¥2〉─2─日本衰退の根本原因は「口先だけのきれい事」である。職場は仕事ができない人を量産する。~No.3No.4No.5 

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 イノベーションもリノベーションもしない日本企業にとって、日本人人材は経営を圧迫するリスクであり、経費削減の為のリストラ要員にすぎない。
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 2023年2月26日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「これが日本衰退の根本原因、なぜ博士号取得は経済的に割りにあわない それは日本企業がイノベーションしないから
野口 悠紀雄  
 日本で博士号取得者が少ないのは、経済的に割りにあわないからだ。それは、日本企業がイノベーションを進めようとせず、高度専門家に十分な給与を払わないからだ。
 日本では学位取得者が少なく、論文数も減っている
 日本の博士号取得者数を人口100万人当たりで見ると、2019年度で120人。これは、他の先進国と比べると、だいぶ少ない(文部科学省 科学技術・学術政策研究所「 科学技術指標2022。学位取得者の国際比較」による)。
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 © 現代ビジネス
 最も多いのはドイツで315人、つぎにイギリスが313人。
 2008年度からの推移を見ると、日本は減少しているのに対して、フランス、ドイツを除く国は増加している。伸び率が高いのは、韓国、アメリカ、イギリスだ。中国も、伸び率は高い。
 この結果、日本発の論文が少なくなっている。
 「科学技術指標2022」によると、「Top1%補正論文数」(他の論文に多く引用され注目度が高い論文)で、日本は10位で過去最低となった。1位は中国、2位がアメリカだ。イタリア、フランス、インドも日本より上位にある。
 学位取得者数や論文数は、未来における競争力を決める基本的な要因だ。それが上に見たような状態では、日本がこれからどうなってしまうのか、大いに心配だ。
 博士号取得者は薄給
 日本で博士号取得者が少ない基本的な理由は、博士号を取得しても、収入が増えないことだ。苦労して取得しても、それに見合うリターンが得られないのだ。
 博士課程取得者の年収分布を見ると、400万~500万円が約14%と最も多くなっている(男性では400万〜500万円が約14%、女性は300万~400万円が約14%:科学技術・学術政策研究所の「博士人材追跡調査 第4次報告書」2020年実施 )。決して満足できる水準ではない。
 しかも雇用は安定的とは言えない。工学や保健では正規雇用の割合が多数であるものの、人文系では正規雇用は41%でしかない。
 賃金構造基本統計調査(2021年)によると、大学院卒の月収は、年齢計では45.4万円で、大学卒の36.0万円より9.4万円多い。しかし、25〜29歳で比べると、27.9万円と26.1万円であり、ほとんど変わりがない。つまり、学位を取っても、月収が2万円弱しか増えない。
 学位を取るために必要な費用や、その間に放棄した労働所得を考慮すれば、あきらかに採算にあわない。
 政府は「出世払い奨学金」を導入するが……
 こうした事態に対応するため、政府は「出世払い型の大学奨学金」を導入する計画だ。在学中は授業料を徴収せず、卒業後の所得に応じて支払う。
 2024年度の開始に向けて、文部科学省有識者会議が制度設計を進めている。大学院生を対象とし、学部生への拡大も検討する。
 奨学金は確かに重要だ。しかし、在学中はそれで生活できたとしても、就職したあとの収入が十分でなければ、返却できない。だから、出世払い奨学金を導入しても、博士課程への進学率が上昇するどうか、大いに疑問だ。
 日本で博士号取得者が少ない基本的理由は、日本企業が高度人材を評価しないことなのである。
 企業が高度専門人材を使って新しいビジネスを展開し、高度専門家に高い給与を支払うようにならなければ、事態が大きく変わるとは思えない。
 日本企業のイノベーション能力は低い
 では、日本企業のイノベーション能力は、どの程度の水準か?
 イノベーションに関する能力の指標として、「グローバル・イノベーション・インデックス (GII)」がある。これは、国連の専門機関の1つである世界知的所有権機関WIPO)が、米コーネル大学とフランスの経営大学院インシアード(INSEAD)と共同で2007年から発表しているものだ。国の制度や人的資本、インフラ、市場やビジネスの洗練度、テクノロジーに関するデータを基に、各国のイノベーション能力や成果を評価する。
 日本の順位は、2007年には4位だった。しかし、その後低下を続け、2012年に25位にまで落ちた。その後徐々に回復したが、2018年から再び低下傾向にある。2022年には、2021年と同様の13位となった。決して満足できる水準ではない。
 2022年で世界の上位にあるのは、スイス、アメリカ、スウェーデン、イギリス、オランダだ。アジアでは韓国(6位)、シンガポール(7位)、中国(11位)が日本より上位にある。
 日本の評価が低いのは、「創造的な生産部門」だ。具体的には、文化的・創造的サービスの輸出に占める割合や、創造的な商品の輸出に占める割合、オンライン化アプリ製作の国内総生産GDP)に占める割合などの順位が低い。
 日本では自動車や機械など伝統的な産業の生産・輸出がまだ大きな割合を占めており、新しい産業の占めるシェアが低いのだ。
 世界の研究開発支出の上位企業では、2021年に研究開発への支出額が10%近く増加して9000億ドルを超え、2019年の水準を上回った。これを牽引したのは、情報通信技術 (ICT) ハードウェア・電子機器、ソフトウェア・ICTサービス、医薬品・バイオテクノロジー、建設・工業用金属だった。
 日本はとくにソフトウェア・ICTサービスで立ち後れている。
 世界銀行の資料によると、輸出に占めるハイテク製品の比率は、日本は19%でしかないが、韓国では36%にもなる(2020年)。
 これは日本の輸出が自動車に偏っているからだ。自動車は、ハイテク製品とはいえないのである。
 GA+Mの時価総額計は東証プライムのそれを超える
 日本の高度経済成長は、先進国へのキャッチアップの過程だった。そこでは、自ら技術を開発する必要がなかった。先進国で成功している技術とビジネスモデルをそのまま真似ればよかったのだ、
 しかし、21世紀になって急速に発展しているのは、「データ資本主義」とも呼べるものだ。
 その典型が、アメリカのGAFA+Mと呼ばれる企業群だ。
 ここでは、アイディアが途方もない経済価値を生み出している。 時価総額で見ると、グーグル1社だけで1.4兆ドルだ(2023 年2月)。1ドル=130円で換算すれば、182兆円。これだけで、東証プライム時価総額676兆円(2022年12月末)の27%になる。
 グーグルの他にアップル(時価総額2.4兆ドル)とマイクロソフト(2.0兆ドル)を加えれば、5.8兆ドル(754兆円)となり、東証プライム時価総額を超えてしまう。
 こうなるのは、日本企業は、新しい資本主義に対応できないからだ。そのため、高度専門家に十分な給与を払えない。そのため高度専門家が育たない。日本はこの意味で、深刻な悪循環に陥っている。
 これを断ち切るにはどうしたらよいのか? デジタル田園都市構想のような政策で解決がつく問題ではない。リスキリングのために補助金を出しても変わらない。
 台湾の先端半導体企業を日本に招くために多額の補助金を出したところで、何も変わらない。
 補助金も円安も低金利も、新しいビジネスモデルの創出には貢献しない。むしろ安易に利益が上がるために、イノベーションインセンティブをそぐことになる。過去20年間の円安政策がもたらしたのは、まさにこのことだ。
 日本企業のビジネスモデルが根底から変わらなければならない。
 「新しい資本主義」が目指すべきは、まさにそのことなのだが、岸田政権は、それを実現出来るだろうか?
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 4月17日 MicrosoftStartニュース ダイヤモンド・オンライン「「仕事ができない人」を量産する職場の“ざんねんな特徴”とは?
安藤広大
 突然だが、あなたの職場の「仕事ができる人」を何人か思い浮かべてみてほしい。おそらくその人たちには、「数字に強い」という共通点があるのではないだろうか? 
 全国3000社が導入し、大きな反響を呼んでいるマネジメント法「識学(しきがく)」の代表・安藤広大氏の近刊『数値化の鬼』は、まさに「数字に強くなる=仕事ができるようになる」という発想で、「数値化」の思考法を伝授する1冊だ。
 本稿では、シリーズ累計70万部を突破している本書より一部を抜粋・編集して、「仕事ができない人」を量産する職場の“ざんねんな特徴”を明かす。(構成/根本隼)
 © ダイヤモンド・オンライン
 仕事の手順を指導すると「成長しない社員」を量産する
 仕事の具体的な手順について、上司から「これが正解だからやれ」と言われても意味がありません。
 新入社員などの場合なら、こういった指示をしてプロセスを管理する必要があります。
 しかし、プレーヤーとして成長する過程で、目標と結果以外は管理されないようにシフトしていくことが求められます。
 最近の多くの企業は、いつまでもプロセスの管理をしてしまっています。小さな目標を設定し、それをクリアしてくれれば、社員たちのモチベーションが上がるだろうと思い込んでいます。
 まさにこれが、いつまで経っても社員や部下が成長しない原因です。
 仕事のプロセスを分解すると、自分で問題解決できる
 そして、あなたがプレーヤーであるのならば、その事実に早く気づくべきです。気づいた人から成長していきます。
 仕事のプロセスを分けて、どこが問題なのかを探しながら、試行錯誤する。これを「自分でやって、自分で解決する」からこそ、勝手にモチベーションが上がっていくのです。
 上司や会社が踏み込む問題ではないのです。
 いつまで経っても部下を子どもや新人扱いするから、モチベーション管理までを上司がやっているのでしょう。
 しかし、それが成長を止めていることに、お互いが気づく必要があるのです。
 (本稿は、『数値化の鬼』より、一部を抜粋・編集したものです)
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