🌁27〉─7・C─月収17万円・50代の「氷河期世代」の怨念。生きていても、つらいだけ。~No.116 ⑭ 

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 2023年2月12日 YAHOO!JAPANニュース 幻冬舎ゴールドオンライン「月収17万円・50代の「氷河期世代」の怨念…非正規・貧困・老後不安の“三重苦”に「もう、生きていても、つらいだけ」
 (※写真はイメージです/PIXTA
 最近、よく耳にする賃上げのニュース。なかでも新卒者の初任給など、20~30代といった若年層の賃上げが盛んにいわれています。そのようななか、恨めしそうな顔でみている人たちが……みていきましょう。
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 「初任給引き上げ」に嫉妬を口にする、非正規の氷河期世代
――うらやましい
 ネット上でそうつぶやくのは、氷河期世代だという50代の男性。昨今、よく耳にする賃上げのニュースに対して、率直に嫉妬の言葉を口にしました。
三井住友銀行、4月入行新卒の初任給、一律5万円引き上げ
ユニクロを運営するファーストリテイリング、新卒初任給は30万円に
JR東日本、初任給8,000円引き上げへ
オリエンタルランド、大学卒業以上で初任給を前年から2万円上乗せ
 報道されているだけでも、数え切れないほどの賃上げの話題があります。昨今のインフレから全社員を対象にした賃上げも聞こえてくるものの、多いのは新卒を始めとした20~30代の若年層の給与の引き上げのニュース。そこには優秀な人材の確保という、企業側の戦略もあるのでしょう。一方で、すでに給与水準が高額になっている40代や50代については、議論から外れる場合も。
――冷遇されるなら、辞めてやる!
 そう啖呵を切れるならいいのですが、可能性よりもリスクが大きく感じられる40代・50代にしてみたら、穏便に定年まで過ごしたいという人も多いでしょう。そう考えると、若手を中心に賃上げをしていくのは合理的だといえます。一方で「また蚊帳の外かあ」と思わずため息をもらしてしまう人たちも。
 40代~50代前半は、就職氷河期に直面した世代。1990~2000年代、企業が採用活動を縮小したため、就職活動が上手くいかず、非正規雇用を繰り返した人も多いとされています。2000年代後半に一時的に雇用環境がよくなり、そのときに正社員になれればよかったのですが、すぐにリーマンショックが直撃。2010年代中ごろから雇用環境がよくなりチャンスが訪れましたが、初代・氷河期世代はすでに40代後半。「正社員の経験はないですが」という人を企業が積極的に採用するわけはなく、2023年、現在も不本意ながら非正規のまま。
 このことは最近になって問題視されるようになり、正社員化を後押しする支援が言われるようになりました。しかし、当事者からしたら、時すでに遅し。「今頃になって」という思いが拭いきれません。
 正社員になれなかった50代非正規…65歳から手にする年金額
――正社員になることは、諦めている
 とは冒頭の50代男性。若いころ、雇用環境が悪いというのを言い訳に、非正規に甘んじていたという反省もあるといいます。しかし、やり切れない思いと、将来への不安は大きいよう。
 厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒男性・非正規社員の給与(所定内給与額)の中央値は24.5万円。50代前半では22.3万円、手取りにすると17万円ほどです。仮に社会人になってから60歳まで、現在と同じ給与水準だったし、厚生年金にも加入できていたとしたら、65歳から手にする年金額はいくらになるのでしょうか。
 年金の支給額は、国民年金は「年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)」で、厚生年金は、加入期間が2003年3月までは(1)「平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数」、加入期間2003年4月以降は(2)「平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数」で計算できます。便宜上、(2)だけで計算すると、厚生年金は月5.2万円ほど。国民年金は満額支給で現在の受給額で考えると、月11.6万円ほどの年金を手にすることになります。
 ただこれは、非正規ながらも厚生年金に加入できたというケース2020年10月からの非正規(短時間労働者)に対する厚生年金保険の適用の拡大となりましたが、それまでは非正規であれば厚生年金に加入できないということも珍しくありませんでした。つまり、月11万円よりも、もっと少ない年金しか受給できないケースは多いと考えられます。そのような年金額では十分とはいえず、定年年齢を迎えても、働き続けることは氷河期世代の非正規の人たちには既定路線だといえるでしょう。
 また「老後、とても生きていけない」といったときには「生活保護」というセーフティーネットがあります。しかし、これまでさんざん見放されてきた氷河期世代の人たちのなかには「いまさら国に頼りたくない」という思いも強いよう。
――もう、生きていても、つらいだけ
 先も見通せない、非正規の氷河期世代からは、そんなつぶやきさえも。
 国は2020年度から3ヵ年の計画で氷河期世代などの就労支援に乗り出しました。しかしコロナ禍と重なり成果はあがらず、支援事業の2年延長を決めています。しかし、不遇の氷河期世代への支援がこれで十分なのか、このカタチでいいのか、いま一度検討する必要があるといえそうです。
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