🥓19〉─1─女性活躍社会。建前は女性の人手不足を補う為、本音は社会保険料を支えてもらう為。~No.79No.80No.81No.82 @ 

職務格差: 女性の活躍推進を阻む要因はなにか

職務格差: 女性の活躍推進を阻む要因はなにか

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 女性が結婚し子供を産めば、妻・母親・介護人の三役を24時間・365日年中無休の重労働をこなさねばならない。
 苦しい家計を少しでも助ける為に、低賃金と分かってい時間の自由が利くパート・非正規で働いていた。
 税収を増やしたい政府は、女性活躍政策でパート・非正規ではなく正社員として働くよう奨励している。
 会社は、男女平等として、賃金を上げる代わりに男性正社員同様の時間や日数における通常勤務を求めている。
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 敗戦後からバブル経済までは人口爆発期であったが、今後訪れるのは正反対の人口激減期である。
 バカの一つ覚えのように過去の経験・成功体験を参考にして未来を乗り越えようとしても、成功はしないし、むしろ事態を悪化させるだけである。
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 介護離職者が増加しているのに、妻がいて介護に心配なく働いている男性正社員からその妻を社会保険料を払う正社員として取り上げたら、介護必要な老親を抱えた男性正社員はどうすればいいのか。
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 荻原博子「〝女性が輝く社会〟というば聞こえはいいが、人口減少による人手不足を補うために女性を働かせるとともに専業主婦を〝年金を支える側〟に組み込もうという狙いが透けて見えます。その証拠に16年10月からは、短時間労働者への社会保険の適用が拡大され、パート主婦であれば、厚生年金と健康保険の加入が義務づけられました。
 女性が活躍する社会を作るには、〝働きたくても介護や育児で働けない〟という女性を助けるために、介護施設や保育施設の充実が必要不可欠。しかし、待機児童は増加し、特別養護老人ホームの入所基準は厳しくなるなど、むしろ状況は悪くなっている」
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 2016年8月30日号 Newsweek日本版「古平陽子 女性視点の近景・遠景 女性の半数が「夫は外、妻は家庭」と思っているのに、一億総活躍をどう実現するのか<アベノミクスで「一億総活躍社会」が掲げられ、仕事と家庭の両立支援、女性の管理職育成など「女性の活躍」への期待が高まっている。しかし、当の女性の間では「専業主婦になりたい」という声も多く、働く女性の9割は非管理職志向だ。こんな状況で一体どうやって「女性の活躍」を増やしていくのか>
 アベノミクスの第2ステージとして、「一億総活躍社会」の実現が掲げられ、「女性の活躍」への期待も益々高まっている。女性活躍推進法も制定され、仕事と家庭との両立支援制度の整備、女性の管理職育成等、様々な取り組みが行われている。しかし、女性は、第1子出産で約6割が離職し(出典:男女共同参画白書平成28年版)、有職女性の約9割は非管理職志向である(出典:電通総研「女性×働く」調査, 2014年実施)。また、これだけ女性活躍推進が謳われていても、若年女性にインタビューをしていると、「専業主婦になりたい」という声を実に多く耳にする。
 【参考記事】「一億総活躍社会」の目標設定は意外とシリアス
 「仕事価値観の育成」は就職する前までが勝負
 女性活躍推進のためには、企業における制度改革は重要である。しかし、女性自身の"働くことへの気持ち"が追いついていない。ここに本質的な課題がある。就職してから女性にキャリア教育を始めるのでは遅く、就職する前段階の「仕事価値観の育成」にもっと力を入れるべきである。
 内閣府世論調査(注1)で「夫は外で働き、妻は家庭を守るべき」という考え方に賛成か反対かを聞いている項目があるが、男性の46.5%、女性の43,2%がこの考え方に「賛成」と答えている(出典:女性の活躍推進に関する世論調査, 2014年実施)。男女の役割意識が根深く、男女共に、"女性が働くこと"を当たり前のこととして受け入れていないことがよく分かる。このような従来ながらの男女の役割意識が打破されない限り、真の意味で女性活躍推進は進まないだろう。
 以前、電通総研は、「働き続けている女性」と「仕事を一旦辞めて、再開している女性」「仕事を辞めたままの女性」において、働くことへの意識や価値観がどのように違うかを分析した(出典:電通総研「女性×働く」調査, 2014年実施)。その結果、「働き続けている女性」は、初就職時時点で既に、長く働くことを想定し、"働くことを当たり前のこと"として捉えていた。そして、社会や人の役に立つという"利他的マインド"と"経済的自立・精神的自立・成長心"が働くモチベーションとなっていた。つまり、「働き続けている女性」にはポジティブな仕事価値観が形成されている。
 結婚や出産後は専業主婦になろうと思い描きながら就職し、その後、働き続けること、キャリアアップすることに目覚める人も当然いる。しかし、人の根本的な価値観や理想とするライフコースは、なかなか変わらないものだ。女性活躍を本気で考えるならば、就職する前までが勝負である。女性自身に「結婚や出産を経ても働くという選択も魅力的な選択肢だ」「働くことを通じて、ステップアップしていくことは魅力的なことである」というポジティブな仕事価値観をしっかり根付かせておくことが必要となる。
 「母親の影響」だけでは時代にあった価値観を培えない
 先ほどご紹介した「女性×働く」調査では、女性の約半数は、自分の働き方意識について、「母親の影響を受けている」と答えていた。専業主婦を母親に持つ女性が母親と同じように専業主婦になりたいと思う場合も、その逆もあるだろう。しかし、母親の価値観は必ずしも、これからの時代にあった価値観とは限らず、家庭の中だけで「仕事価値観」を育成するのは望ましくない。就職前の教育課程および、社会全体において、様々な働く女性とその生き方に触れ、学ぶ機会をいかに創出していけるかがポイントとなるだろう。
 【参考記事】日本は世界一「夫が家事をしない」国
 先日、3歳の娘を週末の仕事に連れていった。途中からグズり、連れて行ったことを後悔した。しかし、帰宅後、仕事相手の大学准教授から届いたメールで明るい兆しを感じた。「自分の幼少期の記憶を辿ってみて、大人の議論(?)に参加した時には、とてもスペシャルな気分になったことを思い出しました!母に感謝です。」というものだった。この准教授の中には、働く魅力的な大人の姿が原体験としてあり、それ故、大人になった今もポジティブな「仕事価値観」が根付いているのだろう。
 子育てをしながら働く女性にとって、仕事先に子どもを連れて行くことは、なるべく避けたいことだ。しかし、日々の子育ての中で子どもに対し、働く親の姿をしっかりと見せてあげる。自分以外の働く大人との接点を意識的にたくさん作ってあげる。社会も、職場を大人だけの場として閉ざさず、子ども達を受け入れ、楽しそうに働く姿を見せてあげる。――そのような風景が日常的なものとなれば、次世代を担う子ども達が大人になる頃には、ポジティブな「仕事価値観」が浸透し、女性が働き続けることが当たり前になっているはずだ。  
 昨今の「女性活躍推進」では、制度改革や女性の管理職育成等、目の前の対策に注目が集まっている。しかし、長期的視点に立って、就業前段階の女性の「仕事価値観の育成」にもっと目を向けた方がよい。そのような視点こそ、少子高齢化を抱える日本の「女性活躍推進」にとって大切である。
 注1:2014年は「女性の活躍推進に関する世論調査」に名称変更された。それ以前は「男女共同参画に関する世論調査」。「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方は、2002年に初めて「反対」が「賛成」を上回った。その後、震災の影響を受けたとみられる2012年調査を除けば、「反対」が「賛成」を上回り続けており、「反対」は5割前後、「賛成」も4割以上で、両意見は拮抗している。」


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