🌁49〉─2─静かな有事。日本民族は少数派、外国人移民(主に中国人移民)が多数派。~No.227No.228No.229 @ 

日本を脱出する本

日本を脱出する本

  • 作者:安田 修
  • 発売日: 2011/08/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 深刻な問題は、日本に働きに来る外国人労働者ではなく、日本民族日本人自身にある。
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 少数派日本民族対多数派外国人移住者の対立。救うべきは日本民族か日本国家か。日本人の究極の選択。   ・   ・   ・   
 日本民族日本人は貧困の少数派になり、外国人の日本国籍取得者や永住権取得者は極貧の多数派となる。
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 日本の指導階層は、密かに、日本民族日本人による人口回復を諦め、外国人労働者日本国籍取得者・永住権取得者による国民国家への大改造を進めている。 
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 日本国民日本人とは、日本民族日本人なのか、日本国籍取得者及び永住権取得者外国人なのか。
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 2017年9月号 正論「20××年日本人が日本のマイノリティーになる日 
 移民推進は本当に日本を滅ぼす 河合雅司
 『静かなる有事』人口減少
 子供の生まれない国に『未来』はない。誰もが理解し得る簡単な理屈である。
 多くの人々は少子化がもたらす危機について極めて鈍感である。『昨日と今日』、『今日と明日』を比べても大きな違いが見いだすことができないからだ。
 昨年の年間出生数が初めて100万人の大台を割り、メディアが大きく取り上げた。だが、危惧すべきは『100万人割れ』した事実ではなく、出生数が今後も下げ止まらないことのほうである。これまでの少子化で女児の数が大きく減った結果、子供を産むことができる若い女性がこの先、激減していくからである。仮に合計特殊出生率が多少改善したとしても出生数は減り続けるのだ。
 結果、人口も減り続ける。国立社会保険・人口問題研究所の推計によれば2015年時点で1億2,700万人だった総人口が、40年後には9,000万人を下回る。100年もたたないうちに5,000万人ほどとなる。
 一定の条件を置いた計算では、200年後には約1,380万人、300年後には約450万人にまで減るという。西暦3000年にはわずか2,000人である。日本の人口減少は、〝地方消滅〟などといったレベルの問題ではないことが分かるだろう。
 人々が気づかないうちに、取り返しがつかない状況に追い込まれる。こうした事態を、私は『静かな有事』と名付けて警鐘を鳴らしてきた。われわれは人口が激減するという、世界史においても〝極めて特異な時代〟に生きていることを自覚せねばならない。
 この問題の難しさは、出生数の減少、勤労世代の減少、高齢者の増加が同時に起こり、この3つが複雑に絡み合いながら人口減少となって進行していくことにある。しかも地域によってその進み具合は異なる。〝極めて特異な時代〟は人々が年齢を重ねていく結果であり、短期間では終わらない。 
 では、現在の『大人』たちがすべきことは何であろうか。
 1つは、少子化のスピードを少し和らげることである。もう1つは、人口激減を前提として、それに耐え得る社会へと作り替えることである。
 中でも急ぎたいのが、社会の支え手が不足することへの対策である。ここがしっかりしなければ、少子化や高齢者増加への対策も実行に移せない。
 労働力の不足は景気動向にも大きく左右されるため、これまで人口減少による要因は見落とされがちであった。だが、年々その影響が大きくなっている。勤労世代である『生産年齢人口』(15〜64歳)は1997年を境に減少し始め、2016年までに約1,000万人近くも減った。
 生産年齢人口の減り方は、総人口が縮むスピードより速い。2040年には5,978万人、2065年にはピーク時の半分近い4,529万人となる見通しだ。働き手世代が減少すれば、後継者が見つからず成り立たなくなる企業・業種も出てくるだろう。働く人は消費者である。労働力不足は日本社会全体を衰退させる。
 政府がその打開策として掲げているのが、『外国人労働者』、『人工知能(AI)』、一億総活躍の名の下の『女性』および『高齢者』の就職促進の4つだ。これらは果たして政策として有効なのだろうか。本稿では『外国人労働者』を中心に考えることにしたい。
 移民促進の果て・・・日本で日本人が少数派に
 安倍晋三政権は『50年後に1億人程度』という人口規模を維持すると政府目標を掲げている。そのためには、結婚や出産を希望しながら実現できないでいる人たちの阻害要因を解消することで達成し得る『国民希望出生率1.8』 を実現するとしている。
 安倍政権は当初、これを『移民』の大規模受け入れで実現しようとしていた節がある。それは2014年に政府の経済財政諮問会議の専門調査会で、内閣府が移民受け入れのシミュレーションを示したことなどからうかがえる。
 このシミュレーションは、2015年から毎年20万人ずつ受け入れ、2030年以降の合計特殊出生率が『2.07』に回復したと想定して行われた。2060年は1億989万人、2110年には1億1,404万人となり、ほぼ1億1,000万人水準を維持できるというシナリオだった。
 だが、このシミュレーションには無理があった。『毎年20万人』となれば、50年で1,000万人、100年では2,000万人である。試算通り1億1,000万人規模の総人口を維持できたとしても、2060年時点で約10人に1人、2100年には約5人に1人が移民となる。
 2015年末の在留外国人は223万人余で、総人口に占める割合は1.76%にすぎない。『2,000万人』がいかに大きな数字であるかが分かろう。
 この計算には内閣府が説明しない『事実』もあった。出生率2.07への回復は、子供をたくさん産むのが当たり前の『多産文化の国』から来た移民が、日本に永住後に多くの子供を出産するという、出生率の〝押し上げ効果〟が織り込まれている点だ。日本の出生率が1.44に低迷している現状を考えれば、移民としてやってきた人と日本で誕生した『2世』、『3世』の合計人数が、やがて日本人を上回る日がやってくるということである。
 それは、人口規模を維持することと引き換えに、日本人が少数派になることを許容することである。『国のかたち』は変容し、われわれが認識する日本とは全く違う『別の国家』となるだろう。
 移民、〝積極派〟巻き返し 『外国人労働者』1年で永住権
 このシミュレーションに対する反発は小さくなく、安倍首相は『いわゆる移民政策については全く考えていない』と否定的見解を述べざるを得なかった。代わって政府が持ち出したのが、先に紹介した『国民希望出生率1.8』の実現だったのである。
 ところが政府・与党内には『労働力不足は外国人の大規模受け入れによって解決するしかない』との意見は根強く、〝積極派〟の巻き返しが図られた。彼らはターゲットを『移民』から、一時的に日本に働きに来る『外国人労働者』へと変更し、積極的な受け入れに走り始めたのである。
 日本はこれまで高度人材の受け入れしか認めてこなかったが、『単純労働』を担う人々をなし崩し的に解禁しようというのだ。政策の根幹部分の見直しである。
 具体的には、途上国の人々に技能や知識を身に付けてもらう外国人技能実習制度を拡大したほか、介護福祉士の資格を取得した留学生が日本で働き続けられるよう、在留資格に『介護』を追加する法改正を行った。
 さらには、専門的な知識や技術を持つ高度人材の永住権取得のための在留期間を短縮した。日本で永住権を取得するには高度人材でも5年かかったが、これを『世界最速級』に進めるとして最大1年に短縮した。
 自民党に至っては、高度人材と単純労働の区別を廃止しようとしているのである。
 ここには『移民』と『外国人労働者』という言葉の巧みな使い分けがある。日本には『移民』についての明確な定義はないが、政府関係者は日本国籍を取得する人々を『移民』としてとらえることが多い。〝積極派〟はこれを逆手に取り、『日本国籍を付与しない「永住者」は「移民」とは異なり、あくまで「外国人労働者」である』と言いたいのであろう。
 当然ながら、排外主義になってはならない。高度の知識や技能を有する人材と交流することで新たな発想が生まれ、技術も進歩する。だが、『外国人の受け入れ=開かれた国』といった理想論を語るだけでは済む問題ではない。大規模に受け入れたヨーロッパ諸国ではテロや暴動、排斥運動といった社会の混乱が続いている。
 多くの日本国民は『日本でも同じようなことが起こるのではないか』と不安を感じている。無節操な受け入れは社会の分断を招く。そこには〝きれいごと〟で済まない現実がある。
 もう一つ、あまり語られてこなかった懸念がある。大規模な外国人の受け入れは東京一極集中に拍車をかけかねないということだ。
 人口が激減していく日本では地方経済の縮小スピードは速い。地方の若者の東京圏への流入が加速しているのは、人口減少によって地方経済が維持できなくなり、地方に思うような仕事が少なくなることが要因だ。それは外国人労働者にとっても同じであろう。外国人労働者は、よりよい条件の仕事を求めてやってくる。東京圏を目指すと考えるのが自然である。すでに東京圏では外国人労働者の顕著な伸びが見られる。
 受け入れ規模が大きくなるにつれて東京一極集中の流れも大きくなったのでは、政府が取り組む『一極集中の是正』方針と逆行することになる。
 外国人の老後コストは誰が?
 懸念はこうした短期的問題だけではない。深刻なのはむしろ長期的な影響のほうだ。それは国家の深部に至る可能性すらある。
 例えば、外国人労働者の老後コストはどうするのか。いつまでも〝若き労働力〟として活躍できるわけではない。これまで外国人労働者といえば、企業の賃金抑制策の視点で語られることが多かった。だが、永住権取得者が増えれば『高齢になる前に母国に帰ってもらえばいい』などという〝都合のいい考え方〟は通用しなくなる。
 それは、日本人の高齢者の増加に加えて外国人高齢者も増えるということを意味する。彼らの保険料支払期間が短ければ無年金・低年金者が増え、将来の生活保護受給者増につながる。子供たちの教育環境整備は彼らを雇う企業の負担ではなく、公費で賄われる。
 長期的影響でもう一つ考えなければならないのが、外国人の大規模受け入れは日本人の少子化をさらに加速させかねない点だ。
 どこの国であっても、外国人労働者は低賃金で厳しい仕事に就く傾向にある。割安な賃金で働く人が増えれば、日本人全体の賃金も押し下げることになろう。
 しかも、永住者は原則どんな仕事にも就ける。人手不足の業界が〝穴埋め要員〟と期待したにもかかわず、永住権を取得した途端、〝さらに稼げる仕事〟に移ることも想定しておかなければならない。賃金の押し下げどころか、日本人の職を奪う存在となりかねないということだ。
 結果として、不安定な雇用を余儀なくされる日本の若者が増えれば、ますます結婚が『できない』ケースが増える。その結果、少子化が進み、さらなる外国人労働者の必要論となったのでは、まさに負のスパイラルである。
 外国人頼みでいいのか
 長期的懸念で最も考えておかなければならないのが、外国人労働者は安定的に来日するかという疑問だ。そもそも日本の労働力不足を補うほどの規模の外国人労働者が、一体どこの国からやってくるというのか。
 国連の推計によれば、世界人口は2015年の73億人から、2050年には97億人、2100年には112億人に増える。『外国人労働者』と聞くと、その送り出し国として東南アジアや南米の国々をイメージする人が多いだろう。だが、今後、人口の伸びが顕著なのはアフリカ諸国だ。アジア各国は2050年頃から人口が減り始める。ブラジルなども減少に転じるとみられている。
 しかも、世界人口の増加を後押しするのは寿命の延びである。2050年のタイの高齢化率は30.4%だ。中国は23.9%、ベトナムも23.1%など軒並み上昇する。
 送り出す国にすれば、自国の若者を失うのは高齢化や少子化の進行を容認するのと同じである。自国が困ることが簡単に想像できるのに、日本に積極的に送り出そうという国があるとは思えない。
 これらの国々は経済発展を続けている。周辺国が豊かになれば、こうした国々も外国人労働者を求めるようになるだろう。遠く、言葉の壁が立ちはだかる日本が、いつまでも魅力的な国だとはかぎらない。
 こうしてみてくると、外国人の大規模受け入れを人口減少対策として位置づけることは、効果を論ずる以前に政策として成り立たせること自体が極めて難しいと言わざるを得ない。
 『コンスタントな来日』が見通せないままでの受け入れは、深刻な事態を招く可能性さえある。
 大規模受け入れ開始後、何年かはコンスタントな来日が続いたと仮定しよう。一定の数を占めることになった外国人労働者は日本社会の構成員と位置づけられることになるだろう。そうなれば、毎年やってくる外国人の流入規模を織り込んで生産ラインはできるし、消費予測も行われることになる。労働力として活用する企業だけでなく、彼らの消費活動をあてこむ企業も増えることだろう。ところが、こうして何年か大規模受け入れが続いた後、送り出し国側の政治状況の変化などで、突如として来日しなくなった場合にどうなるのか。
 ただでさえ日本人が減るのに、来日するはずだった外国人まで減るダブルパンチとなる。それは、少子高齢化に苦しむ国内マーケットに深刻なダメージを与えることにあるだろう。外国人を大規模に受け入れるということは、こうした危険性も考慮に入れて考えなければならない。
 AIや女性、高齢者で労働力不足解消するか
 次に、『外国人労働者』と並ぶ『AI』、『女性』、『高齢者』についても見ておこう。
 ICTやロボットにおける活用で注目されるAIの技術開発は目覚ましい。人間の能力を超える存在として語られることも少なくなく、日本経済の成長を成し遂げるうえで不可欠な存在である。技術が普及すれば、かなりの部分で労働力不足は解消されるだろう。
 とはいえ、人間の知能を追い越し、人々の仕事を完全に奪うレベルに達する見通しは立っていない。AIの開発スピードと労働力人口の減少ペースが一致するとはかぎらず、AIがあらゆることをこなす社会はいまだ〝夢物語〟の域を出ていないのである。
 万が一期待はずれに終わったとき、修正がきかないほど日本社会が追い込まれていたのでは遅い。AIへの過信は禁物である。
 むしろ、現状において『女性』や『高齢者』の社会進出のほうが現実的選択肢だ。ただ、女性の場合、子育てや介護の問題を抱える人は少なくなく、柔軟な働き方を進める必要がある。高齢者については雇用環境を整備しなければならない。いずれも日本の労働慣行を打破しなければならない。
 誤解を招かないよう申し上げるならば、女性や高齢者の活躍推進を図らないでいいと言っているわけではない。AI開発には全力で取り組むべきであるし、外国人労働者を『1人も入れるな』と主張しているつもりもない。高度な人材を取り込むことは日本の発展には欠かせない。
 政府の掲げる4つの対策はいずれも〝魔法の杖〟にはなり得ないということを知らなければならないと言いたいのである。
 そこで、第5の対策として『戦略的に縮む』ことを提言したい。人口減少を止めることは当面できない。いつまでも、これまでの成功体験にしがみついていられるわけではないのである。
 いま求められているのは、人口が少なくなっても社会が混乱に陥らず、国力が衰退しないよう国家の土台を作り直すことである。
 これまでの少子高齢化対策や人口減少対策といえば現在の人口規模を前提としていた。だが、無理を重ねて『これまでのやり方』を維持しようとしても、遠からず破綻することは目に見えている。
 むしろ『戦略的に縮む』という選択をし、コンパクトで効率的な社会に移行すれば、社会全体が必要とする『働き手』の規模そのものを小さくできるだろう。例えば、労働力人口が今後1,000万人減ったとしても、『働き手』が現在よりも1,000万人少なくて済む社会を実現できたならば、労働力の不足は生じない。
 そのためには日本の強みを伸ばし、『捨てるところは捨てる』との発想に転じることだ。例えば、徹底して国大分業を行うことだ。24時間社会から脱却し、決められたエリアに集まり住んで物流や行政サービスの効率化を進める。やれることはいくらでもある。
 労働生産性を向上させるためのイノベーションというのは、こうした決断に伴う変化の中から生まれてくるものなのである。
 人口激減後にどんな社会をつくるのか。今ほど、われわれの構想力が試されているときはない」
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 10月14日 産経ニュース「【緊迫 朝鮮半島】【国難を問う(3)】少子化問題、国家の土台揺るがす「静かな有事」 「戦略的に縮む」決断を 論説委員・河合雅司
 首相、安倍晋三衆院解散にあたって、少子高齢化北朝鮮問題と並ぶ「国難」と位置づけた。
 少子高齢化が解散理由とされたのは初めてである。政権選択選挙のメインテーマとなった意義は極めて大きい。
 少子高齢化は国家の土台を根底から揺るがす「静かなる有事」だ。これが「国難」であることは、多くの説明を要しないだろう。
 むしろ問題は、少子高齢化の意味を正しく理解している人が少ないことにある。
 これまでの選挙戦では非現実的な公約や認識不足の主張が目についた。今回も幼児教育・保育の無償化に議論が集中しているが、これが国難の解決策というなら、あまりにも貧弱である。求められているのは、もっとダイナミックな対策だ。そうした政策論争を巻き起こしていくためにも、われわれ自身が“極めて特異な時代”を生きていることを自覚する必要がある。
 国立社会保障・人口問題研究所の将来推計人口によれば、2015(平成27)年の国勢調査で1億2700万人を数えた日本の総人口は、2053年には1億人を割り、100年もたたないうちに5千万人ほどに減る。こんなに急激な人口減少は類例を見ない。
 少子高齢化の現実は極めて深刻だ。人口減少も出生数減も止めることは簡単ではない。これまでの少子化の影響で女児の出生数が減っており、子供を産める年齢の女性の激減が避けられないからだ。
 成熟社会となった日本が再び多産社会に戻ることは考えにくい。出生率が多少上昇しても、出生数は減り続ける。われわれは、人口減少が避けられないという「現実」を受け入れ、それを前提に社会を作り直さざるを得ないのである。
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 これから日本で何が起こるのか。「未来の年表」を展望してみよう。例えば24年には3人に1人が65歳以上の“超・高齢者大国”になる。25年には東京都の人口がピークを迎えて減り始め、33年には3軒に1軒が空き家となる。60年には3人に1人が認知症を患う社会が到来する。
 これらを見るだけでも、過去の延長線上に「未来」はないことが理解できよう。われわれに突きつけられているのは、戦後の成功体験との決別なのである。
 “極めて特異な時代”への対応が難しいのは、人口減少をもたらす出生数の減少に加えて、高齢者数の増加、社会の支え手である勤労世代の減少が同時に起こるからだ。これらの要因はそれぞれ異なり、全国一律に進むわけでもない。対策の成果が表れるのに何十年もかかる場合がある。
 では、社会の激変に向けて何をすべきなのか。
 人口減少を止めようもないならば、追い込まれてから対策を考えるより、「戦略的に縮む」という積極的な選択をすることだ。
 「縮む」というと衰退や貧困といったマイナスイメージで受け止められがちだが、そうと決まったわけではない。時代を先読みし、打つ手さえ間違えなければ、小さくなろうとも豊かな国であり続けることは可能なはずである。
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 「戦略的に縮む」には発想の大転換が必要だ。
 これまでの少子高齢化への対策といえば、現在の人口規模を前提とし、それを維持せんがためにどうするかというアイデアが多数を占めてきた。あるいは景気刺激策や家計支援策にねじ曲げられてきた。
 典型的なのが外国人労働者の受け入れだ。日本人にはない技能や能力を持つ人材の受け入れは経済成長にとって不可欠である。受け入れを全面否定するつもりはない。
 だが、日本の生産年齢人口は2015(平成27)年から40年までの25年間で約1750万人減る。そのすべてを外国人で穴埋めしようとの発想には無理がある。
 大型開発事業も同じだ。少子高齢化で需要見通しは大きく変化しているのに、人口が増えていた時代の計画を見直さず突き進めていくケースは珍しくない。
 結果として、完成直後から利用者が思うように伸びず、維持費の捻出すらできないということになる。成功体験にこだわり、無理を重ねたところで早晩行き詰まるだけである。
 それよりも、コンパクトな社会の実現のためにエネルギーを振り向けたほうがよほど有効だ。過去の価値観について捨てるものは捨て、残すべきは残す。日本の強みを伸ばし、小さくともキラリと輝く国であり続ける。日本より人口が少なくても、国際的な影響力を持つ国は少なくない。
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 急がれるのは(1)勤労世代の激減への対応(2)少子化対策−だ。働き手や出生数の減少スピードを可能な限り遅らせることで、社会の激変を少しでも緩和する。次の世代が対策を考えるための時間稼ぎである。
 社会をスリム化することで、必要となる労働力の総数を小さくするのである。労働力人口が1千万人減っても、1千万人分の仕事が不要となれば労働力不足は起こらない。
 人工知能(AI)の開発や24時間社会からの脱却、国際分業の徹底などに挑み、少子化で少なくなる若き人材を新成長分野へと重点配置するのである。
 一方、少子化対策に一番必要なのは社会の機運を高めることだ。「第3子以降に1千万円給付」といったインパクトのある政策が待たれる。
 日本に残された時間は少ない。どの候補者がダイナミックな改革を実行し得る「本物」かを見極めなければならない。漫然と時間を費やしたならば、「静かなる有事」の敗者となる。=敬称略」
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 将来、繁殖力が旺盛な移民による日本国籍取得者日本人が多数派となり、繁殖能力が衰退した日本民族日本人は少数派となる。
 日本人の定義は、数万年前から住んでいた日本民族から100年以内に移り住んだ日本国籍取得者にかわる。
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 「日本が世界で信頼され愛されている」とは幻影で、安定している事は当然だが、人はそれ以上に富み豊かな国・地域が好きである。
 金の切れ目が縁の切れ目である。
 人口激減し、経済が衰退し、金がなく貧乏になれば、誰も、日本に目も向けないし、日本人の相手をしたいとは思わない。


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