可能です。ただし、退職後収入が減って保険料の免除を受ければ多少なり減額となりますし、未納のままとしてしまうとさらに減ってしまいます。
 配偶者の年金まで視野に入れると、さらに減額の可能性があります。厚生年金加入者が配偶者を扶養に入れていた(第3号被保険者)場合、退職によって配偶者は第3号被保険者ではなくなりますから、配偶者の分も国民年金保険料を支払わなくてはならなくなります。支払えない場合は免除を受けたりすることになりますが、配偶者の年金もそれにつれて減ってしまうことになります。
 また、早期退職によってご自身の厚生年金保険料の支払いがなくなるということは、そのまま配偶者が遺族年金を受け取ることになった場合の遺族厚生年金の額にも影響します。早期退職の年金額への影響は、決して少なくはない、といえるかと思います。
 ただし、1~2年程度早く退職したからといって、大幅に年金額が減少してしまうのは考えにくいところです。年金は40年以上もの長期間をかけて形作っていくものだからです。
 厚生年金の加入月数にはいくつかの「境界線」がある
 上でご説明したとおり、年金加入期間の多少の変動で年金額が大きく変わる事例はそれほど多くはありません。
 しかし、加入月数が減ることによって、厚生年金の年金額への影響がもう少し大きくなる以下のケースも考えられます。
・加給年金が受け取れなくなる
・長期特例に該当しなくなる
 ひとつずつ見ていきましょう。
▼加給年金が受け取れなくなる場合加給年金は、一般的には配偶者の扶養手当といえるものです。金額は年額約39万円で、一般的にはご自身が65歳から、配偶者が65歳になるまで(要件に当てはまった場合)、受け取れます。受け取るためには厚生年金に原則として20年(240カ月)以上加入している必要があります。
 240カ月以上加入している人は誰でももらえるわけではありませんが、早期退職によって厚生年金の加入月数が240カ月を下回ってしまうと、もらえたはずの加給年金をもらい損ねる可能性があります。配偶者との年の差によっては、総額100万円以上もの違いが出てしまうこともあり得ることになります。
▼長期特例に該当しなくなる場合長期特例は、特別支給の老齢厚生年金が受け取れる人(男性・公務員等共済組合加入の女性は昭和36年4月1日以前生まれ、一般の厚生年金加入の女性は昭和41年4月1日以前生まれ)限定ですが、44年(528カ月)以上厚生年金に加入し、その後厚生年金の資格を喪失した場合に、通常は受給できない定額部分(年額約78万円)が65歳まで受給できる、という特例です。加給年金の条件も同時に満たせば、受給できます。
 このまま順調に勤務を続ければこの特例を使うことができる人でも、早期退職によって加入月数が減った結果、特例に該当しないことも考えられます。年金の受給開始が64歳とすると、総額で最大約117万円(定額部分78万円+加給年金39万円)が受けられなくなります。
 早期退職をすることで、厚生年金の加入月数が上に見てきたような240カ月、528カ月といった月数の境界線を下回ってしまう場合、かなりの金額を失うこともあるので、注意が必要です。
 年金受給開始までをどう乗り切るかが問題
 問題は年金だけではありません。退職から年金受給までの収入をどうするのかが一番大きな問題となります。
 早期退職に応じた場合、雇用保険(失業給付)は会社都合での退職となると思われますので、330日(20年以上勤務した45歳以上60歳未満の場合)受給できます。しかし、そのあとは個人年金等の備えがなければ、退職金や貯蓄の取り崩しでしのがなくてはなりません。
 別の職場に就職することはできるかもしれませんが、現在の待遇で再就職ができるとは限りません。厚生年金に加入できれば上でご説明したような境界線をまたがずに済むかもしれませんが、厚生年金に加入する条件での就職に失敗した場合のリスクを負うことになります。
 60歳になっていれば年金を繰上げ受給するという選択肢もとれなくはありませんが、年金が生涯減額されてしまいますので、人生100年時代といわれる昨今、有利な手段とはなかなかいいにくいところです。
 早期退職は避けるべきなの?
 ここまで見てきたように、年金額についてだけ見ると、早期退職はプラスに働くことは少ないといえますが、早期退職はしてはいけないこととは限りません。
会社が早期退職を募集するような場合には、退職金の上乗せ、給与の補償、減額となる年金の補填、再就職のあっせんなどの条件が付くことがあります。これらの条件と、受けられなくなる年金などを比較して、プラスとなるかどうかが早期退職を検討する際の一つのポイントになるかと思います。
 また、将来の年金が減ると、税金などが減るというメリットがある場合もあります。また、お金では買うことができない「時間」ができるという点も重要ですね。
 経済的な側面と、その他の事情を検討して、プラスになると判断できれば、早期退職を選択するのはもちろんアリかと思います。
 人生100年時代、ハッピーな老後を過ごすために少しでもプラスになる選択をしていきたいところですね。
 文:綱川 揚佐(ファイナンシャルプランナー社会保険労務士、年金アドバイザー)
 金融機関在職中に1級FP技能士を取得後、社会保険労務士や年金アドバイザーも取得。年金記録確認第三者委員会勤務を経て、社会保険労務士・FP事務所を開業。法人向けの労働相談や、多数の年金相談業務等を行う。
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