🚷9〉─2・G─日本の若者が結婚しなくなった厳しすぎる現実。~No.54 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2024年3月18日 YAHOO!JAPANニュース ABEMA 現代ビジネス「なぜ「日本の若者」は「結婚」しなくなったのか、この国の想像以上に「厳しすぎる現実」
 いま日本はどんな国なのか、私たちはどんな時代を生きているのか。
 日本という国や日本人の謎に迫る新書『日本の死角』がロングセラーとなっており、普段本を読まない人も「意外と知らなかった日本の論点・視点」を知るべく、読みはじめている。
 【写真】人生で「成功する人」と「失敗する人」の意外な違い
 ここでは、「家族はコスパが悪すぎる? 結婚しない若者たち、結婚教の信者たち」という文章の一部を掲載する。
 若者が結婚しにくい理由
人の子どもを含む出生数は79万9728人だった。国内生まれの日本人の出生数はさらに少なく、統計のある1899年以降、初めて80万人を割り込むことが確実になったという(朝日新聞2023年2月28日付など)。
 筆者はこれまで、「日本の少子化の要因は、結婚した夫婦が子どもを多く産まなくなっていることにあるのではなく、結婚しない人の割合が増加したことにある」と強調してきた。
 なぜ若い男女が、結婚という選択をしなくなっているのか。
 少子化対策を熱心に言挙げする人々は、しばしば仕事と子育ての両立難や、若年男性の経済的困窮をとりあげて、「若者は結婚したくても、できない」というリアリティを強調してきた。
 しかし、それは事態の半面でしかない。
 今回は別の角度から、若者が結婚しにくくなっている理由を考えたい。
 それは格差婚、すなわち女性が自分よりも学歴や収入など社会的地位の低い男性と結婚する傾向が少ないままだから、ではなかろうか。
 家族社会学では、上で見たような「格差婚」のことを女性下降婚(ハイポガミー、以降、下降婚)と呼ぶ。
 逆に、女性が自分より社会的地位の高い男性と結婚することを女性上昇婚(ハイパガミー、以降、上昇婚)、同等の男性と結婚することを同類婚(ホモガミー)という。
 かつての日本社会では、上昇婚が一般的であった。農家出身や、女中として働いていた未婚女性が、やや格上の男性と結婚して一家の主婦となる、という姿を思い起こすとわかりやすいだろう。
 実は、学歴や収入などの社会的地位に男女の不平等が存在する社会では、上昇婚の規範や風習が存在すると、多くの人が結婚できる確率が高くなる(図1左側)。
 しかし男女の不平等が徐々に解消されていったとき、なおも上昇婚が存在し続けると、上層の女性、すなわち高学歴でバリバリ働く女性(ひところ流行った「負け犬」や「おひとりさま」)と、下層の男性(ひところ流行った「萌える男」や「草食系男子」)が相対的に結婚しづらくなる(図1右側)。
 ここで一部の人々、たとえば男女共同参画に好意的な人々は、「男女平等な社会が実現すれば、同類婚や下降婚も増えて、結婚のあり方も多様化する。
 その結果、結婚も増えて、出生率が高くなるはずだ」と言いたくなるかもしれない。
 だが、日本の現実は、そうはなっていない。
 下降婚率が増えると、出生率が高まる
 上昇婚/同類婚/下降婚を測定する際には、学歴(大卒/高卒/中卒、あるいは教育年数)を指標として使うことが多い。
 そこで、社会科学の世界では有名な国際社会調査プログラム(The International Social Survey Programme:ISSP)の2012年版のデータを用いて、学歴上昇婚/同類婚/下降婚の国際的な趨勢を確認してみた。
 この調査は、欧米を中心に48ヵ国の専門機関が共同実施しており、2012年版では「家族とジェンダー役割の変化」をテーマとしている。下降婚の比率を計算できたのは、このうち25ヵ国であった。
 もし本人学歴と配偶者の学歴に何の関連性もないならば、上昇婚率/同類婚率/下降婚率は3分の1、すなわち約33%になる。
 ここで日本の下降婚率は、約16・3%である。下降婚率が20%を下回るような社会は、やはり格差婚が少ない社会というべきだろう。
 日本以外では韓国(8・1%)、トルコ(9・7%)、スイス(16・0%)、中国(16・3%)、台湾(17・6%)などが該当する。
 逆に下降婚が3分の1を大きく上回る社会も存在する。
 ベネズエラ(45・2%)、ポーランド(38・0%)、スウェーデン(37・0%)、クロアチア(35・4%)、フィンランド(34・8%)、リトアニア(33・3%)、インド(33・1%)などである。ちなみにフランスも30・6%でかなり高い。
 ちなみに下降婚率と出生率の関連を、相関係数という統計学の指標でみると、0・370となり、中くらいの相関がある。つまり下降婚の多い国では出生率が高いという傾向が、統計上も確認できるわけである。
 つづく「老後の人生を「成功する人」と「失敗する人」の意外な違い」では、なぜ定年後の人生で「大きな差」が出てしまうのか、なぜ老後の人生を幸せに過ごすには「経営思考」が必要なのか、深く掘り下げる。
 現代新書編集部
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