🥓25〉─1─2060年以降に貧困層の若者が餓死する危険性が増大する。急務は最低賃金の引き上げである。~No.117 @  

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 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。
   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 納税者の若者が激減し受給者の老人が増加すれば、財政赤字は返済不可能となる。
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 深刻な労働不足になる日本は、障害者はもちろん女性や65歳以上の高齢者だけではなく、自分の意思で働きたいと願う「がん患者」などの病人にも働いてもらう、形振りかまってはいられない時代に突入した。
 日本では、病人を働かせ自立させない事が、悪、人権無視、弱者差別とされる。
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 高校生のアルバイトは、昔は禁止されていたが、現代は許可されている。
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 日本民族日本人は、壊滅的な自然災害が多発する日本列島で、朝鮮半島や中国大陸に難民として災害から逃げ出す事なく踏みとどまって生きてきた。
 何故か?日本民族日本人だからである。
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 2018年6月号 Hanada「最低賃金1,300円で日本経済復活! D・アトキンソン
 2060年までの人口減少 出所;国立社会保障・人口問題研究所『日本の将来推計人口(平成24年1月推計)』(出生中位・死亡中位推計)
   年|0〜14歳 |15〜64歳 |65歳以上| 総計
2015|1,582万|7,681万|3,395万|1億2,659万
2020|1,456万|3,740万|3,612万|1億2,410万
2025|1,324万|7,084万|3,657万|1億2,065万
2030|1,203万|6,773万|3,684万|1億1,661万
2035|1,128万|6,343万|3,740万|1億1,212万
 
2040|1,073万|5,786万|3,867万|1億0,727万
2045|1,011万|5,353万|3,856万|1億0,221万
2050|  938万|5,001万|3,767万|  9,707万
2055|  861万|4,706万|3,625万|  9,193万
2060|  791万|4,418万|3,464万|  8,673万
増加率 | −50  | −42.5|  2   | −31.5 

 このままでは、若者は餓死
 3,264万──。
 この数字が何を意味するか、わかるでしょう。
 右の数字は、2060年までに減る日本の生産年齢人口(15歳〜65歳未満の国内で生産活動に就いている労働力の人口)の数です。現在の生産年齢人口が7,681万8,000人ですから、42.5%も減ることになります。これは世界経済第5位のイギリスの総労働人口、3,221万人に匹敵する数字ですから、世界経済5位の国の労働人口がそのままいなくなることを意味しています。
 日本は高齢者が増えて下の世代が減るという、どの国も経験したことがない大規模な人口減少時代に突入するのです。
 もし、いまの経済規模を維持できなければ、医療・介護・年金など社会保障の維持は困難になります。そう遠くない将来、みなさんの親世代、あるいはみなさん自身が後期高齢者となった時、病気になっても高額な医療費を払えない、年金も受け取ることができない、ということが起こりうるわけです。
 いま、日本人の年収の38%に相当する予算が、高齢者の社会保障に充(あ)てられています。このまま年金、医療費の額を変えずに、2020年までいったらどうなるのか。年収の64%課税しないと、社会保障は維持できません。これは、若い世代に餓死しろと言っているようなものです。
 1日17時間労働?
 現在の生産年齢人口の一人あたりGDPは697万円。もし、2060年も現在と同じ経済を維持しようと思えば、一人あたりGDPは1,211万円にしなければなりません。実に1.74倍です。
 働き方を変えないまま労働人口が減るわけですあら、一人が働く時間も長くなります。現在、日本人の平均労働時間は10時間ですから、単純計算で2060年には1日17.4時間労働しないと日本は立ち行かなくなる。かつて『24時間戦えますか』という栄養ドリンクのキャッチコピーがありましたが、このまま手を拱(こまぬ)いていれば、このキャッチコピーよろしく1日中働かなくてはならなくなる。
 と言っても、現実に毎日17.4時間働くのはほぼ不可能ですから、私は拙著『日本再生は、生産性向上しかない!』(小社刊)、『新・生産性立国論』(東洋経済新報社)などで生産性向上の必要性を訴えてきました。
 ひと昔前であれば、生産性向上を訴えても誰も見向きもしなかったのですが、訴え続けてきたことで、いまは国民の間に『生産性を向上しなくてはいけない』という共通認識が芽生えつつある。しかし、なかなか行動や結果に結びつかない。
 一刻も早く手を打たなければ取り返しがつかないことになるのですが、政府やエコノミスト、国民でさえも、この人口減少の規模と影響の認識が甘いように思えてなりません。
 政府も、働き方改革など対策を打っていますが──もちろん、やらないよりはいいのですが──人口減少の規模とスピードからして、問題の本質はどう働くかではなくて、もっと深いところにあります。
 先日、『TVタックル』に出演しました。テーマは『観光』。ほかの出演者は『観光戦略なんて必要ない』『中国人はマナーが悪いから来ないでほしい』と、否定的な意見が多かった。
 私が『人口が減る以上、外国人に観光に来てもらい、おカネを落としてもらう必要がある』と説明したら、ほかの出演者は納得してくれましたが、たけしさんだけは最後まで『ちょっとくらい貧乏になったっていいじゃないか』と主張を崩さなかった。
 私はこう言いました。
 『「貧乏」になるだけじゃ済まないんです。「餓死」するんですよ』
 多くの国民がたけしさんのように、人口が減っても、多少、経済規模が縮小する程度で済むと思っているかもしれませんが、先述したように、その影響は計り知れません。
 デフレを脱却できない理由
 アベノミクスは、有効求人倍率の改善、株価の上昇などうまくいっている面もありますが、思うようにデフレを脱却できない根本原因も、この労働人口減のことを踏まえていないことにありかす。
 経済学には、不文の大前提があります。
 『人口は増え続ける』
 つまり、経済学は『人口が増え続ける』ことを前提に考えられているのです。レーガノミクスが成功したのも、人口が増えている国だったからこそ、経済学の法則が通用したのです。
 日本は人口減少国ですから、この前提に当てはまりません。『正常』な経済状態の国が実施する政策をそのまま日本で実施しても、人口動向が違う以上、同じ効果が出るはずがない。
 その証拠に、日銀はデフレ脱却のためにインフレ率2%を掲げましたが、いまだに達成できていません。
 インフレ派の主張はこうです。
 『量的緩和をし、お札をどんどん刷って総需要を増やせば、インフレになる』
 これは経済学の教科書どおりの考え方で、それ自体は間違っていません。しかし、人口減少国においては通用しないのです。
 なぜか。実はインフレ派の主張にも、先ほどの大前提が略されています。経済学の常識のため、あえて書かないですが、正しくはこうなります。
 『量的緩和をし、お札をどんどん刷って、人口が増えていけば、総需要が増えて、インフレになる』
 インフレとは、限られた資源のなかで、人口が緩やかに増えることで総需要が増え、持続的に物価が上昇することです。東京都心に人口が集中すれば、土地面積は限られていますから、人口が増えるほど地価が上がるわけです。
 人口が増えていれば、量的緩和の効果が出ます。たとえば、ある国では不況などで空き家が増えているとします。人口がどんどん増えているから、空き家を購入する潜在能力はあるが、おカネの循環が悪い。そこに購入しやすくする対策を打てば需給のギャップを埋めることができ、インフレが起きます。地価はインフレの影響を受けて上昇するし、地価が上昇することで、さらにインフレが加速するわけです。
 数字を見ない日本人
 一方、いまの日本は人口が減って需要は減少しており、供給過多の状態なので、いくら空き家を購入しやすくする対策を打っても効果がありません。もうすでに家を持っている人が、二軒も三軒も空き家を買う必要はないからです。
 もっとわかりやすく言えば、お米を量的緩和してたくさんつくったとしても、胃袋の数そのものが減っているのですから、お米の消費量はそんなに増えないはずです。
 インフレ派の理屈も同じ。いくらお札を刷っても、総需要はそう簡単に増えませんから、インフレにはならないのです。インフレ派の人々は、量的緩和によってなぜ日本の空き家比率が低下するのか、そのメカニズムを説明する必要がある。
 もちろん、量的緩和はしないよりはしたほうがいいのですが、インフレになるとは思えないですし、なると期待する考え方には問題があると思います。 
 不良債権や観光戦略の議論でもよくあるのですが、日本人は観念的、感覚的な話をきちんと検証せずに信じてしまう傾向があります。
 生産性向上や生産年齢人口減の話をすると、こういう主張をする人が必ずいます。
 『減った分だけ移民を入れればよい』
 『定年をなくして高齢者を働かせれば、問題は解決する』
 こういった話は明快で俗耳(ぞくじ)に入りやすいですが、注意が必要です。きちんと数字を見て計算機を叩けば、それが無茶な話であることはわかります。ところがマスコミ人でさえ、やはり具体的な数字を見ず、観念的な話を信じてしまっているのです。
 先日、『生産性について話を伺いたい』と、あるマスコミの幹部と食事する機会がありました。はじめは穏やかに話していたのですが、だんだん激論になっていった。やはり、多くの人は人口減少の影響を正しく理解しておらず、観念的な話を鵜呑みにしていたのです。
 『人口が減るなら移民を入れればいいだろう。欧州もそうしているではないか』
 『人口減に対して、どのくらい移民を入れるつもりですか』
 『半分くらいじゃないか』
 『2060年で3,264万人減るので、その半分、約1,600万人を移民で賄うのですね。そうすると、日本は5人に1人が移民の国になりますが、それでいいと思っているんですね』
 『・・・それは困る』
 彼らは『極端な例を持ち出しているだけではないか』と言うのですが、私は計算機を叩けばそういうことになる、という話をしているに過ぎません。
 移民の問題は経営者の経営戦略次第です。私は移民政策に反対です。
 これまでの経営戦略は日本の豊富な内需をベースにして、高品質・低価格戦略を実施してきた。人口増加によってGDP総額は大きくなりましたが、低すぎる最低賃金が象徴するように、国民一人ひとりは豊かになっていません。企業は日本人労働力を安い賃金でこき使って、大きくなってきたわけです。はっきり言って、誰でもできる、才能も能力もいらない戦略です。
 経営者が移民に賛成する魂胆は、搾取してきた日本人労働者が減ってきているから、代わりに安くこき使える外国人を誘致してほしいということでしょう。
 誰でもできるコスト削減を中心とした〝楽な経営戦略〟を継続するために、東南アジア途上国から実質的な奴隷を大量に誘致することに、私は反対しているのです。
 働き方改革、生産性改革は究極、働き方の改革ではなく、経営者の改革なのです。
 『定年制度を廃止して高齢者にも働いてもらえばいい』という主張も同じです。
 たしかに、2060年の高齢者の予想人口は3,464万人ですから、『全員』働けば生産年齢人口減少分をカバーできますが、これは現役世代と同じようにバリバリ働くことができるというのが前提です。80歳、90歳が現役世代と同じように働くのはさすがに無理があるでしょう。
 それに、年齢が上になるほど、女性の比率が高くなります。高齢女性の場合、専業主婦をしていた割合が高いですから、なおのこと現役世代働くことが難しくなる。
 企業数はいまの半分でいい
 では、生産年齢人口減には具体的にどう対応すれば良いのか。私が考える対策は4つあります。 
 一つめは企業数の削減です。日本は人口増加、経済成長とともに企業数も増加、1975年から1995年の間に170万社も増えています。しかし、その増加した170万社の88%、約150万社は、給与水準の最も低い、社員が10似ん未満の企業です。
 一企業あたり平均社員数は、1964年の経営合理性が高い25人から、1986年には13人まで減少。人口が増えていたので、社員数減による経済合理性低下の問題が表面化しませんでしたが、人口増加が止まった途端にその悪影響が大きく出始めました。
 与党である自民党は戦後、一貫して、補助金をつけるなど無条件に中小企業を守る政策をとってきました。人口増加時代であれば、増える人口に対して雇用の受け皿が必要ですから、中小企業を守るのは正しい政策です。
 しかし、人口減少時代において企業数が多いことにメリットはありません。企業が多すぎると過当競争が起こり、低価格競争に繋がります。価格競争が起きると、必然的に人件費、つまり賃金が削られる。それがワーキングプアや子どもの貧困の増加に繋がっている。いまの『高品質・低価格』志向は人口が増加していればいいのですが、人口が減少している時代では自殺行為です。
 私の計算では、2060年の人口を考えれば、現在の352万社の半分程度で十分です。単純に考えれば、人が減るわけですからハウスメーカーや自動車メーカー、美容室など、いまほど数は必要なくなるでしょう。
 誤解してほしくないのは、私は何も企業に倒産しろと言っているわけではありません。いま求められているのは企業統合、M&Aの促進です。2つの会社が1つになれば、社長、事務や経理が1つで済みます。これまで付加価値の低い仕事をしていた人は、個人の能力をフルに発揮できる仕事に就けるわけです。
 低すぎる日本の最低賃金
 現在、幸いにも、後継者のいない会社の数は、先述した減らすべき企業数にほぼ相当する数あります。現在、経産省が実行しようとしている後継者を探して企業の延命させる政策はデフレ促進政策であり、直ちにやめてもらって、後継者ではなくて統合する相手を探すべきです。
 ただ現在、M&Aの仲介手数料は損金に算入できない、つまり経費として計上できませんから、損金扱いできる政策や、繰延税資産(会社または個人事業主が支出する経費で、その支出効果が1年以上に及ぶもの)の活用など、もっと企業の統合を促進する政策を政府は打ち出すべきです。
 二つめは、企業数の問題と絡(から)みますが、輸出の増加です。日本の輸出比率は世界118位で、車以外、経済規模の割にはほとんんど輸出していません。人口が減れば、素晴らしい技術をもった会社でも内需だけでは食っていくことはできなくなりますから、どんどん輸出していかなくてはいけない。
 しかし、10人未満の中小企業がそんなにガンガン輸出できるかといったら、できません。ですから、企業統合するなどして、輸出をできるような体制にもっていく必要がある。また、これまで自民党は無条件に中小企業を守ってきましたが、国内にも海外にも需要のないものをつくっている企業に関しては助け舟を出さないなど、これまでのやり方を変えなくてはいけません。
 三つめが──これがもっとも重要なのですが──日本の個人所得の極端な低さを象徴する最低賃金の段階的で大幅な引き上げです。最低賃金と生産性は密接に繋がっており、諸外国のデータを分析すると、なんと84.2%という強い相関関係があります。つまり、最低賃金を上げれば生産性が向上するのです。この因果関係は海外で証明されています。
 現在、日本の最低賃金は加重平均が848円ですが、その低さは先進国のなかでも最低水準。私がここで言いたいのは、ただ金額が『安い』と言っているのではありません。労働者の『質』に対して『安すぎる』と言っているのです。
 アメリカ並みに格差が
 ワールドエコノミックフォーラムが調査した各国の人材評価では、日本の人材の質は世界で4位、韓国は32位でした。にもかかわず、購買力平均調整済みの最低賃金(物価などの違いを考慮したうえで算出した最低賃金)は、韓国=824円、日本=728円で、韓国よりも低い。日本と同じように、社会保障が充実している欧州とは比較にならないほど低いのです。
 日本人は勤勉だとか優秀だと言う割に、人材の質32位の韓国よりも最低賃金が低いのは、いったいどういうことでしょうか。
 こう言うと、『消費者第一で、自分の賃金を犠牲にしてまで高品質低価格のものを作ろうとするのは日本人の美徳だ』と反論する人がいますが、いくら綺麗事を並べようとも、いまの最低賃金で働かせることは、優秀な人材を奴隷のようにコキ使っているのと同じです。
 先進国の最低賃金の正しい設定値は数式化されていませんが、基準がありません。『最低賃金=国民一人あたりのGDPの約50%』です。
 日本と同じように福祉制度を導入しているイギリスやフランスなどを見ると、最低賃金はだいたい1,200〜1,300円。日本の一人あたりのGDPで計算すれば、約1,200円が目標値になりかす。
 しかし現在の最低賃金だと、日本の最低賃金は一人あたりGDPの28%しかありません。これはほとんど社会福祉がないアメリカと同じレベルです。
 格差社会はあくまでも上と下のギャップですから、一人あたりのGDPと最低賃金の差が開けば開くほど格差社会になります。欧州は下限が50%なのに日本は28%ですから、欧州に比べて日本の貧富の差が広がっている。その証拠に、日本のワーキングプア比率は世界的に見ても高く、米国に次ぐ6位です。
 アメリカは社会福祉のない国ですから、賃金が低くても問題が生じないですが、日本はそうはいきません。賃金が低ければ税金を払うことができない、つまり社会保障制度に貢献できないのです。
 欧州での成功例
 最低賃金を上げようとすると、必ず経済界、保守政党から反対にあいます。
 『最低賃金を上げたら倒産する会社が増え、失業者が続出する!日本経済を破壊する気か!』
 この批判については、もう答えが出ています。欧州で最低賃金引き上げしたあと、どうなったか。予想を覆(くつがえ)し、失業者は増えなかったどころか経済がよくなったのです。欧州では、学者の予想が外れると、その学者になぜ予想がはずれたのか検証させるので、経済が良くなったかについても分析されています。
 これまで、日本の加重平均の最低賃金で働いている人は、年間2,000時間働いても年収約170万円しかもらっていなかった人が、急に10万円多くもらったらどうするか。すぐ使ってしまいます。つまり、最低賃金で働いていた人たちが引き上げられた分の給与を消費に回し、経済が活性化されるのです。
 最低賃金引き上げるメリットはそれだけではありません。
 先述したように、過当競争が起こると企業は低価格競争に走り、その結果、賃金が犠牲になります。企業としては、どこまで価格を下げられるかというと、最低賃金までしか下げることはできません。
 つまり、不当な価格競争を防ぐことによって、デフレに最低賃金を設けることができるわけです。また、その最低賃金を下回るような生産性の会社を認めないという、ある種の生産性目標を掲げることになり、企業統合も促進されます。
 最低賃金引き上げで失業者が増えると主張していた経済学者に──負け惜しみかもしれませんが──こんなことを分析している人もいます。
 『短期的には失業者は増えないかもしれないが、中長期的に見れば、経営者は段階的に上がる最低賃金を見越して、労働をAI、ロボットに代替するから、結果的に失業者が増える』
 もしこの分析が正しければ、最低賃金引き上げは日本にとってはなおのこといい。日本は人口減少で人手不足に陥(おちい)りますから、AI、ロボットによる労働のイノベーションは歓迎すべきことです。人間が働く場の減少を恐れる必要がない唯一の先進国となります。
 廃棄すべき150万円の壁
 最低賃金の引き上げは急務ですが、政府高官でもその重要性を理解していない人が多い。そもそも、現状のワーキングプアや格差の問題を甘く見ている。
 最近、生産性に関する委員会がありました。私も参加し、最低賃金を引き上げるべきだと主張。すると、ある高官がこう言い放ったのです。
 『アトキンソンさんは最低賃金を引き上げるべきだと言うが、いまの若者はハングリー精神がない。私はむしろ下げるべきだと思う』
 ワーキングプア、貧富の格差の現状をきちんと理解していたら、こんなことは言えるはずがありません。この発言には、さすがにカチンときました。
 『あなたが年収でいくらもらっているか知りませんが、ワーキングプアの若者は年収170万円で生活しています。引き下げたほうがいいというのなら、年収170万円で一度、生活してみてください。できるのであれば、あなたの主張を認めましょう』
 その高官は、黙って何も言いませんでした。
 4つめは、女性のふる活用です。日本人女性の場合、社会参加が進むほど労働者の生産性が低下するおううデータがあります。之は、日本人女性の能力が低いわけではなく、女性の収入が海外ほど高くないからです。要因はいろいろありますが、企業が女性に重要な仕事を任せないことが大きい。
 最近、成田空港で、コンベアで運ばれてくる荷物を女性スタッフが一つずつ丁寧に拭(ふ)く動画が世界で話題になりました。その心遣いは素晴らしいと思いますが、きちんとした教育を受け、おそらく大学も出ているであろう優秀な人材にお客さんの荷物を拭かせる仕事をさせていいのだろうか、社会保障制度を考えれば、もっと付加価値の高い仕事をしてもらうべきではないのか、と思わざるをえません。
 また、既婚女性には年収150万円を超えると扶養から外されてしまう『150万円の壁』があります。政府は、奥さんが働くと経済的に損するこのような制度を廃止して、女性のフル活用の意志をこれまで以上に強く国民に訴えていかなければなりません。やはり、社会保障制度を考えると、子供が減り、人口が減少に転じるのであれば、女性の社会保障負担を女性本人が自立して負担する制度に切り替えるしか方法がない。
 企業の削減も、女性活躍に決して無関係ではありません。企業の規模が大きくなればなるほど、在宅ワークなど様々な働き方が可能になり、産休などにも対応しやすくなりますが、零細企業の場合、そういう働き方は現実的ではないです。
 変化を恐れてはいけない
 以上、4つの解決策は『生産性向上』という目的のために、逆算して何をしていけばいいかを分析した結果です。
 経済は複雑な歯車で動く機械に似ています。4つの対策とも『生産性向上』を動かすためのいわば歯車。『生産性向上には賛成だが、企業数を半分に減らすなんて論外だ』などと言って歯車を一枚止めてしまえば、歯車はすべて連動していますから、『生産性向上』まで力が伝わりません。逆に言えば、まず一枚を強引に動かしさえすれば、連動してさまざまなことが動き始める。
 最初にやるべきは、簡単かつ効果的な最低賃金の引き上げです。根拠のない『最低賃金1,000円を目指す』という感覚的な設定の仕方をやめて、計算上の基準値である2020年、1,300円を目指すべきです。
 経済は良くなる、ワーキングプアは減る、企業統合も促進できるし、デメリットはほとんどない。うまくいけば、結婚する人が増えて、子供の数が増えることまでも期待できます。
 中小企業を守ってきた自民党ですから、経団連や業界団体などから反発を受けるでしょうが、文句を言うのは全国352万人の社長だえです。実際に働いている7,681万8,000人は反対しないと思います。東洋経済オンラインで私は連載をしており、なにか書くたびに多くの批判を寄せられるのですが、最近、『最低賃金を引き上げるべきだ』と書いたら、珍しく反論がほとんどありませんでした。
 ポピュリズムではないかとの批判もあるかもしれませんが、『国としてあなたの生活水準を守ります』というのは、保守政党である自民党の本来の姿勢ではないでしょうか。政治家には、352万人の社長ではなく、7,681万8,000人の労働者に目を向けていただきたい。
 日本人は感情論に終始して、抜本的な拒否することが多々あります。変化を恐れる気持ちもわかりますが、いま日本はそんな悠長なことを言っていられる状況では、もうないのです」
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 戦後復興(約7,000万人)から高度経済成長を経てバブル経済(約1億2,000万人)まで、日本は人口爆発による若々しい時代であった。
 日本が、世界第二位の経済大国成長できたのは人口爆発による国内消費(内需)の増加のおかげあった。
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 内需が国内消費である以上、人口の激減は内需の縮小を意味する。
 消費量は、人口数で決まる。
 つまり、国力とは人口である。
 人口を維持する方法は2つしかない。
 出産による自然的増加と移民による人工的増加である。
 日本が先駆けとなって人口激減の解決法を見付けるとは、子供的・幼児的発想でくだらない言い草である。
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 過去の人口8,000万人と未来の人口8,000万人とは意味が違う。
 過去の人口8,000万人は、少死社会として人生50年時代で、人口爆発期で若者が多く老人が少く、命が輝いていた。
 未来の人口8,000万人は、多死社会として人生100年時代で、人口激減期で老人が多く若者が少なく、至る所に死が存在する。
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 人口爆発期の貧乏・貧困は、将来への夢や希望を持って頑張れば救いがある。
 人口激減期の貧乏・貧困は、将来への夢や希望もなく幾ら頑張っても救いはない。
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 現代の若者達が、昔の若者のように貪欲に浪費して物溢れる生活をせず、無欲になって断捨離を好み、必要以上の物を買わないのは、大人になったのでもなければ、人間的に成熟したからではない。
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 戦後復興から高度経済成長・バブル経済人口爆発であった。
 TVやエアコンなどの家電は、地域に一台から一軒に一台となり、部屋に一台から個人に一台と購入され、メイド・イン・ジャパンが生まれた。
 メイド・イン・ジャパンが売れたのは、国際市場ではなく国内市場であった。
 世界で売れるメイド・イン・ジャパンは、悪い夢であり、幻想であった。
 メイド・イン・ジャパンの実態は、外国輸出品ではなく、国内消費品であった。
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 利益1割と言うのなら、100円の商品を売って10円稼ぐのも、1億の製品を売って1,000万円稼ぐのも同じ1割の収入である。
 軍需産業反対・民需産業のみというのなら、1億円以上の高額な製品を造れる軍事技術を諦め、約1,000円程度の低額なメイド・イン・ジャパン製品を毎年10万個売り続ければいい。
 軍需産業を持っている国は、1億円以上する高額な製品を毎年、世界中に売って巨万の富を得ている。
 軍事技術で生まれた製品は、世界中で、そして日本でも売られている。
 日本人は、軍事技術のおかげで豊かな生活を送っている。
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 歴史嫌い時代劇好きの現代日本人にとって、歴史的事実を説明しても、豚に真珠、猫に小判あるいは馬の耳に念仏、犬に論語、牛に経文、兎に祭文である。
 天皇・皇室を崇敬せず日本に愛着を持たない反天皇反日的日本人などにとって、無用の長物、もったいない限りであり、彼らが天皇家・皇室と生きてきた日本の歴史を語る事ほど身の毛がよだつほどのおぞましいものはない。
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 日本民族日本人は、男性よりも女性の方が優秀である。
 その証拠が、日本の最高神は女性神であるからである。
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 世の為人の為、社会に貢献する、などと真顔で言いながら何ら行動も実践もしない大人を疑ってかかるべき時代に突入している。
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 自然災害被害に対して、2011年3月11日の東日本大震災以降は想定外・予想外の被害は許されなくなった。
 その後に起きている原発再稼働裁判に於いて、数万年前に起きていた壊滅的大災害をも考慮される事が、判決で言い渡されている。
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 日本が直面している少子高齢化による人口激減は、人類史上初めての、歴史的大事件である。
 少子高齢化による人口激減で最も深刻なのは、家族を養いながら働き税金を納める将来志向の強い意欲的な若者が減少し、働かず国からの年金や医療・介護・福祉などの社会保障費を無条件で受給する明日がなく意欲を失った老人が増える事である。
 若者の激減で生じる、労働者不足はAIやロボットで補えるが、消費者減少は打つ手がない。
 誤訳の少ない優秀な翻訳機器が普及すれば、苦手な外国語を無理して、苦労して覚える必要がなくなる。
 国は、増える老人の面倒を見る為に減る若者に対して大増税を課すしかない。
 減っていく若者は、家族を養い、老人の面倒をみ、国を支えなければならない。
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 若者が生きる道は、他人に負けない特殊な技能・技術を身に付けて生産能力「稼ぐ力」を上げる事である。
 日本が生き残る道は、世界ナンバーワンではなく、世界オンリーワンである。
 世界ナンバーワンを目指しても、どう頑張ってもアメリカはもとより中国にはかなわない。
 言うのは簡単だが、誰もその方法・手段がわからないのだから苦労する。
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 戦後日本の教育、特にバブル経済前後以降の教育は大半は失敗で、子供から学力を奪ってきた。
 その学力を低下させる教育を受けた子供が、2010年以降に高学歴出身知的エリートとなって政治家・官僚・学者・企業家・経営者・メディア関係者となって社会を動かし始めている。
 日本でイノベーションがかけ声だけで成功しないのは当然である。
 日本の凋落は当たり前の結果である。
   ・   ・   ・   
 戦後教育そのものが、マルクス主義価値観で、子供を金太郎飴的に個性を殺し、独自の思考や行動を無効にして指導者・上司の命令・指示に従う従順な労働者を作る事であった。
 その成果が、共産主義革命を目指した60年安保や70年安保を闘った団塊の世代である。
 マルクス主義価値観による戦後教育は失敗し、そのおぞましい宿痾が日本を未だに蝕み、毒を垂れ流し続けている。
   ・   ・   ・   
 使いかっての好い労働者を量産する戦後教育を望んだのは、日本経済界であった。
 日本経済界が理想とした人材とは、社畜のように命令・指示に従い自分で考えない滅私奉公するおとなしい労働者であった。
 人口爆発は、そうした戦後教育を可能にした。
 能力・実力に関係のない終身雇用・年功序列・毎年昇給とい日本式社会構造が生まれた。
   ・   ・   ・   
 国内産業の衰退に伴い就職口がない事を想定するなら、次世代は海外に出稼ぎに出る事になり、その為には少なくとも英語会話力を身に付ける必要がある。
 その意味でも、日本国語力を犠牲にしても子供の英語教育は徹底する必要がある。
・・・
 過去の海外移住時代は、人口爆発しても産業発展が進まず、働きたくても就職口がなく、生活できなくてやむなくハワイや南北アメリカ大陸に移住していった。
 満州への開拓移民もその延長線で起き、そして戦争となった。
 未来の海外移住は、人口激減で経済が衰退し、仕事をAIやロボットに取られ、やむなく中国や東南アジアなど経済発展を遂げる国や地域にたいして起きる。
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 最悪なのは、日本を取り巻く近隣諸国は中国共産党政府やロシアなどのような反日派である。
 中国共産党系中国軍系中国資本は、日本の土地や企業を買い漁っている。
 合理的考えの日本人は、人がいなくなった土地を有効活用して雇用を増やす為、経営悪化で倒産させて失業者を出さない為に、中国資本が買えるように便宜を図っている。
 さらに、減少する日本人労働者を補い為に中国人約1,000万人を移民として受け入れようとしている。
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 御上に弱い現代日本人は、支配者が、指導者が、経営者が日本人でなく中国人に替わっても受け入れ、反発せず、不満を抱かず、「ご無理ごもっとも」として従順に唯々諾々と従う。
 自分で考え、自分で行動するのが苦手な現代日本人は、誰か頭の良い優れた人物・知的エリートに従ってお気楽に働きたいと願っている。
 戦後教育は、戦前とは違って、指示待ち人間を量産しただけである。
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 戦前の愛国主義教育は、戦争の勝利の為に、戦場で一人になっても、自分で考え、自分で行動し、命のある限り戦い続ける事を厳しく教えていた。
 組織・軍隊は集団であるが、現場・戦場は一人・個人である、と言う事である。
 一人・個人の不注意・不用意が組織・軍隊の集団を死滅・滅亡させる危険性がある、と言う事である。
 日本の自然環境には、カリスマ的指導者の下での「大いなる凡庸」は通用しなかった。
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 日本は、食糧・物資・エネルギーをアメリカの影響下の国や地域で購入し、金融・情報・サービスをアメリカに依存し、交通・運輸・輸送をアメリカ軍の保護下で行っている。
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 1億人の人口を維持する為に、外国人1,000万人移民(主に中国人貧民)を主張する日本人が多数存在する。
 現代の日本人若者は、草食化し、性欲が萎え、生殖本能が衰退し、繁殖能力が低い。
 日本に移住してくる若い外国人移民は、、肉食で、性欲が強く、生殖本能が旺盛で、繁殖能力が高い。
 生存競争に於いて、日本の若者は若い外国人移民に劣っている。
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 1億人という国の総人口を維持したければ、外国人移民を積極的に受け入れればいい。
 その際、日本人を、日本民族日本人ではなく日本国籍所有者に代える必要がある。
 つまり、現在生存している日本民族日本人の消滅を受け入れると言う事である。
 日本民族日本人の人口を増やすには、戦前の軍国日本が行った「産めよ殖やせよ」政策を行うしかない。
 もし、現在の日本民族日本人が消滅すれば、現在の民族所縁の伝統・文化・宗教・言語・習慣・食生活その他全てが同時に消える。
 その好例が、移住者が多数派となったハワイやネイティブ・アメリカン(インディアン)などである。
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 日本民族が長年かけて作り上げた道徳・礼儀・マナーは、外国人移民を受け入れる事で希薄となり、そして消滅し、外国人移民の道徳・礼儀・マナーが新たな日本の道徳・礼儀・マナーとなる。
 もし、中国人移民が増えれば、中国人の道徳・礼儀・マナーが日本の道徳・礼儀・マナーとなる。
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 ヨーロッパには、古代に住んでいた原ヨーロッパ人は新たに移住して来た新ヨーロッパ人によって駆逐され、キリスト教会は原ヨーロッパ人が生活していた痕跡を忌まわしき異教徒の名残として破壊した。
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 天皇制度廃絶を悲願とする反天皇反日的日本人は、日本民族日本人の消滅を願て、民族再生の「産めよ殖やせよ」政策に猛反対している。
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 日本民族日本人は、日本国を残す為に、外国人移民に日本国籍を与えて新たな日本国民として日本を譲るしかない。
 つまり、民族国家を真の国民国家に大改編する事である。
 明治維新で目指した国家像は、日本民族日本人中心の民族国家であった。
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 日本民族日本人は、混血の雑種民族であり、日本列島で民族特有の伝統・文化・宗教・言語・習慣・食生活などを共にしている。
 人類史・世界史・大陸史からして、日本列島の住人が日本民族以外に変わっても何ら不都合はない。
 日本列島の住人が、日本民族日本人であらねばならない必然はどこにもない。
 人が住める土地に、人種や民族に関係なく、人が住むだけである。
 人類史・世界史・大陸史は、人の移動の歴史である。
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 西洋のイギリス・フランス・ドイツなど諸外国の関係と東洋の日本・中国・朝鮮の関係が根本から異なる以上、西洋の例を東洋に持ち込んでも無意味どころか有害なだけである。
 西洋は、西欧的キリスト教価値観で同一性が強く、イギリス人がドイツやフランスなどに住もうがその逆であろうが違和感はない。
 東洋、時に日本と中国・朝鮮には同一性がない為に、日本人が中国や朝鮮に住むと落ち着かず、その逆でもやはり落ち着かない。
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 今現在の科学的なデータは正しいが、過去と未来を表すデータは人によって意図的恣意的に改竄される。
 公表されたデータは嘘をつく。
 政府(官僚)・国会(政治家)の森友問題・加計問題・日報問題や企業の粉飾決済・虚偽報告・データ改竄など改竄や隠蔽が横行する日本では、信用や信頼が揺らぎ、何が正しいのかわからなくなっている。


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国宝消滅

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21世紀の不平等

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