🚱32〉─3─「プチ廃墟」と化したマンションが増加中。~No.139No.140No.141 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2022年10月23日 MicrosoftNews FRIDAYデジタル「「プチ廃墟」と化したマンションが増加中……その前兆とは
 © FRIDAYデジタル 都内の住宅供給は増加の一途を辿るが、管理状況に不安を抱えるマンションも多数出現している/アフロ
 近年、マンションの「スラム化」が急増している。維持管理が徹底されず、至るところが壊れたままになり、住民が歯抜けのように出て行った物件のことだ。こうしたマンションは、やがて「廃墟」になる運命を辿っている。
 実は、あなたのマンションもすでに「スラム化・廃墟化」が始まっているかもしれない。単に築古だからというだけでなく、比較的新しい物件でもその前兆が見られる場合がある。実際にあった事例を交えて見ていこう。
 その前兆が現れる場所は、2ヵ所ある。まずは、「自転車置場」だ。
 築20年の分譲マンションに住むAさんは、駅徒歩2分の1LDKのマンションを中古で購入した。駐車場は平置きで4台置くスペースがあるが利用者は少なく、また居住者の大半が自転車やバイクを所有している。
 「一人1台自転車を置く駐輪場スぺ-スはあるのですが、明らかに契約台数以上あり、いつも取り合いになって、あぶれると隣のゴミ置場の壁にそっと立てかけるか、部屋まで持って上がるしかなくなります。
 その原因は、大量の放置自転車やバイクです。どうみても使ってなさそうな、ホコリを被った自転車や原付がスペースの半分近くを占拠していて、困っています」
 車離れに伴い、自転車やバイクを利用する人が増え、ただでさえ駐輪場の枠が取り合いになっているマンションは多いという。Aさんの物件は総戸数が少ないが、放置自転車やバイクが文字通り山のように積み上がっているという。
 Aさんのマンションは、駅近という立地もあり分譲賃貸に回しているオーナーが多く、入居者の入れ替えも割と頻繁にある。前の入居者が、リサイクル費用や引越し費用をケチるために、駐輪場に自転車やバイクを放置していくケースは少なくない。
 問題はその後だ。実際にAさんのマンションを訪れたところ、半分屋根、半分屋外になっている駐輪場では大量の放置自転車が雨曝しになり、誰かが前かごに捨てたプラカップには雨水が溜まり、蜘蛛の巣までできていた。とても衛生的とは言えない状況だ。
 無秩序な駐輪場が外から見える位置にあった場合、違法駐輪や不法投棄の格好の的になり、負の連鎖が始まっていく。また、駐輪場は避難経路の一部になっているケースもある。万が一の時に、放置自転車が避難の妨げになるようなことがあってはならない。
 「誰が、どうやって」処分するかも問題だ。誰も乗っていなさそうな自転車でも、実は所有者がまだ住んでいて、「勝手に私物を捨てられた」とトラブルになるケースもある。
 また、自転車を処分する際には、粗大ゴミの処分費用のほか、有効期限が残っているなら防犯登録の抹消などが必要になり、少なからず費用がかかる。所有者探しをすれどいない場合、管理組合がその責任を負うのか、費用はどこから捻出するのかでモメるのは間違いない。
 建物の景観を損ない、防災上のリスクにもなりうる。片付けようにも片付けられず、一度生まれるとどんどん肥大化していく負の遺産――それが、マンションの放置自転車と言えるだろう。
 もうひとつ、マンションのスラム化を示唆する「炭鉱のカナリア」的な設備がある。
 それは「郵便受け」だ。築40年のマンションに住む、会社員のBさんが言う。
 「ある日1階のポストを見ていると、チラシが大量にはみ出していたり、覗き口が郵便物で埋め尽くされて見えなかったり、酷いポストはガムテープで塞いであるのを見て驚きました。郵便物を放置してる人ってこんなにいるんですね……」
 ポストが郵便物や投げ込みチラシなどで塞がっているということは、言うまでもなく長期間ポストを開けていない。さらに、ガムテープで塞いであるということは、「長期間に渡って開ける予定がない」「ここは空室なので入れないで!」と宣言しているようなものだ。
 マンションの集合郵便受けは、バルコニーなどと同じ「専有使用が認められた共用部分」で、管理責任は区分所有者にある。片付けようとしない、そもそも住んでいる気配がないなどと言ったポストが増えると、自然と人気(ひとけ)のない物件になっていく。
 ポストは外部の人でも見られる場所ゆえ、悪意を持った人物に目をつけられる可能性も高まる。つまり、集合郵便受けを見るだけでマンションへの住みやすさがわかってしまうバロメーターともいえる場所なのだ。
 このほかにも、マンションが「管理不全」に陥っていることを示すサインはある。以下のような兆候がないか、チェックしていただきたい。
 あなたのマンションは大丈夫?「プチ廃墟化」チェックリスト
□無断駐車が増えている
□自転車置場が未整頓でガチャガチャ
□郵便ポストにチラシがあふれている
□ガムテープなど塞いだ郵便受けが多い
□開かずの宅配ボックスがある
掲示板が、掲示物だらけ
□エントランスドアが壊れている
□蜘蛛の巣や綿埃など清掃状況が悪い
□エレベーターが臭い・溝が汚い
□廊下、バルコニーに物だらけ
□ゴミ置場のルールを守らない住民がいる
 「マンションは管理を買え」と言うようになって久しいが、その原因が管理組合にあるケースと、住人たる所有者にあるケースとがある。いずれにしても、少しでも綻びがあると悪い要素がジワリジワリと積み重なっていくのが、マンション管理というものだ。
 少しでも違和感を覚えた箇所があれば、他人事と思わずに管理会社や管理組合に申し入れをすることが、自身の大切な資産を守るコツといえよう。
 文:日下部理絵
 第1回マンション管理士管理業務主任者試験に合格。管理組合の相談や顧問業務、数多くの調査から既存マンションの実態に精通する。また、穴場の街ランキングや新築マンション情報など、マンショントレンドにおいても見識が深い。ヤフーニュースへの記事掲載は300回以上。テレビ・ラジオなどのメディア、講演会・セミナーでも活躍中。
 著書に『60歳からのマンション学』(講談社+α新書)、『マイホームは価値ある中古マンションを買いなさい!』(ダイヤモンド社)、『「負動産」マンションを「富動産」に変えるプロ技』(小学館)ほか多数。」
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