¥13〉─3・D─人口激減ニッポンが大復活を遂げるには「労働生産性を向上させる」しかない。~No.51 

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   ・   ・   {東山道美濃国・百姓の次男・栗山正博}・  
 2023年5月6日 YAHOO!JAPANニュース 現代ビジネス「人口激減ニッポンが大復活を遂げるには「労働生産性を向上させる」しかない
 国立社会保障・人口問題研究所が最新の将来推計人口を発表し、大きな話題になっている。50年後の2070年には総人口が約8700万人、100年後の2120年には5000万人を割るという。 
 【写真】驚愕…日本人こそが「日本のこと」を知らないという衝撃事実
 ただ、多くの人が「人口減少日本で何が起こるのか」を本当の意味では理解していない。そして、どう変わればいいのか、明確な答えを持っていない。
 ベストセラー『未来の年表 業界大変化 瀬戸際の日本で起きること』は、製造・金融・自動車・物流・医療などの各業界で起きることを可視化し、人口減少を克服するための方策を明確に示した1冊だ。
 山積する「ブルシット・ジョブ」を減らす
 「戦略的に縮む」という成長モデルを成功させるためには、従業員1人あたりの労働生産性の向上も必要となる。これは製品・サービスの高付加価値化と並ぶ、「戦略的に縮む」ためのもう一つの大きな柱である。
 何度も繰り返しているように少子化で勤労世代は減っていく。コロナ禍で出生数の急落が明確になったこともあり、その減り方は政府の当初の予測を上回ることになりそうである。
 2020年の20~64歳人口は6882万9000人だったが、コロナ禍の出生数減を織り込んで社人研の低位推計を確認すると、2040年は5511万3000人だ。単純に平均すれば毎年70万人少なくなっていく。2050年は4715万2000人なので、減少ペースはさらに加速する。
 1日に1人が働くことのできる時間は8時間+アルファだ。勤労世代の減少を日本全体で考えると、各人が働く時間の総和が縮小するということである。これを補うとすれば一人一人が働いている時間の使い方を濃密にして、利益を生み出すために効果的に使うしかない。
 文化人類学者のデヴィッド・グレーバー氏が提唱した「ブルシット・ジョブ」(クソどうでもいい仕事)という言葉があるが、日本企業には慣例的に続いているそうした仕事や事務手続きが山のように存在する。
 まずは、こうしたことに貴重な時間をとられないようにすることだ。コロナ禍でテレワークはかなり定着したが、通勤や出張も実に非効率な時間の使い方である。職種によってはテレワークに向かない仕事もあるが、通勤や出張は人口減少社会では極力減らすことだ。
 1万人程度の大企業ならば無駄な会議を省くだけで、年間十数億円の人件費が浮くのに匹敵するとの試算もある。
 コスト面もだが、人口減少社会では人手が足りないのだから、「ブルシット・ジョブ」に人を割いている余裕がない。長時間に及ぶ会議や全員集まっての朝礼といった労働習慣も真っ先にやめたほうがいい。
 DXで縦割り組織を刷新
 写真:現代ビジネス
 人口減少に悩む日本を慮って技術革新が図られたわけではないが、ちょうどタイミングよくDXが日本社会にも普及、定着し始めた。これは1人あたりの労働生産性を向上させる大きなチャンスとなり得る。
 DXは企業の「縦組織」を崩壊させるにももってこいだからだ。デジタル技術を活用すれば、経営者は自分の考えや組織の方針をベテランから新入社員に至るまでリアルタイムに伝達できる。
 もはや、指示を伝達するためだけの中間管理職は要らなくなるし、会議や打ち合わせを長々とする必要もなくなる。これまでは1日に何回もの会議に出席し、それだけで仕事をした気になっていた人も少なくなかっただろうが、会議へ参加することが組織に利益をもたらすわけではない。
 DXは本来、データを活用した新たな価値の創造を期待されているが、「戦略的に縮む」ことを求められている日本企業としては、これを組織のスリム化の道具として使わない手はない。
 河合 雅司(作家・ジャーナリスト)
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