⛲45〉─3・A─続・孤独死の残酷物語。心の老い。悲惨な孤独死が激増している。~No.259  

  ・   ・   ・   
 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 現代日本はブラック社会で、日本人は数多くの差別に耐えながら生き、差別の中で死んでいる。
   ・   ・   ・   
 2022年6月2日06:30 MicrosoftNews zakzak「「続・孤独死」残酷物語 「心の老い」に気をつけよう 認知症の進行を早める「1人暮らし」 遺伝で発症するという「多くの人の誤解」 日本人に多い「アルツハイマー型」
 © zakzak 提供 ゴミを溜め込んだ状態で異常が発覚することもある
 高齢者の5人に1人が1人暮らしです。そして、1人暮らしの高齢者が口をそろえて言うのが、「ボケたらどうしよう」です。いわゆる認知症ですが、1人暮らしほど認知症の進行は早くなり、ここ2年余りのコロナ禍がさらに追いうちをかけています。
 外出が抑制されたことで、いわゆる「フレイル(虚弱)」問題が起こり、高齢者の身体機能は一段と衰えました。また、病院に行く機会が減り、診療報酬の集計データによると処方される薬の量もここ2年間で大きく減りました。なかでも、認知症の治療薬は、例年に比べ約2割減ったといいます。進行中の認知症では、薬の服用が止まると、徘徊や不眠など行動面、心理面で症状が悪化します。
 訪問診察・介護の現場でよく聞くのは、1人暮らし、いわゆる独居老人の診療・介護の難しさです。認知症が進むと、訪問しても鍵をかけて出てこない。泥棒と間違えられて追い払われるなどということが起こります。
 1人暮らしでも親しい交友関係のある方は、認知症の悪化に早く気づくことができます。しかし、身寄りがない場合は気づきが遅れます。多くの場合、周囲は本人の性格的なことと解釈して手を差し伸べません。幸い気づく人間がいて民生委員に報告が行けば、民生委員が役所の福祉、介護保険地域包括支援センターなどの担当者に連絡を取り、介護保険の申請と行政からの支援が行われます。1人暮らしでは生命の危険があると判断された場合は、特養(特別養護老人ホーム)へ措置入所の手続きを行うこともあります。
 富家孝氏(医師・ジャーナリスト)© zakzak 提供 富家孝氏(医師・ジャーナリスト)
しかし、こうした措置がスムーズにいくことは少なく、周囲の目が届かずに「孤独死」するケースが多いのです。
 認知症が悪化してくると、整理整頓はもとよりゴミ出しなどをしなくなるため、住居がゴミ屋敷と化す例が多く見られます。失禁などの排泄トラブルにも対処できず、部屋が不衛生で悪臭に満ちるという例もあります。
 そんななか、寒暖に鈍感になり、夏場にエアコンをつけずに脱水による熱中症で手遅れになる、失火し焼け死んでしまうなどいうことも起こります。「ボケてしまえばなにもわからないのだから、苦しんで死ぬよりいい」と言う方がいますが、それは勝手な思い込みで、本人にとっても周囲にとっても悲惨です。
 認知症に関して、多くの方が誤解しています。「うちの家系は心配していない」という方がいますが、現時点で、認知症が遺伝によるものという医学的な根拠はありません。認知症は、なんらかの原因によって脳の神経細胞が壊れるために起こる症状であり、日本人にいちばん多く見られるのが「アルツハイマー認知症」です。
 認知症は投薬により進行を遅らせることが可能です。アルツハイマー認知症は、「アミロイドβタンパク」という物質が脳に蓄積され、それが神経細胞の働きを阻害することで発症します。ただ、いまのところ、これを脳内から除去したり、その生成を止めたりする治療薬はできていません。病院に行けば、「アリセプト」「メマリー」といった治療薬が処方されますが、いずれもアミロイドβタンパクの蓄積を改善する薬ではありません。
 認知症を患いながら、がん、脳卒中、慢性心不全、慢性腎不全などの合併症を起こした場合は、終末期治療の判断が自分ではできません。よって、高齢者の仲間入りをしたら、とくに1人暮らしになったら、エンディングノートを書いておくべきです。
■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊。」
   ・   ・   ・   
 6月3日06:30 MicrosoftNews zakzak「「心の老い」に気をつけよう「続・孤独死」残酷物語 「孤食」が心身の健康被害リスクに うつ症状の原因との研究結果も
 © zakzak 提供 1人用でもバランスのとれた食事を
 多くの研究により、1人暮らしが寿命を縮めることが明らかになっています。その大きな原因は「孤食」、つまり1人で食べる食事にあります。「孤食」はたいていの場合、「貧食」になります。また、栄養が偏った「偏食」になります。こうした「孤食」「貧食」「偏食」は、最終的に「孤独死」を招くのです。
 「生きることは食べること」という言葉がありますが、まさにそのとおり。人は食べなければ生きていけません。しかし、ただ食べればいいというわけではありません。
 コロナ禍により、「孤食」が増えました。「黙食」「マスク飲食」が強制され、「孤食」を余儀なくされる人が増えました。それによる健康被害は、新型コロナによる健康被害以上のものがあります。
 新型コロナによる死者が1人暮らしの高齢者に多いのは、ウイルスのせいだけではありませ。1人暮らしのせい、とくに食事と運動の貧弱さにより免疫力が低下してしまったからです。
 「孤食」が健康被害をもたらす、寿命を縮めるという調査研究は世界中で行われ、いずれも同じような結果が報告されています。最近では、北米更年期障害協会が、「孤食の頻度が高いほど内臓脂肪型肥満と高血圧のリスクが上昇する」「孤食メンタルヘルスにも影響をもたらし、うつ症状の原因になっている可能性があえる」という研究結果を公表しています。
 富家孝医師© zakzak 提供 富家孝医師
 この傾向は、男性より女性のほうが強いようです。日本の調査報告でも、高齢者のうち孤食の多い人ほどうつ症状を発症していることが明らかになっています。
 「孤食」の反対は、何人かで食べる「共食」ですが、孤食グループと共食グループに分けて追跡比較した研究もあります。それによると、孤食グループは共食グループに比べて、食事が偏るせいか、食物繊維、ナトリウム、カリウムなどの摂取量が少なくなります。さらに、食品の栄養表示などに対しての反応も、孤食グループは高くありません。こうしたことから、孤食グループは心疾患になるリスクが高いと指摘されています。
 また、要介護状態にない高齢者を対象とした、孤食グループと共食グループの追跡調査があります。それによると「5%超の体重減少」は孤食グループのほうが多かったといいます。5%超の体重減少は栄養状態の悪化の指標の一つで、死亡リスクの上昇を示すとされます。
 「孤食」の弊害は、「貧食」「偏食」によって健康が損なわれることだけではありません。メンタルヘルスにも及びます。それは、コミュニケーションのない食事だからです。
 私たちは生まれてから、家族、学校など集団のなかで会話をしながら食事をしてきました。それが、高齢1人暮らしになって孤食をすることになると、孤独感、疎外感をいっそう強めます。
 英国の研究では、孤独を感じている人ほど糖尿病を発症する確率が高くなるといいます。現在、先進国では、孤独が大きな社会問題になっています。英国では、世界初の「孤独担当大臣」が誕生しています。
 コロナ禍により、リモートで飲食できるようになりました。若い層はオンライン飲み会を積極的に行っています。
 「孤食」はできる限り避けるべきでしょう。 =あすにつづく
■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊。」
   ・   ・   ・   
 6月4日 MicrosoftNews zakzak「「心の老い」に気をつけよう「続・孤独死」残酷物語 悲惨な孤独死が激増していくいまこそ 「安楽死」の国民的議論をすべきとき
 © zakzak 提供 看取り、看取られる人間関係を築いておきたい
 誰もがたった1人で誰にも気付かれずに死んでいくことを望んではいないと思います。1人暮らしの高齢者の多くが、脳梗塞心筋梗塞などで倒れたまま、しばらくして遺体で発見されています。「孤独死」のうえ、遺体は腐乱し、液状化していたり、白骨化していたりして発見されるケースもあります。コロナ禍になってから、こうしたケースが増えています。
 孤独死が発見された場合は、医師による「死亡診断書」がありませんから、まず警察が入り現場検証が行われます。そして、検視が行われ「死体検案書」が作成されます。それで事件性がないと確認されれば、遺体は遺族に戻されます。しかし、生前疎遠だった場合は、遺族が遺体引き取りを拒否することもあり、その場合の手続き、行政の負担は大変です。まったく身寄りがない人の場合は、行政がすべての手続きを行い、遺骨は最終的に無縁塚へ合同埋葬されます。
 富家孝(医師・ジャーナリスト)© zakzak 提供 富家孝(医師・ジャーナリスト)
孤独死でいちばん問題になるのは、遺体処理で遺族にかかる金銭的負担です。葬儀・埋葬などの費用のほかに、例えば、賃貸住宅に居住していた場合、賃貸人や管理会社が高額な補償金を請求してくることがあります。
 また、死亡者に財産があれば、日頃疎遠だった親族が名乗り出て、財産争いが起こることもしばしばです。
 現在の日本では、毎年、約150万人が亡くなっています。
 このうち、約100万人が病院と診療所を合わせた医療機関で亡くなっており、これが「病院死」です。これまで、日本人のほとんどが病院死でした。しかし、今後、病院死は激減します。なぜなら、厚生労働省が率先して病院のベッド数を削減し、医療費増大を抑制する対策を次々と打っているからです。
 つまり、これからは望もうと望むまいと、人は在宅か施設で死んでいかねばなりません。1人暮らしの場合は、看取りのある施設に入れなければ、孤独死を覚悟しなければならないのです。いわゆる「看取り難民」になるわけで、看取り難民は2035年には約47万人にも達すると試算されています。
 日本人はまじめです。常に「人に迷惑をかけてはいけない」と教え込まれて生きてきました。その結果、死に際しても同じ行動を取ることになります。というか、そうせざるをえないような社会的圧力が存在します。
 いわゆる、身辺整理が必要になります。エンディングノートをつくって死んでいくということです。そうしておかないと、家族がいれば家族に、いなければ周囲と社会に多大な迷惑をかけます。
 身辺整理のポイントは、モノや財産だけはありません。残りの人生をどう生きる、誰と付き合って生きるかを明確にすることです。そうして、終末期を迎えたとき、どうするかを決めておくことです。
 現在の日本では、延命だけのための終末期医療が行われています。胃ろうを付けたり、人工呼吸器につないだり、ただ生かすだけの医療です。これは、人間の尊厳を損なうので、ある時点で終わらせるべきだと思うのですが、そうなっていません。極端な考えかもしれませんが、遺族にも社会にも迷惑をかける孤独死をなくす方法として「安楽死」という選択があります。
 安楽死を認めるかどうかは、その国の文化や歴史に深く根差しています。しかし、悲惨な孤独死が激増していくいま、日本でも国民的な議論をすべきでしょう。 =おわり
■富家孝(ふけ・たかし) 医師、ジャーナリスト。1972年東京慈恵会医科大学卒業。病院経営、日本女子体育大学助教授、新日本プロレスリングドクターなど経験。「不要なクスリ 無用な手術」(講談社)ほか著書計67冊。」
   ・   ・   ・