🌅3〉─4─死後差別の無情。引き取り手のない無縁仏の遺骨の哀れな末路。~No23 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 生きるも死ぬも金次第。
 遺骨の埋葬も、霊魂の供養も、全て経費がかかる。
 家族なしで金なしの孤独老人には、公金が使われる。
 「誰にも迷惑をかけない」は、日本ではあり得ない話である。
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 孤独死した家族なしの独居老人の遺骨は無縁仏として処分される。
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 墓も、葬式も、供養も『あの世』に行ってからも〝下流〟は〝下流〟。
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 遺骨の引き取り手がない、哀れ惨めな末路を辿る一人ぼっちの老人の死後。
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 2017年9月24日 産経ニュース「集合住宅に10柱超 増加しさまよう無縁遺骨 高齢者孤立、困窮…自治体対策へ動く
 葬祭扶助の受給世帯数と生活保護受給の高齢者世帯数
 東京都板橋区の集合住宅で10柱以上が見つかった、引き取り手のない「無縁遺骨」は全国的に増加傾向にある。単身の高齢者世帯の増加や、貧困層の拡大などの要因が背景にあるとみられ、葬儀費用を公費で賄うケースも増えている。無縁仏の増加により、費用負担の増大や遺骨の保管場所の不足などの問題も顕在化しつつあるといい、自治体も対策に動き始めている。
 厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者の単身世帯は平成28年現在で約655万世帯で、19年の約432万世帯から約1・5倍に増加。一方で、生活保護を受給する高齢者世帯は、17年度の約45万世帯から、27年度は約80万世帯に約1・8倍に急増している。
 高齢者の貧困と無縁死の関係に詳しい第一生命経済研究所ライフデザイン研究本部の小谷みどり主席研究員は、「生活保護を受給する高齢者は親族との関係が乏しかったり、親族も金銭的に困窮しているケースが多い」と説明、こうした状況が無縁死に結びついていると指摘する。
 生活保護受給者自身が死亡して引き取り手がない場合や、葬儀を執り行う人が生活保護受給者の場合、葬儀費用を「葬祭扶助」で賄うケースも多く、葬祭扶助の受給世帯数(年度累計)も17〜27年度の10年間で、約2万6千世帯から約4万世帯に増加。支給額は自治体により異なるが、1人当たり最大20万円程度で、葬祭扶助費は多くの自治体で増加傾向にある。
 自治体は遺骨の保管場所不足などの問題にも頭を悩ませている。東京都葛飾区では1柱1万円で遺骨の保管を寺に委託しており、引き取り手を待つ期間を3年間としていたが、「寺からも、『年によっては数が多く、収納場所にも限りがある』という声がある」(同区の担当者)ことなどから、23年度から保管期間を2年間に短縮した。
 神奈川県横須賀市では、生活に余裕のない高齢者を対象に死後の手続きなどを支援する「エンディングプラン・サポート事業」を27年7月から開始。高齢者自身が市内の葬儀社と生前契約を結び、葬儀の希望を伝えて最低限の費用を預けておく仕組みで、市は納骨までを見届ける。
 この事業の実施などにより、26年度に60体あった身よりのない遺体の取り扱いは、27年度には34体に減少。葬祭費も約1200万円から約700万円に減少した。同市生活福祉課は「市民の尊厳を守りながら財政的課題を解決できる可能性がある」と期待を寄せる。」
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 10月6日号 週刊ポスト「〈『骨になったら皆同じ』は幻想でした〉
 あぁ、死後格差の無情
 墓も、葬式も、供養も『あの世』に行ってからも〝下流〟は〝下流〟のままなのか
 老後生活は、現役時代の収入や貯蓄によって大きく変わる。資産があれば悠々自適、持たざる者は様々な不自由を余儀なくされる。とはいえ、死んでしまえば皆同じ、墓地にお金は持っていけない──。
 その認識は間違いだ。悲しいかな、『格差』は死後も付きまとって離れないのである。
 合同墓は〝シェアハウス〟
 東京都中央区にある築地本願寺が今年11月に『合同墓』を開設、募集を始めると話題になっている。
 『合同墓』について、葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏が解説する。
 『お墓には、屋外の墓地に墓石を建てる「一般墓」や、建物内に小さな納骨スペースを設ける「納骨堂」などがあります。
 その中でも、ご遺骨を他の人のものと一緒に納骨するタイプのお墓は「合同墓」と呼ばれます。集合で納骨するため、納骨方法が指定されたり、ご遺骨を後から取り出せないなどの制約があります。それでもお墓を継ぐ人がいない、墓にお金をかけたくないなどの理由で選ぶ人が増えています。築地本願寺の合同墓は、有名なお寺のものであるため人気が集まると予想されます』
 いうなれば『普通の墓=一軒家』『納骨堂=マンション』『合同墓=シェアハウス』というところ。
 同じ合同墓でも、さらにその中に〝格差〟が存在する。
 築地本願寺ぼ合同墓は、3つの価格帯(お布施)に分かれている。最も安い30万〜の場合、遺骨は個別に袋に入れられて他人の遺骨と一緒に『合同区画』に収蔵される。しかし50万円〜だと、独立した『個別区画』に6年間保管される。さらに100万円〜の場合は、期間が32年になる。
 支払うお金によって〝個室〟か〝相部屋〟かが決まるのだ。
 ……
 『コインロッカー同然』も
 合同墓は10万円程度のものから存在する。ただし冒頭の築地本願寺の合同墓のように、一定期間遺骨を個別保管する場合などは価格が上がる。
 『これまでは合同墓といえば、身元不明者のためのお墓というイメージがあったため、抵抗感を覚える人も少なくありませんでした。しかし最近は墓を管理してくれる家族がいない人の有力な選択肢になっている。納骨堂、合同墓の多くは「永代供養墓」で、〝お墓の面倒を見る人がいなくなっても迷惑をかけない〟点が人気を集めている。田舎の墓をたたんだ人が購入する場合も多い』(吉川氏)
 合同墓の中でも最も低価格で簡素なのが『送骨』だ。
 『段ボールに遺骨を入れて郵送すると、寺で供養と合葬をしてくれる。相場は3万円から10万円程度です』
 骨になった自分が郵送される・・・想像すると切ない気もするが、墓を継ぐ家族がいない高齢者を中心に、申し込みは増加しているという。
 6人に1人が『直葬
 墓と同様に差別が生じてくるのが葬式である。
 葬儀費用の全国平均は約119万円(鎌倉新書『第2回お葬式に関する全国調査』)となっている。近年は葬儀を近親者だけで済ませる『家族葬』や、通夜や告別式をせずに直行し、僧侶に読経だけしている。
 ……
 鎌倉新書の調査によれば、今や国内の全ての葬式の6分の1が直葬だという(『直葬への対応』に関する葬儀社アンケート)。
 身寄りが不在だったり、生活保護受給者など経済的に困窮する高齢者の葬儀が増えていることが主な理由と見られているが、『一般的な家庭でも直葬を選択するケースは多くなっている』(葬儀場関係者)という。
 都内在住の60代男性は、数年前、母親が亡くなった際の葬儀に直葬を選んだ。
 『母の葬儀にかけるお金がなく、業者に直葬を頼みました。しかし火葬場が混み合っているということで、5日ほど母の遺体を自宅で安置することになった。最初は〝ゆっくりお別れができていい〟と思っていました。ところが業者がドライアイスをけちったためか、遺体に傷みが目立つようになってきて・・・。安い業者に頼んだばかりに母に申し訳ないことをしてしまったと悔やんでいます』
 ここまでの事例はまれだが、『激安価格』をウリにする葬儀社などは注意が必要だ。
 家族葬でもトラブルは絶えない。
 都内の70代女性がいう。
 『夫の遺言に従って親族8人ほどでひっそりと葬儀を行いました。でも田舎に住む一部の親戚は価値観が全然違って・・・いまだに〝あんなにみすぼらしい葬式じゃ浮かばれん〟〝旦那の葬式代をケチるなんてとんでもない嫁だ〟と非難されているんです。〝夫の遺志だ〟と説明してもなかなか納得してもらえない。別にお金に困っているわけじゃない。こんなことなら遺言に従わず、普通の葬式をあげればよかったと思います』
 残された家族に負担をかけたくない──そんな気持ちがアダになり、嫌な思いをされてしまうのでは本末転倒だ。
 墓や納骨堂も息子世代、孫世代に『墓問題』を残すことがある。
 ある寺院関係者がいう。
 『子や孫のために預貯金を残してあげたいと考え、資金に余裕があっても安価な納骨堂や合同墓を選ぶ人は少なくない。しかし骨壺が2つまでしか収納できない納骨堂や、合同墓の場合、子や孫が「同じ墓」に入ることができなくなるため、新しくお墓を捜さなくてはならなくなるのです。祖父母の一般墓は神奈川、父親合同墓は千葉、妻の納骨堂は埼玉、などということになれば、とても全てを回りきれない。結果、無縁墓同様になってしまうケースもあります』
 『死後格差』が、子や孫にまで〝相続〟されてしまうというのも悲しい話か。
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