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日本人男性の女性蔑視は根強く、そう簡単には改善できない。
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2020年2月12日16:30 MicrosoftNews Forbes JAPAN「男性ばかりの会議から見えてくる日本の未来 食い止める術は
橋本直子
© Forbes JAPAN 提供東京オリンピック・パラリンピック(オリ・パラ)大会組織委員会会長であった森喜朗氏の度重なる女性蔑視発言に、日本中、世界中から非難が殺到しました。
国内外からの批判と解任を求める声は大きくなるなか、森氏は辞任の意向を示し、2月12日に辞任が正式に表明されました。
しかし今回の一連の出来事は、森喜朗氏個人の失言に留まるものでなく、日本社会に根強くはびこる様々な問題を見事に凝縮したものと言えます。その一つが、男性ばかりがメンバーや発言者である会議やイベントと、それが暗示する日本の暗い未来です。
もちろん中には、男性だけで話すことが適切な話題(例えば生物学的に男性しか経験しないようなこと)もあるのかもしれません。けれども最近私が目にして驚いたのは、日本のオリンピック評議員会のみでなく、持続可能な開発目標(SDGs)や「コロナ後の日本の社会」などについて議論する場において、見事に発言者全員、あるいは圧倒的大多数が男性のものが、当たり前のように開催され宣伝されていたことです。
時には「女性をいれればいいんだろ」と言わんばかりに、若くてキレイな女性をお飾り司会者として配し、実際の講演者はズラリ男性というような会もあります。
私が長年勤務していた国際機関では、既に10年ほど前から「男性ばかりのパネルには参加しない」という幹部が増えてきています。ロジックとしては、世の中の半分(以下)の人々の視点しか反映しない委員会やイベントは、そもそも企画の段階で不適切だしインパクトも少ないだろうから、参加するだけ自分の時間の無駄ということのようです。
また、本当に(男性である)自分に登壇して欲しいなら、パネリストの数人を女性に変えてから依頼し直してくるだろう、という自信の現れでもあるでしょう。最近は「男性ばかりのイベントには登壇しない」と表明する日本人男性が私の周りでもやっとチラホラ出てきました。
国内より海外で活躍する日本人女性
一方で、この手の議論になると必ず出てくるのが、「でも日本にはちょうど良く発言できる優秀な女性がいないから……」という反論です。上記のような課題で発言できる「優秀な日本人女性」は本当にいないのでしょうか?
私に身近な分野で言えば、Times Higher Educationという高等教育に関するオンライン記事に、少し古い数字ですが興味深い統計が紹介されていました。2014年時点で日本国内の大学・研究機関に勤める女性は1割に満たないのに、海外の大学・研究機関に勤める日本人研究者のうち6割が女性である、というのです。同様に、国際機関の職員は世界全体でみると6割が男性ですが、日本人職員に限ると逆に6割が女性というのも、長年ほぼ変わらない傾向です。
このような研究機関や国際機関で働く人は、専門分野で豊かな知識や経験を持ち、多くの場合は博士号、最低でも修士号を1つはもち、英語のみならず複数の外国語を操る人がほとんどです。そのようなバックグラウンドを持ち自国外で活躍する人のうち、日本人に限って女性の割合が高いという傾向がみられるのはなぜでしょうか。
他国と比べてそのような女性が日本国内で活躍できる機会が限られていると推察できると考えます。日本人女性自身の資質や能力、主体性の問題というよりは、日本社会の構造上の問題かもしれない、と仮定することはできそうです。
「多様な意見を出し合う場」のはずが…
私自身、政府のとある委員を務めていた際に面白い体験をしました。その委員会は、医師や学者、弁護士、NPO関係者など多様なバックグラウンドを持つ方々で構成されていて、私は国際機関の代表として参加していました。少なくとも当時は若手女性である委員は私だけでした。
ある時気が付いたのですが、委員の一人で年配の男性が普段はずっと黙っていらっしゃるのに、私が発言した時だけ必ずすぐに真っ向から反論され、私の意見に他の男性委員が賛同すると静かになられるのです。最初はどうして私に対してだけ反論されるのか分からず少し戸惑ったのですが、おそらく自分よりずっと若い女性が専門的な知見に基づいて自由に発言するのが生理的に受けつけられないのかもしれない、ということが少しずつわかってきました。
私もコトを荒立てたくありませんでしたし、大事だと思って提案した意見は結果的にほぼ全て委員会全体で受け入れられましたので、その委員の態度について何か不平不満を申し立てたことはありません。おそらくご本人にも私を黙らせようという悪意はなく、古い時代の文化に育って、そういう価値観が潜在的に染みついてしまったのでしょう。
ただ今振り返ってみれば、多様な立場に基づいて多様な意見を出し合い聞き合うことが目的の場で、もし自分と異なるバックグラウンドを持つ人の発言を、その中身ではなく、発言者の性別や年齢によってどうしても生理的に受けつけられないのであれば、そのような公的委員会のメンバーとして適任だったのかどうか、少し疑問に感じています。
頭脳流出だけでなく「エストロゲン流出」との揶揄も
このような記事を書くと、疎ましく思われるかもしれません。それを承知で私がこの記事を投稿する理由はただ、日本の将来を憂いているからです。
私は今、首都圏にある国立大学・私立大学数校の学部・大学院で教鞭をとっています。ほぼ全ての講義を英語で行っているため、私の受講生には、高校まで欧米圏で教育を受けたいわゆる「帰国子女」や留学生が多いのですが、「日本は女性蔑視がひどいし、特に女子はお給料も低いから、卒業後は海外に戻ろうかと思っているんです」と半ばあきらめ気味に相談に来る女子学生が少なくありません。
少子高齢化に全く歯止めがかからず、社会保障制度がひっ迫の一途を辿る日本において、本来、このような女子学生は日本社会が大切にすべきではないのでしょうか。
優秀な女性が海外にどんどん流出してしまう状況を、頭脳流出だけでなく、「エストロゲン(女性ホルモンの一種)流出」と揶揄する海外の社会人類学者もいます。要するに、日本人女性が日本社会に根強くはびこる女性蔑視に愛想を尽かし、日本国外で自分の能力を十分に発揮できる仕事に就き、海外で外国人男性と家族をもち、仕事も家庭生活も楽しく充実した人生を送る、という状況を指すようです。
日本人女性たちには、世界中のマーケットが公私ともども両手を広げて待っています。実際、国際機関の空席公募や海外の大学の教員公募では、「女性やマイノリティの候補者を優先します」と強調してあるのが既に定型となっています。
逆に困るのは、いつまでも男性ばかりの会議を繰り返し、ことあるごとに女性達に「オンナは黙っていろ」というメッセージを発し続け、高学歴・高収入の女性を海外に追いやり、日本国内の少子高齢化と社会保障制度の危機をますます悪化させる社会です。もし日本の未来に少しでも不安があるなら、今この瞬間から自分の周りで起きている数々の有形無形の差別に少しずつでも小さくても良いから行動を起こすべきなのです。
もちろん「女性の権利」とか「何が正しい」のかという議論も大事です。同時に、将来の日本社会にとって本当の意味で何が必要なのか、自分の老後にとって「何が得なのか」という視点に基づく具体的な行動も、求められているのではないでしょうか。他人の価値観や行動を変えることはできません、でも自らの言動を変えることは今日からできるはずです。
まずは、今日明日の会議をいつもと違った視点で見てみてください。多様性は保たれていますか。女性だからって一番に発言するのを戸惑っていませんか。男性に対して、女性に対して、本当に平等な態度で接しているでしょうか。そこから日本の未来を変えることができるのです。」
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2月12日20:47 MicrosoftNews Reuters/POOL「五輪組織委、女性理事の比率向上へ 森氏辞任で武藤事務総長
© Reuters/POOL 五輪組織委、女性理事の比率向上へ 森氏辞任で武藤事務総長
[東京 12日 ロイター] - 東京五輪・パラリンピック組織委員会の武藤敏郎事務総長は12日、理事会・評議員会合同会議後の記者会見で、プロジェクトチームを立ち上げ、理事と評議員の女性比率を高めることに取り組むと表明した。
女性蔑視発言で批判を受けた森喜朗氏はこの日の会議で辞任を表明した。
後任会長の人選は、御手洗冨士夫名誉会長のもとで検討委員会を設置して当たることを明らかにした。委員の数は10人未満で、理事会メンバーの中から選び、男女半々とする。アスリート中心で、国、都、日本オリンピック委員会(JOC)からも入ってもらうとした。
人選は「透明性あるプロセスでなければならない」とし、7月の五輪開催に向けた準備が遅れることないよう、組織委員一丸となって全力で対応に当たると述べた。
新会長に必要とされる資質について武藤氏は、開催まで残り5カ月となっているため、五輪・パラリンピックに何らかの経験があること、さらに「ジェンダー平等やダイバーシティなどについての認識が高い方」とした。
ただ、「人選について性別を議論する必要はない」とも述べ、女性、男性に関わらず適任者を選ぶとした。
武藤氏は、川淵三郎・日本サッカー協会元会長が森氏から後任会長を打診されていたことについて、「具体的に組織委員会の中で議論したということはない」と述べた。関係者の間で川淵氏を後任会長にするとの了解はなかったと理解している、とも語った。
この日の合同会合の中で、川淵氏から、会長になることは考えていないし指名されても「辞退する」という発言があったことも明らかにした。
会長を辞任した森氏が組織委員会の中で何らかのポストに就くのかという質問には「現時点でそういう話は出ていない」と答えた。(宮崎亜巳、竹本能文)」
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2月12日21:53 MicrosoftNews FNNプライムオンライン「森氏辞任表明「妨げになっては...」 “密室人事”に反発「透明性を」
© FNNプライムオンライン
森喜朗会長(83)が正式に辞任を表明した。
後任に指名された川淵三郎氏(84)だったが、一転、起用が見送られることになった。
そして大会組織委員会は、12日夕方に終了した。
12日午後3時、渦中の森会長が、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の臨時会合に出席。
公の場に姿を見せるのは“女性蔑視発言”の謝罪会見以来、8日ぶり。
その冒頭、会長職を辞任する考えを正式に表明した。
大会組織委・森会長「きょうをもちまして、会長を辞任いたそうと思っています。オリンピックを開催するための準備に、私がいることで妨げになってはならない」
そして12日夕方、IOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が、「IOCは森会長の辞任の決断を尊重し、その理由を理解する」とコメントを発表。
そのうえで、森会長の東京大会開催に向けた、これまでの貢献に感謝を述べた。
その森会長から直接、後継指名された組織委員会の川淵三郎氏。
しかし、起用は一転、見送られることになった。
理由の1つが、“密室人事”への批判。
閣僚経験者「もめ事を起こした本人が、いくら会長だからって、後任指名に絡んじゃったら意味ないじゃない」
加藤官房長官も、今後の会長選びについて、「透明性のある形で対応すべき」と苦言を呈した。
加藤官房長官「大会組織委員会は、公益財団法人でもあります。人事も含めた運営についても、透明性のある形で対応されていくべきもの」
起用見送りの一報は、12日午後1時ごろに自宅を出た川淵三郎氏本人の耳には入っていなかったよう。
記者「政府から会長起用見送りの意見が出てるが?」
川淵三郎氏「ああ本当? それはもう...そういうことが出たのなら、ある程度従わなくちゃいけないんじゃないの?」
記者「そういう話を聞いた?」
川淵三郎氏「全然聞いてない」
この“密室人事”は、皮肉にも、2000年に森喜朗氏が首相に就任した時にも批判されたもの。
当時の小渕恵三首相が倒れたあと、森氏自身を含む政権与党幹部5人が集まり、後継選びを主導。
まさしく“密室人事”で誕生した首相が、森氏だった。
そして今回の失言も、過去と同じ。
2000年5月、森喜朗首相(当時)は「日本の国、まさに天皇を中心にしている神の国であるぞ」と述べ、いわゆる「神の国」発言で多くの批判を浴びた。
川淵三郎氏の起用が見送られた背景にある、もう1つの要素が、政府の介入。
川淵氏後任案について、政府は、国民の間に反発する声があると判断。
組織委員会などに対し、川淵氏起用の見送りを働きかけた。
菅首相は、周辺に「国の内外で批判がある中で、女性の起用や世代交代をしないと、変わったという印象を持ってもらえない」と話している。
川淵氏は11日、菅首相の意向について「菅さんあたりは『もうちょい若い人はいないか』とか、『女性がいないか』って話はあったと聞いている」と話していた。
しかし、以前、菅首相は、国会での答弁で「人事の権限はない」と強調していた。
共産党・藤野議員「総理、辞任させるべきじゃないですか?」
菅首相「内閣総理大臣にその権限はない」
ところが12日、後継人事に異を唱える姿勢に転じた。
焦点は、次の会長が誰になるのか。
政府は、女性の起用を含め検討していて、候補には、橋本聖子五輪担当相が浮上している。
80代女性「元アスリートだからね。なんかあの今すごく動ける感じ。年齢的にも」
20代女性「トップを決めるのに、なんかこんなコロコロ変わったりとか、あいまいな感じで、東京オリンピック成功させたいのかなっていう不安はあります」
「ポスト森」に名前があがる橋本聖子五輪担当相は、12日の衆院予算委で、就任を要請された場合、受けるかどうか問われ、「私はそういった報道等について、全く今の段階では承知しておりません。組織委・評議員会・理事会・懇談会の場で、しっかりとした議論がなされると承知」と答えた。
ただ、橋本五輪担当相が組織委員会のトップに就任するには、オリンピック憲章に政治的中立がうたわれていることなどから、少なくとも大臣を辞める必要があるとの指摘もあり、難しい判断を迫られるとみられる。
白紙状態となった後任人事。
組織委員会には、透明性高い手続きが求められている。」
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