⛲15〉─3・B─若者の意欲を削ぐのが生きがいとする超高齢ニッポンで増殖する。~No.53 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・   
 2024年3月20日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「若者の意欲を削ぐのが生きがい…超高齢ニッポンで増殖する「老後に居場所をなくす人たち」の正体
 なぜ組織の上層部ほど無能だらけになるのか? 張り紙が増えると事故も増える理由とは? 飲み残しを放置する夫は経営が下手? 
 8万部突破のベストセラー『世界は経営でできている』では、東京大学史上初の経営学博士が「人生がうまくいかない理由」を、日常・人生にころがる「経営の失敗」に見ていく。
 【写真】人生で「成功する人」と「失敗する人」の大きな違い
 ※本記事は岩尾俊兵『世界は経営でできている』から抜粋・編集したものです。
 〈家には居場所がないし、健康のためにも通勤した方がいいから、定年後も再雇用で働いてるんだよね、というようなことを公言する人がいる。
 悪気はないのだが、放っておけば私も四十年後にそうなること間違いなしだ。四十年待たずとも家に居場所はなく、健康診断で通勤等でこまめに歩くようにと注意されているくらいだ。
 どこかでこの話が流行っているのだろうかというくらい、どんな会社でも、公営でも民営でも、営利・非営利どちらでも、同様の話をする人が存在するようだ。
 そうした人は、周囲に若手を見つけるや、相手がどんなに忙しかろうとお構いなしにしゃべり散らす。若手は「そんな理由で会社にきておいて、こっちの仕事の邪魔をしないでくれよ」と言いかけるのを何とか飲み込む。ギリギリ若手のはずの精神的老後状態の私も、同じ要領でつい職場でしゃべり散らして迷惑がられてしまう。
 この「家居場所無し健康通勤人」は、若手の意欲をひたすら削ぐのが生きがいなのだろうか、と周囲の顰蹙を買っていたりする。〉(『世界は経営でできている』より)
 〈老後においてひとつずつ居場所をなくしていく人は多い。
 そうした人にとっての最後の駆け込み寺が役所と病院となる。役所と病院であればどんな人でも拒めない。そして役所で「お前たちは俺の税金で生活しているんだろうが(納税額よりも受給額の方が多かったりするのは秘密だ)」と因縁をつけてみたり、名前の間違いなどのちょっとした問題を責め続けたりする。
 役所と病院では一応は自分の話を聞いてくれる人を見つけられる(実際には、公務員や医師といえども、こういう人の話は聞き流しているのだが)。しかし一番欲しいはずの配慮/思いやりは得られないままだ。〉(『世界は経営でできている』より)
 老後にこうして居場所をなくす人に心当たりがあったり、容易にイメージできたりするだろう。
 『世界は経営でできている』では、「やがて誰でも経験する老後を経営の失敗によって不幸なものにしないよう備えるため」として、老後の人生経営のヒントを提供している。
権力の座に固執する人たち
 役所と病院でなくとも、職場でも「老後と居場所問題」は発生している。
 〈老後の居場所を創り出すために権力の座に固執する人もいる。社長を退いて会長になり、会長を退いて名誉会長になり、名誉会長を退いて相談役になり、相談役を退いて最高顧問になり、最高顧問を退いて名誉総裁になり……、突然社長に返り咲いたりする。相談役の人数が取締役の人数より多く、相談事が足りなくて取締役が困ったりする。
 こういった人たちは自らの居場所を保持するために後継者を育てない。
 もちろん形式的には次期社長を指名する。しかし後継者に肝心の事は教えないし株も渡さない。形式的な次期社長は常に相談役や名誉○○のお歴々の顔色をうかがうようになる。こうして大御所に対してはヒラメのように目を向けるが市場や社会に目を向けない、やがて衰退するジリ貧「ヒラメの大群型組織」の出来上がりだ。
 権力を手放さない人たちは権力を手にしているだけ恵まれていると思われるかもしれない。しかし意外とそうでもない。
 まず、後継者を育てられないと、そのうちに職務から降りたくなっても降りるに降りられなくなる。市場や社会を志向しない永続性が乏しい組織を作ってしまうことで、現役時代にせっかく築き上げた栄光が崩れ去るかもしれない。〉(『世界は経営でできている』より)
 『世界は経営でできている』では、「老後が不安だといって、四十歳五十歳を超えてから慣れない株投資やFX投資を始める人」や「家は居心地が悪いし、散歩代わりに会社にくる人」の失敗について紹介し、どのようにすればこうした事態が回避できるのかを分析・解説している。
 つづく「老後の人生を「成功する人」と「失敗する人」の意外な違い」では、なぜ定年後の人生で「大きな差」が出てしまうのか、なぜ老後の人生を幸せに過ごすには「経営思考」が必要なのか、深く掘り下げる。
 現代新書編集部
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