🌁31〉─1─氷河期世代の生活水準は「下の下」。親は死ぬまで子の面倒を見よ。~No.135 

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 生涯の負け組で貧困に苦しむ就職氷河期世代とその子供を意図的に作り出したのは、逃げ切り組・勝ち組で資産を持つ団塊の世代団塊ジュニアである。
 団塊の世代団塊ジュニアとは、個の為・私的の為に公益の為・集団の為を否定・拒否、破壊・崩壊させるマルクス主義価値感の戦後民主主義教育を受けた優等生・模範生である。
 故に、彼らが言う「一人は万民の為、万人は一人の為」は真っ赤なウソである。
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 2022年9月28日 MicrosoftNews 日経ビジネス氷河期世代、生活水準は「下の下」 親は死ぬまで子の面倒を見よ
 河合 薫
 健康社会学者(Ph.D.)
 「“捨てられる50歳”とかいいますけど、私たちはずっと捨てられてきた。景気が悪いからって会社が勝手に採用を控えたのに、まるで私たちに能力がなかったみたいないわれ方をされてきた。結局、私たちは何者にもなれない。40歳を過ぎても肩書も付かない。先のことを考えると気分が悪くなるので考えないようにしていますけど、病気にでもなったら全て終わりですね」
 こう嘆くのは、40代の男性会社員。いわゆる“就職氷河期世代”(1990年代後半から2000年代前半に就職活動をした人)だ。
 氷河期世代が参加したのか、分からない
 改めて言うまでもなく、氷河期世代はたまたま就職時の時代が悪かっただけで、まるで泥沼に入り込んだように「不遇」につきまとわれた世代だ。
 ずーっとずーっと「なんとかせいよ!」と、専門家や研究者たちが指摘してきたのに、国の動きはとんでもなく鈍かった。
 やっと重い腰を上げたのは、5年前。しかし、どれもこれも全く問題解決に至っていない。
 17年度にスタートした「就職氷河期世代の人たちを正社員として雇った企業に対する助成制度」(特定求職者雇用開発助成金就職氷河期世代安定雇用実現コース)の利用率はわずか「1割未満」。1割、そう、1割にさえ届いていない。
 約5億3000万円の予算のうち、17年度中に利用されたのは、たったの765万円(27件)。18年度は約10億7000万円に予算を倍増したにもかかわらず、同年12月末までに約1億2800万円(453件)しか使われていなかった(日本総研19年5月29日付「Viewpoint就職氷河期世代への支援の在り方を考える』」)。
 また、19年に政府は“氷河期世代に能力開発を!”という失礼な掛け声の下、氷河期世代の正社員を3年間(20~22年度)で30万人増やす計画を打ち出した。
 ところが、最終年度となる現段階で、目標の10分の1にすぎない、たった3万人しか正社員が増えていないことが分かった。しかも、656億円の予算のうち、各省庁が実施した約60事業の中には、氷河期世代の人が本当に参加したのかどうか、分からない事業があったという(毎日新聞22年7月8日付「氷河期支援、効果に疑問 正社員増、目標の10%」)。
 このプログラムの売りは、「相談、教育訓練から職業紹介、職場定着まで切れ目のない支援」だったのに、結局はキャンペーンにすぎなかった。氷河期世代自身に「ずっと捨てられてきた」と言わせてしまう、当事者不在の支援策だった。もしかして、19年の参院選の票集めだったってこと?
 ちなみに、19年に内閣府が発表した「就職氷河期世代支援プログラム関連参考資料」によると、非正規職員・従業員371万人のうち50万人が、正社員採用を希望していながらも、非正規社員として勤務している人で、非労働人口219万人のうち40万人が、就職を希望していながらも、さまざまな事情で求職活動をしていない長期無業者だという。
 どうすることもできない変数の重さ
 中高年化した氷河期世代は「団塊ジュニア」(1971年から74年に生まれた世代)とも重なるために人口が多く、今後高齢社会日本のボリュームゾーンになる世代でもある。
 「うまく働けない」状況は、中高年の引きこもりや、8050問題(引きこもり状態にある50代が80代の親とともに暮らし、経済的支援をされている問題)の引き金にもなるのに。
 選挙に当選することだけが目的になっている“お偉い人たち”には、この深刻さが、氷河期世代を放置することが、この国の未来にどんな影を落とすのか? が、全く分かっていないのだろう。
 そんな中、労働政策研究・研修機構から、「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」の結果が公表され、多くの氷河期世代が含まれる40代の生きづらさが浮き彫りになった。
 調査自体は「中流の暮らし」にスポットを当てているのだが、調査結果を読み解くと、どんな時代に就職したか? で、生活だけではなく社会への向き合い方に違いがあることを垣間見ることができる。大ざっぱに言えば、格差拡大とその固定であり、そこに加わる「就職した時代」という、自分の力ではどうすることもできない変数の重さを痛感させるものだった。
 そこで今回は、くだんの調査結果を軸に……、えっとテーマは何だろう。日本の未来とか、可能性とか、光、とかにできればいいのだが、むしろ絶望に近い。とにかく調査結果から見えた、「今を生きる働く人のリアル」を書きつづります。
 まずは調査結果の概要から。
 <「中流の暮らし」について>
 「中流の暮らし」に必要な年収は「600万円以上」とした人が最も多かった。
中流の暮らし」に当てはまる条件のトップは、「世帯主が正社員として働いている(63%)」。次いで「持ち家に住んでいる(61.2%)」「自家用車を持っている(59.5%)」。
親より経済的に豊かになれると思うか
 <現在の生活水準>
 「暮らしに余裕がある(かなり+どちらかと言えば)」は43.3%。「余裕がない(全く+どちらかと言えば)」は56.7%と6割弱。年代別では、40代の61.5%、50代の60.7%が「余裕がない」と回答し、他の年代より高かった。
 <階層帰属意識
 「生活水準(選択肢は、「上」「中の上」「中の下」「下の上」「下の下」「分からない」)」を聞いたところ、全体の55.3%が「中間層(中の上、中の下)」と回答。
20代と40代は中間層に入るとした割合が他の年代より低く、「下位層(下の上、下の下)」に入るとした割合がそれぞれ39.7%、39.8%と約4割を占めた。
 下の下が最も多いのは40代(14.4%)、次いで50代(12.3%)。
 上の上が最も多いのは60代(21.6%)、次いで50代(19%)。
 出所:労働政策研究・研修機構「暮らしと意識に関するNHK・JILPT共同調査」
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 ……ここまでは想定通り、氷河期世代に当たる年代層の暮らし向きが厳しく、中流意識が他の世代より低いことが確認された。が、問題はここから。
 調査では「よい人生を送るための条件として最も重要なこと」という問いに、「真面目に努力すること」(46.1%)が圧倒的に多かった。ところが、「親」という最も身近な社会的存在との相対比較が、“心”にかなりの影響を及ぼしていたのだ。
 <親より経済的に豊かになれると思うか>
 3人に1人(36.2%)が「なれないと思う」と回答。
 年代別では40代が最も多く42.5%、次いで30代の41.3%。
 就業形態別では、非正規・フリーランスで4割超が「なれないと思う」と回答。
 理由は「親の時代と景気が異なる」が約6割で最も多く、年代別には40代が他の年代より高かった(66.7%)。
 親は自分よりいい思いをしてきた
 <日本では、努力さえすれば誰でも豊かになることができると思うか?>
 全体の約3分の2(65.6%)が、「思わない(全く+どちらかと言うと)」と回答。20代53.8%、30代60.9%、40代69.5%と上昇し、40代以降は7割弱の水準でおおむね横ばい。
「親より経済的に豊かになれると思う」人の場合、「真面目に努力すること」を肯定する人が52%。
 「親より経済的に豊かになれないと思う」人の場合、「真面目に努力すること」を肯定する人は38.5%と相対的に低い。
 親は自分よりいい思いをしてきた
 <社会への関わり方>
 「親より経済的に豊かになれると思う」人の場合、「社会のためになる活動ならば、参加したい」は54.1%。
 「親より経済的に豊かになれないと思う」人の場合、「社会のためになる活動ならば、参加したい」は35.3%と約20ポイントも低下。半数近く(46.1%)が「自分ひとりが活動しても社会は変わらない」とし、約5人に1人(18.6%)が「社会の変化に対して関心がない」と回答。
 ……さて、いかがだろうか。
 私は、この結果には、就職する時に世の中が不景気だった、というだけで「ずっと捨てられてきた(前述)」氷河期世代の、あきらめ、むなしさ、生きづらさの一端が表れていると思う。
 私たちは、「努力」というのは、誰もが気持ち次第でできるものだと考える。
 しかし、それは本人の問題だけではなく、比較可能な他者=親より経済的に豊かになれるかどうか? にも影響される。そして、「親の時代とは違う」ことを骨身に染みて理解しているのが、氷河期世代だと言えよう。
 以前、引きこもりの自立サポートをしている人にインタビューをした際、「『親は自分よりいい思いをしてきたんだから、死ぬまで俺の面倒を見て当たり前』と平然と語る人もいる。親の年金を使い込んだりしてね」と話してくれたことがあった。
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