🚷27〉─2─年金破綻を非難する政治家や誤魔化す政治家は政治家失格である。〜No.125No.126 

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   ・   ・  {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博} ・   
 年金制度は破綻しても廃止されず細々と存続する。
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 年金は老人の小遣いであって生活費ではない。
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 年金制度の100年安心は、もともと存在しない。
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 年金制度とは、一人暮らしの老人が年金だけを生活費として老後を生活するようにできてはいない。
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 2019年6月30日号 サンデー毎日「100年安心の大ウソ
 国民憤然! 老後2,000万円問題
 年金制度の断末魔
 舛添要一厚労相が『消された報告書』を読み解く
 『老後の安心』の不都合な真実
 臭いものに蓋をするとはこのことか。夫婦の老後資金が公的年金以外に『30年間で約2,000万円必要』と試算した金融庁の報告書。あろうことか政府は大衆の面前で堂々と『もみ消し』に走ったのだ。一体全体、『100年安心』の年金は大ウソなのか──。
 4月12日、金融庁の特別会議室で開かれた、金融審議会の『市場ワーキンググループ』。金融や社会保障に詳しい大学教授やエコノミストら約20人の委員を前に、厚生労働省企業年金個人年金課長が次のように説明した。
 『引退して無職となった高齢者世帯の家計は、主に社会保障給付により賄われています。現在、高齢夫婦無職世帯の実収入20万9,198円と家計支出26万3,718円との差は月5.5万円程度となっております』
 社会保障給付とは年金のこと。資料を基にしたその収支不足が……である。厚労省のこの説明が、後に金融庁の『高齢社会における資産形成・管理』報告書で試算された『老後資金2,000万円』につながっていく。
 平均寿命が延び、生涯で必要な生活費の総額が増える一方、少子高齢化で将来受け取る祢ン員が今より減るという事実をデータで示し、人生の早い時期から計画的に資産形成に励むよう促している。金融庁の狙いはともあれ、『消えた年金の悪夢』のトラウマを抱える安倍晋三政権への〝忖度〟が足りなかったらしい。『老後資産2,000万円』が独り歩きしたのだ。
 政府・与党の迷走ぶりが騒動をさらにエスカレートさせた。
 ……
 数々のデータを用いて、国民に『長生きリスク』へ備える為の警鐘を鳴らしたにすぎない──。舛添氏は報告書をそう読み解くのだ。……、舛添氏が『長生きリスク』と日本社会の課題をこう解説する。
 『第二次世界大戦後に構築されたさまざまな制度は、長寿を前提として作られていない。国民年金は1961年に始まりましたが、この年の平均寿命は男性66.03歳、女性70.79歳。当時の男性は60歳で仕事を辞めた後、年金のお世話になるのは平均で約5年にすぎなかった。現在の平均寿命は約81歳。65歳で定年退職すると、約15年も年金に頼ることになる。年金制度をどう維持していくか、大きな問題になるのは当然です』
 年金とは働けなくなった老後のための保険ともいえる。少子高齢化で保険料を納める現役の『支え手』が減り、年金を受け取る高齢者が増えれば年金財政が行き詰まるのは明白だ。医療技術の発達で長寿化はいっそう進展する。これは『老後の安心』を支える年金制度の不都合な真実でもある。
 〝70歳現役社会〟に向けた制度設計
 『医療費も同じです。2015年度の国民医療費は42兆3,644億円ですが、このうち65歳が25兆1,276億円(59.3%)。70歳以上で見ると20兆2,512億円(47.8%)、75歳以上だと15兆1,629億円(35.8%)です。30年前は75歳以上の高齢者は少なくなかった。でも今、その世代の医療費が全医療費の3分の1以上を占めています』
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 『長寿化が進む今、このままでは年金制度は持たない。年金の受給開始年齢を70歳からにすべきで、そのためには70歳まで働ける社会を確立しなければならない。70歳現役を基準に年金や医療などの制度を作り変える必要があります。私は自分を高齢者だと思っていません。失業者ですが・・・。とにかく70歳を高齢者と呼ばない社会を作るのです』
 ……
 日本老年医学会なども高齢者の定義を『75歳』へ引き上げる提言をしている。賛否両論あるだろうが、舛添氏の『70歳現役宣言』は、決して絵空事ではない。
 『金融庁の報告書より問題なのは、5年に1度行われる公的年金財政検証がまだ公表されていないことです。公表すると、野党やメディアが揚げ足取りをするからでしょう。悲観的なデータも含めて、政府は正確な情報を国民に伝えるべきです。カネは天から降ってくるわけではありません。保険料などの負担を増やすか、支給を減らすしか方法はないのです』(舛添氏)
 参院選を前に厚労省は安倍政権に〝忖度〟しているのか。断末魔の年金制度。正面から論議し、制度設計をし直す時が来ている。
 本誌・山本浩資 」
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 現在、年金問題を議論している政治家、官僚、メディア関係者、学者、専門家などの高学歴出身知的エリートは、30年~40年以内にその大半が鬼籍に入ってこの世にはいない。
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 人生100年時代とは、動けるうちは働く、死ぬまで働く、生涯現役時代である。
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 年金制度は、1955~73年の人口爆発期と高度経済成長期に作られた。
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 年金制度とは、家族も子供も親族もいない一人暮らしの孤独老人を想定していし、投資をしていなくとも多少なりとも貯蓄をしている家族内老人を想定している。
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 年金制度が始まった当時、10人の現役世代が1人の年金世代を支えていた。
 老人にとって、年金は生活費ではなく小遣いであった。
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 戦後復興や高度経済発展期を働いて生きてきた高齢者は、生活に困らない年金額を貰って安心した老後生活を迎える権利がある。
 戦後生まれでバブル経済期を享楽した世代の老人は、その限りではない。
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 2,000万円以上の老後資産形成が必要な世代とは、今の高齢者・年金世代ではなく、20年~30年後に年金世代となる低賃金貯蓄なしの現役世代である。
 40年以降の年金世代が必要な老後資金は、3,000万円~5,000万円になるといわれている。
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 少子高齢化による人口激減は、金を納める若者・現役世代が減少し、金を受け取る老人・引退世代が増加する事である。
 つまり、生産する労働者ではなく、購買する消費者である。
 老人は、若者に比べて分別ある買い物と無駄に大金を浪費しない。
 つまり、資産を持っていたとしても老い先短い老人は、幾度もやり直しができる若者に比べて好ましい消費者ではない。
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 外国人移民(主に中国人移民)を幾ら増やしても、好ましい労働者になっても好ましい消費者にはならない。
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 2019年6月28日号 週刊朝日田原総一郎のギロン堂 そこが聞きたい!
 年金巡る〝臭い物に蓋〟の愚考 野党は好機を掌握せよ
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 2004年の年金改革で、自民党政府は『100年安心』とアピールしていた。報告書の内容を知った野党各党は、『100年安心とはうそだったのか。2,000万円ためろとはどういうことなのか』と政府を攻めた。すると、安倍晋三首相は国会で、『100年安心はうそではない』と答弁し、激しい論戦になった。
 私は、この国会の論戦をテレビで見ていたのだが、野党はこの問題を参議院選挙の争点にしようとしているのだが、と強く感じた。
 だが、本当の年金問題はもっと根本にある。現在の年金制度は、あくまで年金を掛ける世代の人数が減らないことが前提になっている。ところが、人口減少、少子高齢化で、年金を掛ける世代の人数は年々減少し、逆に年金を受け取る高齢世代の人数が増加している。厚生年金、国民年金と分かれていることも問題だ。国民年金だと、受給年齢になっても受取額は生活保護の給付額よりも少ないのである。国民年金だけではとても生活できないことになっている。
 私は民主党政権時、そして第二次安倍内閣のときも、厚生労働省の幹部や政府与党の幹部たちに、年金制度をどうするのか執拗に問うた。すると、いじれも『現在の年金制度は破綻する。だから改革しなければならない』という点で一致していた。
 だから、どのように改革するかが難題なのである。」
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現代日本人は、口では改革やイノベーションの重要性を力説するが、実際は何もできず破綻・崩壊・破滅するまで唖然・茫然と立ち尽くしている。 
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 日本の人口は、1868年の明治初期に約3,000万人が、1945年に約7,000万人に、1990年頃に約1億2,000万人に爆発した。
 平均寿命は、明治時代頃は40歳前後、1960年頃は男性66歳・女性71歳、1990年頃は男性75歳・女性80歳であった。
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 高度経済発展期は、毎年給料はアップされ将来に対して明るい夢を抱く事ができ、物価は安く、我慢すれば狭いながらも土地付き一軒家の我が家が買える望みがあった。
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 人口爆発期は、若者が多く、老人が少ない、未来に希望を持ち、将来に夢を抱き、社会は活気に溢れ、意欲で国は急速に発展していった。
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 戦後の人口爆発は、1947~49年の第一次ベビーブームで起爆となり、地方・農村部の中学卒業生は「金の卵」と呼ばれ都市に集団就職した。
 戦前の「産めよ殖やせよ」政策の余韻であった。
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 家族構成は、祖父母・親・子供といった大家族で、貧しい地方・農家の親や若者は都市の工場や作業場出稼ぎに出た。
 父親・夫・息子が出稼ぎに行った家庭では、朝から晩まで爺ちゃん・婆ちゃん・母ちゃんの三ちゃん農業を行っていた。
 貧しさと子沢山ゆえに、娘・女性も働かざるを得なかった。
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 財政にゆとりのない政府は、インフラ整備などに充てる財源を確保する為に様々な名目で国民から徴収した。
 その一つが、年金制度である。
 年金制度は、人口爆発と高度経済を原資として生まれた。
 納められた金は、金額を台帳に記載するが、その金を公共投資などに回し、投資などで運営して利益を上げる。
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 人口が激減し経済が衰退すれば、年金制度が破綻するのは当然であった。
 その原因をつくったのは日本人である。
 その原因に日本人を誘導したのがマスメディアである。
 つまり、誰のせいでもない、バブル崩壊後に日本人が自分で招いた結果である。
 マスコミ・マスメディアに、上手く煽てられ、褒められた有頂天となって踊ってしまった現代日本人の自業自得である。
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 年金制度の破綻の原因は、第三次ベビーブーム不発による人口激減、バブル経済崩壊後の経済再建の失敗、核家族化して独居老人の急増である。
 つまり、マスコミに煽られた、一時代を風靡した独身貴族、優雅なお一人様、パラサイト・シングル、金が欲しい時だけ働いて生活をエンジョイする派遣社員、借金も財産の内などなど。
 それは、イソップ寓話の「働いて蓄えたアリと働かず蓄えず遊び呆けたキリギリス(セミ)」の物語の結末である。
 キリギリス(セミ)が、人を楽しませるような芸(芸能・芸術)があれば救いようもあるが、無芸無職で酒と賭け事・ギャンブル・カジノが唯一の趣味という放蕩であれば救いようがない。
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 現代の年金受給老人世代は、不況といっても日本経済がまだ堅調で安定しているから困る事はない。
 人口が急速に激減していく50代より若い世代にこそ、経済が今以上の活況を持って利益を上げなければ年金問題が深刻化する。
 現在日本が抱えている約1,100兆円以上の財政赤字は、人口を減少しながら将来を生きる貧困化する若い世代に対する返済不能の重い借金である。
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6月17日 産経新聞「【産経・FNN合同世論調査】国民は冷静…老後は年金だけ「思ってない」8割超に
 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は15、16両日、合同世論調査を実施した。金融庁金融審議会が報告書で、公的年金だけでは老後資金が2千万円不足すると試算したことを受け、年金制度について「不信感が増した」との回答が51・0%に上り、「変わらない」の44・6%を上回った。
 「これまで老後は年金だけで暮らしていけると思っていたか」との質問では「思っていなかった」が84・2%に達し、「思っていた」の13・9%を大きく上回った。政府が「100年安心」の年金制度を主張する中、公的年金がもともと老後資金の全てを賄う設計とはなっていないことに対する国民の冷静な受け止めがうかがえた。
 麻生太郎金融担当相が報告書を受理しない対応については「適切でない」との回答が72・4%を占めた。自民党支持層に限っても68・7%が「適切でない」と回答した。
 安倍晋三内閣の支持率は47・3%で、前回調査(5月11、12両日実施)より3・4ポイント減り、不支持率は同1・6ポイント増の36・5%だった。自民党の支持率も前回比5・1ポイント減の35・9%となり、「2千万円問題」が影響したとみられる。
 菅義偉(すが・よしひで)官房長官は17日に国会内で開かれた政府・与党協議会で、報告書について「冷静に丁寧に説明し、不安をあおることのないように進めたい」と述べた。自民党が17日に開いた全国幹事長会議の出席者からも「大事な時期に不安要素が出た。極力こういうことは避けなければならない」との批判が出た。
 一方、野党はこの問題を政府の失策とし、夏の参院選での争点化をもくろむが、政党支持率は伸び悩んでいる。立憲民主は前回比0・6ポイント減の6・8%、国民民主も同0・6ポイント減の0・5%にとどまった。国民が冷静に年金制度をとらえている中、批判だけで支持を得るのは難しいようだ。
 立憲民主は「高齢者の不安に対応できる医療や介護の体制を早期に作り上げることが対案だ」(枝野幸男代表)としており、近く発表する参院選公約での具体策が注目される。」
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 6月18日13:23 産経新聞金融庁「老後3000万円必要」 4月に試算を金融審に提示
 金融庁=東京都千代田区霞が関
 2千万円の蓄えが必要とした金融庁金融審議会の報告書問題で、麻生太郎財務相兼金融担当相は18日の記者会見で、金融庁が今年4月に開いた金融審で、老後に必要な資産形成額を「30年で1500万~3千万円」と独自に試算した事務局説明資料を示していたことを明らかにした。
 報告書をめぐり麻生氏は「公的年金である程度まかなえるという政府の政策スタンスと異なる」と受け取りを拒否したが、金融庁公的年金でまかなえない金額を独自に試算していたことになる。麻生氏は「最終報告書でなく途中経過の話。一定の仮定を置いたもので、一律に個人が必要な資産形成額を示したものでない」と述べた。
 説明資料では総務省の家計調査などを基に、1カ月の支出を約25万円と仮定。その場合30年間で9千万円が生活費として必要となるが、住宅の修繕費や医療費など「不測の支出」も500万~2千万円あるとし、計9500万~1億1千万円の支出があると試算した。その上で、厚生労働省の調査などを用いて公的年金私的年金、退職金などを合算。その場合、1500万~3千万円の資産形成額が必要とした。
 問題となっている報告書ではこの試算は用いず、収入と支出のいずれも総務省の家計調査を用い、平均で毎月5万円の差があることから、2千万円が必要と試算した。」
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 6月18日17:57 産経新聞「安倍首相、老後2000万円は「乱暴な議論で不適切」
 参院厚生労働委員会で答弁を行う安倍晋三首相=18日午後、国会・参院第43委員会室(春名中撮影)
 安倍晋三首相は18日の参院厚生労働委員会で、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書について「乱暴な議論で不適切だった」と述べ、国民の不安を払拭するため説明を重ねる考えを強調した。報告書に関し「老後の生活費があたかも一律に月5万円の赤字かのような誤解と不安を国民に与える。高齢者の(生活の)実態はさまざまだ」と語った。」
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