¥31〉─1─会社をつぶす経営者と、会社を伸ばす経営者の「決定的な差」~No.156No.157No.158 ⑱ 

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 2021年11月27日 MicrosoftNews ダイヤモンド・オンライン「会社をつぶす経営者と、会社を伸ばす経営者の「決定的な差」
 © ダイヤモンド・オンライン 提供 写真はイメージです Photo:PIXTA
 「見えっ張りな人」は
 経営者として致命的
 会社をダメにする経営者には、四つの共通点があります。
 それは、「明るく、元気で、大ざっぱで、見えっ張り」というものです。
 「明るく、元気で」の二つだけを取り上げれば、悪いことではありません。明るく、元気でなければ、何かと苦労の多い中小企業の社長は務まらないし、社員だって陰気で、覇気のないトップの下ではモチベーションが上がりにくいはずです。
 ただ、「大ざっぱで、見えっ張り」なのは問題です。
 大ざっぱな経営者は、細部まで注意が行き届かず、細かい配慮もできず、経営が雑になりがちです。特に数字に大ざっぱな経営者は、ビジネスで求められる「物事をできる限り具体化・数値化すること」が苦手です。自社の売り上げや利益の数字をかなり違って記憶している人もいます。また、経理をごまかされていても手遅れになるまで気付かないこともあり得ます。
 それでも、「大ざっぱ」は、数字を見て考える訓練をすることである程度矯正することができます。経理や財務担当者に補佐してもらうことも可能です。財務の数字の扱いに、財務担当者よりも詳しくなる必要はありません。社長は会社の業績に最も責任を負う立場なのだから、大事な数字は何かを理解して、その大事な数字をきちんと把握していることが大切なのです。
 一方で、見えっ張りな人は経営者としては致命的です。
 少し経営が軌道に乗っただけで本分を忘れて外部団体の肩書・地位を欲しがったり、社長室を豪華に飾ったり、会社の金で高級車を買ってプライベートでも乗り回したり、飲み歩いて散財したり、時には借金をしてでも経営者仲間や取り巻きにいい格好をしたがる経営者は、ほぼ確実に会社をダメにします。多くの経営者と接してきた私は、そうした例をいくつも見てきました。会社を倒産させた見えっ張りな社長も何人も知っています。
 メンタルが強くなければ
 会社を伸ばす経営者になれない
 大ざっぱで、見えっ張りは論外として、明るく、元気なことが、会社を生かす経営者の条件になるのかといえば、そうとも言い切れません。
 経営者のメンタルは意外に弱く、普段は明るく、元気な経営者なのに、業績が悪化すると耐えられなくなって経営意欲を失って放り出したり、精神的に参ってしまって経営が続けられなくなったりした人も何人か見てきました。
 つまり、メンタルが強くなければ、会社を伸ばす経営者にはなれないのです。
 メンタルは鍛えることができます。私の経験上最良の方法は、この連載で何度もお話ししているように、『論語』『老子』などの中国の古典や、『聖書』『仏教聖典』のような何千年もの間、多くの人が正しいと信じて読み継がれてきた本を読むこと、立派な方のお話を聞いて勉強することで、生きる根本の信念を身に付けることです。そうすると強く生きられます。
 そうした本や立派な方のお話には、人が正しく生きていく上での真理が含まれており、理解が深まるにつれて「正しい信念」が身に付き、いろんなことが起こっても精神的な安定が得やすくなります。
 ただ、メンタルを鍛えて「正しい信念を持つ」だけでは不十分です。経営上の工夫も必要です。
 会社を伸ばす経営者になるために
 実行すべきこと
 景気には好況・不況の波があります。経営者は景気の波にあらがうことはできないので、波に対応した経営をしなければなりません。それには、(1) 自己資本を厚くし、自分たちが自由に使える手元資金を多く持つこと、(2)自社の強みを生かして変われる体制を普段から構築しておくこと、(3)景気の波に耐えられる事業構造が必要です。
 今も続くコロナ禍では、飲食業界、旅行業界と同じようにイベント業界も需要が消滅し、生き残れるかどうかの瀬戸際まで追い込まれました。そうした中で、以前この連載の『ピンチをチャンスに変える経営者と、ピンチで没落する経営者の明確な違い』の回で紹介したワン・ステップという会社は、イベントで使うエア遊具(空気で膨らませた滑り台など)の技術を生かして医療用テントをつくったり、子どもたちが他人との接触を避けて遊べるよう一人で遊べる遊具をつくったりして会社を存続させました。自社の強みを生かして、変化に対応した好例です。
 景気の波に耐える事業構造という意味では、20人ほどの人員の当社の場合、景気の良いときには研修のご依頼が増え、景気が悪くなるとコンサルティングのご依頼が増える傾向があります。また、経営計画策定やM&Aなどの仕事は景気にかかわらず、コンスタントにあるものです。
 会社を伸ばす経営者になるためには、正しい信念を持つことで自身のメンタルを鍛え、事業構造を考えた上で自社の強みを生かしてどんどん環境の変化に対応して変われる体質を普段から持っておく、自己資本比率、手元流動性を高めに持つ、これらを常に意識し、実行してください。
 (小宮コンサルタンツ代表 小宮一慶)」
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