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・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・
2016年7月17日号 サンデー毎日「牧太郎の青い空 白い雲 578
新聞の片隅にちょこんと載った記事だが、本当は大ニュース!ということがある。
『20代の独身男女のうち、結婚したい人の割合が3年前と比べて男性で約28ポイント、女性で約23ポイントと大幅に減少した』
という小さな記事だ。本来ならば、一面トップでもおかしくない記事ではないか。
明治安田生活福祉研究所という小さな組織の調査結果なので、小さな扱いなのか?あるいは、権力が『圧力』をかけて地味な扱いにされているのか?
記事によると、調査は今年3月、恋愛と結婚をテーマに全国の20〜40代の男女を対象にインターネットで実施。約3,600人が答えている。
20代では『できるだけ早く結婚したい』『いずれ結婚したい』という回答が、男性で3年前の67.1%から38.7%に激減している。女性は82.2%から59.0%になっている。
独身でいる理由は、男性は『家族を養うほどの収入がない』が最も多い。女性は『結婚したいと思える相手がいない』。
これは、男性の経済力に直結している。
20〜30代の未婚女性の半数以上が結婚相手に『年収400万円以上』を望んでいるのに、実際にこの収入がある20代男性は15.2%しかいない。
要するに、この3年間に若者は『貧乏で結婚できない』と諦めているのだ。
結婚できなければ、少子化対策も意味がないじゃないか?
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参院選の投票まで1週間をきった。
自民圧勝を予測するメディアも多い。それはそれでよい。当たるも八卦、である。問題は参院選がフェアに行われているか?あるいは、である。直に言えば。アンフェアである。与党と一部メディアは参院選の争点を隠している。
憲法改正が最大の争点なのに、なぜか隠す。
前回、このコラムで書いたのだが桝添騒動。その後に起こった英国のEU離脱の陰に、安全保障、武器輸出・・・日本の武器が他国の人を殺すかもしれない、という差し迫った問題も隠している。
そして、『若者が抱える諸問題』も安倍さんは隠している。
貧しくて結婚できない!
それを解消するには『派遣労働の禁止』以外にない。派遣に就く若者は年々増え、長年働いても増えない。年金も掛けられない。戦前の〝女工哀史〟に似ている状態だ。
であれば、選挙の争点の1つは『派遣労働』のはずだが、これを隠しているのだ。
『2018年問題』をご存じだろうか?
この頃(英国のEU離脱もあって)リーマン・ショック級の就職氷河期が再来するだろう。大学を卒業しても『仕事』がない!という深刻な問題が存在するに・・・安倍さんはアベノミクスが成功した!と嘘を言い続ける。」
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7月24日号 サンデー毎日「牧太郎の青い空 白い雲 579
シルバー民主主義に『年寄りは先に逝け!』の声
参院選が終わったので、麻生太郎副首相兼財務相の『90歳?いつまで生きるつもり』発言を取り上げたい。
選挙結果に微妙に関係するのでは?と心配していたが、この麻生発言には、いま日本が抱える最大の哲学的選択が隠されている。
麻生さんは6月17日、小樽市の講演会で、『90歳になって老後が心配とか、わけのわからないことを言っている人がこないだテレビに出ていた。〝おい、いつまで、生きているつもりだよ〟と思いながら見ていた』と言い放った。
『高齢者への配慮に欠ける!』と批判する向きもあったが、コレは『若者の本音』でもある。若者は高齢者に『サッサと死んでくれ!』と願っているのだ。
シルバー民主主義を謳歌する高齢者に対して、カネもない、結婚もできない若者が『世代戦争』を仕掛けている。
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日本人は長生きになった。
古来中国では、人生を4つの季節で考えた。『青春』『朱夏』『白秋』そして『玄冬』と続く。『人生50年』の時代なら40年から10年余りを『玄冬』と考えれば良かった。50歳を超えた高齢者を気力、体力の衰えを自然に受け入れ、やがて退場する『無言の合意』のようなものが存在した。
しかし、いまは違う。人間はなかなか死なない。
人生100年。『白秋』が50歳から75歳ぐらい?『玄冬』は75から100歳?昔なら『あの世』に逝った世代が『冬』を生きている。
70歳、80歳で死んだら『損をしたような気分』になり、90歳がテレビで『老後が不安だ!』と話す。医療の進歩が『長生き』を可能にした。その結果、国は貧乏になって立ち往生している。
国の台所を預かる麻生財務相が思わず『年寄りは先に逝ってくれ!』と本音を吐露したとしてもおかしくない。
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国民医療費の膨張が止まらない。
病気やケガで全国の医療機関に支払われた1年間の医療費の総額は2013年度に40兆円を超えた。
誰でも、命が救われるべきだ!という哲学は存在するが、事実上『誰でも救う医療』には限界がある。
『90歳になったら、すぐ死ぬべきだ』とは言わない。が、せめて『無駄な延命』を止めるべきだ!という意見は納得できる。
たとえば、胃ろう。十分なケアと感染症管理ができれば、少なくとも2年ぐらいは延命できるが、その医療費は介護保険や医療保険から支払われる。胃ろうになると寝たきりになり要介護5になった場合、それだけで月々約35万円が介護保険から出る。それだけで年間400〜500万円が必要になる。
ともかく、医療費は膨れ上がっている。
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そのマイナスを誰が負担するのか?
一生の間に、日本人が国に払う税金、国から受け取る年金などのサービスを計算してみると。その収支は?
60歳以上は十分なサービスを受けて4,000万円プラス。このプラス分を勤労世代が負担し、その結果『今の20歳未満』は8,000万円以上のマイナスになるとの指摘もある。
年寄りは恵まれ、若者は搾り取られる。この世代間の不公平をこのままにしてよいのか?
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緊急医療には年齢制限をかけるべきだ!という過激な意見を聞いた。救命救急センターに入るのは75歳未満の患者のみで、年齢がそれ以上の人はお断りする。
事実上、75歳になったら『先に逝ってくれ!』とのお願いである。国民皆保険制度を守るためには、それしかない!と本気で思っている医療関係者も多い。
それほど過激ではないが、人生終末期の不可避な死に対してまで命を救うべきなのか?と疑問に思っている。日本の人口に占める65歳以上の高齢者率は2030年には約32%に達する。介護、医療はもう限界だ。
シルバー民主主義を謳歌する高齢者と、恵まれない『次の世代』との戦争は、すでに起こっている」
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7月31日号 サンデー毎日「牧太郎の青い空 白い雲 580
いまや世界は『分裂と抗争』の時代に突入した。
イギリスはEU離脱で国論が真っ二つ。残留派の女性議員が殺害される『血の抗争』に発展した。アメリカの大統領選は、イスラム教徒の入国禁止を主張するトランプ氏が共和党候補になって『メキシコ国境に壁を!』と叫ぶ。
世界は第二次大戦以降、守っていた『協調』『融和』『統合』という哲学を放棄して『分裂と抗争』の時代に突入した。反移民、イスラムテロ、ギリシャの金融危機、アメリカの白人vs.黒人・・・すべてが『分裂と抗争』の引き金?そして『貧困』が原因だ。
日本だって、この『潮流』と無関係ではない。というより、日本の場合はもっと深刻である。なぜなら・・・反移民とか、イスラムテロとかいう外交上のテーマではなく、国内で『高齢者vs.若者』の世代戦争が起きているからだ。
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前回、『シルバー民主主義に「年寄りは先に逝け!」の声』を書いた。『年寄りは先に逝ってくれ!』との若者の本音を紹介し、医療関係者の中には『緊急医療には年齢制限をかけるべきだ!』という過激な意見があると書いた。『救命救急センターに入るのは75歳未満の患者のみで、年齢がそれ以上の人はお断り』という具体的な意見を紹介しよう。
高齢の読者から『お叱り』を受けた。『オレたち殺すのか?』と言うのだ。
冗談じゃない! 90歳になったら死ぬべき!と誰も言っていない。
でも、こんなケースも存在する。
自宅で寝たきりの人が心肺停止になり、救命救急センターに運ばれる。ごく普通のケースだ。必死の応急処置で一命を取りとめる。医術は進歩しているから、助かるのがごく普通のケースである。しかし、『寝たきり』状態は変わりない。何百万円の医療費をかけて、自宅から病院に『患者の身柄』が移った、ということだけである。
うまく呼吸ができないと人工呼吸器が付く、全身チューブ。この悲惨な姿が続くだけではあるまいか?心肺停止の人を助けることで、高齢者のベッド占有率は高くなる。その結果、『働く生産年齢』の急患を断ることも頻繁らしい。それで良いのか?と、医療関係者の一部は悩んでいるのだ。
お年寄りの『お叱り』は理解できる。また、こんなことを書くので叱られそうだが・・・人生の終末期の不可避な『死』に対してまで『延命』が必要なのか?という疑念は残っている(念のため、当方は現在71歳と9ヶ月。高齢者だが、若者の意見も理解できる立場であろう!と思っているる)
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カネがあればすべてが解決できる。だが、日本は貧乏国である。
国の借金は1,000兆円を超え、単純計算で国民1人当たり約790万円の借金を抱えている。金融破綻したギリシャより、もっと深刻だ!う見方まである。
2009年秋、ギリシャで財政赤字の隠蔽が発覚した時のことを思い出してみよう。無料だった公立病院の診察費が一部自己負担になり、年金は最大50%カット、若者の失業率は60%。公共サービスの停止は日常茶飯事。私立病院から国公立病院に患者が移り、大混乱。手術なんてできない。医者の給料が下がり、人材は国外に流出したという。
日本でもこんなことが起きるかもしれない。いや、必ず起こる。
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前回の、全国の医療機関に支払われた1年間の医療費の総額は13年度に40兆円を超えたと書いた。もっと深刻な数字がある。団塊世代が75歳以上の後期高齢者になる25年、医療費と介護費の合計は75兆円になるという。これで国民皆保険制度は守れるのか?
長生きは悪!とは言わないが、野球は9回で終わると思っていたら、急に『18回までやる!』と言われれば当然、ルールが変わらなくては困る。日本の人口に占める65歳の以上の高齢者率は30年には約32%に達する。ルールを変えなければ、高齢者vs.若者の戦争は不可避である。都知事選の陰で『サッサと死んでくれ!』という若者の『呟(つぶや)き』は、大きな声に膨れ上がっている」
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真面目にあくせく働いても安給料で苦しい生活を強いられている若者が、オレオレ詐欺で数百万円から数千万円を騙し取られる老人のニュースを見る時、老後の為に蓄えた金を騙し取られて可哀想にと言う同情心を通り越して、老い先短い命なら騙し取られるより日本経済の為に日本製品を買えば給料も上がるのにと思い、繰り返されるオレオレ詐欺ニュースと高額な被害額を聞く度に使わずに貯め込んでいる事に腹立たしさを感じ、不平不満を言い募る暴走老人を敬うどころか軽蔑した。
老人が貯め込んだ預貯金を、死ぬまでに国内で使い切ってくれれば世の中は明るくなるし、若者は幾分かは助かる。
貧困を強いられる若者は、1,000兆円以上の借金を作り、毎年数十兆円の借金を増やすだけの、自制心を知らず我が儘放題で高慢ちきな老人を介護する事に疑問を感じる。
将来への夢も希望も奪われた若者には、ドス黒い被害者意識しかなく、老人が高笑いをしながら日々を楽しく暮らしている姿をみながら、心の闇を深くしていく。
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個人資産と年金で暮らせる老人は、年を取ってもなお働かされる事を嫌い、これ以上の経済発展は不要であると訴えている。
経済発展不要論とは、老人性燃え尽き症候群である。
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貧しい上に年老いた親の面倒を看る中年。
さらに貧困化する若者達。
少子高齢化で、老人が急増して、若者が減少する。
人口激減でさらに悲惨となる若者達。
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無能な政治家や官僚の為に国の累積赤字は、減る事なく際限なく増え続ける。
累積赤字2,000兆円もありうるかもしれないが、借金を増やした張本人の大人達はその頃全員死んでいる。
累積赤字2,000兆円を押し付けられる若者は、悲惨である。
それが分かっていながら、経済発展不要論を唱える無責任な大人が絶えない。
将来を生きる若者達は、不幸である。
大事なのは、累積赤字2,000兆円を残して死に行く老人なのか、累積赤字2,000兆円を押し付けられて生きる若者達なのか。
本当の弱者とは、老人あのか、若者なのか。
経済が衰退し、人口が激減すれば、累積赤字2,000兆円返済不能となる。
そんな日本国は、もう要らない。
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日本人とは、冷淡で薄情である。
守るべきは、幸せの内に死ぬ老人か、不幸を背負って生きる若者か。
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醜悪な命大事や弱者保護というヒューマニズムが、社会を毒し、人々の生きる意欲を奪い、健全な社会を蝕み衰退化させている。
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2018年以降か、2030年以降か、2050年以降か、何時の頃になるか分からないが、日本国内に欧米諸国で起きているような幾つかの対立が顕在化してくる。
欧米諸国と全く同じ対立構造とは言えないが、日本らしい対立として日本社会を混乱させる。
その被害を被るのは、今の大人ではなく、今の子供や孫であり、まだ生まれていない子孫である。
富める者と貧しき者との間の格差対立、貧しい地方と豊かな東京などの都会の間の地域対立、日本民族日本人と移民・日本国籍取得者日本人(××系日本人)との間の人種・民族対立。
そしそ、介護や生活保護など社会保障を受ける老人と社会保障を支える若者の間の世代対立。
深刻な問題はそうした対立が起きる事ははかっていても、対策方法や解決方法が見つからない事である。
今の大人は安全・安心・安定の内に逃げ切るが、残される子供や孫は悲惨な状況に放置される。
大人は、口ではもっともらしく「子や孫のため」と言いながら、その実は自分の老後のみを最優先して子や孫の事など本気で考えてはいない。
全部の大人とは言わないが、ブログやツイッターなどの投稿手段で「弱者の正義」を振りかざして、他人の迷惑を顧みず自己満足のみで批判、非難中傷など罵詈雑言を浴びせ、社会を混乱さる悪意ある風評やデマを流して卑猥にほくそ笑む、コソコソと逃げ回りながら姿を見せない善人面した陰険・陰湿な人間がその類いにあたる。
(自己満足的ブログを作製している59歳の家族を持たない孤独な独身男性である以上は、人の事は言えないが・・・)
古くは関東大震災のデマであるが、新しい所では東日本大震災や熊本地震の悪意ある風評である。
そうした人間は、サムライ・武士とは、畜生働きをする心なき野党盗賊の類いである。
日本人の心の中には、そうした心の闇が存在する。
自然災害多発地帯日本列島で生きてきた日本民族日本人は、そうした心の闇を「荒御魂(あらみたま)」として恐れおののき、世の為・人の為になる「和御魂(にきみたま)」にかえるべく日本神道・日本仏教の混在信仰で、一心不乱に「荒から和」への鎮静浄化祭祀と祈りを繰り返してきた。
「荒から和」「怨霊から御霊」への鎮静浄化祭祀と祈りが、ムラ共同体を維持する相互扶助・隣保共助の心を生んだ。
物事をあえてハッキリさせない、曖昧模糊をよしとする泰然自若とした「大らかさ」「ゆとり」「余裕」である。
現代日本から、そうした民族的心が消え始めている。
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老人は、人口爆発時代の年功序列と終身雇用で働けば確実に給料は上がり、結婚して家庭を持ち、土地を買って家を建て、老後の為に資産を増やした。
若者は、人口減少時代の非正規社員や契約社員で幾ら働いても給料が安く、結婚できず、家も持てず、老後の資金を貯める事ができない。
老人が生活してきた社会は、人口爆発による内需拡大で、大量生産と大量消費の貪欲景気であった。
若者が生きる社会は、人口激減による内需消失で、少量生産と少量消費の無欲景気であった。
国内の消費が落ち込めば、国内市場に商品が売れずに溢れ、商品の値崩れが起きる。
国内消費に依存する企業の業績は悪化し、企業収益が落ち込めば社員の給料はカットされる。
会社は、痛みを伴う企業努力として、正社員を非正規社員にかえ、雇用を維持する為に給料を減らす。
若者の貧困は、避けては通れない。
人口知能とロボットが、労働不足を補い、人間の代わりに働いて収益を上げ、人口激減の日本を救う。
2030年以降。減少した日本人は、人口知能とロボットに依存し、彼らが稼ぐ金に縋りながら生きる事になる。
日本は、人類が今だかって経験した事のない少子高齢化という自然人口激減期を迎えようとしている。
自然人口激減を食い止める処方箋は、歴史上どこにも存在しない。
その時、××系日本人は邪魔になり、日本社会から排除・排斥される可能性が大である。
未来の日本は、幾つかの対立が激しくなり、日本が消滅しないまでも、社会秩序崩壊をもたらす大混乱に陥る。
秩序崩壊をもたらす大混乱の原因である無知と無関心は、今まさに社会全体で静かに進行している。
自分で、国内外の複雑な諸問題を熟慮して考えをまとめて信念を持たず、思慮分別に欠けた単細胞的な発想で他人の口車を真似してがなり立てるだけの「正義の声」は、有害で、崩壊を加速させ、破壊を修復不可能なまでに拡大させる。
富める者と貧しき者による貧富の格差の対立。老人と若者による世代間の対立。日本民族日本人と日本国籍取得者日本人による人種・民族間の対立。大都市と地方による地域間の対立。
原因の数は、国内外で山のように存在している。
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