🥓44〉─2─若い日本人女性は日本を捨て日本人男性を嫌って外国に移住していく。~No.200No.201No.202 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 日本の人口激減の最大の原因は、出産できる女性の減少である。
 日本人女性は、日本人男性が嫌いで、熟年離婚や死後離婚が増えている。
 日本人でモテない男・結婚できない男性が増えている。
 見栄を張る日本人男性は、独身である事、結婚しない事を自慢する。
 現代日本で重大犯罪を起こす男性の多くは、モテない男が多く、夢も希望もない死にたがる男性である。
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 日本は口では真面な事を言っても本心は違い、男性優位社会として男尊女卑で性差別が酷く、女性の権利を無視して小間使いのように酷使している。
 日本人男性は楽をする為に「亭主関白」と開き直り、自分より劣っている上から目線で女性を見下し、心身共に自己犠牲を強いている。
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 伝統的な民族神話では、日本の最高神は皇室の祖先神である女性神天照大神である。
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 日本人の学力・才能・能力は、女性の方が男性よりも賢く秀でて優秀である。
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 2023年7月31日 YAHOO!JAPANニュース 集英社オンライン「7年で出生数20%以上激減、高齢者割合G7断トツ1位…誰が日本をこんな国にした「30年後に残るのは本州だけ」
 出生率が年々下がり、人口激減を迎えた日本は、移民問題を正面から議論する時期をとっくに迎えているが、それができないまま社会全体が回らなくなっている。このまま日本は一体どうなってしまうのか。『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』(朝日新書)より、一部抜粋・再構成してお届けする。
 『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』#1
 薄れた人口危機意識
 世界は多重危機の時代に入った。コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵攻、資源エネルギーの高騰と世界的なインフレ、そして従来からある気候変動も危機感が高まっている。
 日本もそうした重層化する危機に翻弄される中で、本来、日本の未来に最も大きな影響を与える課題に対しては逆に危機感が薄まっている。その危機とは「人口問題」に他ならない。
 2017年に刊行した拙著『限界国家―人口減少で日本が迫られる最終選択』(朝日新書)では巻頭推薦文を故堺屋太一氏に執筆していただいた。同氏はその中でこのように記している。
 「実際、人口減少こそは、2020年代の日本が直面する最大にして喫緊の重要問題である。このことは、全国の人口減少の進んでいる地域、いわゆる『限界都市(地域)』に一カ月も住み、現地の産業や文化、生活に携わってみれば、誰もが痛感するはずだ」
 人口減少は何をもたらすのか?同氏はこのように指摘する。
 「人口が減少することは、あらゆる産業が不活発になり、規模が縮小し、営業が困難になるだけではない。不動産は無価値になり、結婚は難しくなり、友達も相談相手も、お祭りやイベントも、慰め合う相手もいなくなることである」
 そして、今後の予測としてこのように述べる。
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 『東京を除く』日本のほとんどの地域が危機に曝さらされている
 「今や『東京を除く』日本のほとんどの地域が、そのような危機に曝さらされている。恐らく2020年の東京オリンピックパラリンピックの空騒ぎのあとでは、東京にも人口減少の脅威が、確実に押しかけて来るだろう」
 では実際はどうなったのか?
 2022年5月1日現在の東京都が発表した「東京都の人口(推計)」では、東京の人口は対前年同月比で2万2595人の減少となった。コロナ禍により人口の流動性が高まっているものの、東京にも本格的な人口減少が迫っていると言えるだろう。
 全国レベルではより深刻な状況が生まれている。
 2022年9月16日、厚生労働省は2021年の「人口動態統計(確定数)の概況」を発表した。出生数は81万1622人と前年より2万9213人減少し、合計特殊出生率は1.30で前年の1.33より低下した。コロナ禍によって少子化に一層拍車がかかったことが明らかになった。
 7年で20%以上の出生数の激減という事実
 今後の見通しはさらに厳しい。日本総合研究所は2022年11月、2022年の出生数(日本人)は、前年比5.1%減の77万人前後となる見通しを発表した。16年以降、出生数は年率3.5%減のペースできたが、22年はそれを上回る減少率となる。
 同研究所の藤波匠上席主任研究員は「2015年の出生数は100万人を超えていた中、わずか7年で20%以上減少してしまう」と危機感をあらわにする。
 7年で20%以上の出生数の激減という事実は決して軽視できるものではない。堺屋太一氏の予測を超えて人口減少の大波に日本はすでに飲み込まれているのである。
 2023年、岸田文雄政権は異次元の少子化対策を行うと発表したが、これまでの各政権も少子化対策を重要政策としてとらえ、多様な事業が行われてきた。しかし、一時的な効果はあっても、結局は人口を増やすどころか維持すらもできなかった。2020年代になり、人口激減の段階に入った以上、今後の少子化対策で多少の改善が見られたとしても、人口増加へ転じることは決してないと言い切ってよいだろう。
 高齢者雇用の割合は29.1%とダントツでG7トップ
 振り返れば日本の人口は2008年を境に減少に転じている。生産年齢人口(15〜64歳)で見れば、1995年を境に減少に転じた。生産年齢人口は1995年時点の8716万人から1200万人以上減少し、2021年には7450万人となった。
 日本はこの生産年齢人口の大激減を女性活躍の推進と高齢者雇用促進、IT技術の活用でしのいできた。女性の就業率は2005年には58.1%だったが、2021年には71.3%に達し、就業者数は2021年には3002万人となった。また高齢者の雇用も増加が続いた。2020年の高齢者の就業者数は、2004年以降、17年連続で前年に比べ増加し、906万人と過去最多となった。
 では今後も、女性と高齢者の就労拡大で乗り切れるのだろうか?
 女性の就労率はすでにOECDの中でトップクラスに近づいている。2020年、OECD諸国の中で日本は38カ国中13位ですでにオーストラリア、カナダ、米国よりも高いレベルとなっている。
 一方、高齢者雇用の割合は29.1%とダントツでG7(主要7カ国)でのトップ。2位のイタリアの23.6%を大きく引き離している。しかし、団塊の世代後期高齢者になる2025年以降、介護人材の需要が急速に高まり、労働力不足は一層深刻さを増していく。労働者として活躍していた高齢者が、次第に介護を必要とする時代へと変わっている。残された伸びしろには限りがあるのは明らかだ。
 30年後に残るのは本州だけ
 2023年、国立社会保障・人口問題研究所は2070年までの人口予測を発表しているが、予測可能な限り、人口減少が停止することや増加に転じることはない。さらにその先も同じ状況が想定されている。つまり、現在、日本に生きている人の大多数は一生のうちに「今年は日本の人口が増えました」というニュースを聞くことはない。
 国立社会保障・人口問題研究所の予測では、2056年には9965万人と1億人を割りこむ。2056年と言えばはるかに遠い未来のように思えるが、コロナ禍の影響もあり、数年前倒しになると予測されている。そうなれば25年程度でそれが現実となる。
 ではこれから減少が予測される2500万人とはどのような規模なのか?
 九州の人口が約1400万人、北海道が530万人、四国が370万人であることを考えれば、ほぼ九州、北海道、四国の合計に近い人口減少がこれから30年強の間に一挙に起こることになる。つまり今、本州に住んでいる人口しか残らないということだ。しかも、世界一の日本の高齢化は2040年を超えて続いていく。
 高齢化の象徴「人形村」
 その日本の高齢化は世界でも広く知れわたっている。
 筆者はアメリカのベテラン・ジャーナリストの日本での取材を支援したことがある。ナショナル・パブリック・ラジオの記者、アイナ・ジャッフィ氏が関心を持ったのが四国の山奥にある「人形村」だった。
 それは徳島県三好市の標高800メートルの名頃集落で、100体以上の人間を真似たかかしが村のあちこちに置かれている。かかしは言ってみれば、人がいなくなった村の「バーチャルな村民」と言えるかもしれない。
 大阪から故郷の名頃に戻った女性がこつこつと作り始め、数十名の村落の人口をはるかに超えるかかしが限界集落となった村のあちこちに置かれている。一見、シュールともいえるこの光景をアメリカ人の記者は高齢化日本を象徴する場所と考えた。
 人里離れたこの場所を訪れ、これらの人形を作った女性作家と会った記者は、作家との対談を通して人形村の様子を全米に報じた。
 他の国ではめったに見られない葬儀会社やお墓の宣伝
 高齢者ばかりが住む場所が増え続ける日本の現実は極めて厳しい。地震、台風に加えて異常気象による洪水や山崩れが多発する日本。一度、災害が起これば若者がいない社会では助かる命が助からない。高齢者同士で助け合うには限界があることは明らかだ。高齢者の村で人形を作って賑わいを演出しても人形が高齢者を助けてくれることはない。
 高齢化の進行と終わりのない人口減少を筆者は「見えない大津波」と呼ぶが、人口減少は社会のさまざまな基盤を根こそぎ奪い取っていく。学校、会社、交通インフラ、商店街、村、町が消えていく。
 そうした中で増えるのは葬儀会社だ。他の国ではめったに見られない葬儀会社やお墓の宣伝が、テレビやさまざまな広告媒体を通じて繰り返し行われている。今の日本では当たり前でだれも驚かなくなったが、そのこと自体、異常であり、そのことを目にした外国人には異様な光景と映る。彼らは高齢化のもたらす意味を理解し、日本の行く末に不安を感じるだろう。
 「見えない大津波」が単に葬儀会社が増えるだけなら、それほど大騒ぎする必要はないのかもしれない。しかし、人口減少によって、従来受けられたサービスが受けられなくなり、人びとの暮らしに大きな影響を与える。
 路線バスで見れば、2010年度から2018年度の間に東京からスペインのマドリードの距離に相当する1万788キロが廃止された。全国の鉄道網の廃止と共に人びとの暮らしはますます不便になっていく。
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 安易な考えは一種の「姥捨て山」の発想ではないか
 本来、人口維持には欠かせないと思われる病院も同様だ。厚生労働省は人口減少への対応として病院の閉鎖を進めようとしている。2019年9月、市町村などが運営する公立病院と日本赤十字社などが運営する公的病院の25%超にあたる全国424の病院について「再編統合について特に議論が必要」とする分析をまとめ、再編すべき病院名を公表した。
 とりわけ深刻なのは介護人材の不足だ。
 高齢者が増えると同時に全国で介護施設が急速に増えた。しかしそこで働く人材不足が終わる様子はない。給料を上げれば就業者が増えるという意見もあるが、そもそも若者の数が減少している以上、他の産業とのパイの奪い合いが起こるだけだ。
 ロボットを活用しようという意見もある。しかし、命にかかわる分野ですべてロボットが人間に置き換わることは可能だろうか。体調が変わりやすく身体能力の低い高齢者への細かな気配りができ、さまざまなニーズに対応できるのは人間しかいない。
 そもそもそれを高齢者自身は望んでいるのだろうか?サービスの一部の支援であればまだしも、人間よりロボットに世話をしてほしいと願う高齢者はいないだろう。高齢者の世話は人手不足だからサービスが行き届かなくても仕方がない、ロボットに代替させればよいという安易な考えは一種の「姥捨て山」の発想ではないか。
 #2『なぜ今、若い女性が日本を捨てて海外に行くのか…高齢化が進み年金依存の生活者が増える日本の悲しき末路』はこちら
 『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン 』(朝日新書)
 毛受 敏浩
 2023年6月13日
 935円
 256ページ
 ISBN:
 978-4022952240
 "移民政策"を避けてきた日本を人口減少の大津波が襲っている。GDP世界3位も30年後には8位という並の国になる。まだ、日本に魅力が残っている今、外国人から移民先として選ばれるための政策をはっきりと打ち出して、この国を支える人たちを迎えてこそ、将来像が描ける。
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毛受敏浩 めんじゅ としひろ
 1954年徳島県生まれ。慶應義塾大学法学部卒、米エバグリーン州立大学公共政策大学院修士兵庫県庁に入職後、日本国際交流センターに勤務し、現在、執行理事。文化庁文化審議会委員。著書に『人口激減─移民は日本に必要である』(新潮新書)、『自治体がひらく日本の移民政策』(明石書店)、『限界国家─人口減少で日本が迫られる最終選択』(朝日新書)など。
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 7月31日 YAHOO!JAPANニュース 集英社オンライン「なぜ今、若い女性が日本を捨てて海外に行くのか…高齢化が進み年金依存の生活者が増える日本の悲しき末路
 『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』#2
 人口減少の加速と長期の低迷によって日本の魅力が消えうせ、「選ばれる国」ではなくなってきている。なぜこのような事態に陥ったのか『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』より、一部抜粋・再構成してお届けする。
 【図を見る】図2 日本と中国のGDPの割合の変化『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』より
 ジャパニフィケーションの罠
 日本の人口減少、高齢化は世界でどう見られているのだろうか。
 日本は残念ながら衰退する国と見られている。それを象徴するのが「ジャパニフィケーション(日本化)」と呼ぶことばだ。
 2012年から始まった第二次安倍晋三政権。日本経済の低迷からの脱出を図ろうと大胆な金融緩和、積極的な財政政策、規制改革の「三本の矢」による成長戦略によって日本の再生を行おうとした。これが「アベノミクス」だ。しかし、人口減少が日本の経済の浮上を目指す政府にとって大きな足かせとなっていた。
 経済成長率は2013年以降低迷し、日本の消費者物価は目標とする2%に届くこともなかった。こうした日本の行き詰まり状況を世界は「ジャパニフィケーション」という名称を使い、自国も同様の状況に陥るのではとの警戒感を持って見ている。
 英国のTHE WEEK誌は「ジャパニフィケーションとは何か?(THE WEEK, What is Japanification?)」の記事の中で、ジャパニフィケーションについて、「2000年前後から日本は低い成長率と低い物価水準から抜け出せなくなり、政府の経済、金融政策を拡大し続けている状態」と説明している。
 筆者はフォーリン・プレスセンターの依頼で、2023年1月、海外メディアに対して「人口減少と移民受入れ」と題する講演を行った。この講演にはニューヨーク・タイムズ、ウォールストリート・ジャーナル、CNN、AP通信ル・フィガロ新華社通信など、日本に支局を置く海外メディア28名の記者が参加を表明し、このテーマに対する関心の高さがうかがえた。
 この時、私の紹介役となったフォーリン・プレスセンターの幹部が使ったのがジャパニフィケーションということばだった。日本はジャパニフィケーションから抜け出すことができるのか、あるいはできないのか? それは人口問題と大きくかかわると説明した。
高齢化が進み年金依存の生活者が増える
では人口問題はどのように日本の低迷につながるのだろうか。
 白川方明日銀総裁は、「当局者が対応すべき問題は、低インフレという現象そのものではなく、生産年齢人口の減少といった構造的な要因であると指摘」する。日本経済の長期停滞から脱するカギは単なる金融政策ではなく、労働力の増大こそが重要と言うことだろう。
 コロナ禍によって、世界が日本同様にジャパニフィケーションの問題を抱えるのではないかという懸念も見られる。しかし、フィナンシャル・タイムズは「ジャパニフィケーションの拡散の懸念は筋違い(Fears of Japanification spreading are misplaced)」との記事の中で、日本との違いをこう説明する。
 同紙は、各国が金融政策による刺激の継続への依存状況に陥り、政府の赤字が拡大する状態に陥っているとしながらも、日本のように高齢化が進み年金依存の生活者が増えることによる個人貯蓄の減少という事態にはなっていないと言う。
 つまり、人口減少だけではなく高齢化によって日本の活力はますますなくなる。ここでも人口減少と高齢化の同時進行が、日本の危機をさらに増幅するという認識だ。
 高齢化が進んだ地方都市では2カ月に一度、商店街がにぎわう日があるという。それは偶数月の15日、つまり年金受給が行われる日である。年金依存の高齢者にとってこの日だけがちょっとした贅沢が許される日なのかもしれない。
 高齢化が進み年金に依存する人びとが増え続ける日本。若者や家族持ちがいるからこそ経済は回転する。地域経済を発展させようにも人口が減る一方で高齢化がさらに進む状態ではその可能性は少ないと言ってよいだろう。
 戦争ができない国
 人口問題は安全保障の危機にもつながる。日本の高齢化はすでに世界一であり、75歳以上人口(後期高齢者)は1937万人を数える。人口の突出して多い団塊の世代(1947~49年生まれ)が後期高齢者になる時期が目前に迫っており、政府は2040年度に必要な介護人材は約280万人と想定している。
 近年、東アジア情勢の不安定化から日本の軍事力の強化が叫ばれているが、そもそも高齢化した日本は長期の戦争に耐えられる状態ではない。エネルギーや食糧などの補給路が断たれ、また介護士を含むエッセンシャルワーカーと呼ばれる日本の基盤を担う若者が戦争に駆り出されれば、ケアを受けられず放置される脆弱な高齢者が大量死に直面する可能性がある。
 つまり超高齢化社会の日本は戦争の前線で人が死ぬよりも、むしろ取り残された高齢者がバタバタと倒れる結果、多くの犠牲者が出ることになるだろう。敵対する国は日本のこの弱点を突くだろう。そう考えれば、すでに日本は実質的に戦争ができない国になっている。
 そもそも自衛隊自体も隊員不足に悩んでいる。2022年3月31日現在、自衛隊員の充足率は93.4%に留まる。また日本全体の高齢化に対処して、自衛隊は入隊の採用年齢の上限を2018年に一挙に6歳引き上げ32歳までとした。自衛隊員も少子化、高齢化から逃れることはできない。
 そんな日本にとって頼みの綱はアメリカだ。しかし、人口減少とともに、日本の経済力が衰退すればアメリカは日本をいつまで重視してくれるだろうか。
 2030年には日本のGDPはインドに抜かれ、世界第4位に
 現在、日本の脅威とされる中国だが、かつて日本の経済力は極めて大きく中国の経済とは雲泥の差があった。2000年の時点で日本のGDPは中国の4倍の大きさ、まさに圧倒的な違いがあった。
 しかし、日本の退潮に呼応するかのように中国の経済力は増していった。2010年に中国は日本のGDPを追い越し、2020年には中国はたった10年で日本の3倍近い差をつけてしまった。
 では将来はどうなるのか?
 世界最大級のコンサルティング会社PwCが2017年に発表した調査レポート「2050年の世界」では、2030年と2050年の世界各国のGDPの予想を発表している。
 それによれば2030年には日本のGDPはインドに抜かれ、世界第4位となる。アメリカを抜いて中国がトップとなり日本との差は6倍となる。
 2050年には日本はインドネシア、ブラジル、ロシア、メキシコにも抜かれ世界第8位となり、中国は日本の8.6倍、つまり日本のGDPは中国の11.5%となる(図2:【図を見る】図2 日本と中国のGDPの割合の変化『人口亡国 移民で生まれ変わるニッポン』より)。
 アジアの中規模国の一つになってしまえば日本の外交力は格段に下がる。アメリカが日本を同盟国として尊重するのは日本の国力があってのことだ。日本が中国の1割程度の経済力の国になればアメリカの日本に対する見方も変わるだろう。
 中国の圧力に対して日本は自国を守り切れるのか、人口問題は日本の国家安全保障とも直接的につながることになる。
 少子化による人口減少が「若者の海外流出」を加速させる
 日本ほどの深刻な高齢化と人口減少の同時進行は世界では他に例がない。しかし、世界には日本以上のスピードで人口減少が進んでいる国がある。そこでは何が起こっているのだろうか?
 ロシアのウクライナ侵攻前、ビジネスインサイダーの「2050年までに最も大きく人口が減る国ワースト20」(2019年10月15日、Andy Kiersz)では、ヨーグルトで日本にもなじみのある国、ブルガリアが人口減少1位に挙げられている。ブルガリアの人口は2050年までに人口の2割以上、22.5%減少するという。
 この記事で日本の人口減少は16.3%で9位にランクしている。興味深いことに1位から8位まではすべて東ヨーロッパの小国で占められている。ブルガリアに次いで2位はリトアニア、以下、ラトビアウクライナセルビアボスニア・ヘルツェゴビナクロアチアモルドバの順となっている。
 現在、世界第3位の経済大国で人口でも世界11位の日本の人口減少は、特異な現象と言えるだろう。単に特異な現象というより、人類史的に見ても戦争や国家分裂、疫病の蔓延以外で、日本ほどの巨大な国家で極端な人口減少が起こるのは極めてまれだろう。
 人口急減する東欧の国でウクライナ以外の国はすべて1000万人に満たない小国である。なぜ東欧のこうした国々では人口が極端に減るのだろうか?
 それは少子化に加えて、西ヨーロッパに若者が移住していくからに他ならない。ブルガリアは、若者の海外流出のスピードを少しでも遅らせようと必死だ。国内の教育や経済の機会を改善することで、EUやその他の国へ移住するよりも国内にとどまる魅力をアピールしていると言うが、効果は限定的なようだ。
 ヨーロッパのこの状況を見て考えさせられるのは、少子化による人口減少が経済の停滞を招き、それが若者の国外流出を促進するという事実だ。日本は現在、人口減少によって労働者、若者が不足しているが、人口激減が止まらない日本の未来に希望が失われれば、優秀な日本の若者も海外に流出するかもしれない。
 いや、すでにその現象は始まっている。外務省の海外在留邦人数調査統計では、2022年10月1日現在の日本人の海外永住者は55万7000人と過去最高を記録し、10年間で14万人以上、増加した。
 2021年は円安傾向が続いたが、その結果、日本の賃金よりはるかに高いオーストラリア、カナダなどに短期、長期で働く日本の若者が増えている。
 若い女性では海外流出が顕著なようだ。大学生の留学では短期・長期を含め女子学生が圧倒的に多いが、女子学生は卒業時に外資系企業に採用されないと分かると、迷いなく日本企業より海外の会社を選び国を出ていく傾向があるという。
 女性活躍推進が叫ばれながらも、国内企業では女性の活躍には壁があると感じていること、また日本の将来への不透明さが海外での就労、日本脱出を決意させるのだろう。
 文/毛受敏浩
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