¥13〉─1─人口爆発期の20世紀型老害が生産性や作業効率を低下させている。~No.49 @ 

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 少子高齢化による人口激減では、人口爆破時代の成功モデルやビジネスモデルは役に立たないし、ライフスタイルは無意味となった。
 日本は変貌した。
 昔を懐かしみ、昔を真似て昔の戻ろうとした時、日本は衰退し破滅する。
 日本が頼れるのは、昔の知恵と匠、現在の知識と科学技術、未来への理想と想像である。
 過去の栄光や功績に頼るのは、無用で有害な老害である。
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 2017年7月14日号 週刊朝日「あなたの隣にもいる!
 会社の〝3バカ〟が日本を潰す!?
 ・会議好き‥‥営業時間中に頻繁に会議を開く。突然『会議をやろう』と招集をかける。メールで済む内容を会議で報告する。以前と同じことを再び議論する。存在感を誇示する場として会議を使う。
 ・数字好き‥‥接客や商談の件数をしきりに記録。相手先の反応などの数値化を求めてくる。社内資料でグラフのデザインに時間をかける。『それはデータで示せる?』が口ぐせ。根拠もなく非現実的な数値目標を掲げる。
 ・規則好き‥‥マニュアルや決まり事をやたらとつくる。異論を唱えると『これは規則なんだ』の一点張り。規定を熟知しているのに改善策は出せない。部下に対して事務手続きばかり細かく指導する。『前例がない』とやるべき決断を先延ばしに。
 ほかにもいるこんな〝バカ〟
 おしゃべり、イエスマン、かわい子ちゃん、自己アピール・・・
 忙しいときに話しかけてくる。上司にゴマするばかり。『俺は聞いていない』と責任の逃れ・・・仕事の負担を増やし、やる気をそぐいろんな〝バカ〟が職場にいる。中でも厄介なのが会議、数学、規則が大好きな〝3バカ〟。企業の活力をそぎ、経済全体に悪影響を及ぼす元凶だ。
 都内のとある食品会社。突然、小太りで50代の企画部長がバタバタとオフィスに戻ってきた。自分の椅子にかばんを置くや否や、号令をかけた。
 『会議やるぞ!会議』
 どうやら取引先との会話で何か思いついたようだ。午後2時の最も忙しい時間帯なのに、仕事の状況はお構いなし。またかと思いながら、約10人がぞろぞろと集まる。企画部長は、
 『会員限定のメルマガを配信しようか。お客様を招いたイベントも開こう』
 ホワイトボードに商品のアピール案を書くが、目新しくもなく、具体的にまとまっているわけでもない。
 『我々の目の前で、自分の頭の中の思いつきを整理しているだけなんです』
 部下の一人はあきれた様子で話す。
 『一方的に話を展開するだけ。たまに「君はどう思う」と話を振るが、イエスマンにしか聞かないので、返事はいつも「いいと思います」。1時間で終わればいいほうで、長いときは数時間にも及ぶ。みんなで考えた方針という形だけを整えようとしている。仕事が滞り本当に迷惑です』
 会議で存在感を示し自己満足に浸る。これが会議好きバカの特徴だ。
 大手メーカーに勤める30代前半の男性は、生産管理の部署にいる。出世頭で30代後半のリーダー格の男性は、情報の共有をしようと、30人近いメンバーをよく集める。事前に求められるのが、こと細かな資料の作成。それをもとに担当者ごとに報告していくが、ほかのメンバーは黙って話を聞いているだけ。
 『情報の共有は大切だけど、忙しいときは責任者だけでやればいい。メールでもできるので非効率。「リーダーは本当に会議好きだな」って皮肉られています』
 心理学者で職場の人間関係に詳しい榎本博明さん(61)は、こうした人は『自分に自信がない人が多い』と分析する。会議を口実に自分の権威を守りつつ、責任を回避しようとしているという。活発な意見交換ができれば会議も有効だが、『会議のための会議』になっていては時間の無駄だ。
 数字好きバカも目立つ。人材育成や組織改革を手がけるAPIコンサルタンツの小山純吾コンサルティング部門長は、あいまいさや恣意(しい)性を排除するに数字は有効だという。一方で、数字だけをやたらと要求する人は問題だと指摘する。
 大手IT企業の若手女性社員は、上司から『細かいことを聞かれてうんざり』とため息をつく。3ヵ月ごとに売り上げ実績や今後の見込みなどを報告するが、たびたびこう聞かれる。
 『相手先の製品の納得度はどのくらい?契約できる可能性は何%なの』
 数字ではっきり示すのは難しいのに、上司は納得してくれない。上役に報告するために、とにかくデータを集めているのだという。
 女性社員はこう話す。
 『数字を断定した報告を作るのが大変。根拠もいるのでいろいろこじつけますが、本音は自分でも「わからねーよ」って感じ。報告がわずらわしくて、営業に力を振り向けられない』
 この上司は数字が持つ意味や背景を、あまり考慮していないように見える。たとえば売り上げ減は、競争力低下などさまざまな要因があり得るため、原因を分析して対策をとらないといけない。数字好きバカには、データを集めるだけで満足し、その先は他人任せのことがよくある。
 高橋公介さん(仮名)は携帯販売会社の代理店のリーダー格。各店ごとの売り上げ目標額が、本社からメールで送られてくる。
 『目標は前年度比30%増』
 前年度は若者から高齢者まで幅広く販売することで、なんとか前年度比15%増を達成した。その水準からさらに30%増は、どう考えてもできそうにない。
 『経営トップは数字でしか部下を評価しないことで有名。達成できなければ、激しく叱責(しっせき)する。中間管理職は必死になり、代理店が追い込まれる』(高橋さん)
 売り上げを伸ばそうとあの手この手で契約しようとして、かえって顧客が離れたという。トップが非現実的な数値にこだわれば、末端にしわ寄せがくる。
 規則やルールを守ることにうるさい今の社会で、増殖しているバカもいる。公正な業務のために規則は大事だが、仕事の効率を大きく低下させる危険性がある。
 東京のコンサルティング会社で働く中堅の男性は、最近大阪に出張する際に驚いた。旅費規定では宿泊費の上限は1万円。超える場合は、ほかの手頃なホテルが予約できなかった理由に加え、選べる範囲で最安値であることを証明しないといけない。
 それだけでも面倒だが、以前はインターネットの宿泊予約サイトの検索結果を出して、最安値を証明すればよかった。ところが管理部門に規則にうるさい責任者が着任。証明手続きにこだわり、複数のサイトの検索結果を印刷して、申請しなければならなくなった。
 ホテルの宿泊費は需要に応じて、日々変わる。予約時に最安値でも、その後でほかがより安くなることもある。管理部門は申請内容をネットで細かくチェック。値段が異なるたびに、担当者から事実確認の連絡があるのだという。
 『申請する前も後も手間がかかり、本来の仕事に差し障る。責任者に「こんな申請も確認も無駄じゃないか」と意見したことがありましたが、「これは規則だ」の一点張り。議論になりませんでした』
 マニュアルや決まり事を盾に、柔軟に対応できないのもよくあるケース。
 大学職員の岡崎義弘さん(仮名)はこんな体験をした。3月下旬に校内の広い部屋で、大学の運営側と職員の会合があった。理事長は職員を前にこう訴えた。
 『18歳人口が減少し、大学は大変な時期。新しい風を吹き込みたい。どんなことでもいいので、遠慮なく意見を出して』
 この言葉もあって、職員からは、『この部屋も飲食を可能にして、交流の場として活用したらどうか』といった提案が出た。
 すると、司会役の役員が理事長を差し置いて突然発言した。
 『規則なんだから、そんなこと許されるわけはないだろう』
 いきなり否定に職員たちは?然(あぜん)として、理事長もあっけにとられていた。
 『その役員は以前から規則に厳しく、融通が利かないことで知られていた。あのタイミングで規則を持ち出すのは、しゃくし定規にもほどがある』(岡崎さん)
 その後は発言しにくくなり、そのまま散会となったという。
 〝バカ〟はいろいろ相手に合った対策を
 会議、数字、規則が大好きな3バカ以外にも、困った人がいる。
 まず、職場の雰囲気を悪くするヘイトスピーチ。先に帰った部下に対して、いなくなってから『帰るのだけは早い』などと批判。会議で意見した人にも、『あいつは何もわかっていない』などと陰口を言う。悪気はなくても、聞いた人は嫌な気にさせられる。
 こうした事例をまとめたのが『ほかにもいるこんな〝バカ〟』の表。

{・おしゃべり‥‥急ぎの仕事のときに話しかけてくる。無視するわけにはいかず迷惑
 ・イエスマン‥‥上司には調子よくゴマをする。周囲はあきれても上司からは高評価
 ・前例踏襲‥‥自分の判断力に自信がないため前例頼りに。責任回避の手段
 ・手柄横取り‥‥人の手柄を平気で横取り。部下の成果をあたかも自分のことのように報告する上司も
 ・使い分け‥‥‥相手の立場によって露骨に態度を変える。上司がいないところでは悪口ばかりも
 ・グローバル風‥‥何かと横文字やカタカナ語を使う。薄っぺらいのに本人はかっこいいと思っている
 ・根性論‥‥頑張ってもうまくいかないことはあるのに、部下にはハッパをかけるだけの上司
 ・自己アピール‥‥有能さを必要以上にアピール。自分が仕事ができないということすらわかっていない
 ・キャリアデザイン‥‥先の読めない時代なのに、自分のキャリアに将来役立つかどうかで仕事を判断
 ・輝きたい‥‥目立つことばかり考え、いまの仕事に不満を持つ。転職を繰り返して本人も迷路にはまる
 ・評価不安‥‥地道な努力をせずに、評価されるのに有利なうわべだけのテクニックを磨く
 ・イベント命‥‥仕事中はだるそうなのに、飲み会やスポーツ大会だけはやる気がみなぎる
 ・残業好き‥‥残業代で小遣い稼ぎ。集中して働かず、だらだらと時間稼ぎをしてくつろぐ
 ・ハラスメント‥‥ハラスメントに困っている人を助けるふりをして、わがままを通そうとする。組織が翻弄されることも
 ・自慢話‥‥何かにつけて武勇伝を語る。最近は若手にもやたら自慢をする人が増殖中
 ・コンプライアンス‥‥法令遵守を口実に新たな試みをつぶす。失敗防止を重視するので、みんなやる気をなくす
 ・オレは聞いていない‥‥指示していたなに、問題が生じると責任逃れ。どんな情報でも知らないと気がすまない}

 いろいろなケースがあるが、自分が該当していないかどうかも、チェックしてみるといい。
 こうした人たちに出会ったら、どう対応すべきか。
 心理学者の榎本さんは、『正面から対決せず、実はとっても可哀想な人たちなんだと思って、冷静に対応すればいい』と指摘する。相手ごとの特徴や対策などを、朝日新書『カイシャの3バカ』でまとめた。
 バカに反論すると、予想以上に面倒なことになりがちだ。インターネットコンテンツ運営の中小企業に勤める20代後半の男性は、無駄な会議をたびたび開く上司にこう提案した。
 『事前に議題を告知したほうが、建設的な意見が出る。目的を定め終了時間も決めたほうが、効率よく進む』
 すると上司は『キミは何もわかっていない』などと激高。なぜ会議が重要なのかを滔々(とうとう)と説明した上で、こう言い放った。
 『俺のことをもっと尊敬しろ!』
 この後、上司からしばらく仕事をまわしてもらえず、冷遇された。
 『会社のために、生産的な提案をしたつもりだったんですが、人格を攻撃されたと受け取ったようです。かかわらないほうがいいと痛感しました』
 榎本さんは、正しい提案であっても相手の不安を刺激してはいけない、と助言する。偉そうにしている人に限って何か主張されると、
 『バカにされたり、力がないと思われたりしているじゃないか』と受け取る傾向がある。
 では、どう対応したらよいか。榎本さんは会議では素直に聞いているふりをしながら、自分の業務を黙ってやることを勧める。いわば授業中にほかの勉強をする『内職』と同じだ。
 都内で働く中井博さん(仮名)は、無駄な会議では、パソコンで自分の仕事をしている。
 あるとき上司の側近にばれて、『会議に集中するべきですよね』と注意された。中井さんはこう切り返した。
 『3分でまとまっていない話は聞く価値のない話だと、私の上司がいっていました。だから聞きません』
 側近はバツの悪そうな顔をして、引き下がったという。
 『上司の名前を出したのが効果的だったのかも』(中井さん)
 数字好きとも直接対決は避けたほうが良さそうだ。営業で活躍した外資系企業の元社長は、数字の報告をやたらに求める人は保身のためにやっていると指摘。要求に振り回されず、一歩引いたほうがいいという。
 『営業の分野で重要なのは、契約に至る過程でどんな課題があるのか、どう対応すべきか考えること。自分なりの解決策がわかれば、契約数も伸びる。周りに一目置かれれば、数字にうるさかった上司も黙るはずです』
 規則好きはうまく取り込めばいい。APIコンサルタンツの小川さんは、規則好きの傾向として、部下からの突き上げを怖がりがちだという。規則やルールを盾にするしか術がないのだ。こうした人には、『規則には規則で返すのが有効』としている。
 成功例が、広告会社勤務の30代前半の男性の事例だ。実態に合わないマニュアルを振りかざす上司に、嫌気がさしていた。そこで不満は言わずに、具体的に新しいマニュアルを作成し、提案した。
 『提案する前にご機嫌をうかがいながら、信頼関係をつくりました。受け取ってもらえれば、こっちのもの。マニュアル好きだから、新しいものができて喜んでいました』
 相手を知れば対策もできる。『これで一安心』と言いたいところだが、みなさん、自分自身がその〝バカ〟である可能性があることもお忘れなく。
 本誌・吉粼洋夫」


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