🌄9〉─4─京都や富士山で「観光公害」マナー違反の深刻実態、自然環境保全が困難。〜No.44 

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 2023年9月5日 MicrosoftStartニュース 東洋経済オンライン「京都や富士山で「観光公害」マナー違反の深刻実態 自然環境保全が困難、世界遺産登録抹消の危機感
 山田 稔
 富士山では多数の登山者が訪れて問題が起きている(写真:時事)
 © 東洋経済オンライン
 訪日外国人(インバウンド)の戻りが急加速している。今年7月までの訪日外客数は1303万人となり、コロナ前2019年同期間の3分の2の水準にまで回復した。
 その一方で日本各地の観光地でオーバーツーリズム(観光公害)が問題化。ツーリストの迷惑行為、事故、そして市民生活や環境、観光資源への悪影響が続出している。
 京都市内の宿泊者の半数超が外国人観光客
 コロナ前の2019年には年間886万人の外国人観光客が訪れていた京都市。同市の今年6月の主要ホテルの客室稼働率は72.2%に達した。延べ宿泊者数に占める外国人比率は51.2%となり、コロナ前の2019年6月の55.2%に近い水準まで戻してきている。
そこで問題になっているのが交通インフラの大混雑だ。観光名所に向かう市バスは大混雑で市民が乗れないことも。コロナ禍の際に乗務員が去った影響でタクシー業界は人手不足のため営業できる車が限られ、慢性的な空車不足状態が続く。京都駅から嵐山地区へ向かうJR嵯峨野線も外国人客で大混雑し、朝の通勤ラッシュ並みだ。JR西日本は今後、観光シーズンの9月シルバーウィークなどに臨時列車の運行や車両増結を行うという。
 夜になると多国籍の外国人客が訪れる東京の新宿ゴールデン街では、歩きたばこ・路上飲み、放尿といった迷惑行為が報告されている。かつては日本特有の「お通し」やチャージ料をめぐるトラブルが頻発し、最近は提供しない店も増えたそうだ。
 新宿ゴールデン街商店街振興組合のサイト上には、日本語と英語で路上喫煙禁止、歩き飲酒禁止、裏路地での立小便禁止などをお願い。さらに「大人数での来店は避ける」「入店前に料金システムを確認する」といった飲み方をレクチャーしている。
 そして、この夏、オーバーツーリズムによる騒動がもっとも注目されたのが富士山だ。山小屋での仮眠を取らずに一気に山頂を目指す弾丸登山や、短パン、Tシャツといった軽装登山を強行する外国人が横行した。その結果、夜道に迷って動けなくなったり、足を捻挫して救助されたりするケースが続出した。登山道で仮眠したり、なかには焚火をした外国人もいたという。
 オーバーツーリズムが深刻化すると、その影響は単なる迷惑行為レベルでは済まなくなる。貴重な生態系が破壊されたり、観光資源が損壊したりすることで、観光政策そのものが成りたたなくなってしまう。
 自然環境の保全が困難に
 富士山がある山梨県長崎幸太郎知事が8月29日、外国特派員協会で富士山のオーバーツーリズム問題をテーマに講演した。2013年の世界遺産登録時にユネスコから①人の多さ ②環境負荷の大きさ ③人工的景観の多さを指摘され、改善を求められたが、この10年間ほとんど手つかずだとしたうえで、このままでは登録抹消もありうると危機感を示した。
 実際、年間500万人の観光客、15万~16万人の登山者が夏の一時期に訪れる状況が続けば、大型観光バスから出る大量の排ガス、観光・登山客のごみ問題などで富士山の自然環境保全が困難になるのは目に見えている。
 対策として知事がアピールしたのは持論の「富士山登山鉄道」構想。スバルラインを撤去してそこに環境にやさしいLRTを走らせるというものだ。理念としてはわかるが、実現可能性、時期、資金調達、運営主体など具体的な議論はすべてこれからという状況だ。今年6月の県議会で、構想の事業化対策費として、具体化に向けた官民の役割や整備手法の検討のため6200万円の予算を計上したが、今後の話で、現状の対策にはならない。
 テレ朝news 混雑避けるため 11日から富士山の登山道規制へ
 会場の外国人記者からは、規制と罰則の強化、入山料1万円徴収、山岳保険加盟義務化、事前の教育講習など具体的な提案があった。これらの対策のほうがはるかに現実的で、それなりの効果も見込めそうだ。法的な問題をクリアしなければならない点もあるだろうが、傾聴に値する提案だといえよう。
 本来であれば、国が音頭を取ってオーバーツーリズム対策を打ち出すべきだが、大半が各地の自治体や関係者任せになっている。各観光地のオーバーツーリズム対策の実態はどうなっているのだろうか。
 広く導入されはじめているのが宿泊税である。2002年の東京都を皮切りに大阪府京都市金沢市倶知安町、福岡県、福岡市(※)、北九州市(※)、長崎市が導入し、最近になって熊本市も導入に向けた動きを始めている。
 (※)福岡市と北九州市は県とは別に独自に制定
 京都市は宿泊税とは別に、持続可能な京都観光を創り上げていくために2020年に「京都観光行動基準」も策定している。
 北海道の美瑛町では農業と観光を共存させる取り組みとして「美瑛畑看板プロジェクト」が行われている。美瑛町は年間200万人以上が訪れる人気観光地。その多くが外国人観光客で、記念撮影のために無断で畑に入り込む事象が後を絶たなかった。
 そこで、2019年に10人の農家が中心となってプロジェクトを立ち上げ、数カ所の撮影ポイントに農家の思いを説明する文章を添えた看板を設置して観光客にアピール。さらにSNSでの活動、クラウドファンディングなど多角的な取り組みを実施してきた。その結果、多くの人に活動内容が伝わり、一定の効果を上げているという。
 西表島では観光客数の上限を規定
 世界自然遺産に登録されている沖縄の西表島では、今年3月に持続可能な観光を目指す「西表島観光管理計画」が策定された。島に入域する観光客数を年間33万人、1日の上限を1200人にするというもので、島内での車両の走行速度を40キロ以下にするなど行動制限も定めている。
 希少生物の重要な生息地などはさらに厳しく制限。ヒナイ川200人以下、古見岳30人以下、浦内川源流域50人以下などとなっている。
 海外はどのような対策を打っているのだろうか。アメリカでは国立公園に入場料金が課せられている。たとえば車1台に対して1週間有効で25ドルといった具合。年間パスは80ドル(車1台)で、1年間有効だ。
 フランスでは観光客数の入域制限が実施されている。北部ブルターニュのブレハ島は1日4700人。マルセイユ近郊のカランク国立公園は予約システムを活用し1日400人となっている。
 年間320万人の観光客が訪れるイタリアの水の都ヴェネツィア(人口約5万人)は、押し寄せる観光客によって生活物価が高騰、住宅価格も上昇し市民生活を圧迫してきた。
 2018年に観光客流入を抑制するために入場料徴収条例案を制定したが、その直後の大洪水被害で実施を延期、さらにコロナ禍で延び延びとなっていた。そうした経緯を経て今年8月29日、ルイージ・ブルニャーロ市長が「来年から試験的に日帰り旅行客に入場料を課す」と宣言した。入場料は最大10ユーロ(約1590円)になるという。
 日本の観光政策に矛盾
 では日本はどうするのか。岸田首相は8月26日、訪問先の沖縄で「マナー違反による混乱等、いわゆるオーバーツーリズムへの懸念についても、政府としても重要課題だと受け止め、この秋にも対策を取りまとめていきたい」と、ようやく重い腰を上げ始めたが、どれだけ実効的な策を打ち出せるか。
 そもそも安倍政権以降、一貫して「観光立国」を掲げる政府はインバウンド誘致に邁進してきた。最近では巨額の滞在マネーを落としてくれる富裕層旅行者(高付加価値旅行者)の受け入れに熱心だ。
 政府はこれまで「2030年訪日外国人旅行者数6000万人、消費額15兆円を目指す」としてきた(2016年の「明日の日本を支える観光ビジョン」)。今年3月に閣議決定された「観光立国推進基本計画」では訪日外国人旅行者数について「令和7年までに令和元年水準超えにする」(令和元年実績3188万人)と、やや控えめながらも回復・拡大戦略が打ち出されている。
 さらに今年の観光白書では、
 観光地や観光産業における「稼ぐ力」の好循環の実現
 という文言が出てくる。コロナからの回復に向けた動きの中で、稼ぐことの必要性を強調しているのだ。誘致一辺倒、稼ぐ力が最優先というアクセル全開の拡大路線を突き進んでおきながら、今ごろになってオーバーツーリズム対策と言い出すありさま。観光白書は「持続可能な形での観光立国の復活」とうたっているが、政府が目指す「観光立国」は本当に国民の幸福につながるものなのだろうか。
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 エセ保守が、金儲けの為に観光公害や自然破壊を悪化させている。
 リベラル左派は、日本憎しから民族の伝統文化・宗教行事・自然崇拝を破壊している。
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