⛲16〉─1─叱らない教育と褒める教育は子供から自立心・独立心・自制心を奪う。ひ弱な精神で育った老人はキレやす。~No.54No.55No.56 @ 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 褒めて育てた子どもは、「褒め殺し」にされる。
 褒められて育てられた子どものは、精神的に不安定で、他者への依存度が強い為に、他者に認められないと自信を喪失して動けなくなる。
 褒められて大人になった子どもは、老人となっても褒められ続けないと生きている実感を持てず、生きる気力を失う。
 大人も褒められたい。
 老人も褒められたい。
 褒められると、誰でも子どもになる。
 褒められて死を迎える事は、幸せな事。
 人は、一人となり孤独になる事を恐れ、他人に認められ褒められる事を渇望している。
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 2015年12月31日・2016年1月7日新春特大号 「『ほめると子どもはダメになる』 榎本博明
 『ほめて育てる』は間違いだった!
 かってはこんな大学生はいなかった──。
 教鞭を執って33年になるが、驚くほかない言動に遭遇することが増えている。授業中に学生を起こすと、またすぐに寝る。そこで教壇を降りて注意しに行くと、『僕は夜中じゅうバイトしてて、ほとんど寝ていないんです。寝かせてください』。寝たいなら教室から出て寝なさいと言うと、『友だちと一緒にいたいんです』。
 さらには『授業料を払ってるから、ここにいる権利があります。他の先生は注意なんかしません』と食い下がる。こちらも譲歩するわけにはいかないので、何とか説得して出て行ってもらった。
 別の日、毎回40分以上も遅刻する学生に注意すると、『これでも頑張って起きて10時に家を出てきているんです。家が遠いんです』と悪びれずにアピールする。単位を落とした学生の親がやってきて、『ウチの子は頑張ったって言ってます。それなのになんで落とすんですか』と詰め寄る。
 こうした異変が起きているのは大学内だけではないようだ。心理学者として企業研修や教育講演に出向くと、公演後には深刻な相談が寄せられる。
 『病院ではミスが命にかかわります。ミスや間違いは厳しく注意しないといけないんですけど、そうすると若い子ほどすぐ辞めるんです。上からは「ほめて育てるように」と言われますが、それじゃ看護婦として一人前にならないし。どうしたらいいんでしょうか』(看護師)
 『うちはIT企業でも厳しくない方ですが、今年の新人は早くも研修中にパニック発作を起こしました。それ以降、誰も何も言えなくなっているんです。昨日、その新人が書類の書き方を間違えていたので、「こうやってね」と気を遣いながら伝えました。すると見事に翌日から欠勤で・・・上司から「お前が厳しいこと言ったんだろう』と責められるのが目に見えて、もう嫌です』(IT企業社員)
 『子どもが反抗的で困ってます。何でも認めるわけにいかないから、ちゃんとダメと言いたいんですけど、子育て雑誌には「何でも受け入れるように」ってメッセージばかり』(子育て中の主婦)
 こうした現象の元凶は『ほめて育てる』という思想なのではないか。『自己肯定感が高まる』と期待され、1990年代から〝輸入〟した教育法が、日本社会においては何らかの理由で様々な歪みを引き起こしているのではないか。そのような仮説をもって、国際比較データや最新の教育心理学的な調査・実験結果をひも解きながらまとめたのが『ほめると子どもはダメになる』だ。
 題名からお察しの通り、見えてきた事実は巷間言われていることと真逆だった。『ほめても自己肯定感は育たない』『欧米の親は優しい、は大誤解』『母性の暴走が弊害の基』・・・。『ほめる』思想が家庭、学校、職場と社会の隅々にまで浸透した事態は深刻だ。今すぐその弊害に気づくべきである。……(『波』1月号より転載)」
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 ドロシー・ロー・ノルト(アメリカ・家庭教育学者)「批判ばかりされた子どもは、非難する事を覚える
 ……
 可愛がられ抱きしめられた子どもは、世界中の愛情を感じる事を覚える」
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 神野直彦東京大学名誉教授)「教育には『盆栽型』と『栽培型』がある……
 前者は、子供は曲がりたくもないのに親の考えるほうへ曲げていく日本的な教育。後者はスウェーデン的で、その木が伸びたいように伸ばし、肥料をあげたり、虫がつかないようにする教育」
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 斉藤孝(明治大学教授)「叱らない子育て流行の背景には、社会全体が厳しさを嫌い、優しさとゆるやかさを好む傾向がある。委縮しない個性豊かな人間になってほしいという親の願望が根底にある。
 アドラー心理学等が援用される事があるが、教育学の定説とまでは言えず、効果は必ずしも実証されていない。ただ、現在の教育学では、親や教師が怒りの感情を爆発させ頭ごなしに叱ったり体罰を加えたりするよりは、道理を理解させる対話的指導が、支持されている。
 一方で、危惧の声も聞かれる。『ウチは叱らない子育てです』と言われてしまうと、周囲はその子の逸脱行動を注意しにくい。これはバランスのいい状態ではない。教師達の実感によれば、叱られていると感じた瞬間に心のシャッターを降ろしてしまう子供が増えてきている」
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 親や他人の上位者(教師や上司など)が示した手段に従い、自分で考える事なく迷う事なく没頭して行動し、褒められ、煽てられ、成功報酬として何らかの褒美を貰って喜びながら老後を迎えた優等生的人間は、堪え性のないキレやすい老人となる。




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