🌁28〉─3・C─人口激減で雇用の大変革が起き成功モデルである年功序列・終身雇用は終焉する。~No.119 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2024年1月2日 YAHOO!JAPANニュース「人口減少で衰退する日本は世界から取り残されるのか…「戦略的に縮む」という成長モデルの可能性
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。
 【写真】人生がうまくいかない人の「決定的な間違い」とは…?
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 「戦略的に縮む」という成長モデルへの転換
 量的拡大と決別したならば、次に取り組むべきは、「戦略的に縮む」という成長モデルへの転換である。シェア争いをやめても、単に縮小均衡を繰り返していったのでは展望が開けない。
 国内需要が縮小するのに、現状の規模で製品やサービスを提供し続ければ供給過剰となることは目に見えている。しかも複雑なのはその先だ。国内マーケットの縮小と同時進行で勤労世代も減っていくため、多くの企業は恒常的な人手不足に陥りどこかの段階で現状の生産・提供体制を維持できなくなる。人口減少社会においては、需要不足と供給能力不足が、若干のタイムラグはあるもののほぼ同時に起きるのである。
 現状維持や拡大のためにどんなに無理を重ねようとも、結局はどちらかの理由で続かなくなる。そうした意味において結論は同じなのである。この「現実」を無視した経営を続けていると、どこかでパンクする。
 「集中」「特化」が"生き残りワード"
 そこで「戦略的に縮む」という成長モデルの出番となる。二重の意味で縮んでいく国内マーケットと勤労世代の減少という「ダブルの変化」に対応するためには、追い込まれる前に戦略性をもって自ら組織のスリム化を図ることである。それが「戦略的に縮む」ということの意味だ。
 事業を多角化させている企業は多い。社会ニーズが複雑化する中で業務の範囲も肥大化しがちだ。しかしながら、出生数はこの20年間で30.7%減っており、新規学卒者の採用は年々困難になっていく。転職者採用も"即戦力"となる人材は争奪戦が激しく、すべての企業が計画通りに採用できるとは限らない。
 戦略を持たず、人口が減るに任せていたのでは組織規模は縮小し、各部署の余裕がなくなっていずれも衰退していくだろう。やがて企業としての競争力を失い、追い込まれていくこととなる。
 そうならないためにも組織体力のあるうちに、「残す事業」と、「やめてしまう事業」を仕分けするのである。その上で、「残す」と決めた事業に人材も資本も集中させて、これまで以上に組織としての持続力や競争力を向上させることだ。「やめてしまう事業」は他社に売却できるものは売却すればよい。
 人口減少社会においては、「拡大」とか「分散」とかいう発想は危うい。「集中」や「特化」が"生き残りワード"である。
 小粒ながらキラリと輝く国へ
 日本社会全体の縮小は避けられないが、その点、先んじて戦略的に縮み、太刀打ちできる体制を整えておけば一緒に沈まずに済む。日本の産業は幅広い。中には外国に任せざるを得ない分野が出てくるかもしれないが、人口減少社会を招いてしまった以上は仕方がないだろう。小粒ながらキラリと輝く国を目指すことだ。
 戦略的に縮むことで人材を伸びる分野にシフトさせていけば、経済成長につなげやすくなる。繰り返すが、少子高齢化や人口減少が進む状況において最も必要とされるのは経済成長である。経済成長さえ続けられたならば、社会保障費の不足をはじめ人口減少がもたらす弊害のかなりの部分が解消する。
 そうした意味では、「戦略的に縮む」ことで伸びる分野をいかにたくさん作れるかが、今後の日本の行く末を左右すると言ってよい。「戦略的に縮む」ことなく、見当違いな経営を続けて企業が満遍なく衰退していったならば、日本そのものが傾いていく。
 河合 雅司(作家・ジャーナリスト)
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 1月2日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「年功序列・終身雇用は終焉し、退職金もなくなる…少子高齢化ニッポンが直面する「雇用の大変革」
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。
 【写真】人生がうまくいかない人の「決定的な間違い」とは…?
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 人事制度そのものを一変させよ
 従業員の向上心を引き出すためには、成果と能力をきちんと評価することもポイントとなる。それには、人事制度そのものを見直し、年功序列をやめることである。
 そもそも年功序列や終身雇用という日本特有の労働慣行は人口減少社会では成り立たない。年功序列は定年などで退職する従業員数と同規模か上回る規模の新入の従業員がいてこそ可能だが、若年人口ほど減っていくので今後はこうした世代循環はスムーズにいかなくなる。
 中途採用を含めた新規採用者で退職者数を穴埋めできなければ、組織の規模は徐々に縮小していく。その時点で「戦略的に縮む」方向へと経営モデルを切り替えればいいのだが、多くの企業は目の前の人手不足に対処すべく定年延長や再雇用による辻褄合わせに走る。これでは、会社内で若い社員ほど少ない「少子高齢化」状況を企業内に作り出しているようなものだ。
 しかも、日本では家族的な組織文化を大切に守っている企業も多い。定年延長になった60代前半の従業員のポストをそのままにしたり、再雇用者の賃金を大胆に抑制することを憚ったりする雰囲気が残っている。
 こうした取り組みは年配者のモチベーション維持には一定の効果を上げるが、一方で20代~30代の若い従業員の閉塞感を高める。これまで以上にポスト待ちが長くなり、なかなか昇進できなくなるためだ。どの企業も総人件費を簡単には増やせないので、年功序列と定年延長がセットとなると必然的にすべての年代も賃金を抑え込まなければならなくなる。これでは若い従業員の意欲は減退する一方だ。生産性向上が望めなくなるどころか、転職者が増えるだろう。
 年功序列・終身雇用の終焉
 そうでなくとも、国内マーケットの縮小は産業の再編を促す。激変の時代というのは新たなニーズが生まれやすく、企業同士の合併や連携の動きが強まりやすいからだ。企業は戦略的に縮みながら成長分野へとシフトさせていかざるを得なくなるので、若者のみならず中高年にも雇用流動化が起きて終身雇用は終わりを迎える。
 入社年次をことさら重視する年功序列は、勤続年数や年齢が高くなればなるほどスキルやノウハウ、経験が蓄積されることを前提としているが、そうした"常識"は崩壊する。従業員1人あたりの労働生産性を向上させるために個々のスキルアップが求められるようになるのだから、当然の帰結だ。
 スキルはこれまでのように長年の職場での経験によって身に付くものではなく、企業側の求めに応じたリスキリングによって身に付けるものへと変わるのだ。もはや年功序列は通用せず、企業が求めるスキルが高い従業員ほど昇進しやすく、担う「役割」に応じて報酬も高くなるようにするしかない。結果として、終身雇用も終わる。
 逆に考えれば、重要ポストへの就任や多額の報酬を得たい人はスキルアップを図ればいいということである。それが社会全体に広がってくれば、年齢に関係なく能力を高め、あるいは身に付けた能力が衰えたり、陳腐化しないように努力し続けたりする人を増やすこととなる。それは1人あたりの労働生産性の向上を促し、日本経済全体の底上げにつながっていく。みずほフィナンシャルグループは2024年度から年功序列型の人事・給与体系を実質的に廃止することを発表したが、メガバンクの影響は大きい。追随する企業が増えそうだ。
 河合 雅司(作家・ジャーナリスト)
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 1月17日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「日本企業がいますぐ「終身雇用」をやめるべき「シンプルな理由」 このままでは人口減少に対応できない
 河合 雅司
 © 〔PHOTO〕iStock
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になった。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
 ベストセラー『未来の年表 業界大変化』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 人事制度そのものを一変させよ
 従業員の向上心を引き出すためには、成果と能力をきちんと評価することもポイントとなる。それには、人事制度そのものを見直し、年功序列をやめることである。
 そもそも年功序列や終身雇用という日本特有の労働慣行は人口減少社会では成り立たない。年功序列は定年などで退職する従業員数と同規模か上回る規模の新入の従業員がいてこそ可能だが、若年人口ほど減っていくので今後はこうした世代循環はスムーズにいかなくなる。
 中途採用を含めた新規採用者で退職者数を穴埋めできなければ、組織の規模は徐々に縮小していく。その時点で「戦略的に縮む」方向へと経営モデルを切り替えればいいのだが、多くの企業は目の前の人手不足に対処すべく定年延長や再雇用による辻褄合わせに走る。これでは、会社内で若い社員ほど少ない「少子高齢化」状況を企業内に作り出しているようなものだ。
 しかも、日本では家族的な組織文化を大切に守っている企業も多い。定年延長になった60代前半の従業員のポストをそのままにしたり、再雇用者の賃金を大胆に抑制することを憚ったりする雰囲気が残っている。
 こうした取り組みは年配者のモチベーション維持には一定の効果を上げるが、一方で20代~30代の若い従業員の閉塞感を高める。これまで以上にポスト待ちが長くなり、なかなか昇進できなくなるためだ。
 どの企業も総人件費を簡単には増やせないので、年功序列と定年延長がセットとなると必然的にすべての年代も賃金を抑え込まなければならなくなる。これでは若い従業員の意欲は減退する一方だ。生産性向上が望めなくなるどころか、転職者が増えるだろう。
 年功序列・終身雇用の終焉
 そうでなくとも、国内マーケットの縮小は産業の再編を促す。激変の時代というのは新たなニーズが生まれやすく、企業同士の合併や連携の動きが強まりやすいからだ。企業は戦略的に縮みながら成長分野へとシフトさせていかざるを得なくなるので、若者のみならず中高年にも雇用流動化が起きて終身雇用は終わりを迎える。
 入社年次をことさら重視する年功序列は、勤続年数や年齢が高くなればなるほどスキルやノウハウ、経験が蓄積されることを前提としているが、そうした“常識”は崩壊する。従業員1人あたりの労働生産性を向上させるために個々のスキルアップが求められるようになるのだから、当然の帰結だ。
 スキルはこれまでのように長年の職場での経験によって身に付くものではなく、企業側の求めに応じたリスキリングによって身に付けるものへと変わるのだ。もはや年功序列は通用せず、企業が求めるスキルが高い従業員ほど昇進しやすく、担う「役割」に応じて報酬も高くなるようにするしかない。結果として、終身雇用も終わる。
 逆に考えれば、重要ポストへの就任や多額の報酬を得たい人はスキルアップを図ればいいということである。それが社会全体に広がってくれば、年齢に関係なく能力を高め、あるいは身に付けた能力が衰えたり、陳腐化しないように努力し続けたりする人を増やすこととなる。それは1人あたりの労働生産性の向上を促し、日本経済全体の底上げにつながっていく。みずほフィナンシャルグループは2024年度から年功序列型の人事・給与体系を実質的に廃止することを発表したが、メガバンクの影響は大きい。追随する企業が増えそうだ。
 終身雇用が終わりを告げると無くなるものがある。それは退職金だ。浮いた人件費を、スキルの高い新人の契約金や支度金として支払う企業が増えるだろう。それは「ジョブ型雇用」につながっていく。「ジョブ型雇用」はその効果の是非をめぐって賛否が分かれているが、1人あたりの生産性向上へと結びつけていかなければならない。年功序列がなくなっていくにしたがい、日本流にアレンジしながら成果主義人事制度の導入が広がっていくことになるだろう。
 勤労世代が減るということは、従業員一人一人に求められる責任が重くなるということでもある。働く全員が戦力となることを目指し、それぞれの能力に応じて経営戦略に基づくミッションを着実に達成していくしか、日本経済を成長させる策はない。会社に通勤することが仕事であるかのように勘違いしている人や、一部の人の頑張りに頼って、あまり仕事をしない職場のムードメーカーのような人を許容する牧歌的な組織文化を残したままでは人口減少社会に対応できない。
 明治維新の際、刀を取り上げられた武士の中には文明開化についていけない人が多かった。いち早く新しい時代に適応すべく努力するのか、丁髷を結ったまま暮らし続けようとするかは、あなた次第である。
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