🚷29〉─3・C─どうにもならない年金制度…このままでは「日本はずるずると衰亡する」。~No.132 

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 2022年10月4日 YAHOO!JAPANニュース 幻冬舎ゴールドオンライン「どうにもならない年金制度…このままでは「日本はずるずると衰亡する」元官僚が警鐘を鳴らすワケ
 元通産省官僚・株式会社二十一世紀新社会システム研究所代表である、本田幸雄氏の著書『劇症型地球温暖化の危機 太陽光エネルギー革命で日本を再生する』より一部を抜粋・再編集し、「失われた30年」と人口問題・年金問題について見ていきます。
 日本の総人口は「坂を転げるように減っていく」?
 日本の少子化はどんどん進んでいます(今や、少子高齢化どころか、無子高齢化社会になろうとしています)。
 2100年の日本人口は、国立社会保障・人口問題研究所(社人研)の推計では、4959万人、国連の推計では8447万人となるといいます(いずれも出生・死亡中位推計)。
 2つの推計で随分大きな違いがありますが、国連の予測に関しては、人口が安定状態になる人口置換水準(日本では現在2.07。すべての女性が2.07人生むと人口は増えも減りもしなくなります)に、将来のある時点で戻るという目標を設定して推計しているといわれています(何もしなければ戻ることはありません。日本は何もしていませんから4959万人の方になるのではないでしょうか)。
 2100年で4959万人となると、現在の3分の1であり、明治時代の水準であります。明治から150年、いろいろなことがありましたが(第二次世界大戦などの問題もありましたが)、それなりに日本人が作ってきた社会システムが、これではすべて水泡に帰してしまいます。
 何としても、これをくい止める具体的な方策を打ち出さなければなりませんが、今の政治は何もやりません。今の政治と官僚の不作為にまかせていると、本当に、ずるずると限りなく日本は衰亡してしまいます。
 中央公論2013年12月号の増田寛也+人口減少問題研究会の『2040年、地方消滅「極点社会」が到来する』は衝撃的でした。地方が消滅する時代がやってくると増田氏は述べていました。
 人口減少の大波は、まず地方の小規模自治体を襲い、その後、地方全体に急速に広がり、最後は凄まじい勢いで都市部をも飲み込んでいく。このままいけば30年後には、人口の「再生産力」が急激に減少し、いずれ消滅が避けられないような地域が続出する恐れがあると言っていました。
 都市部も大変です。(以下、東洋経済2014年2月22日号から)日本の人口は、三つの段階を経て減少していくといいます。第一段階は2025年頃までで、後期高齢者が爆発的に増加します(それ以上に若年層が減少するため、全体としては人口減)。それを過ぎると高齢者の人口増加は一服しますが、若年層の減少はさらに進みます。
 第三段階は2050年以降です。この頃を境に、後期高齢者の数も減り始め、若年層の減少と相まって、総人口は坂を転げるように減っていくということです(すでに、日本は「少子高齢化」ではなく、「無子高齢化」の社会に入りつつあると言われています)。
 人口の減少でいよいよ深刻になる「年金問題
 これだけ急激に少子高齢化が進みますと、現役世代(生産年齢人口、15~64歳)に対し、それ以外の従属人口の増加が経済や財政にとっていよいよ重荷になってくることです。
 1995年から生産年齢人口は減り始めていましたが、90年代は十人以上の現役世代で一人のお年寄りを支えるおみこし型でした。2010年代は三人で一人を支える騎馬戦型になって、第一次安倍内閣のとき、年金問題が大問題となりました。
 2007年5月に国民年金など公的年金保険料の納付記録漏れが5000万件発覚し、国民の大きな怒りを買いました。
 そもそもは、1997年に公的年金加入者に「基礎年金番号」を割り当てて加入記録を一元管理しようと試みた際に、結婚して名前が変わったケースや単純な入力ミスなどで、記録から消えた年金が生まれたのです。
 安倍内閣も年金事務の当事者である社会保険庁の怠慢を批判しましたが、監督責任もあって七月の参院選における与党大敗の最大の原因となりました。
 当時の安倍首相は「年金問題は一年以内に一円まで解明してみせる」と大見得をきっていましたが、その後の総選挙で自民党は敗れ、民主党政権になりました。
 民主党政権のとき、東日本大震災福島第一原発事故が起き、原発処理の不手際などもあって民主党政権は短命に終わりました。その最後の党首討論安倍自民党党首(野党)は野田首相を責め(年金問題自民党政権時代の責任でしたが)、社会保障問題は挙国一致で取り組むとして解散しました。
 しかし、政権についた第二期安倍内閣は史上最長の九年(菅内閣を入れて)近くを担当し、年金問題は内政最大の問題でしたが、安倍首相は年金問題にはいっさい触れず、先送りしてしまいました。
 2025年頃には日本の人口構成は完全な肩車型になります。つまり、生産年齢人口一人台になり一人のお年寄りを支える肩車型に移行していきますので(逆に年少従属人口指数は減りますが)、きつくて三歩も歩けなくなり、その頃には官僚もさすがにどんな計算をしても年金制度の説明はつかなくなるでしょう。
 自民党政権は今でも「100年安泰の年金制度」と言っていますが、50年後、100年後には日本人口が半分や三分の一になる可能性があるのにどうして100年安泰でしょう。

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 本田 幸雄
 1942年、島根県生まれ。東京大学工学部機械工学科卒業。通産省入省、重工業局、資源エネルギー庁、工業技術院、(文部省出向)長岡技術科学大学教授、通産省機械情報産業局、中国通産局長。
 通産省退職後、医療福祉研究所、(財)愛知国際博覧会協会などを経て、現在、(株)二十一世紀新社会システム研究所代表。
 著書に『21世紀の社会システム』、『水田ハ地球ヲ救ウ』、『ベンチャービジネス成功への決定的条件』、『西暦2000年への選択』(監訳)、『地球白書』(監訳)、『21世紀地球システムの創造』(共著)など。」
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