⛲2〉─4─熟年離婚を望む妻があとを絶たない理由は傲慢な夫である。~No.8No.9 ① 

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 2023年4月6日 MicrosoftStartニュース 婦人公論.jp「熟年離婚を望む妻があとを絶たない理由。傲慢な夫の主張の根底には、「家事は無料だ」という発想が。夫婦問題研究家が教える、本当のベストパートナーとは?
 岡野あつこ
 令和3年に内閣府男女共同参画局が作成したデータによると、令和元年の離婚件数は1960年代と比較して大幅に増加しており、近年では、年間60万件の婚姻件数に対し、離婚件数は21万件とのこと。離婚する人が増える中で、3万8000人以上の夫婦の問題に携わった夫婦問題研究家の岡野あつこさんは、「離婚しないですむのならそれに越したことはない」と言います。今回は、熟年離婚の原因と対策をご紹介します。
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 【写真】岡野さん「相手軸に立って『そういうことなら仕方がないかもしれない』と相手を理解することは、許すことに通じています」
 家事をお金に換算したら、その価値がみえてくる
 定年後の夫と暮らすのに疲れたと熟年離婚を望む妻があとを絶ちません。女性誌などに「夫源病」という言葉がたびたび登場することからも、夫に対してストレスを抱え、悶々としている女性が多いことがわかります。
 どこへでもついてくる夫に辟易としているケースもありますが、相談者の訴えは、「傲慢な夫に耐えられません」というのがダントツ。夫に家事の協力を頼んでも、「こうして呑気に暮らせるのは俺が稼いできたおかげなんだぞ」などと返され、妻に定年はないのだと絶望感を抱いて離婚を考えるというのもよくあるケースです。
 傲慢な夫の主張の根底には、「家事は無料だ」という発想が横たわっているのです。そこで私は、妻を夫源病から解放し、夫婦修復をするために、夫に家事労働を時給計算して示すことから始めます。
 家事労働には、家庭内で行われる掃除、洗濯、料理、アイロンがけ、衣替えなどに加え、食料の買い出しやクリーニング屋などに行くといった外での家事にまつわる仕事も含まれます。
 家事を自給換算してみると…!
 仕事量には際限がありませんし、家族の人数や子どもの有無によっても違ってきますが、内閣府の経済社会総合研究所国民経済計算部による調査「家事活動の貨幣評価」(平成30年度調べ)によれば、女性が一年間に家事に費やす時間は1313時間。1年間の家事の貨幣評価は193万5000円で、月給計算すると16万1250円、時給に換算すると約1470円となります。
 家事には体を動かす労働のほかに、家計費を何にどう充てるかや、毎日のメニューを考えるといった頭脳労働もあるということも夫のほうに伝えます。するとたいていの場合、夫は目を丸くして、「快適に暮らせるのは妻のおかげなんですね」と考えをあらためるのです。
 一方、妻には離婚したあとのことを現実的に考えてみてくださいと伝えます。2007年4月より年金分割制度が施行されました。夫の年金の半分をもらえるならと、熟年離婚ブームのきっかけとなりましたが、半分なんてとんでもない。
 じっさいには結婚してからの分与計算になりますし、自分がパートなどで働いたぶんも合算されるなど、夫がもらうぶんの半分がもらえるわけではないのです。
 夫が快適に暮らせるのは妻の家事労働のおかげ、妻が安泰に暮らせるのは夫が働いてくれるから。互いに感謝して暮らし、ストレスを手放しましょう。
 夫婦だからこそ、それぞれの「自立」が大切
 「あなたがいなくては生きていかれない」「君なしでは生きていかれない」と言い合う夫婦を見ると、ベストパートナーだと思ってしまうかもしれません。しかし夫婦は、精神的にも経済的にも生活面でも、お互い自立していないとうまくいきません。
 『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(著:岡野あつこサンマーク出版
 © 婦人公論.jp
 互いに自立している二人なら、そもそも結婚する意味がないのではないかと思う人もいるようです。けれど、自立していてもできないことはあるのです。第一、自立していない人が誰かを支えることなどできるでしょうか?
 一人で生きていけない同士の夫婦は、お互いいつも相手に期待してしまいます。「愛してほしい」「わかってほしい」と精神的に依存したり、「養ってほしい」「もっと稼いでほしい」と経済的に依存したり、「身の回りの世話をしてほしい」「家事をしてほしい」と生活面で依存したり。
 依存することの問題点は、相手が自分の要求に応えてくれないと落胆したり、いらだちを覚えたりしてしまうことです。「自分のできることはやるけれど、できないことはできない」と、互いに理解していなければ、不満だらけな結婚生活になってしまう可能性があります。
 本当のベストパートナー
 夫婦関係を修復したいと相談に訪れる妻の多くが、自分が夫に依存しているという自覚に欠けたまま、「夫は休日も子どもの世話をしてくれません」「夫は甲斐性(かいしよう)なしで」などと不満を募らせているのが現状です。
 依存されている夫のほうは、妻の不満を解消するためには相手の要求に応えなければいけないと考えます。ですが、それが自分のキャパを超えている場合には、疲弊してしまうのです。
 これが互いに自立している夫婦であれば、相手に期待していないので、期待どおりにならなくても波風は立ちません。
 そればかりか、家に帰れば食事が用意されていることや、決まった日にお給料が振り込まれるなど、相手の働きに感謝することができるようになります。
 自分一人では過ごすことができない、ときには一人で過ごしたいという相手にさびしさを感じるという人は要注意。
 「一人でも生きていかれるけれど、二人なら心強い」、あるいは、「一人でも幸せだけれど、二人ならもっと幸せ」と考えている夫婦こそが、ベストパートナーなのです。
 「合計主義」でいかなくてはパートナーシップを築くのはむずかしい(写真提供:photoAC)
 © 婦人公論.jp
 「株式会社家庭」を経営していると思ってみる
 夫婦関係を円満に保つために私が一つ提案したいのは、夫婦を「株式会社家庭」の社長と右腕である社員だととらえてみることです。
 どちらが社長でもいいのですが、大切なのは、夫婦は「株式会社家庭」を成長させていくという同じ目的に向かってタッグを組んでいる同士なのだと認識すること。
 目的を達成するためには、自分の得意なことを活かし、フォローし合って前進する必要があります。
 いくら経営能力のある夫であろうと、どれほど処理能力にすぐれた妻であろうと、互いが単独プレーをしていたのでは、自分の手柄を立てる、自分の力を認めてほしい、自分を必要としてほしいといった自己欲求を満たすことが目的となってしまいがち。
 けれど自己欲求を満たしたところで、夫婦関係が強固な絆で結ばれていなければ本末転倒といえるのではないでしょうか。
 つまり「合計主義」でいかなくてはパートナーシップを築くのはむずかしいのです。
 真の夫婦平等
 夫が社長だとして、社長を信じることのできない社員では会社経営が立ち行きません。ですから、まず、稼ぎ頭である夫を尊敬する。そのうえで大黒柱を支える優秀な社員になると心に決めることをおすすめします。
 たとえば社長が営業を得意としているとしたら、社員は社長がスムーズに商談を進めるための資料をそろえる、また家庭においては大黒柱である夫の健康管理や家庭内の細かなことを、妻が請け負うということになるでしょう。
 あるいは夫が稼いだお金の管理をする。生活費をどう使うか、どれくらい貯蓄に回すことができるかと考えながら、わが家の家計を切り盛りするのも稼ぐことと同じくらい重要な役割です。
 これができるのは自分だけだということを夫に示せば、妻は夫にとってなくてはならない存在として必ず認められます。これこそが真の夫婦平等であり、健全なパートナーシップを築くための唯一無二の方法だと私は確信しています。
 ※本稿は、『夫婦がベストパートナーに変わる77の魔法』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
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