🥓48〉─1─社会保険料とは貧しい若者が豊かな高齢者を養う仕組みである。~No.212 

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 最大の原因は、少子高齢化による人口激減にある。
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 2023年11月24日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「「貧しい若者」から「豊かな高齢者」へおカネを仕送り…日本を滅ぼす「社会保険料」のヤバすぎる負担
 生活が苦しい。国の経済が危ない。そんな議論のたびに税金が悪者と言われる。だが実は、こっちこそが本丸なのだ。誰も異論を挟めず、膨らみ続ける社会保障という重荷―もはや、手遅れなのか。
 まるで戦時経済
 埼玉県に住む中山浩之さん(37歳・仮名)は先日、74歳の父親と電話で口論になったという。
 「妻と相談して戸建てに住み替えようと考えたのですが、最近はとにかく不動産が高い。父に頭金をいくらか援助してくれないかと頼んだら、『うちだって懐が厳しいんだ。なんでお前はちゃんと貯金していないんだ』と怒り出してしまって……」
 大手メーカーに勤める中山さんは年収700万円と、決して薄給というわけではない。ただ、同じ年収700万円でも、手取り額が平成中期までは約600万円だったところ、令和のいまは約550万円と、50万円も減っている。これではなかなか貯金もはかどらないが、中山さんの父が、そのような現状を知るはずもない。
 なぜサラリーマンの手取りはこれほど減っているのか。「主犯」が、給料から天引きされる社会保険料だ。
 © 現代ビジネス
 中山さんの父が40代でバリバリ働いていた'90年代には、社会保険料率は20%足らずで、ボーナスもほぼまるまる懐に入っていた。ところが'00年に介護保険法が施行され、'04年には厚生年金保険の料率引き上げが始まった。いまや給与所得の約30%、つまり3分の1近くが強制的に召し上げられている。
 言うまでもなく、その使い道の大部分は医療、年金、そして介護―大半が高齢者向けの社会保障である。国の財政に詳しい、関東学院大学教授の島澤諭氏が言う。
 「いまの日本の財政は、まさに『戦時中』というべき状態です。太平洋戦争の開戦前夜、1940年には国の予算の50・3%が軍事費に使われていました。それが、いまでは歳出の3割+国債費の約6割+地方交付税交付金の3割、あわせて国家予算の50%以上が社会保障費に充てられている。私たちは国の存亡をかけて『社会保障と戦争している』と言っても過言ではありません」
 財務省が「Xデー」を警告
 折からの物価高騰と円安で、国民の不満は最高潮だ。各社の世論調査では、岸田政権に「物価対策」「経済対策」を求める人の割合がこれまでで最多となっている。
 そうした中、この11月7日に財務省が公表した一編の文書が、永田町、霞が関、そして医療界に激震をもたらした。
 【資料 社会保障
 そんな素っ気ないタイトルに似ず、その中身は強烈だ。
 〈医療介護の保険料率上昇を抑制する取組みを強化しないと(中略)保険制度が持続できない〉
 政府がこれまで口が裂けても言わなかった「このままでは、本当に社会保障制度そのものがつぶれてしまう」という危惧を、国家予算を取り仕切る「最強官庁」財務省が堂々と書いたのである。
 © 現代ビジネス
 加えて彼らは、政治家たちが失脚をおそれて決して口にしない「高齢者の負担増」についても、このような「改革案」をストレートに提言する。
 〈年齢ではなく能力に応じた負担〉〈金融資産を勘案した公平な負担〉〈後期高齢者の窓口負担の原則2割負担〉〈薬剤の自己負担の引上げ〉
 これまで長らく、日本人は「いつか、この手厚い医療や年金の制度も維持できなくなるかもしれない。でも、自分が死ぬまではなんとかもつだろう」と思ってきた。
 しかし、コロナ禍、戦争、それらがもたらした世界経済の混乱は、時計の針を進めてしまった。このままでは、まもなく「Xデー」が訪れる―財務省がそう考えていることを、この資料の存在は示しているのだ。
 お上はしばしば嘘をつく。財務省の文書は、失策から国民の目をそらすための目くらましではないかと指摘する向きもあるし、それは一面で事実かもしれない。ただ、日本の財政を虚心坦懐に見ると、社会保障費の負担が重すぎることは残念ながら否定しがたい。
 社会保険の負担は40年で4倍に
 周知のとおり、いま日本では年金に加えて、医療費・介護費の大半を、国民が薄く広く負担する「社会保険」でまかなっている。そして下図のように、その額は40年前の4倍を超え、なお膨らみ続けている。
 「貧しい若者」から「豊かな高齢者」へおカネを仕送り…日本を滅ぼす「社会保険料」のヤバすぎる負担
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 国民健康保険制度が制定されたのは岸信介内閣の'58年。それから25年後の'83年時点では、社会保障費は総額およそ32兆円、GDPの10分の1にすぎなかった。
 それが'91年に50兆円を超え、'10年に100兆円を突破。いまでは年間134兆円、実にGDPの4分の1が社会保障に費やされるほどになった。
 問題は、その担い手が「現役世代」(15~64歳)にあまりに集中していることだ。なぜそのようなしくみになっているのか。前出の島澤氏が言う。
 「戦後日本の社会保障制度の根っこには『お年寄りの負担を軽くしよう』という発想があります。
 いまのような年金・医療の制度が整備されたのは'61年の池田勇人内閣で、さらに'73年、70歳以上の医療費をタダにする法改正を田中角栄内閣が行いました。高度成長期には『若者が豊かになっているのに、戦争で苦労したお年寄りは経済発展から取り残されて貧しいままだ。若者がお年寄りの医療費や年金を負担すべきだ』という考えかたが常識だったわけです。
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 しかし、このような社会保障のしくみは、支えられる側の高齢者の数が少なく、かつ『豊かな若者がどんどん加入する』ことで初めて成立します。令和のいまでは、高度成長期に『豊かな若者』だった世代が高齢者となり、逆に若者は貧しくなって、人数も減っている。時代の変化に制度の改正が追いつかず、『貧しい若者から豊かな高齢者へ仕送りする』しくみになってしまっているのです」
 『週刊現代』〈この国を滅ぼす「社会保険料」の不都合な現実ーー病院に行きすぎの高齢者、「一律3割負担」ではダメなのか〉では、喫緊の課題となった社会保険料の負担増について、「一律3割負担」「終末期医療の見直し」など、さまざまな角度からの解決策の是非を検証している。
 「週刊現代」2023年11月25日号より
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