🚷7〉─11・I─「人口崩落」が止まらない日本。出生数75.8万人過去最少。~No.50 

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 2024年1月1日 YAHOO!JAPANニュース「「人口崩落」が止まらない日本が直面する事態、もはや社会を維持できなる寸前
 岸田首相の「異次元対策」に期待感なし
 磯山 友幸経済ジャーナリスト
 千葉商科大学教授プロフィール
 減少拡大
 2023年の出生数が80万人を割った2022年の77万人をさらに下回り72万6000人程度になると見られることが分かった。減少率は22年の5.0%を上回る5.8%程度に達する見通しで、まさに「人口崩落」が止まるどころか拡大している。
 岸田文雄首相は2022年1月の通常国会冒頭、施政方針演説を行ったが、その中で、出生数80万人割れの状況について、「わが国は、社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている」と強い言葉で危機感をあらわにした。地方での人口減少は深刻で、まさに、社会システムを維持できなくなる寸前にまで来ている市町村もある。
 最近では、医療や介護、運輸などの現場で人手不足が深刻化し、地方の病院や老人ホームの運営が危機的な状態に陥ったり、タクシーやバス運転手の不足で、交通インフラも維持できなくなりつつある。しかもこうした産業では70歳以上の高齢者が人手不足を補っているが、人口がまだ多い70歳以上が年々労働市場から退出していくことによって、こうした産業の人手不足はさらに深刻になると見られている。
 2022年10月時点の各歳別人口推計をそのまま使うと、23年10月時点で75歳の男女は199万人で、74歳は203万人いる。ところがこれ以降、急速に減少。73歳は187万人、72歳は176万人、71歳は167万人、70歳は159万人と落ち込んでいくのだ。もちろん、これは死亡者がゼロとした最大人口だから、さらに減る可能性が高い。つまり、この15年、アベノミクスの「人生100年時代」の掛け声によって労働市場に参入してきた高齢の労働力が、今後、急速に減っていくのである。
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 3月9日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「出生数75.8万人過去最少! 今の日本の「人手不足」はまだまだ序の口、本格化するのは十数年後から
 出生数の減少が止まらない
 厚生労働省がこのほど発表した2023年の出生数速報値によると、75万8631人と前年に比べて5.1%も減少、8年連続でのマイナスとなり、1899年の統計開始以来、最低となった。出生数が100万人を割ったのは2016年で、わずか7年で25%近く減っていることになり、総人口も想定よりも早いペースで減っている。
 【写真】「人口崩落」が止まらない日本が直面する事態、もはや社会を維持できなる寸前
 岸田文雄首相は2023年の年頭に「社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際」だとして、「異次元の少子化対策」を打ち出してきたが、一向に出生数の減少には歯止めがかかっていない。
 一方で2023年の死亡数は159万503人と過去最多となり、結果、過去最大の人口減少を記録した。日本全体の人口が減り続ける中で、まさに社会機能が軋み始めている。
 昨年来、議論になったライドシェアの解禁問題は、背景に深刻なタクシー不足があった。駅のタクシー乗り場で、車を待つ人の列を目にすることも珍しくなくなった。また、バスの運転手が集まらず、ダイヤ見直しで減便したり路線を廃止するケースが相次いでいる。居酒屋などの飲食店に行くと客席は空いているのに、接客係が足らずに客を入れられないと言った声も聞く。
 長時間労働が常態化しているトラック輸送の業界では、残業時間の制限が厳しくなる2024年問題もあって、圧倒的に人手不足。建築現場は、工事需要の増加を横目に人手不足で工事が進捗しない事態に直面している。
 その余波は安定的に人材を集めてきた公務員にも及んでいる。毎日新聞のアンケートによると、47都道府県が2023年度に実施した職員採用試験で、採用予定数を満たす合格者を全ての職種区分で確保できたのは大阪府兵庫県にとどまり、45都道府県で「採用予定数割れ」が生じていた、という。中でも土木などの技術・専門職で定数割れが目立っているといい、民間との争奪戦になっていることを伺わせる。
 高齢就労者のおかげで凌いでいるが
 「人口が減っているのだから、人手不足になるのは当然」と思われるかもしれない。だが、実態は少し違う。厚生労働省の統計によると、仕事に就いている人の数である「就業者数」も、企業などに雇われている「雇用者数」も過去最高水準にある。
 就業者数はコロナ前の2019年平均が6750万人だったものが、コロナでやや減少したものの、2023年平均は6747万人とほぼ同水準に戻った。また、2023年平均の雇用者数は6076万人と、2019年平均の6028万人を上回った。雇用者数は高度経済成長期やバブル期よりも多い。人口減少にもかかわらず働いている人の数は増えているのだ。
 つまり、まだまだ人口減少の影響は労働市場に響いていない、と言っていい。予想以上に働く人が増えているのは、定年の延長などによる高齢労働者の増加や、シルバー人材の活躍、そして大きいのが女性の活躍だ。安倍晋三政権で「女性活躍促進」などを掲げ、保育所整備や産休育休制度などを整備したことが大きい。
 また、「人生100年時代」などのキャッチフレーズで高齢者の労働を奨励したことも就業者を大きく増やした。2012年に596万人だった65歳以上の就業者数は、2017年に800万人を突破、2020年には906万人となった。
 労働市場に女性と高齢者が新規参入したことで、人口は減っているにもかかわらず、就業者を大きく増やすことができたわけだ。
 10年後、18歳人口100万人を切る
 だが、これにも大きな変化が見えている。65歳以上の就業者が頭打ちになってきたのだ。2021年と2022年は912万人、2023年には914万人だった。増加が止まりほぼ横ばいになってきたのだ。圧倒的に大きいのは団塊の世代が75歳を越え、老後も働いていた職場から引退し始めたことが大きい。タクシー運転手などは65歳以上で働いている人が多く、彼らが引退することで深刻な人手不足に陥っているわけだ。
 これはまだまだ序の口。総務省の年齢別人口推計(2023年10月現在)を見ると、73歳の人口は203万人で、この人たちが引退を始めたことが大きい。ちなみに69歳の人は159万人なので、今後、高齢労働者層はどんどん減っていくとみていい。高齢者に依存している仕事は、ここ数年でさらに「人手不足」が加速するのは間違いない。900万人いる65歳以上就業者が急速に減り始めるここ数年が、「社会機能が維持できるかどうかの瀬戸際」になるとみていいだろう。
 しかし、それでもまだ序の口ならぬ序二段くらいだ。10年後には18歳人口が100万人を切り、その4年後には大卒年齢人口、つまり新卒対象年齢人口が100万人を切ってくる。この頃には猛烈な採用難になることは確実だ。企業は新卒を中心に採用していく今のスタイルを維持できなくなるのは明らかだ。さらに、その先は毎年、人口が大幅に減り、対象人口が75万人にまで減ることが確定している。
 ロボットや人工知能などで人手不足を補えるという見方もあるが、そのためには会社の仕組みから働き方まで社会構造を大きく変えなければならないだろう。そうした社会体制の変革ができるのかどうかが焦点になる。
 磯山 友幸(経済ジャーナリスト)
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