🌁60〉─3─ベトナム人労働者に見捨てられる衰退日本とブラック日本企業。~No.298 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 ブラックな日本企業は、バブル崩壊によって得た教訓とは、日本人労働者は有望・有能・優秀な人材ではなく、経営を悪化させるリスクにすぎなかった。
 「日本人労働者はリスクだからリストラし、正社員を切り捨て契約社員を採用し、都合が悪くなれば派遣切りすべき」だとバブル崩壊後の低迷する時代に教えたのは、グローバル派やボーダーレス派の経済アナリストと財界メディアであった。
 本社の文系による現場の理系切りでもあった。
 彼等とは、超エリート層と言われる超難関校出の高学歴な政治的エリートと進歩的インテリ達である。
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 同じ日本人でも、昔の日本民族と現代の日本人とは違う日本人である。
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 2023年8月7日 MicrosoftStartニュース 集英社オンライン「円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
 2021年初頭から日本は絶望的なモノ不足に陥った。そしてそれはモノだけでなく、労働力としての「人材不足」も顕著となってきている。『買い負ける日本』 (幻冬舎) より一部抜粋・再構成してお届けする。
 頭打ちの外国人技能実習
 2022年末に韓国に出張した。サムギョプサルを食べに入店すると、ベトナム人らしき女性が迎えてくれた。どこから来たのか、と知人が訊くと、やはりベトナム人学生で情報工学を学びに来たという。「日本は選ぼうとしませんでしたか」と訊くと「韓国しかありません」と答えてくれた。「私の友だちも韓国に来ています」。外国人で日本語を学ぶ人が少なくなっている、ともよく聞く。
 日本で働いてくれる外国人労働者数を見てみる。厚生労働省は5年間の推移を発表しており、2017年の128万人から2021年の173万人と増えている。しかし対前年増加率はかなり減少している。コロナ禍だったとはいえ、2021年は0・2%となり頭打ちになっている。
 円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
 円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
 © 集英社オンライン 提供
 冒頭で紹介した女性は留学生だが、留学生として日本で労働している数は2017年の26万人から2021年は27万人と横ばいに見えるが、2019年にピークを迎えたあと、減少が続いている。
 そして比率として大きいのが技能実習生だ。もともと外国人技能実習制度は、国際貢献としてはじまった。日本で多くの技能を学んでもらい自国に持ち帰ってもらう。しかし実態は日本における単純労働を下支えする役割を担ってきた。
 日本は移民を堂々とは許容してこなかった一方で、現実的な問題として安価な労働力不足が顕在化していた。そこで技能実習制度がはじまったのが1993年だった。在留期間が限定され帰国させやすい側面もあり広がった。そこから30年が経った。
 かつて中国からの技能実習生が最多だった時期がある。ただ中国が経済成長したり、日本以外の選択肢が増えたりしたことから減少。ベトナムからの実習生が最多になっていた。しかし中国で起きたことはベトナムでも起きる。ベトナムの経済成長が続き、他国の成長はいうまでもなく、昨今は円安の問題もある。円安は落ち着きを見せるが、中長期的には日本の凋落は避けられないと見る向きも多い。
 日本は技能実習制度だけでは外国人に訴求性がないと考え、特定技能を導入した。これは8割が技能実習生から移行するもので、在留期間も延びる資格があり、さらに転職も可能だ。しかし受け入れ数は、予想数にまったく届かない。
 激減する日本に行きたいベトナム人
 最大の送り出し国であるベトナムでも、候補者不足が恒常化している。そこでベトナムの送り出し機関で働くベトナム人幹部に聞いた。
 「これは統計には表れない、ベトナム人の希望なんですけれど、10年くらい前は100人いたら95人は日本に行きたいと言っていました。しかし、現在は50人くらいかなと思いますね。第一が日本ではなく、オーストラリア、ドイツ、韓国だという人はたくさんいますね。製造業もそうですけれど、とくに建設とか農業で日本行きを希望する人がいなくなりましたね。
 円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
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 正直に言えば、日本を希望する候補者のレベルは下がっています。他国の条件がいいですからね。日本で失踪するベトナム人が話題ですが、韓国に行ったベトナム人も失踪していました。韓国は候補者の出身地を重視するんですよ。過去に失踪した地域出身なら、また失踪するかもしれない、と。ただし韓国は日本のように技能実習生として受け入れるわけではなく、正規の労働者なので、その代わりに条件もいい」
 賃金の話を補足しておくと、あくまで一つの送り出し機関の例であり為替レートも変動するものの、ベトナムの若者が日本に行くと月収が16万円から19万円だという。必死にがんばっても月収は20万円を少し超えるていど。
 ただし韓国に行くと19万円から25万円ほどだという。ベトナムの労働相は日本で働く技能実習生の手取りを増やすため、日本の厚労相にたいして、住民税や所得税の控除を依頼するほどだった。
 いっぽうで、韓国では雇用許可制(EPS:Employment Permit System)という制度がある。これは、文字通り研修生としてではなく労働者として受け入れる仕組みだ。さらに民間ブローカーが排除されるケースもあり費用が抑えられる。
 私はここで、ベトナム人候補者が減ったのは日本で技能実習生を受け入れる職場の労働環境が悪いからではないか、と質問してみた。
 日本では労働環境問題にくわえて、妊娠や出産など、個人的なことまで管理される場合がある。参考までに追記しておくと、技能実習生を受け入れている企業の労働法令違反率と、全体の違反率は同程度という指摘がある。つまり、技能実習生の受け入れにかかわらず悪しき日本企業は一定数が存在する。ただし、だからといって法令違反の企業があっても仕方がない、という結論にはならないだろう。
 日本のパワハラ動画は拡散されている
 「もちろん、それはあるかもしれません。でも実習生から聞く限り、昔に比べて労働環境は改善しています。労働環境が悪いから日本を希望しないのだったら、以前から少ないはずです。私が候補者と話した感じでは、やはり賃金として魅力がなくなっていますね。
 円安がそれに拍車をかけました。仕送りすると目減りする。私たちは、候補者に為替は変動するから、現時点の為替レートだけで決めないように伝えるんですが、そもそも為替を詳しく知らない候補者もいます。日本の魅力も伝えます。ただ、彼ら、彼女らからすると、出稼ぎなのでお金は重要です」
 円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
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 前出のベトナム人幹部は最後に、かつて隆盛を極めた日本企業向け接待交際費の予算はほぼなくなったといい、現在は現地ベトナムでの食事くらいは自腹で払っていると教えてくれた。
 外国人労働者技能実習生の雇用や受け入れについて研修やコンサルティングを行う関係者は言う。
 「これは差別ではないものの、やはり歴然としてアジアの国の地方からやって来る人か都会からやって来る人かでレベルが違うのが現実です。そして日本にやって来る人は地方からが多い。日本の魅力度が低下しているのは事実でしょう。コロナ禍で面接がオンラインになったので見極めも難しいですからね。
 またベトナムにはサムスンのように外国から有名企業が進出しているのでベトナム内での知名度が高いんですね。日本はさほど優位性がない。さらに日本に技能実習生として行っても働ける年数が短いでしょう。さらに日本の職場でベトナム人パワハラを受けた動画が一瞬で拡散されます。あんな酷いことをする日本の職場は一部ですよ。でも、一部でも日本を敬遠するには十分です」
 文/坂口孝則
 『買い負ける日本』(幻冬舎
 坂口孝則
 円安、パワハラ動画拡散、日系企業のブランド力…ベトナム人労働者の日本離れが進んでいる3つの理由
 © 集英社オンライン 提供
 2023年7月26日
 ¥1,034
 248ページ
 ISBN:
 978-4-344-98698-5
 かつては水産物の争奪戦で中国に敗れ問題になった「買い負け」。しかしいまや、半導体LNG(液化天然ガス)、牛肉、人材といったあらゆる分野で日本の買い負けが顕著になっている。日本企業は、買価が安く、購買量が少なく、スピードも遅いのに、過剰に高品質を要求するのが原因。過去の成功体験を引きずるうちに、日本企業は客にするメリットのない存在になったのだ。調達のスペシャリストが目撃した絶望的なモノ不足と現場の悲鳴。生々しい事例とともに、機能不全に陥った日本企業の惨状を暴く。
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